ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
鏡の中死闘をくぐり抜け、次なる目的地は花の都・フィレンツェ! しかしその道行きは無差別の悪意を詰め込んだ、地獄行き超特急ッ!!
奇っ怪な亀に守られ安泰の旅路と思いきや、迫る強敵”グレイトフル・デッド”のプロシュート、”ビーチボーイズ”のペッシ!!
そんな感じの大忙し、イタリア地獄旅電車編である。アバンで呑気にラッキースケベ漫才してたと思ったら、あっという間に駅について、あっという間に敵が巣食っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
五部らしい矢継ぎ早のピンチと、笑いと残酷の奇妙な同居が強く感じられる運びである。
凄まじくグロテスクな、列車皆ごと老衰死。しかしそのザックリした老人描写、赤ん坊がそのまま老いる醜怪さは、奇っ怪な笑いを宿している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
どれだけ残虐な場所にも(むしろだからこそ)笑いという人生の精髄は生まれてしまう。疫病のように無差別に、場違いに面白くなってしまう。
その奇っ怪なズレこそが、状況の異常さ、殺意のドス黒さを強調したりもするので、なかなかに面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
洒落にならない状況でも、洒落で殴りつける。直接的なバイオレンスとはまた違った、別角度の暴力性が元気なエピソードだと言える。ジョジョ全体に、そういう部分あるけども。
逆に言えば、洒落にならない状況で洒落と冷静さを忘れないことが、クールに生き残る決め手、ということかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
むっちゃ老いてるのに状況を冷静に分析し、突破口を開くジョルノの頭脳は、どんなスタンド能力より厄介だな…主人公が現場担当ではなく、参謀ポジションなのは五部独自の魅力だ。
第10話で深掘りされ、ブチャラティチームと同じ執念と絆を持っていると、その想いが他人を気にしない暴虐に結びついていると鮮明に見えた暗殺チーム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
『頭からケツまで徹底的にやる』と頭で思ったときには、乗客全員巻き込んで地獄に道連れなプロシュートは、その暗黒の意思を一番強く表す。
無差別に蔓延する”老い”は、ジョルノとブチャラティが敵視する”麻薬”と同じように、周囲を巻き込んで区別しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
トリッシュを生き残らせるのも博愛主義の結果ではなく、よりどす黒い野望にたどり着くための鍵として、残酷に選別しているだけだ。それは本当に歯止め無く殺し尽くすより、なお悪い。
情けないマンモーニ(木村昴の甲高い演技がガッチリ手応え)のペッシも、扉越しに攻撃を仕掛け、運転手を殺す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
結果歯止めを失った超特急は暴走を開始し、楽しい旅路は死と老いと暴力を詰め込んだ黙示録に変わる。暴力には暴力で対抗するしか無いからこそ、その制御は大事になる。
”偉大なる死(グレイトフル・デッド)”に対抗するのが、銃弾や剣ではなく、それを適切に振るうための能力、維持するための”氷”だというのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
クールに、あくまでもクールに。感情に任せて”ぶっ殺す!”と威圧するのではなく、冷静に暴力を使いこなして目的を果たす。死を過去形にする。
その氷のように熱い殺意は、敵も味方も同じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
味方がズタボロに老いさらばえようとも、必要なミッションをこなす硬い意志。自分の体が無茶苦茶にされても、スタンドの発動条件を見抜く冷静な頭脳。
プロシュートが念を推していたギャング心得は、”敵”にこそ強く刻まれている。
しかしそれはあくまでツールであって、実際に目的を果たすためには敵に出会い、打ち勝たなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
六発の銃弾を、あるいは殺意の釣り竿をどこに振り下ろし、何を手に入れるか。何のためにギャングをやっているか。
見事にフィッシュされたミスタも、釣り上げたペッシも、それはよく知らない。
見えない視界を探り探り、不安定な状況で確かな道を示してくれるからこそ、リーダーを信頼できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
ブチャラティは鍵漫才で一笑い作りつつも、亀の真の能力を見抜く。プロシュートも”勘”一本で敵の動きを見抜き、追い詰めるための正着を拾い上げる。
釣り竿にしても銃弾にしても、スタンド使い自体は(まだ)意思を持たず、リーダーのカリスマに操られるままな状況だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
死列車を舞台に繰り広げられる2VS2は、無垢なる尖兵の戦いであると同時に、リーダー同士、兄貴分同士の””凄みを比べ合う死闘でもあろう。
同時にこの勝敗は、無差別に老いと死をばらまく”覚悟”と、ミッションを果たしその先を見据える”覚悟”の対決でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
暴力的で危なっかしいのは、どっちもどっちだ。何しろギャングスタなんだから。しかし主役と敵役には、確かに一線が引かれている。
力に軛をつけるか、つけないか。栄達を求めて欲望のまま振る舞うか、目覚めた特別な力を”敵”にだけ向けるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
グロテスクな列車の地獄をカンバスに、ブチャラティチームの戦いが何を見据え、どんな犠牲を強いるかが鮮明になってくる。シンプルな圧力やかっこよさだけではなく、色々描いてるなぁ…。
ここら辺は妄想の領域なんだけども、ナランチャのザックリした老い方はツッコミ待ちのコント…ってだけでなく、元々あのこの中にはそういう穏やかさを求める気持ちがあって、GDの攻撃でそれを包んでいた鎧が剥げちゃって、”素”が出てんのかな、って気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
後々のことを知っているアニメ視聴だけに、その再編集が新しく見せてくれる景色に驚いたり、見落としていたものが鮮明になったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
イルーゾォ戦から間をおかずやると、”パープルヘイズ”と”ザ・グレイトフル・デッド”似通った部分多いな、とか。その共通点が未来に繋がってんのかな、とか。
見せ場と名台詞しか無いフィレンツェ行き地獄旅、初手は非常にいい感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
”Free!”の真琴役が印象深い鈴木達央さんが、プロシュートの”凄み”と面倒見の良さを好演してた。暗殺チームはドンピシャなキャスティングだな…主役勢もすげーいいけど。
今は情けないペッシも、木村昴力でどう化けるかな?
そういう部分も楽しみつつ、やはり男と男、殺意と殺意のハードコアなぶつかり合いに期待が高まる。五部の無軌道な暴力性、情け容赦のないゴア描写が色濃く出てて、やっぱこの激戦は期待大である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
それにしっかり答える、いい出だしでした。来週も楽しみ。
追記 血湧き肉躍るシンプルな超暴力と、頭を捻る頭脳労働の快楽。これが同居しすごい勢いで襲いかかってくるのは、数あるジョジョの魅力の一つだと思う。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日
奇っ怪な老衰スタンドの攻撃を見抜き、仲間の命を背負って逆撃に出る。ミステリ要素と”覚悟”が絡んだ名シーンだが、ちゃんと氷描写入れて読解のヒントを絵で見せてるのは、なかなか親切なアニメ化だと思う。
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/dOqR6cgE5H
ここも『ボス、いちいち冷蔵庫の手入れしたのかな…マメだな…』とか、狙ってないだろう面白さが出ちゃうジョジョらしい場面なんだけども、そういう笑いが一気にシリアスな突破口に繋がるズレと勢い、それを活かすためのミステリ要素の活かし方が、アニメは巧いなぁと思う。ムードの制御が巧妙、つうか
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月12日