プロセカイベスト”ハッピー♡ラブリー♡エブリデイ!”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
廃校となる小学校から、卒業式のゲスト出演を頼まれたモモジャン。
しかし愛莉は浮かない顔で…!?
というエピソード。
かつての、今の、そして未来の桃井愛莉。
モモジャンの活動を通じ、己の全てを取り戻していく愛莉がよく見えた。
モモジャンはみのりを除く全員が一度はメジャーの舞台に立ち、自分が何者であるか、周囲が何を望んでいるか見えなくなった過去を持つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
モモジャン結成、それ以降の活動の中で、彼女たちはかつての自分を取り戻し、その事が今闘えるアイドルとしての武器を、未来の自分を輝かせる光を掴ませてきた。
真っ直ぐで純粋な夢に向かい、ただただひた走るみのりを見つめることで、他のメンバーは初心を思い出し、傷ついた心に絆創膏を貼って、笑顔でもう一度進み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
アイドルが好きだった自分、アイドルでいたかった自分を取り戻して、アイドルをやっていく。
失われたイノセントの再生と、それがけして、時をそのまま巻き戻す事と=ではない事は、モモジャンの物語においてとても大事な視線だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
失われたもの、傷ついたものは元には戻らない。辛かった記憶は消えて無くならないし、投げ出したように見えても積み上げたものは、もう一度自分に戻ってくる
ユニストで散々に傷つき、しかしアイドルでいたい願いをセカイに反射させて立ち上がった桃井愛莉は、自分を傷つけた過去、傷ついた自分をある程度以上客観視出来ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
痛みにうずくまったままのかっこ悪い自分でいることも、誰かを恨んで経験の暗い部分だけを見ることも、彼女は自分に許さない。
イベストで雫を取り巻く世知辛い世界に叫んだ時、彼女は誰かを恨むのも、自分を憐れむのも同時に止めたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
理不尽で優しくない世界、目の前に差し出されたイメージだけで他人を都合よく扱ってしまう世界になんて、籍をおいてやるものか。
私は記憶の、事実の、世界の、一番輝く場所だけ見る。
そんな決意が、彼女を世話焼きで優しい、努力家でチャーミングな存在にしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
つらい経験が頭をよぎっても、そこにしがみつくことなく今の願い、未来の夢だけを意識的に見据えて、客に見せたい自分、客が見たい自分を選び取って演じ続けるタフなプライドが、とても眩しい。
非常にクレバーで靭やかな彼女だが、当然人間、甦る記憶に苦しむこともあれば、成し遂げられなかったものを思い出すこともある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
ここで望みどおり行かなかった自分の過去より、『自分は届けられなかったのではないか?』と観客席をまず見て苦悩するあたり、根源的に人間の仕上がりが良い。
届ける存在…メッセンジャーとしてのアイドル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
輝く理想がまずあって、自分とグループをそこに近づけるための道化稼業はしかし、気付けば道を歪めていた。
なまじっか成功すればこそ、そこで積み上げたイメージが自分を縛り、周囲を変えていく。
”桃井愛莉”という少女がどんな存在で、何を大事に今を笑っているかを、誰か一人でも見てあげれたのなら、愛莉は”アイドル”を止めなかっただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
しかし世界は残酷で、彼女は望まぬ道化で稼ぐことを望まれ続け、殴っても泣かない偶像として傷つき続けた。
あるいは…未だに超絶濃厚な崇拝を捧げる雫のように、”桃井愛莉”一個人を見つめる人は確かにいたのかも知れないけど、傷ついた彼女はそこに気づくことが出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
事実に気付けないのは”正しくない”ことだが、しかし愛莉の過去は。率直であることを許してはくれなかったのだ。
今回モモジャンが挑む”仕事”は、暗い過去に潜って宝石を取り戻すような、再生の歩みに満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
思い返せば黒い霧のように、痛みと哀しみが立ち上る思い出はしかし、たしかに誰かに何かを届け、自分の理想を輝かせていた。
愛莉は子供の手を取り、道化を再び演じて、そんな事実を思い出していく。
多分そういう形でしか、過去を取り戻すことは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
