イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ぼくらの 10

鬼頭莫宏小学館。趣味の悪いロボット漫画の十巻目。今回、ロボット出てきませんでしたけどね。死人の墓参りみたいな、後味の宜しくない父母参りを延々やって、戦うべき相手以外にパイロットがぶっ殺されて一巻終了です。こういう巻数の使い方が出来る、というのはやはり、十巻良くも悪くも積み重ねてきたものの結果なのかもしれません。
死人の墓参り、といいましたが、今回ウシロとマチが訪ねた死人の父母はそれぞれヴァライエティ豊かに生きています。死人紛いに生きているということも含めて、今まで死んだ連中をそれぞれの形で引きずって、画面の外側でうろうろしてた。それをわざわざカメラに今回捉え、カタカナのあだ名ではなく漢字の名前で違和感を強調しつつ描いてきたのは、この不健全な漫画らしい展開で、僕はとても好きです。
死人の後先を描いていればそれで健全か、といえばもちろんそんなことはなく、この漫画はどこをどう切っても不健全で不穏当な漫画なのだと思います。その上で、バタバタと名前のある人も名前のない人も死ぬこの漫画が、死人の後先をこれから死人になる人の足取りで拾った、というのが個人的には面白い。また一人死んで、あと二回。どう終わるにしても、たぶん暗い話で終わるこの漫画も、あと少しですね。