月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
レフとイリナはオーロラの夜、一夜の逢瀬を楽しむ。
その先にある別れを予感しつつ、愛しい人の温もりを求める吸血姫。
その視線に送り出されて、レフは宇宙英雄への道を進んでいく。
栄光なき犠牲の上にしか、輝く夢は成り立たないのだろうか。
そんな感じの発射本番直前、モスクワの天気は恋のち抑圧な、月とライカ第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
すっかり乙女色にのぼせ上がったライカちゃんと、最後の逢瀬を楽しむレフくん。
『セックスまで持ち込めなくても…俺たちにはコレがありますよ!』とばかり、ブッパされる吸血快楽の誘惑。
いい具合にロマンスと萌えが温度上げた所で、実験動物の宿命と全体主義の壁が、全力で冷水ぶっかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
同志筆頭書記と秘書官が体制革命を狙う中で、一体用済みの獣はどんな”使われ方”をするのか。
念願の宇宙を押し上げられていくレフくんは、愛する人のために何が出来るのか。
いい感じに決戦のロケット発射、その後のクライマックスへの足場が整う回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
前半のデートで『イケるッ! イッてくれ!!』つう期待を煽りつつ、後半のろくでなしパートでションボリさせるの、巧い温度差だなぁ、と思う。
投げ捨てられたアイスクリームが、大変良い無念のアイコンでした。
というわけで、恋と悲劇は物語の両輪、ドン底まで下げるためには天にも昇る心地を味合わせないとねッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
前半のイリニャンさんは大変あざとく、恵まれた萌えポテンシャルを最大限に発揮し、凄く良かったです。
一人だけ頬ぽっぽさせて、恋心に強く自覚的なのが良いですね。
映画にはしゃいだり手作りディナーを食べたり、充実のデートに恋心は空回り…というわけでもなく、レフくんもイリナちゃんのことはLOVEである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
一緒にいるだけで体ぽっぽしてきちゃうイリナちゃんに比べ、よりダイレクトな接触まで踏み込むあたり、ギャップを感じてとても良い。
オーロラが見守る静かな夜、吸血姫とその恋人だからこそ出来る特別な体験を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
青い疼きが爽やかに、熱く燃え上がる景色をロマンチックに描けているのは、大変良かった。
こういう良い”絵”を要所で出せてるのは、このアニメのいいところだなー、と思う。
(画像は"月とライカと吸血姫"第10話より引用) pic.twitter.com/DWFYU12Y02
同時にイリナは自分が被差別民であり実験動物であり、そろそろ処分される事実を冷徹に見据えてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
誰かに見られれば、英雄候補生に傷がつく。
身を引こうとする少女に一瞬迷って、グイと強く手を引いて抱きしめるレフくんには、主人公の貫禄があった。
そう、主役にはそれをやって欲しいの僕は!
堂々抱き合うことも、人類最初の宇宙飛行士の栄誉を叫ぶことも出来ない、つまらない世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
レフくんがそれを変えたいと願う源泉が恋にあり、書記長一派の革命思想がそこと繋がってる描写は、なかなか面白い。
国ひっくり返すような爆弾パナしても、権力の後ろ盾を得られる…かも? って状況だ。
イリナ処刑の方向に圧力かけてるのも、前政権の腫瘍たる”運送屋”だし、ロケットフィーバーの余力を借りて、イリナを人間と擁護することで改革を狙うプランが、筆頭書紀と秘書官にあってもおかしくはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
相当な賭けだとは思うが、賭けに出てでも祖国を大手術したい熱量が、あの禿頭に宿るか。
若人のロマンスと並行して、抑圧国家の中枢にありながら腐敗しきらない、老革命家とその愛人の熱血物語が、裏に走ってる感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
実際デートの後のプロパガンダ撮影と、その後ろで踏みにじられる少女たちの純情を見ると、ゲルギエフおじさんには大胆な施策を期待したくなる。
存在しない都市での英雄達の日常を、首都で取り繕う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
神聖なる建国者廟が見守る中、プロパガンダの撮影に余念がない二人に、ちょっかい出してくるリュドミラさん。
比較的フットワークの軽い彼女をジョーカーに使って、物語的な抜け道を作る話運びは結構好き。
この人が全体主義国家の異端児、腐った退屈を嫌う改革主義者だから、レフは熱意と信念を買われて宇宙飛行士に選ばれるし、イリナを処分から救う道も消えずに残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
権力の最下層で現実にもがく主役と、その苦境をひっくり返しうる最高権力者を繋ぐ、かすがいの仕事をやっとるわけだな。
大国どうしのメンツ合戦、広報地獄の生臭さを散々に描き、宇宙開発の浪漫にも深く毒が食い込んでると描いてきた、この物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
打ち上げが迫るにつけ、レフくんが体現する『それでも、夢を見る』という姿勢が、デカいモノを動かしそうな気配が胎動してきている。
巨大な質量が重力を引きちぎり、前人未到の領域へと人を押し上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
その偉業もつまらない現実に飲み込まれるのか、世界を塗り替え恋を成就させる奇跡を起こすのか。
そこがクライマックスの争点になりそうだ。
これを盛り上がらせるためには…イリナを殺そうッ!
正確に言えば、差し迫った”処分”の圧力と愛おしさに心がメチャクチャになって、幻影を見るほどに追い込んでいこうッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
レフの重荷にならないよう、気丈に外面取り繕ってるイリナちゃんだが、赤の広場でフラフラ~っと仕出したあたりから『ん?』ってなって、レフ座見上げた所で『ヤバッ!』ってなった
アーニャが種族を超えた親友として、イリナちゃんに寄り添ってくれる姿は大変尊い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
だからこそ諜報員が英雄の見えざる壁として立ちふさがり、人間として当たり前の情すら跳ね除ける姿…そこに搾る涙の熱さが、無情でいい。
マージで共和国、ロクでもない。
『なんであの狐女が舐め腐った態度でアイスペロペロ出来て、イリナアーニャはダメなんだよッ!!』と言いたくもなるが、『…あ、あっちは国家最高権力者で、こっちは実験動物と監視役だからですか、そうですか…』と、身も蓋もない現実に黙り込みもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
いやー…革命、やんなきゃなッ!
『その革命の成れの果てが、この腐りきった全体主義国家だろーが!』とも思うが、実は共和国がどのように現在の体制になったのか、明言はされてねーんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
わざわざホロデーツ出しておいて『いえ、共産革命はなかったです』と言われても、頷けはしないがなッ!
俺は好きだよ、あの牛の煮こごり。
さておき、己の行く末を告げぬままイリナは、国家という機械の歯車に噛み殺されて、歴史から消えていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月6日
彼女の偉業を礎に飛び立つロケットで、レフは一体何を見るのか。
”人類最初”の打ち上げが、遂に始まる。
ハゲと狐の革命カップルがどう動くかも含め、次回も楽しみです。