BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
詩の襲撃を退け、少女たちは天へ至る。
それぞれの後悔を噛み締めながら、戦場に刻む足跡。
その足取りには、ここまでの罪と迷いと決意が宿っていた。
いま死地を超えてたどり着く、最後の舞台。
そこに咲く、花の名は…。
そんな感じの総決算、ブルリフR最終決戦前編である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
なんというか…先週顕にされた紫乃の傷でもって、お話が決着する道筋は完全に整理されているので、ある意味この決戦自体が長いエピローグというか、何かを成し遂げる新たな興奮はあまりない。
それはブルリフRがここに至るまで、少女たちをしっかり惑わせしっかり選ばせてきた証明でもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
ここに至りて、もはや憂いなし。
過酷な最後の試練に挑む陽桜莉たちは今まで掴み取ったものを確認しながら、それぞれの戦いに挑み、仲間の道を切り開いていく。
物語は、必然のように終わっていく
そういう納得と感謝が、興奮よりも先に立って…でもやっぱりラストバトルをハラハラ見守れるのは、ブルリフRがいいアニメだった証明だと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
ここまで、見てきてよかった。
残り一話まで辿り着いてまず思ったのは、そんな気持ちだ。つくづく、ありがたい。
というわけで、前回最悪の水差しをブッコンだ駒川詩が、都必殺のフライパンアタックで撃退されるところから、最終決戦スタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
いやー…最後の最後まで”持ってる”女だったねぇ、駒川詩。
お前どの面下げてブルリフ島行くんだよホント…エピローグ楽しみだなオイ。
最初の犠牲者である都が、正当な怒りと暴力でもって超常戦士にリベンジかます展開も、あんなに尖ってた仁菜ちゃんがギトついた憎悪ではなく相手と向き合う気持ちを持って詩と対峙できたことも、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
心に突き刺さった悲しみの破片を、誰かに引き受けてもらうこと。
美弦に手を引かれてあの教会に宿り、色んなものを犠牲にして戦いに明け暮れ、それに疲れ果てて陽桜莉に拾われ、都のツナマヨオニギリ食って”お家”を開けた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
後生大事に抱えていたものが、虚無でしかなかったと知ったことから、新たな歩みを始めた。
同じ場所に留まっていたはずなのに、違う歩みを経て違う場所に到達した仁菜ちゃんと詩が、噛み合わない…けど決定的に噛み合ってるバトルを繰り広げるのは、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
理解され、憐れまれることは詩にとっては屈辱であり、憎悪と痛み以外は本物ではないと、思い込みたいのだろうけど。
理由なく空虚である詩がなにに苦しみ、なにに暴れているのかを知りたいと思えるようになった仁菜ちゃんにとって、詩はもう遠ざける他者ではなく、向き合う仲間なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
色んな経験を経て、彼女の世界はそういう場所に変わったのだ。
だからこそ、己の罪も良く見える。
ケジメのように呆気なく、仁菜ちゃんが背後から刺されて脱落していくのは、むしろ納得の行く話運びだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
あれは紫乃の眷属の一撃であり、仁菜ちゃん自身の後悔が背中を刺したのだろう。
全てが終わった時には、お姉様の背中に刻まれた消えない傷と同じものが、仁菜ちゃんにも宿っている。
自分の弱さを世界に押し付け、他人を踏みにじった罪はそんな風に、内心を揺らしながらずっと続くだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
それで良いのだと思う。
詩は…どうなのかなぁ。アイツが目覚めた後どうなってるか、マジで想像つかないの凄いよな…。
全世界の凡人を代表して、そんな超越者に一発いれた都が、力あるものへの嫉妬をしっかり言葉にし、瑠夏が『それを背負ってコモンに向かう』と受け止めたのも、ありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
やっぱ都の存在が、ブルリフRがブルリフRであるかなりの部分を担ってる感じはあるよなー。
特別に選ばれた少女たちの、宿命の戦い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
作品のメインステージにどうしても立てない存在が、どれだけ強くて優しいかをずっとこの話は書いてきた。
でもそれは天使の強さではなくて、恐怖や怒り、自分に降り掛かった理不尽を認めきれない震えに包まれた、とても人間的な物語だった。
他の少女と同じく、とても当たり前な苦しみと素手で格闘した末に、あのフライパンスマッシュがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
詩が望むようなヒリツイた憎悪ではなく、『私はここにいるんだ！』と宣言するための、存在証明の一撃。
それを都は、ぬか床かき回したり情報整理したりして、ずっと刻んできた。
都をないがしろにしないことで、物語は異能伝奇にありがちな特権性を上手く回避できたし、彼女の強さに支えられる形で、色んな少女が道を進んでも来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
そんな彼女が最後に残す、あまりに人間的な炎。
それを受け止められるくらいに、瑠夏もデカくなった。
最終決戦に赴く前に、ちゃんとそういうところを彫り込むのがブルリフRである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
というわけで最後の大盤振る舞いッ！ ぼったちブルリフ戦闘は店じまいだよ！！ って感じの、なかなかいい感じの異能バトルが大暴れである。
