イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/09/7

・ 残響のテロル
リサが自分の仕事を果たし、見事に囚われてツエルブが雨の中全力ダッシュする回だった。
空から落ちてきた女の子を抱きとめておいて、死亡フラグから逃げようとするのもちげーよな12!!
まぁスピンクスの青春担当なので、キミはそれで良い。
ナインをフッた所とか、オッサンの乙女回路ギュンギュン来たわーマジ。

まぁナインには専属ヒロイン柴崎さんがいるんでOKですけども、おじさん圧力かけられてた。
手帳を没収されてても特に問題なく単独操作できる辺り、この世界の警察の内部監査はザルっていうか穴しかない。
むしろ柴崎の独走をあえて看過し、米軍の横槍にカウンターを入れる上層部の思惑が働いてるまである(陰謀論エンジン全開)

そんな柴崎さんの捜査のお陰で、スピンクス(とハイブ)のバックボーンも見えてきて、ということはテロ事件、ひいてはこのアニメーション全体の"動機"も見えてきた、ということ。
最初から"動機"で引っ張る形式のミステリだったので、ココらへんが露わになってくると、そろそろクライマックスだなぁという感じがしますね。
さて、その終局にツエルブは到達できるのか、否か。
……次回死にそうな感じするなぁ……俺アイツ好きなんだけどなぁ……。

 

・ ろこどる
一話から続いてきた「普通の女子校生がローカルアイドルを職業にしていく」物語もまとめの季節、今回は身内編エンディングフェイズって感じのお話。
外に向けてのエディングはロコドルフェスタと新曲発表でやるので、奈々子の職業意識の変化に重点して回したエピソードでした。
ラストエピソードで全部やるのではなく、こうやって分散してテーマの結末を見せていく毛並みの良さは、ろこどるらしいなぁと思ったり。

フツーの女子高生として騙され半分舐めプ半分で始めた奈々子にとってのローカルアイドルですが、様々なイベントや出会いを経て、一職業としてしっかりと彼女の中に根付いた。
地味でフツーの結論なんですが、地味でフツーなことを徹底的に丁寧にやり続けたこのアニメにとって、この結論にたどり着かなければ嘘! というオチでもあり、ちゃんとそういう場所に落着させてるのは流石。
そういう地道で着実な一歩を積み重ねてきたからこそ、友人からもちゃんとしたロコドルに見える奈々子の姿に一種の頼もしさと感慨を覚えることが出来るわけです。
このアニメらしい、いい落とし所だったなあ。

楽曲を皆で仕上げるという作業もまた、このアニメの強いところである仲良し感が溢れるスムーズな描写で見ていて心地よかった。
Bパート始まるなりあっという間に丸め込み、入浴同衾まで持ち込むゆかり先輩のクソレズっぷりも流石としか言いようがねぇ。
まぁ運命だからね、仕方ないね。

そんな感じで、綺麗にまとまった内向きの最終回ですが、対外的評価の結論は次回以降に持ち越し。
こう安定してお話と演出が回転してると、不安を期待が大きく上回り、楽しく待てますね。
良いアニメが良いアニメとして続き、そして終わるってことは一種の奇跡なので、ありがたい限りです。

 

・ プリパラ
「デカ女に可愛い服着せて、周囲をグルグル回りながら可愛い可愛いと言い続けたい」という人間の基本的欲求が、よく表に出た回でした。
いやー、可愛い神輿担ぐならこんぐらい褒めないとダメだね。
可愛い神輿文化慶生会会長としては、大満足な仕上がりでした。

個人的な性癖がさておくとして、ラブちゃんとコンタクトしつつ、そふぃ周りの話しもテキパキ進める、プリパラらしい手際でした。
自由ならぁら&みれぃの曲をバックに、そふぃの決意と挫折を描いたシーンは冗談抜きで名シーンだと思う。
常時テンション爆超で、キチガイシーンしか無かったけどね。
あっという間に流されるプリパラモブの安い脳みそとか、良くない薬を注入されてるとしか思えないクマのテンションとか、「それでこそ私のライバル!」に透けて見えるA子のナチュラルな上から目線とか、むちゃくちゃ強引なアイデアの思いつきとか。
やっぱ脚本ふでやす&コンテナベシンのコンビは、独特の温度を持ってるなー。

そふぃちゃんは大体想像してたが想像以上に天使であり、守護天使のガードなしで世間に放つのは危険なレベルだった。
ファンシーモードの作画が異常に良くて、死人が出るレベルで可愛かったけどありゃなんだ。
ライナスの毛布の如く、成功体験の証であるピコハン持ってるのが子供の真摯さを感じさせてよかったですね。

まーギャグで誤魔化しているが、アレはコスモお姉ちゃんも手放したくないわな、不安で。
まぁその裏側に暗い欲望が見え隠れしてるけどさ……コスモお姉ちゃんは10年後政財界の黒幕として車いすに乗りながら、捕獲したそふぃをデカい鳥かごに入れて「私はあなたに笑ってもらうために、この両足を切り落としたのよ!!」とか絶叫するタイプ(唐突な藤堂義明ネタ)

そんなわけでそふぃちゃんが愛の檻に閉じ込められたが、ココを突破するのが主人公の見せ場。
らぁらちゃんの真っ直ぐな突破能力は今回も発揮されていたので、1クール折り返しを気持ちよく駆け抜けて欲しいもんです。
健全な期待を主人公に抱けるのは、やっぱ手際よく物語を回してきた証明だと思うね。
良いアニメだなぁ、プリパラ。

