ヴァニタスの手記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
狂乱の仮面舞踏会(バル・マスケ)を終え、もう一つのパリで平和な日々を過ごすヴァニタス達。
タルト・タタンと口づけに酔いながら、青年たちは恋を踊る。
求めて、手を伸ばして、すれ違って。
甘酸っぱい三拍子は、罪の果実の味がする。
Un, deux, trois…さぁ、踊って?
そんな感じのハイバトル終わり、ラブコメ街道血反吐吐くまでッ! な、ヴァニタス第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
吸血鬼を歪める呪い、暗躍する狂気、凶暴な秘密と救済。
色んなものを抱えつつ、脈動する心臓を恋に踊らせる青年でもある、この藻の語りの主人公たち。
その表情が甘やかに爽やかに、エロティックに残酷に、様々な色を見せるエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
SDキャラの似合うコミカルで柔らかい質感と、吸血シーンの湿った質感が1エピソードに同居し、非常にこの話らしい手触りになっていた。
エロイの大事、スバラシイッ!
各キャラクターが見据えているもの、腹に抱え込んでいるものがそれぞれ違っていて、すれ違いつつも触れ合ってる重なり合いは、青春群像劇でもあるこの物語の、大きな魅力だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
恋も知らない少年たちが、宿命の伝奇バトルに身を投じ、悪辣な顔を作って事件に挑む。
それを取り巻く女達…あるいは、男と男
そして女と女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
複雑な感情(のダンスパートナーとなる、適切な勘定の不在)が相手ごと、煌めいて踊る有様は万華鏡のようで、大変に眩しい。
その輝きをラストカット、美麗に動かしきったのは、アニメの面白さ全開という感じで大変良い。
それは硝子細工のように、脆いからこそ綺麗な夢で…。
次回以降、ダンスとお菓子と恋は後ろに引っ込んで、血と因縁と狂気が渦を巻く物語が戻ってくるのかも知れないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
それでも、今回描かれた爽やかな青春、その裏にあるドロリとした想いの大河は、嘘ではない。
それを描いておくことが、物語にどう活きるのか、どう乱すのか。
楽しみになる話数だった。
というわけで、ノエくんはタルトタタンに夢中だよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
全くノンキな田舎者であるが、彼が口にするのが”林檎のお菓子”であるのは興味深い。
罪と知恵の実、不和の果実、愛の果実、アヴァロンに咲き誇る白い花。
林檎は文化表象として、色んなものを背負う
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/Twq3XczGuT
恋と戦争の起爆剤となり、永遠の若さと楽園からの追放を与える、特別で複雑な果物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
Appleのロゴマークにも切り取られてる多彩な意味合いを、当然ノエは気にせず一人、バクバクと食べる。
そんな彼よりも早く、ジャンヌが食べきってるところが可愛くていい。ヴァニタスはフォークで突っつくだけ。
甘いお菓子は成長の苦さを知らない、子供の食べ物であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
だからヴァニタスは食べない…と同時に、吸血鬼から差し出されたメシでもあって、この赤いパリで唯一の人間たる彼は、異境の食事をそうそう簡単には腹に入れない。
あくまで異物である自分を、不器用に持て余してる感じもある。
想い人の無邪気な笑顔に、擦れる嫉心。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
成熟度合いも恋への意識もバラバラな、奇妙な五角形の中心に、ドミの鋭い視線が投げ込まれる。
いつまでも、無邪気ではいられない。何も知らないことは、幸福の源泉ではない。
今展開する青春絵巻の前景として、ロイとの三角関係を置いたのは面白い配置。
あの時代は皆が幼子であり、ロイだけが未来に待ち受けるもの、自分を食い殺すものを見据えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
あれだけの惨劇を経て、ノエはタルト・タタンが大好きな(そして自分の思いを食べてはくれない)子供であり続けている。
絢爛と育ってしまったドミは、流し目でその断絶を測る。
明るく楽しい食卓に、全く相応しくないキス・マーク。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
『お前は私のものだ』と主張する、恋愛…あるいは吸血政治の象徴が、ヴァニタスの首筋に踊る。
たった一人が、たった一人を専有する。
恋とはそんなものかしら?
血を吸う行為は、恋に繋がっているのかしら?