事実が揺るがず不変ならば、それを見据える角度を変え、そこに繋がる自分を変えていくことでしか、かつてあったものの意味を書き換えることは不可能なのだろう。
今を懸命に進むことが、過去を取り戻し、その輝きを未来に繋げていく。
そんな一連の流れは愛莉一人で完結せず、かつての道化から観客へ、観客から今を走るアイドルへと、リレーされながら転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
とても辛く暗い夜の中に、明るい笑顔を手渡してくれた人へ。
メッセージを送ってくれた少女から差し出された、”アイドル”への新たな喜び。
それが、笑顔を作りづつけることに絶大なプライドを持つ愛莉の仮面を罅割らせ、涙をこぼさせる。俺も泣く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
今回のガシャ、衣装が郵便屋モチーフなの上手すぎてビビっておるわけだが。
笑顔の手紙を手渡し、愛の手紙を受け取る双方向性が、愛莉の挑戦にはあるのだ。
それはかつての自分が必死に生み出し手渡したものが、時と立場を越えて自分に帰ってくるものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
同時に、あのときは表舞台に立てなかった”アイドル”としての桃井愛莉が、最高の仲間の思いを背負って一人、歌われるはずのないソロをやりきる物語でもある。マジ泣ける…。
笑顔の道化も、最高のアイドルも、両方がなりたい私。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
そう願っても踏みにじられない…むしろ力強く羽ばたかせてくれる場所を愛莉は、メジャー資本から離れることで手に入れた。
後方腕組みTシャツ少年、もう一生”愛莉単推し”にしかなれねぇなアレ…。
外仕事頑張ってる内に推し変されたり、TV越しのイメージを生身に適応されて大ダメージだったり、今回のイベストはドルの生っぽく辛い部分が活きて、暗さと重さがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
だからこそ、それを越えて飛ぶ愛莉にUOバキ折り、古参オタクは嗚咽号泣である。
ぜってー『モ”モ”イ”~ッ”』ってなってるのいる。
”届け! HOPEFUL STAGE”あたりで開花した遥のプロデューサー気質が元気だったのも、今回の見所と言えよう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
ただ企画を立てるだけでなく、アイドルが最高に笑顔でいられるよう、個人的な陰りと傷にきっちり目を配り、人情のある対応で最高を越えていく、逞しい優しさ。
あくまで冷静完璧なんだが、まったく冷たくはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
”あの”雫よりも早く、愛莉の変調に気づくところが、覚醒を果たした桐谷遥の凄いところであり、怖いところでもある。
人間としての総合スペックが、全領域で高すぎるんだよな…そういう存在でも、立ち続けられない場所と場合が、人生にはあるのだ。
過去を蘇らせる子供たちとのイベントを終わらせ、ユニットとして笑顔満点のステージを越えて、更にその先。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
究極可愛いアイドル、”桃井愛莉”の一人舞台を世界に問い、魅了させたい。
そんな幸福なサプライズを用意してくれる仲間たちが、マジであったけぇシナリオでもあった。
あのステージ、間違いなく宇宙最強の愛莉強火担である雫個人が一番見てーから、企画して駆けずり回ったんだろうね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
あいっかわらずあのアマ、桃井愛莉が好きすぎて頭おかしいけども、しょうがないね…愛莉、道化でハンサムでがんばり屋さんで優しいから。”無敵”じゃん。
みのりは今回も、あくまで無邪気で無垢であったが、子供たちが見据えるファン目線を共有して、プロの演者である二人に共有していく”窓”の仕事をしっかり果たしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
ファン視線が抜けきらないからこそ、顧客のニーズを拾える彼女も、ある意味メッセンジャーか。
急に無敵の王子様がステージのセカイに降臨してびっくりだったけど、自分が何をすべきか、アイドルがどうあるべきかずっと考え続け、実行し続けるモモレンくんが、このタイミングで追加された意義。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
幾度も描写される、愛莉のあくまで冷静な内省と関わってる気もした。
愛莉は常に、アイドルであるべき自分、アイドルであれなかった自分を考え続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
それは過去に停滞するためではなく、学んで前進するための回想だ。
それでも、心に傷は残る。当然だ。
その上で、掴み直したものを嘘にしないために、夢の輝きをもっともっと強く届けるために。