 

・ アイカツ
や、やっぱあの女……! という感じで、美月さんが全部持ってった回でした。
本編はまぁ順当にこなしたというか、プロデューサーズがしっかり仕事して新作ドレス作ってと、手際よく階段踏んでる感じの話だったんで省略するとして。
いや、いちあおのピロートークとかしみじみ良かったけどね。
双子ドレスを被せた上で先手とってメディア公開する大人げないやり口と、何より次回予告で美月さんが全部持ってったマジ。

「WMは解散します!」の一言の火力。
これはアイカツを愛し、アイカツに振り回されたダメダメアイカツ人間以外にはいまいち判んないと思いますけど、簡単に言うと「またかい」と「やっぱり」の複合技なわけです。
蘭ちゃんから刃成分を完全に略奪したトライスター脱退、欲望の赴くままに行ったユニット解散(&スターライト中退)。
全てを更地にして赴いたドリアカのアドバイザー業も、軌道に乗ったらみくるとユニット結成して現役復帰。
アイカツ界の波風は全部美月さんが起こしてんじゃないかと疑いたくなるくらい、迸るアイドル本能に従ってスクラップ&ビルド&スクラップを続ける破壊神は、二期ラストでもやっぱり破壊神だったという感覚。
最早人間の所業ではなく、一種のアイカツ的天災を眺めてる印象すら受けます。

まだ本編は見れないわけで、みくる側から持ちだした解散かもしれんけどね……。
しかしまぁ、今までアイカツ見てきて美月さんという存在の立ち位置、行動を見ているなら、「ああ、まぁね」という感想になるとは思う。
ここら辺は「超えるべき壁」として常時設定され、その仕事をあまりに上手くこなし続けた弊害というか、「場を平らにしたい時は、とりあえず美月さん起点で」というのが定型化しすぎた結果な気もします。
物語的装置として使い勝手が良すぎる結果、人格を伴わないキャラクターになっちゃってるというか。

"アイカツ範馬勇次郎""ラブムーンライズを着た人修羅""ステージの人間颱風"などなど、数々の異名を(主に俺から)手に入れた美月さん。
彼女をぶっ倒して終わる以外二期の〆方はないと思うのですが、巨人の死に方がどうなるのか、その一端が次回見えそうでとても楽しみです。
……三期のみくるはユリカ・かえでとネオ・トライスター結成して、美月超え狙ったほうがいいと思うよ、マジ……三期に出番引っ張らないための解散だってのは知ってるよ……知ってるけどさぁ!!(磐梯山との果てしないバトルに疲れたおじさんの顔)

 


・ 少年ハリウッド
個別回ラストラップということで、アーティスト志向のシュンが汚れ仕事に悩む回。
というのが普通のアニメの転がし方なのだが、「創作活動の看板に隠れている、とにかくチヤホヤされたい欲求」という生臭いテーマに突っ込むお話でもあり、少ハリらしい踏み込み方だなと思う。
表面的な問題→助言者の登場と真実の問題の発露→助言による問題の克服というラインが、少ハリの基本構造なんですけど、やっぱ圧倒的に堅牢ですね。

先代の言っていた「他人の見たいアナタ」と「自分の思うワタシ」のギャップは第一話からしばしば登場するアイドルの重要テーマであり、同時にあらゆる人間関係に共通するネタだと思います。
同時に、他人に見られることが職業であるアイドルにとっては、通常の人間関係よりもさらに、このギャップをどう捉えるかは悩ましい問題。
祥はリメンバー五人は全員、ある意味この自意識とイメージのギャップと戦い、答えを出したり悩み続けたりしているわけです。

既に個別回を終え覚悟完了している他のメンバーはさておき、内面にあまりカメラが向かなかったシュンに取って、汚れアイドル肉体派路線はシンドい。
シンドいのだが、そのシンドさが必ずしも高邁な理想とのギャップからではなく、好かれたい・・チヤホヤされたい・モテたいという卑近な欲望に後押しされて生まれているのが、なかなか面白い所。
キレイ事ばかりで押すのではなく、生臭いことも取り上げつつ、最終的には綺麗な話で落とす所が少ハリのいいところだと思っています。
今回で言えば、コウさんの大人の対応&助言が非常に良く効いていて、シュンの青臭いわがままを否定することなく、ポジティブな方向に引張る仕事をしていました。
最後シュンが「好かれたい・・チヤホヤされたい・モテたい」という欲求を肯定する絵面は、台詞だけなら卑近なまま自己肯定したように取れるけど、流れがクリーンかつスムーズなので素直に綺麗に受け取れるというね。

画面の真ん中を担当するキャラクター以外基本物分かりが良く、問題を起こさないのが少ハリ個別回の特長だと思うのですが、今回も皆積極的に汚れ役を楽しんでいて、シュンの見せ場を食わないようにしてました。
同時にバックのガヤで「カケル歌上手くなったよなぁ」とかさり気なく言わせて、前々回の過大の回収をしている辺り、ほんと手際よい。
こういう筋道の整理の良さとか、僕が少ハリ好きな理由の一つです。
少ハリらしいスマートさが前面に出た、とてもよいお話だったと思います。