ヴァニタスはスキャンダラスに、おそらく無自覚にそこら辺を挑発する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
恋の百戦錬磨と言うには奇行が過ぎて、人間の営みを上から観察し、自分自身を触媒にかき混ぜる科学者気質…自分を好きになりきれない離人性の自罰症が、そのふるまいからは透けて見える。
間違いなく自分が嫌いだよな、ヴァニタス
そんな彼が喉元を晒して挑発し、伏し崩されて血を捧げる、快楽のパートナー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
ジャンヌを嗤い、感情と場の空気をかき回していらん波風を起こすのは、一体何故か。
ラブ・コメディには似つかわしくない、観察者の鋭い視線。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/r4pfChLZZY
それが呪い憑きという”患者”に向けられた視線なのか、自分の中で渦巻く未知の感情ごと切開を狙う刃か、もう二三枚、秘密があるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
三角形の光が檻越し、二人切りのエロティックな空間を睨みつける橋で、ジャンヌとヴァニタスは閨房の哲学を編み始める。
誰かを思う恋は優しく強く、彩られた人生は華やかに眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
そんな綺麗事を横に退けるように、裏路地の二人は常に檻の中の獣として描かれる。
その関係性は平等ではなく、強くネジレて政治的だ。取引があり、欲望があり、それを他人に見せたり隠したり…知らず、技工を凝らす。
赤面必死のチャーミングな笑劇が、シリアスな欲望ですっと冷える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
腹の底から湧き上がるもの。手玉に取られ、秘密を抱え、それでも求めて牙を突き立てるもの。
ダダ甘いタルト・タタンよりも、もっと強く聖女を焼くもの。
ヴァニタスはそれを晒し、与え、『ここまで』と翻弄する。
血袋として吸い上げられる受動的な…なんなら”女性的”といってもいい立場にいながら、ヴァニタスは常に余裕を保ち、ジャンヌを翻弄する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
しかし確かに悦楽の刻印はその瞳に刻まれ、湧き上がる衝動は観察者である彼自信も、また飲み込んでいく。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/JSjzoVEtjK
それは睦ごとであると同時に栄養摂取でもあり、その行為で発散されるのは性欲であると同時に食欲でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
ヴァンパイアという種族が、吸血行為に込める獣性と社会性を、ヴァニタスはよく意識して使いこなす。
自分を差し出せば、目の前の女は貞淑を横に退け、強く求める。
それが彼だからこそなのか、誰でもいいのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
吸血衝動という病は、普段は”薬”(文明的≒非ヴァンパイア的であり、医者であるヴァニタス的なもの)で制御できているのに、目の前の男だけがその抑圧を崩す。
女吸血鬼ジャンヌを、本来の姿に戻す…と、言っていいものか。
彼女が初心な乙女であり、汚れた過去に染まりきらない純朴と至誠を維持していることは、ここまでの物語からも読み取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
ならばそれが反転した、情欲に流され牙を突き立てる獣だけが、彼女の真実なのか。
何故彼女は、ルカの騎士であり続けようと、呪い憑きの事実を隠すのか。
ここは伏せ札で、男も女もその駆動原理が解らぬまま、路地裏で立ったまま、獣のように求め合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
盛りの付いた純愛っぷりがなかなかに宜しくて、大変楽しく見た。
ヴァニタスの挑発と制御、ジャンヌの躊躇いと常道。美徳のよろめき、悪徳の匂いは…そんなにしない。
鬼たちの都とはとても思えない、美しいパリの夕景。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
そこに佇むノエは、追いついたドミの顔も見ずに、とんでもなくノンキな発言をぶちかます。
美味しそうだったから、先に味見をしたかった!
