ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
邪悪なるポルポに決着を付け、夢のギャングスタへ一歩を踏み出したジョルノ。
しかしブチャラティに釣れられた喫茶店には、ヤバい"NAKAMA"がINッ！！
一癖の二癖もあるギャングたちと親交を深める間もなく、狙うぜ大金、襲うぜ強敵！ アバッキオのツン期ッ！
というわけで、アニオリも混ぜつつスピーディーに展開するポルポの遺産編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
再編集がイイのはジョジョアニメの特徴であるが、並べ直し追加することで、エキセントリックな展開だけが目立たず、いい具合に芯が届く作りとなっていた。やっぱ創作は編集だなぁ…カッティングが大事。
開幕ブチャラティは、マフィアのあるべき姿を語る。街に溶け込み、悪目立ちせず、迷惑を撒き散らさない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
後の仲間たちのセクシー極まる個性的な服装、街を爆走するズッケェロとサーレーを見ると『いや守ってないじゃんッッ！！』と即座に突っ込みであるが、それで良いのだ。
麻薬を街に垂れ流すボスがトップに居る間は、マフィアはあるべき姿に帰れない。ババァは殴られ、身内は殺し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
そんなマフィアの内側に入ろうというなら、ド派手な衣装はある種の擬態として必須になる。ブチャもホントは、あんな穴開き精子服着たくないのかもしれない…見た目でヤバいの大事だけど
特権的に騒ぎ立て、他人を寄せ付けない。ブチャラティ・ギャングの振る舞いは、リーダーの理想をまだ仲間が理解しきっていない状況を反映している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
それでも、ブチャラティという男の凄み、秘めたる理想の輝きに惹きつけられ、男たちは集った。その離心力と求心力の同居が、彼らを繋いでいる。
一味は仲良しグループではない。新入りはハブるし、いきなりキレて殴り合うし、挨拶代わりにオシッコ飲ませてくるし、控えめに言って最悪である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
そんな連中だからこそ、一つになるには儀式がいる。それは戦いと日常の中で、幾重にも重なる。そうして繋がって初めて、理想と振る舞いが共有される。
ブチャラティはポルポ殺害を気にしない。『殺されて当然だった』と、実行犯のジョルノを慰めるように言葉にし、遺産をかっぱぐ算段をつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
それは控えめなマフィアの理想から外れ、天下の大道を暴走する現状に反逆する意志を共有していると、ジョルノに示す行為でもある。これも儀式の一つだ。
スタンド能力も真実の理想も、事前に殴り合い汗を舐められ確認した二人に対し、新キャラたちはさっぱり不明である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
そんな彼らの人となりを、一発で見せる喫茶店のシーンはやはり名場面である。
善人ズラから即切れド低脳呼ばわりのフーゴ、キラキラお目々なのに即ナイフのナランチャ。
ミスタは異常に"四"に拘ってる変人だし、マトモなやつは一人もいない。マトモな服も着ていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
そして一見一番普通そうなアバッキオが、当然一番ヤバい。何しろ挨拶代わりのアバ茶である。少しは性器露出をためらわんか貴様ーッ！！
そういう人たちに口で何を言っても通じはしないので、ジョルノは体を張って己を証明する。ぐいっとホカホカしぼりたてを飲み干し、不敵に笑って『お前らもスタンド使いだろ？』呼ばわり。痺れるぜ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
この『行動で証明する』スタイルは、ブチャに対してそうだったし、アバッキオにも同じだ。
アバ茶ではコメディの色が強かったけども、孤独な海に漕ぎ出し、怪現象に巻き込まれてのホラー演出。カメラは安定感を失い、色彩はビザールに変化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
そんな異常事態でも、ジョルノは変わらず冷静に状況を見定め、スタンド能力を突破のカギにしていく。
"ソフト・マシーン"との戦いは、楽しいアバ茶コメディの裏焼きであり、描かれているものは同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
証明と共感、異能力と裸一貫。覚悟を見せ、新しい仲間に切り込んでいく。いや、俺も『急に何言ってんだ？』とは思うけどさアバッキオ。
しかし迷わず身を捨てたジョルノは、アバッキオの心に滑り込む。
影に潜む卑劣な敵と、それにあえて身を晒して仲間の信頼を得るジョルノ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
ここら辺の対比も、前回のポルポ（が操る、光が弱点の"ブラック・サバス"）や、ブチャラティの理想とするマフィア像（と、派手に大暴れな現状）を引き継ぎ、強調する演出か。
密やかであっても、卑劣であってはいけないのだ。
相手が信頼に足りるのか。魂を預けるに相応しい相手か。アバッキオは探り、ブチャラティは既に値踏みを済ませている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
この断裂が、アバッキオには少し寂しいのかもしれない。信頼するリーダーが、勝手に事を進め、自分を置き去りにしている現状。露骨なツン期といい、アバはあざといなぁ…。
スルスルとギャングが退場するスピード感は、舞台から人数を減らしアバッキオの魂を深掘りする準備であるし、ホラーとしても切れ味が鋭かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
事前に美しいアドリア海と、のんきなミスタ×ナランチャ漫才を追加することで、それが一気にホラー時空に飲み込まれるおぞましさは、より際立っていた。
頼れる主役が一気に退場してしまい、残ったのはいけすかねぇ飲尿野郎だけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
ジョルノが男を見せたあと、ハンサムなアバッキオは、一体どんな反撃のアイデアを思いつくのか。必殺のスタンド能力は唸るのか。
ヌルい空気が一気に吹っ飛ぶ良い引きで、次回ポルポの遺産後編である。
こうしてまとめて見せられると、アバッキオに視線が集まるよう考えて、エピソードが構築されているのが判る。何しろアバ茶である（二度目）
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月2日
ブチャの理想を隣に置くことで、『全然守ってないじゃん！』という反感も強化された。その印象を吹っ飛ばす男気を、期待通り見せれるか。
来週も楽しみだ。