愛莉は語るべき言葉、演じるべき笑顔を徹底的に考え抜いて、それを表には出さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
全て周到に準備し尽くしたものを、あたかも今生まれたかのように差し出す。
何も予期していなかったものを、あたかも全て予測済みであったかのように乗り切る。
そういうタフさは、ずっと桃井愛莉にあった。
ステージアクターとして、他のユニットよりも高く広い場所に立った経験値を持つモモジャンは、白紙に青春の絵の具を拡げていくのとはまたちょっと違う物語を、背負っているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
そこには傷ついたプライドがあり、卓越した才能があり、強い風にも消えない情熱がある。
ステージアクターとして、桃井愛莉がどれだけ卓越した存在であるか、その背骨をすっくと立たせるものが何かを、しっかり掘り下げた回でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
道化師が一番、色んなものを積み上げている事実を、彼らを笑う人たちは大概忘れる。忘れるから、笑えるのだ。
でもメイクに描かれた絵の具の涙ではないものを、当然彼らだって流す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
愛莉としては、不意打ちのメッセージに涙してしまった自分は、ファンに晒すものではないと思うかも知れない。
でもそんな”綻び”を捕えることが出来るのも、”アイドル”の強さ、美しさ、ある種の奇跡だとは思う。
自分たちで企画を考え、関わった人の喜びが最大化するよう努力し、人間にとって大事なものをないがしろにはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
今回のイベストは、リゾーム型アイドル”MORE MORE JUMP!”が成し遂げた”仕事”としても、分厚い充実感と説得力のあるエピソードだった。
こういう経験値を経て、しがらみや金銭から自由な地平から、己の信じる”アイドル”を問うモモジャンの野望は形になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
社会構造の変化もかなり貪欲に取り込みつつ、児童の自我形成/回復とサクセスストーリーを重ねて描画していく、モモジャン独自の視座。
そういうものまでしっかり描写できていて、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
思いは時を超えて、届き戻り、再び投げかけられる。
そんな熱いメッセージの渦中に、桃井愛莉が戻ってこれた奇跡を喜びたくなる、とても良い物語でした。
次回も楽しみですね。
追記 完全にピンクの情緒爆弾なんよ、桃井の私室は。
あ、二段ベッドを改造して一人部屋になってる愛莉私室が映るたびに、強く見える彼女の中に当然残る柔らかな幼さと、それを知るからこそ優しく手を差し伸べ、望まれる笑顔を演じ続けられう強さが何処から来たのかぶっ刺される心持ちで、大変いいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
それは桃の色をした、情念の凶器…ッ!
『お姉ちゃん』であることが”MORE MORE JUMP! の桃井愛莉”にとって、果たしてることってかなりデカい気がすんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
幼子が見てる世界からはみ出し怯えさせないように、自然と膝を曲げるのを意識すらしない女でしょ、桃井愛莉? ”そこ”なんよなぁ…強いわ。
追記 Only money talksな世界の中で、別のオクターブで何かを唄うためにはどうしたら良いか。そのためのインストゥルメントとしてのセカイであり、バーチャル・シンガーという妖精なのかなー、と思ったりする。
あとかつて愛莉を追い込んだ運営と、今の遥の何が違うかというと他者を個人として見据えて尊ぶ、情緒と敬意で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
経済活動に押し流されがちな世情の中で、やっぱそういうものを大事に抱えていたほうが、自分も他人も幸福に近づけるっつーメッセージを、モモジャンのアイドル活動描写からは感じる。
モモジャンとワンダショは木戸銭貰えるプロとして、経済的芸術活動に関わる立ち位置なんだが、彼らを通じてひどく世知辛い、他人も自分も踏みつけにするしかない乾いた世界が、ときおり見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
子供たちの幼い願いはしかし、そこに反抗して己の居場所を生み出し、あるいは夢を描いて世界を変える。
他者との繋がり方と同じく、銭が全てな世界の在り方にも、この物語の作者はけして楽観していない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月11日
断絶し、孤立し、世知辛いのはデフォルトだ。
しかしそこから始め、抗い、変えていくことは出来る。出来ると信じることが、実際に変えていく。
ならば、変えうる希望を書こう。そういう気概を感じるネ