プロセカイベスト”Revival My Dream”を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
アンバサダー業務に勤しむワンダショに、新たに課せられたミッション。
大きな木のある豪邸での舞台に、類の思い出が蘇る。
かつて越えられなかった断絶を、今の自分と仲間なら越えられる。
その確信が生み出す、幸福に満ちたステージとは!?
そんな感じのワンダショ二周目、類くん担当回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
キャラの幼年期と絡めたエピソードは日野森姉妹(ふたりは月うさぎ)、まふゆ(灯のミラージュ)、寧々(マーメイドに憧れて)司(ユニスト)など、結構な数がいるが。
そのどれとも違う、子供時代への向き合い方をしてて面白かった。
他のキャラはストーリーの中で幼年期のわだかまりを越えたり、見失っていた思い出を取り戻したり、あるいは現在進行系で過去と取っ組み合いしたりするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
類くんは自分の中で過去の挫折、痛みと折り合いをしっかり付けて、それを乗り越える提案を自発的に差し出していく。
今回描かれた幼年期は、その大人びた天才性故に周囲の理解を得られず、孤立していく物語だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
知識も世界認識も価値観も、一人だけ高いレベルにあって、周りがついてこない寂しさ。
それを当然視される苦しさ。
そして、それらを周囲に叩きつけても、自分も世界も変わらないと解ってしまえる賢さ。
一歩引いた所から状況を俯瞰する”演出家”の視点が、どんなバックグラウンドから生まれていたのか、納得の行く描写であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
こっちが想定していた三倍くらい天才で、大人で、同時に達観しきれない人間味もあって、よい掘り下げだったと思う。
類くんは情報の咀嚼と整理が早く、自分の情動を俯瞰で捉え、社会的に適切な位置にエゴを置く能力が高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
つまり”頭が良くて大人”ということで、他のキャラクターが他者のアシストを貰い、ドラマの中で解決する幼年期のわだかまりを、内部で処理して出力できるの理由でもある。
しかし彼も演出ロボットではなく、内心にはかなり捻れた辛さと痛みがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
『変人が抱え込んだ苦悩が、ただ見えにくいだけ』というのを、鋭敏に受け取る特権は寧々ちゃんだけが持っていて、付き合いの長さを感じさせる。
そらー類くんも、寧々ちゃんに体重預けるよなぁ…。
自然科学の天才だった類くんは、輪郭だけ知っていた舞台を自分の目で見て、人文科学の粋とも言えるステージ・エンタテインメントに夢中になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
理系・文系と安易に分断されない、不定形で靭やかな”知”を活用して、心からやりたいと思えることに自分の才能を向けていく。
しかし同志に恵まれなかった彼に、ついてくるものはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
危険を承知でやってみる、危ないからこそ安全に出来る手段を考える。
そういう大人の発想は、彼ほど成熟していない子供たちには当然、異質で怖いものとなる。
抜群無益。
類くんは、突出した己の才能をヤスリがけして、周囲に合わせられない
ここで周囲が求めるレベルに自分を折り曲げると、まふゆと同じルールに行くので、”空気を読む”ことが唯一の正解とも、またならないわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
ある意味必然の孤独を噛み締め、類くんは自分の夢を叶えてくれる誰かを待ちながら、ドローンだけを伴にパフォーマンスをしていた。
寧々ちゃんが人生を決めた”人魚姫”が、クールに見える類くんにとっても圧倒的な衝撃で、今の彼に強く繋がっていると解ったのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
幼馴染二人は同じものを見て、それぞれ個別の…しかし確かに繋がった感動を受け止めた。
それが、幼い彼らの道を開く。
望むままに進まないこともあったし、挫折に諦めた後生まれた出会いが、思わぬ道を切り開くこともあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
情熱溢れすぎてる座長と出逢ったことで、二人はかつて見た夢にもう一度出会い、その先へと進もうとしている。
寧々ちゃんは人見知り気質で、類くんは迸る才気で。
なかなか自分の”好き”を共有してもらえなかった二人が、共通の”好き”を通じて繋がり、一旦縁が解けかけ、また繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
そんな運動のさなかに、”ワンダーランズショウタイム”は深く突き刺さっている。
ドラマが動き出す前に勇気を持って、過去の克服に進み出た類くんの語りから、それが見えてくる。
類くんが今回の演目に惹かれたのは、平等や対話といった大文字で遠い価値観を大事にしたいから…ってだけでなく、天才ゆえに孤立し理解されなかった自分を、演劇なら救ってくれると見込んだからでもあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