タルト・タタンと、恋は同列だ。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/VZYnim8vSY
ドミはルイが死んだことで、強制的に幼年期を終わらされ、颯爽たる男装が似合う”女”へと己を進化させたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
かつて同衾した相手に自分が何を求めるか、ただの友愛ではない口づけを相互に求め合う情念が、暗く心臓と胎を焼く。
伸びた手足の奥に、揺らぐ成熟のマグマ。
それを、ノエは一切共有していない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
彼は(あれだけのことがありながら)未だ、ルイと共にあれた子供時代に、無邪気に佇んでいる。
その境界線を越えて、バカでつれない幼馴染の領域に踏み込むのは、大人になってしまったドミの領分である。
ジャンヌを挑発し、踏み込ませるヴァニタスと、佇み続け、ドミが踏み込むのを自覚なく待つノエ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
男たち二人はそれぞれのやり方で、佇みながら相手を待ち、あるいは動かないことで踏み込む。
そこに漂うある種のズルさが、翻弄のエロティシズムを宿して、僕には芳しい。
ジャンヌへの思いを口にしかける時、それが二人の関係をどう爆破するか怯え、慄くドミの顔を、ノエは見ていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
彼の視界に、欲望を発達させた大人の恋は、未だ入っていない。
だから、『恋とはどんなものかしら?』などと聞くのだ。”フィガロの結婚”かよテメー…。
無邪気なじゃれ合いから、快楽を伴う吸血へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
そして絹に覆われた場所を顕にし、逆撃に牙を立てる裏切りへ。
ドミがその牙に宿すものと、ノエが口づけに求めるものはすれ違いながら、偽りのない身体のシグナル…湧き上がる快楽で繋がる。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/Smkf08OhHk
それは気持ちが良く、ピッタリと重なって満たされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
それでも、思いは伝わらない。
あまりに長く隣りにいすぎたドミの血は、ノエに過去を教えない。
その裏切りのなさ、遠ざけられた加害がノエを安心させ、”親愛なる幼馴染”という定位置から、自分とドミを動かさせない。
タルト・タタンに舌鼓を打つように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
美味しそうなヴァニタスの血を、味見していけばよかったと願うように。
ノエの唇はあくまで、食品として血を求め、その取り入れ先として口を使う。
子供っぽい友情の仕草に隠して、首筋を狙うドミの秘めたる野心とは、そこがズレている。
性交の香りを漂わせつつも捕食でもある、吸血という行為。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
それは吸血鬼が自分を保つために必要な営為であり、同時に誰とでも朗らかに楽しめるパブリックな営みではない。
閨房の哲学に乗っ取り、複雑なメッセージを己の舌先で、相手に届ける複雑怪奇な一夢文学。
その複雑さを、ノエは一切見ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
見ないくせに、ドミの成熟にされるままではなく、エロティックな赤い炎を瞳に宿して、さかしまに牙を立ててくる。
無邪気なままに香り立つ、麝香のような成熟。
ドミの目の前にいるのは、もう子供ではない。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/QLwD0FuvmX
デカく育った身体の意味を、当人だけが知らないすれ違いの中で、幼馴染は抱擁を、相互の吸血を交わしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
とても綺麗な夕日の中で、檻に囚われない猫のように、屋上で睦み合い、その温もりを確かめる。
掌に宿る感触が、ドミには愛おしく、多分憎い。
ヴァニタスが医者らしい観察と自己嫌悪で遠ざけ、制御する挑発を、ノエは天然でやってのける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
親愛と情欲の入り混じった熱流を、牙を架け橋に届けて、その毒がどう効いたかは知らんぷり。悪い男である。
死んで永遠の幼子となった兄とも、自分を置き去りに黄金に佇む想い人とも。
ドミは違う岸に流れ着いてしまっていて、しかし縁は解けない。思いは冷めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
むしろあの時代から離れたからこそ、ただの友達でも兄弟でもない、男と女である自分とノエに気付けた。
恋の質感は孤独で、苦くて甘い。多分、ノエの血の味がするのだろう。可哀想に…。
蒸気の光に彩られた青いパリともまた違う、麗しき吸血鬼たちの夜都。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
きらびやかな輝きの中で、ドミは恋敵ともなり得る乙女の笑顔を、誠実に抱きしめて踊る。
”享楽の行為は私の認めるところでは、他のあらゆる情熱を従属させる情熱である。”
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/bjoMSaSYS6
賤民たる狩人の手を取り、軽やかに踊る…ダンスホールを物欲しそうに見つめていたジャンヌの願いを叶えてあげる、ドミニクの言葉には続きがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
”しかしそれはまた、他のあらゆる情熱と同時に結合する。”
無邪気でいることも、欲に浮かされることも、独占も羨望も孤独も獣欲も。
全ては綺麗に切り分けられないままに、お互いを強く刺激しながら人生を燃え盛らせていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
ドミニクがジャンヌの手を取ったのは、彼女の夢を叶える貴族的行いであり、散々振り回される幼馴染への逆襲であり。
正体が解らぬまま惹かれている恋敵の手を、ノエに取らせない牽制でもあろう。
美しい(とされる)ものと醜い(とされる)ものは複雑に癒着して、三拍子のダンスを踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
大人になりたいという願い、無邪気に子供時代に置き去りにされている残酷。
あるいは自分を求めぬからこそ、高鳴る思いを濃いと捧げてもいいと思える屈折。
ヴァニタスのジャンヌへの接近と挑発は、『これが恋だ!』というパトスに導かれたものではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
『これを恋ということにしよう』という、非常にロジカルな判断…多分間違っている…に身を投げる、ある種の自暴自棄と自己卑下。
こんな自分を好きになるやつは、信頼も敬愛も出来ない。
そういう冷たい視線が、多分ヴァニタスを焼いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
でもそうして始めたダンスが身を乗り出して、ジャンヌが自分に翻弄されるだけでなく、凄く真っ直ぐな思いを…それが恋であろうと、なかろうと…差し出してきた時。
愛されるべきではないと己を任じていた青年は、どう狼狽えるのだろう?
