ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
・ノーブル・ローズ -歌、至りて-
Roselia結成以来の夢、FWF。長い旅路の末、蒼の頂きにたどり着いた少女たちは、ある決意を込めて音を奏でる。
今までの歩み、見つけ出した答え、そこから繋がる未来。
かくしてRoseliaの物語は終わり、続き、始まっていく…
というわけでノーブルローズ三部作遂に完結、Roselia最終回! なイベストである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
完全に”Roseliaのど真ん中”な話で、サービス開始以来目指してきた頂点を乗り越え、新たな物語を始めるための一つの終わり、一つの始まりであった。
ここまでの蓄積を全て生かし、見事なピリオドを描いたと思う
第一章はリサ、第二章はあこと凛子、ならば第三章は友希那と紗夜…というのは順当であるが、そこからさらに広げて”Roselia”の話として、味わい深い仕上がりになっていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
このバンスト、Roseliaの何処に共感し、誰に思い入れを持ってるかで”いいシーン”が結構変わる気がする。全部良いけど。
とは言うものの、1つを除いてあまり新しいことは起こらない。今まであったいろんな事が、Roseliaの実力と音楽性、メンバーの関係性と相互理解を深めてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
その結果としてFWF出場(と優勝)があるし、ただの過去の総和ではありえない特別な相転移も、またステージの上で起こる。
Roseliaの起点であり象徴ともいえる”LOUDER”封印は、父の復讐のために音楽に縛られてきた友希那が、これからも音楽を続けていくために必要な儀式だったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
愛と、それ故の憎しみで音楽と出会った幼年期を友希那は終えて、自分の足で立つ音楽家として、新たに歩み始める。
僕は友希那が音楽を、自分を表現する唯一のメディアと思いつめながら愛する切迫感が好きだし、同時に危うく思ってもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
あの子は凄くピュアに音楽が好きで、だからこそあそこまでピーキーに自分を捧げられる。
でも”お父さんの歌”を大事にするあまり、音楽が嫌いなんじゃないかと思う瞬間もあった。
友希那のなかで父の存在は、家族としても音楽家としてもあまりに大きかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
自分を守り支えるはずの憧れが、職業として音楽を貫けなかった敗北感。それを塗り替えるためにはFWFで勝つしかなく、Roseliaはそのためのツールでしかなかった。
ここから、子のバンドの物語は始まった。
イベスト中述懐するように、いろんな事があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
中学生にマジギレしたり、ポンコツ共が保護者を失って右往左往したり、マジの感情を熱くぶつけ合ったり、ポンコツ共がノンキな放課後を送ったり。
凄く濃厚で、熱く温かい時間を五人は過ごし、その環は色んな場所に広がっていった。
Roseliaは音楽に真摯なプロ志向のバンドとして、よりシリアスに音楽をやるということがどういうことか、探求する宿命を持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
Roseliaが見つけた答えは、音楽だけ、自分だけ、バンドだけに狭く閉じこもるのではなく、細く尖った情熱を以て広い見解へと飛び抜けていく、可能性と変化だった。
出会っていく。変わっていく。そして、変わり得ないものを抱きしめていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
紗夜が妹へのコンプレックスを『いい関係』と言い切れるほどになったのも、つぐみを始めとする様々な人々との繋がりが増えたのも。
一意専心、誠実に愚直に目の前の現象に取り組む己を、肯定し活用出来るようになったのも。
あこが姉への憧れを捨て去らないまま、自分だけの音を必死に探し続けたことも。そんな”世界で二番目に上手いドラマー”を、友希那が『カッコいい』と肯定できたことも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
リサが友希那の背中ではなく、ステージに広がる興奮を見据え”欲”を出したことも。
燐子が臆病から顔を出し、生徒会長になったことも
五人全ての物語が、今まで積み上げてきた歩みの結果としてあり、またこの結末から新しく歩き出すのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
これが終わりではなく、始まりであることは作中幾度も強調される。
ガルパのサービスは続く。キャラが初期状態から背負ったクエストが終わっても、人生という物語は続くのだ。
そのためにはまず、しっかりと終わらせることが必要で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
ここまで積み上げた文脈を最大限活かし、しっかり回収・発展・総括した今回のエピソードは、満足感と同時に期待感を高める立派な仕上がりだった。
友希那は父を、紗夜は妹を。一番身近な他人に縛られてきた自分を、乗り越えて新たに進む。
紗夜に関して言えば”星に願う短冊”である意味、『妹への強烈なコンプレックスを持つ』というキャラクター性は崩壊していた、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