クールで大人びた青年が舞台に託した、ひどく個人的な願い。
それは身勝手に暴れて他人を押しのけるより早く、凄く適切な形を捕まえ、メンバーの協力と観客の称賛を得れる舞台として、綺麗に昇華されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
よく制御された社会性を、既に自分の中に備えた立ち回りだ。
そこら辺、他の子供達とは違う。
やや冷えてて、遠く見える。
でもそこには、類くんほど賢い人が上手く言葉にできない何かが確かにあって、それを寧々ちゃんに促されて、ようやく出会えた仲間たちと思いを共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
自分が見つけたものを、内側から取り出して差し出しても、拒絶されない場所。
ずっと求めていたカンパニーを、彼はようやく捕まえたのだ。
子供を大人に加工する、望みが叶わぬ苦しさと痛み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
そこに折り合いをつけ現実を諦め、しかし確かに夢がまだ生きてると知って、もう一度踏み出し向き直る歩み。
この物語が捉える他のあらゆる物事と同じく、幼年期との対峙もまた、人それぞれ”colorful”だ。
類くんは世界に断絶があること、他人はどこまでいっても他人であることを知っているし、痛みを込めた実感として解ってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
その上で他人と自分に期待し、本当に望むものを叩きつけても壊れない誰かを、必然的な断絶をなお越えていける絆が、今目の前に在る。
遠くて冷たく判りにくい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
他者にとって、そういう存在として立ち現れるしかない自分が、だからこそ求めた断絶の超越。
それが工夫をこらした演目、挑戦する意志を共有する仲間、それに感動する観客を巻き込んで、一つの舞台として立ち上がってくる奇跡。
それをしみじみと噛みしめる類くんを、理解する深度もまた、人それぞれだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
類くんが誰かに解ってもらおうと藻掻き、失敗して今の、シニカルで賢い変人になる前を、大賢として共有しているか、否か。
寧々ちゃんはそこらへん、深く潜る幼馴染特権を持っているわけだ。さすが人魚姫。
しかしそういう、時間的断絶もまた本気でぶつかり合う経験の中で乗り越えられるもので、司くんは我らが変人演出家の想いと願いを、過たず理解し、報いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
ただ、妹に笑って欲しかった。
自分の原点を取り戻して以来、人間のいちばん大事な所を一切見落とさない男に戻った彼は、大変頼もしい。
人格的成熟度も、見据えている世界も、それを支える知性も個性も異なるけど、ワンダショは一つの舞台を作り上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
兄さん達が直々に感謝と使命を伝え、色んな人に感動と興味を伝える”仕事”を、しっかり形にしている。
バラバラだけど繋がって、凸凹だけど同じだ。
そんな不思議なセカイの現れとして、物分かりよく大人びて、幼年期との対峙をスマートに終える類くんが見れたのは、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
賢く冷たく遠くも思えるその踏み込みに、どれだけ赤い魂の血が、傷つけられ打ち捨てられた切望が宿っているか。
どれだけ、分断と孤独が寂しく辛いか。
類くんを安易に”悩める十代”に押し込めず、彼らしくちゃんと描いたのは、凄く良いことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
けして一体にはならない社会との断絶と、どう向き合うのか。
離れるにしても、合わせるにしても、痛みと軋みがつきまとう人生の難しさを、何で埋めて贖うのか。
ユニットごと、個人ごとに別々でいいし、それは孤独を意味しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
皆同じ舞台の上で別々の曲を奏でながら、同じものを見据えているのだ。色んな色の乗った、パレットように。
類くんが持つ色彩がどんな手触りか、しっかり示したこのエピソードも、今後うねる物語の中で、大事な画材の一つになるだろう
そうして過去の痛みと、今の想いを未来に繋げていくことで、かつて打ち捨てたものは真実Revivalされるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
viveは生命を意味する語幹だ。
かつて諦めた演目を再演する中で、類くんはいつか殺した幼い自分を、もう一度再生させる。
再演と再生を繰り返しながら、見える新たな地平。次回も楽しみ
追記 イベントタイトルの選択に関しては、製作者は相当色んな狙いを込めてやってる実感と信頼が、プロセカにはある。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月26日
Revivalをキリスト教の文脈で使うと、『一度捨て去った信仰が再燃する』『それが社会運動のスケールを持つ』という意味合いを宿す。
類くんが一度諦めた演目を、本気になれる仲間を信じて再演したことは、舞台を通じてもっと大きな熱狂に繋がっていくのだろう。