いや、ところどころ濃厚に”味”漂ってるんだけどさ。そこも好きよ。
ラスボス戦に主役を送り込むべく、一人また一人と自分の戦いに専心していく展開は、ベタながらやっぱり良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
百ちゃんとお姉ちゃんがバディ力を見せつけた上で、かつて勝ちきれなかった原種と決着つける流れとか、『ああ…総決算…』って感じ。素晴らしい。
紫乃の深層心理と一体化したコモン紀行が、ここまで好きだったブルリフR独特の怪奇味全開で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
このアニメのホラーの書き方、なんだかんだちゃんと怖くて好きなんだよな。
作品が真ん中に据える少女の心の、悍ましさと美しさが結晶化してる感じもあるし。
それが最後の舞台に、ちゃんと刻まれる
おどろおどろしいコモンの風景は、地獄を越えて囚われた紫乃の心証そのものであり、そこを切り開いていくことで彼女の心に近づいていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
数多の試しはつまり、拒絶と裏腹の悲鳴であって、『この程度で揺らぐ甘っちょろい覚悟じゃ、神様助けられないぞ！』というSOSでもある。
つーかなぁ…年取った猫みたいにずーっと寝てた一期から見てきて、ラスボス覚醒果たして超絶調子に乗って、そのくせ悲痛な救済願望をタレ流しに壁役頑張って、前回その過去を刻みつけられた紫乃を、”敵役”たぁ思えないわけよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
そうなるように、話を運んできたわけだけど。
絶対神様の玉座から下ろして、かつて姉と望んだような人間の当たり前、誰もが掴める幸福にダダ浸しにしてやんねぇと”嘘”でしょ、水崎紫乃。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
2クールかけて育まれた『マジどうにかしてやってくれよー』感を総身に帯びて、陽桜莉と瑠夏は決戦に挑むのだ。ありがたい…。
そこに同行しない選択肢を、亜未琉との決着をこそ自分のクライマックスと、泣きながら選んだ涼楓も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
まー当然”そこ”だよな…もう一度同じ音楽を聞いて、抱き合い一緒になりたい願いを今度こそ掴み取るためには、刃を交えるしかない。
目の前に在る亜未琉が”本当”かどうかを、涼楓はもう疑わない。そんなものは、最初から分からないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
でも、自分の気持ち…そこに反射する愛おしい亜未琉は”本当”だ。
それは自分だけの尊厳で、唯一定めることが出来る真実だ。
紫乃の救済が良くないのは、この決断権を剥奪するからだわな。
どんなに近くにいても、けして重なり交じることのない人の宿命。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
一抹の寂しさと恐怖ごと抱きしめて、より嘘と後悔のない結論にたどり着くためには、迷いや間違い含めた今までの私達全部に、しっかり向き合う必要がある。
指輪の少女たちが皆歩んできた道のりに、涼楓と亜未琉も挑む。
そんな剣戟に背中を押されて、瑠夏と陽桜莉も長い旅路、最後の舞台に突き進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
陽桜莉が戦士としてどう強くなったかを、姉を否定することで示すのも、見殺しのトラウマに突き動かされてきた瑠夏が、今度は一緒に死ぬことで未来を切り開くのも、最高に良い。
マグマの下に紫乃がいると知りつつ、当然少女たちは死に怯える。『はよう飛び込めや！』というのは、外野の無責任なヤジである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
屋上からの景色は紫乃の煉獄であると同時に、陽桜莉と瑠夏の後悔、恐怖…あるいは期待を反射している。
見えないものへの不安、不確定な未来への怯え。
それはけして消えてなくなることはなくて、でも飛び込まなければ何も変わらない炎。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
だから、二人で行く。
けして混じり合わず、判りあえず、それでも確かに共鳴できた、掛け替えのないバディとなら進める。
そういう凄く普遍的な答えを、ずっと探し確認するアニメだったと思います。
フラグメントを守りきって、紫乃の心臓に辿り着いた時点で、陽桜莉達が”勝った”わけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
その勝利がどう描かれるかは、次回を見なきゃ判らない。
紫乃が切り捨てようとした人間性を、フラグメントに具体化して届けることで、変えられない苦痛、深すぎる絶望が動く説得力がある。
フラグメント、コモン、リフレクター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
現実離れした設定を最大限活かして、とてもありふれた苦しみが物語の中でよく描けるよう、画材を工夫した作品でもあったなー、と思います。
フラグメントが隣りにいるのといないとじゃ、紫乃が彼女自身の望みに戻ってこれる説得力、段違いだもんなぁ…。
そして紫乃の欠片は、陽桜莉が見つけてここまで守り通して、最終決戦にちゃんといるわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
やることはもう語ってる。
抱きしめて、辛かったねと言ってあげて、一緒に帰ってくるのだ。
それを作中の人物皆が願っているし、僕も望む。
アンタもそうだろッ！このトンチキアニメが好きなんだろッ！
同化の”圧”が、思わず暴発してしまいましたが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月20日
ヘニャった作画と独自のテンポに気圧されつつ、ガッチリ引き込まれたこのお話も、残り一話。
最後までヘンテコで、面白くて、自分たちが見据え描いたものに切実な作品であってくれるでしょう。
俺はね、そういうアニメが大好きなの。次回も楽しみッ！