だがそこから先、彼女が魅力的な変化をいくつも積み重ね、それが他者に様々な幸福を生み出していったこと、その相互作用が彼女をまた育てていった。
一つの記号が終りを迎えたからと言って、キャラクターに付随する物語も、そこから繋がった別のキャラクターとの関係も終わりではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
持続性・継続性のある変化の只中で活きるしかない我々が、どう幸福な在り方を、それぞれ個別に、そして連動しながら紡いでいくか。
ガルパは青春と音楽を追う中で、ずっとそれを追い求めてきたし、かなりの部分成功してきたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
だからこのRoseliaの”最終回”の後に、また良い物語が続くであろうことは容易に想像できるし、期待もしている。
ここら辺は”それぞれの道、結ぶ茜空”以降のAfterglow、アニメ三期以降のポピパにも言える
父の復讐、傷ついた世界の再獲得のため、音楽と他人と自分を利用する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
そうやって始まったRoseliaは、父の真意を込めた”LOUDER”を手に入れ、衝突と対話を繰り返しながら頂きへとたどり着いた。
そこから見える景色を歌った”Song I am”は、新世代のアンセムたりうるか。
これは”LOUDER”同様、Roseliaが生きていく中この曲がどう歌われるかにかかってくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
『私は歌う』であり、『私は歌そのもの』である純水な思い。
友希那はステージに立った瞬間、余計な思惑を全て投げ捨て、ただただ無心全力で音に向き合う必要性を感じる。それはバンド全員が共有する危機感だ
そしてそれを乗り越える実力も情熱も、音で繋がる本物の関係性も、ここまでの歩みで積み重ねてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
だからこそ可能な、シンプルな解答。
私、歌が好きだ。
父の復讐のためでもなく、『本格派』という看板のためでもなく、ただただ透明な心から湧き上がる衝動。
それに湊友希那が素直になれたことが、僕はとても良いことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
彼女は持ち前の幼さを、必死にツッパって守ってきた部分があると思う。ただの子供なのだと受け入れてしまえば、お父さんの仇は取れない。
”本物”ならんと尖っていたからこそ、生まれる世界観もある。
その危ういプライドの鎧を守ってあげたかったから、リサは友希那の後ろに立ち、見守り続けたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
しかしそうやって一緒にいることで、リサ自身も変化していく。『Roseliaの数合わせ』『友希那担当』から、自分だけの願いを抱えた一人の音楽家へ。
それは、友希那を愛し守る生き様と矛盾しない。
むしろ友希那がどうあがいても音楽に飛び込むしかない宿命を持つからこそ、ステージに”欲”すら抱いてきた今のリサは、より自然に、強く繋がることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
この後今井くんは下手くそな自分、音楽を愛する資格がないかも知れない自分に、思い切り悩むだろう。
熱い”欲”は、そういう地獄も連れてくる
テクニックの呪いに取り憑かれる今井リサも、長い闘いを経てそこを一足先に抜けた湊友希那も、僕は見てみたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
葛藤や弱さを乗り越えたように思える三人にも、手に入れた答えのその先、人生の波風に挑み続ける物語が待っているだろう。
それと闘う武器は、あのステージで手に入れた。
あこが『Roselia最初の、最強のファン』であることにアイデンティティを見つけている描写が、最近濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
彼女だけが持つ、迷いへの特効薬。それが活きる局面が来るのだろうなぁ、と思ったりもする。
自分がなりたいと思える、カッコいいRoselia。それを純白に保ち続ける道は、育つほどに難しい。
『ずっと幼く、変わらず無垢でい続けてくれ』と子供に願うのは、年長者のあまりに危ういエゴで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
ここら辺はRoseliaの外側、宇田川巴とその妹をめぐるエピソードで幾度も彫り込まれた部分だ。
あこは育つ。その成長に押し上げられて、巴も育つ。
それで良いし、それが良いと宇田川姉妹は認めている。
”変化”や”成長”は人間がより善く生き続けるためには必須のもので、だからこそ一様な判断はできない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
それぞれの人格、資質、価値観や出会いに従い、進むべき道は変わる。そしてそれは複数あって、複雑に混じり合っている。
あこちゃんが大きくなっても、小さいままでも。
それぞれの難しさ、至らなさ、問題があるだろう。それを超える喜びと可能性があるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
そういう多彩な在り方を可能な限り切取り、肯定するために30人のバンド少女群像を選び取っている感じもある。
色んなバンドがあって、色んな音楽があって、色んな人がいる。個人すら、様々な顔と未来を持ちうる
