イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

グラゼニ 2

森高夕次&アダチケイジ、講談社。グラウンドに埋まってる銭を主軸に突っ走るネオ・ロマンチシズム野球漫画の二巻目。今巻から週一にペースアップ。面白い漫画が正当な位置に上がるのは、健康でよろしいことだと思います。相変わらずのクオリティで、ネタ切れの気配もなくバラエティ豊かで面白い話が連発。なかなか凄いことですよこれは。だいたい息切れするか、雑になるかなんですが、そういうことがない。
グラゼニという露悪的なタイトルの裏で、この漫画は非常にロマンチシズム満載でセンチメンタルな漫画です。今巻も、外国人投手の悲哀(そして友情)あり、プロ野球という競技の「篩」のキツさ、目の細かさあり、漫画家をフューチャーした変化球あり、いろんな形態で「イイハナシ」を詰め込んでくる展開。各々角度が違くて、全部深いところまで入ってくる贅沢な展開は、漫画の豊かさそのもので非常に満足。
同時に銭っていう泥臭いものを軸に据えたことで、良い塩梅に「トホホ」と息が抜けるのは絶妙のバランスだと思う。いい話ばっかりだと鼻に付くし、息が詰まる所を主人公凡打の絶妙な凡人(そして超人)具合で、適切に泥塗って、イラッとしない程度に汚しているのはさすがのバランス感覚だと思う。これを維持したまま、細く長く続いて欲しいものです。ワリとトーナメント勝負論的な熱は、この漫画には要らない派ですよ僕は。