イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ブブキ・ブランキ:第6話『灰色の宝石』感想

気付けば折り返し地点な血縁合体異能ロボアニメ、今週は残り二人のブブキ戦とデラシネ戦準備。
いい加減ダルくなってきたブブキ戦をかっ飛ばし気味にやりつつ、鎌倉巨大ロボットバトルに向けて話が転がる回でした。
礼央子さまが幼児退行した後目覚めたりして、一応お話は先にが展開してるはずなんだが、回想シーンで盛り上がったムードに水をさされたり、2つの戦いを同時並列ではなく順番に処理していくのでダンドリ感が強かったり、ブブキオーラは相変わらずだ。

柊と間オバサンのバトルは日笠声の良い煽りがドシドシ炸裂し、コンプレックスを剥き出しにしつつやりとの絆を作った柊の勝利。
ファザコンに凡人コンプレックスに劣等感と、柊くんが大量に抱え込んだ感情複合体を的確に見きり、煽りに煽り倒して成長を煽る間さんは教育者の鑑といえる。
時間停止能力の見せ方が結構良かっただけに、殺せるところで殺さず、楽しそうに嫐る……ことを演じる間の不自然さは、やっぱりイマイチ熱を削いでいるように思えた。
柊と父親、静流と石蕗という2つの回想がギリギリ限界だったろうから、柊と間の因縁を描写しなかったのはしょうがない……というか、だいたい分かるだろうと視聴者を信用して、ガンガン省略する荒々しさがもっと欲しいのだなと、今回見ていて思う。

石蕗おじさんと天才静流ちゃんとのスタイリッシュバトルは、無様に翻弄される柊と良い対比になっていたが、こっちも戦闘の合間に回想が挟まることで物語的テンションの気圧差が生じてしまっていて、どうしたもんだか悩む。
回想シーンでこれまであまり描写されてこなかった静流の天才性を強化するのは良いとして、もろに公共広告機構の『黒い鯨』のCMにカブるネタだったのは、ちといただけなかった。
不思議ちゃん要素だけではなく、天才要素もこれまでの物語の中で細かく見せてくれてたら色々生きた話だったと思うのだが、そういう有機的な蓄積ってのはあんまり期待できないアニメなのだろう。
かと言って勢いで走り切るために必要な、冷静な要素の洗いなおしと再配置も十分だとは思えないところが、ブブキオーラが良く出る理由だと思う。


茶番力がたっぷり出ているオジサンたちとのタイマンバトルは横において、頭のないブランキ・デラシネは容赦してくれない。
これまでのお話しの中でデラシネがどういう悪さをして、礼央子一派がどれだけ正義の味方してきたかってのは描写されていないので、鎌倉決戦でお話は未知数の領域に入ることになる。。
これはこの話が東の一人称で進む話なので、ある意味当然……なんだけど、対応する相手との話に収束しすぎて広がりがないブブキバトルといい、どうも自分たちが用意した物語的道具に縛られすぎる傾向があるのではないかと、ここ二三話見ていて思うようになった。
んじゃあ道具を用意しなければ良いのかといえばけしてそんなことはなく、思ったまま詰め込んだ結果冒険の切符で改札を出ただけのアニメもあったりするので、物語的機構それ自体は絶対に必要である。
大事なのはそれを使いこなし、自分たちが見せたい物語を視聴者にしっかり届けることではないかと、素人ながら僕は思う。

各種デザインやブブキの無言の芝居、止め絵でのリキの入ったキメっぷりは爆発力を感じさせるのに、回想やら意図しないキャラクターの分断やらで、どうにも熱が途絶えてしまって冷静になり、細かい所を見つめると、そんなに緻密に構成されているわけでもないというハンパさを感じる。
なかなか難しいアニメになってきた気がする。
鎌倉決戦で礼央子が復帰し、デラシネという異質な敵とガチることでこのハンパさをムキッと突破して、生来の尖った魅力を活かす方向に行ってほしいものだ。