イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

KING GOLF 11

佐々木健&谷将貴、小学館。サンデーで連載しているゴルフ漫画、十一巻目。絶不調だった主人公蒼輔が、細い糸のような「イメージ」を頼りにスコアと調子を戻し、ようやく自分との戦いからゴルフに戻ってきたところ。その後一気にライバル二人を食い潰す展開になる。ここらへんのテンポの良さは、見てて心地よい。冬の時代が長かったからね。
とはいうものの、「マインドゲームとしてのゴルフ」という側面に重点を置いて進んでいる新人戦全国大会は、なかなかに新鮮な緊張感に満ちていて、読んでいて楽しい。なかなか取り上げるのが難しいテーマなのだが、緩急の付け方と勝負の中での見せ方が巧くて、なかなかに漫画巧者なところを披露してくれている。この漫画正統派スポ根なので、主人公が苦しむ「タメ」シーンの見せ方が重要なのだ。
新人戦だけではなく、ライバルの有難さに気付いたり、戸川の背中を押したり、蒼輔のスポーツマンシップの成長もまた、見て取れる。ここら辺はこの間だけではなく、十一巻続けてきた連載漫画としての気持ちよさ。戸川の「打てたっ……」のシーンもそう。あんなヤなヤツだったのに、真摯な可愛げの様なものを漂わせている戸川はずるい。どっしりとした安心感が出てきて、スポーツマンガとしての根っこが太く育ってきたなと感じました。