その多彩さがどう共鳴し、どん詰まりに思えた生き方をお互い変えて、より善くなっていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
その一つの答え(そして新しい問いかけ)として、このエピソードはあるのだと思う。
皆非常に立派になり、今だ発展途上のまま、曇りのない瞳で未来を見据えている。進むための準備も出来ている。
そんな青い輝きをこそ、青春と呼ぶのだろうか。とても眩しく、清々しいエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
蘭ちゃんが友希那にバチバチと、『最高でい続けてください』と告げてくるのも最高だった。あの赤メッシュ…狂犬でなくなっても湊友希那が好き過ぎる…。
友希那は”LOUDER”からの卒業、父がなし得なかったFWFでもって自分の幼年期をある程度超えたわけだが、それはボーッと突っ立って生まれたわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
音楽に専心しすぎて、他人を傷つけた。視界が狭くなり、自分がどんな存在なのかわからなくなった。
それを反省し、世界を広げる努力を続けたから。
変わることに怯えつつ、それでもあえて踏み込む勇気を持って進んだからこそ、友希那は少し”大人”になれたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
その震えと伸びた背筋が、僕はとても美しく思える。人間の在り方に対し、嘘がないからだ。
最初は視界にすら入らなかった、あこちゃんの無垢なる強さ。誰かを真摯に追い求める熱量。
うまく言葉を捕まえられないまま、ただ情熱だけを叩きつける。そういう生き方からあこちゃんもまた変わって、イマジネーションを言語化し、他者と共有する道を探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
そんな変化含め、Roselia最年少のドラマーを『カッコいい』と肯定できた友希那の成長は、やはり好ましく嬉しい。
かくしてRoseliaはその結成以来の大願を果たした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
リリース開始から幾年、各バンドは初期で抱えたデカい問題にある程度以上の結論を付け、そこを超えた新たな物語へと踏み込もうとしている。
それはリセットではなく、今まで積み重ねてきたからこそ見える、頂きの先にある風景だ。
唯一。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
ハロー! ハッピーワールド!!だけが、内面吐露を許されない弦巻こころを中心に、静かな胎動を続けているように思う。
彼女の周辺は、様々に変わる。過去が判ったり、現在進行系の変化を見せたり、未来の夢を形にしたりする。
しかしあまりに巨大な中心は、空白のまま動かない。
それはおそらく意図した”タメ”だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
おかげでハロハピクラスタは、全てを焦土に変える第三章カタストロフにブルブル震えまくる日々っぽいけども。
普通の少女たちが、傷だらけになりつつ手を繋ぎ、自分を変化させていく物語。柔らかな内面、底に押し寄せる青春の歌をどう感じたか、言葉にする特権。
そこから、黄金の獣は丁寧に除外されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
Roseliaの物語が一つの終わりを迎えたことで、未だ終わりの気配すら見えない弦巻こころの完成形(あるいは無形)を、鮮明に見据える形にもなった。
彼女が何を思い、何を受け取り、何を感じていたか。
それは、もしかしたら最後まで語られないかも知れない
なぜならガルパは、他者の理解不能性を前提に作られた物語だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
他人はわからない。繋がることなど出来ない。
だからこそわかろうとし、繋がろうとする。
その努力は、けして無駄でも無価値でもない。けして答えにたどり着けない意思疎通の闘争こそが、人を人たらしめていく。
そういう継続性の徒労を、様々な色彩で描く所に、僕はガルパの面白さを感じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
だから、こころという巨大過ぎる他者は『判らない』ままで良いのだと思う。
判らなかろうが、彼女が広げようと願ったヴィジョン、それで生まれた幸福と笑顔は、絶対に嘘ではないのだ。
でも、そんな行いと現れだけを素直に受け止められるほど、人間は完成されていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
ただ、そこにあればいい。
そう確信できるなら、世界は本当にユートピアになっていると思う。だが人は行いの奥にある原理を探る。理由を見つけ、内面を探ろうとする。他人にも、自分にも。
だから迷い、傷つけ傷つく
そんな往復運動が、とても愛おしく美しいものだという視線は、ずっと揺らいでいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
その一つの結実として、今回のFWF決勝があるのだろうし、そこに至るための物語は、それ自体があまりに愛おしい輝きを放ちながら、確かにそこにあった。
出会い、始まり、変わり、続いていく物語。断絶と断続。
それを真ん中に据え続ける限り、ガルパは続くし、続かなければいけない。Roseliaの新たな物語は、熱く面白くならなければならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月13日
なかなか高いハードルだが、まぁ超えていってくれると思う。とても良いイベントストーリーであり、Roseliaの総決算、新たな変化の予兆であった。素晴らしい。