イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ぱにぽに 16

氷川へきるスクウェアエニックス。日本一の台無し系漫画家、へっきー先生の代表作十六巻目。流れに乗りつつ文脈を外す「スカシ」の芸においてギャグ漫画界唯一の存在であるへっきー先生。その最高傑作が前巻で繰り出された「シリアスっぽい設定流しつつ、次のページで全部へし折る」というネタだったんですが、拾って一巻丸丸長編にしやがった。
最大級の台無しを、返す刀で拾ってもう一度使うあたり冗談抜きで常人をはるかに超えたセンスだと思うわけですが、展開としてはごくごくフツーにぱにぽに、落ちも基本的に台無し、いつもどおりで安心。ぞろぞろ新キャラ出てくるけど、見せ場っぽいところは基本省略。流石だ。でもサレスタちゃんは目立ってたし可愛かった。今後も出てきてほしい。
巨大ショッピングモールを舞台にした、グランドホテル形式で進む今巻。ぱにぽにのみならずへっきーワールドの住人総出演であり、桃組にまろまゆベホイミちゃんにと、色々豪華です。十年続けてきた成果というべきか、アホみたいに多いキャラたちが織り成す、特盛り感覚溢れる雑多な展開は、非常に面白い。ゴッタ煮感覚というか、たくさんのジャンルを盛り込んでワン・パッケージにしている感じは、とてもぱにぽにだ。
ベッキーは相変わらず可愛くて、色々あった結果ごくごく普通にいい先生でもあり、漫画の主柱として十分以上の仕事をしている。ちまちま振っていた暗躍の伏線を使い切ったとはいえ、そこが重要な漫画でもないんで、今後も適度に空気をかき混ぜつつ、桃月時空を続けていってほしいと思わせる十年目でした。