恋の花、欲望の炎がバンドネオンに乗っかって、心地よい踊りを踊る今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
むしろ顕になったのは、ヴァニタスの上がりきらない体温、そこに自分を止めようとする強い抑圧な気がする。
彼は血を吸われ、欲望を喚起し、しかしその流れに身を任せない。あくまで観察者でいようとする。
だからジャンヌとの抱擁は檻の中で行われ、屋根の上猫のように自由に、幼さと成熟を複雑に混ぜ合わせながらも残酷で幸福な、ノエとドミの接吻に対比される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
(猫的であることがこの作品で価値とされるのは、ムルの書き方からも見て取れる。E.T.A.ホフマンからの引用かな、この名前…)
くるくると輝きながら、夜の種族の青春が踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
それは恋と欲望と、多分とても爽やかな友情の入り混じった一夜の夢。
とても綺麗で、多分二度と訪れない、特別であることをその参加者が誰も意識しない、とびきり輝く夜だ。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用)。 pic.twitter.com/QWJsnZtWu7
流石に勝負所、圧倒的なカラーリングと撮影で運命の瞬間を切り取る、中庭石畳のダンスシーンは素晴らしい。めっちゃ青春、めっちゃキラキラ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
それぞれ一筋縄では行かない屈折を抱えつつ、その笑顔は濁りなく眩しい。
今後、ここで描かれた純粋がどう汚され、砕かれていくか。暗い愉悦に、脊髄も震える
ヴァニタスがジャンヌに恋していると、自分を定めたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
その相手に、輝きに憧れつつも卑賤に身を沈める聖女を選んだこと。
そのとなりで、名前の付かない視線を向けるノエ…を見つめ続ける、ドミの未来。
未成熟なルカの、焦燥と祈り。
今回切り取られたものが、何処に繋がっていくのか。
大変楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
サブタイトルの”Femme fatale”は”運命の女”を意味し、赤い糸で結ばれた運命の相手と、己を破滅させる魔性を、両面的に意味する。
別に女だけがこの特権を有するわけではなく、男性系の”Homme Fatale”という言葉もある。
むしろ翻弄され加減で言えば、ズルい男たちこそがFataleであって、特に秘密多く魅力的で危険なヴァニタスには、色濃くその影が伸びている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
だがそんな彼が、ジャンヌというFemmeと出会うことでどんなFataleに出逢っていくのか。
翻弄し主導権を持つ側が、恋と定めたものに、どう狂わされていくか。
あるいはタルト・タタンの無邪気さでドミを狂わせるノエが、その純朴をどう崩され、大人にされていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
その歩みに、牙で伝わる欲望と熱はどう影響するのか。
そういうことが、気になるお話だった。
色んな所に導火線があって、爆破が楽しみだね!
というわけで、物語はルスヴン卿への謁見に続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
旧き良き友情だけを見据えているノエの無邪気な接近に、揺れるドミの顔をドミだけが見れる(鏡を背にしてるノエは見えない)構図が良い。ノエのアホー!!
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/arDduLU415
黒い十字の窓枠をかんばせに刻み、待ち受ける魔界の実力者。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
意味深に写された赤い褥は、女の寝室に見える。そこに漂う瘴気は何を意味するか。
…ヴァンパイアの宮廷、中心に座ってるのは女王なんかな。とすると、三人目のFemme fataleの影が見えた気もするが…。
そんな感じの、赤いパリの一日でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
日の出から夜まで、どっしり青年たちの休日を追うことで、街の色んな顔が見えたのはとても良かった。
色んな表情を持っているのは、人だけじゃない…って話でもあったね。
やっぱ美術凄まじいな…眼福眼福。
(画像は"ヴァニタスの手記"第7話より引用) pic.twitter.com/dk8Mfd5nkX
界渡りから仮面舞踏会、思い出の迷宮に輝く青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月14日
色んな顔を見せてきた吸血魔都紀行も、その心臓にたどり着いて一段落…かな?
ルスヴン卿との対峙がどう転がるか、次回も楽しみです。絶対、穏当には終わらないと思うが、さてはて…。