takt op.Destiny 第11話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
ザーガンは巨大な黒夜隕鉄にその身を捧げ、シンフォニカは地獄と化した。
取り残されたアンナ達を、音楽の響く世界を取り戻すべく、タクトとムジカート達は冥府へ下る。
覚悟を瞳に宿したオルフェウスの行く末を、白と黒の入り交じる終末が塞ぐ時、決戦が始まる。
そんな感じの最終話一個前、タクトくん死ぬ気満々最終決戦! である。マージで…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
話としては結構シンプルで、ラスボスがラストダンジョンを起動させ、囚われのヒロインたちがワルキューレに助けられた後後頭部をイワされて昏倒し、合体魔人とのバトル開始! ってところまで。
自分の体のことは自分が一番良く判るのか、時間制限付きの命をどこで燃やすか、既に覚悟してしまったタクトくんの瞳が悲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
同時にそれは、このNYに辿り着くまで自分の目で見て、心で聴いた世界のために選び取った、大事な選択でもあろう。
外野がなんか言うのは筋が違う、とは理解る。
理解るがしかし、あんなに辛いことがあってなお音楽と人間を愛し続けた少年には、フツーに生きてフツーに幸せになってほしいと、どうしても思ってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
あかほりさとるテイスト満載な自己犠牲特攻ルートががっぽり道を開けているが、さて”地獄のオルフェ”との決戦はどうなるのか。
アプリとどう接合させるか含めて、なかなか気になる所である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
泣くアンナ、揺るがぬ運命。
タクトを愛する二人の姉妹。
思いの現れはそれぞれであるけども、それぞれ少年の意を汲んでの位置取りで、最終決戦だなぁ…という感じは強い。
ザーガンの意図はまだ理解んねぇけどなッ!
というわけで、色々謎を残したラスボスが超気持ちよさそうにラストダンジョン生成して、一瞬の希望を砕く所からお話はスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
黒夜隕鉄と接触しすぎて、もう人間型のD2に近い存在なんかなー、この人…。
(画像は"takt op.Destiny"第11話より引用) pic.twitter.com/pGT2xTeRSD
隕鉄に包まれた地下で両手を広げる姿は正しく指揮者めいていて、彼も彼なりに音楽を奏でているのだろう、とは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
しかしそれは、人間が”人間らしい”と許容できる範囲を遥かに超えた犠牲を求める。
シャルお姉ちゃんが用意してたコールドスリープ計画も、容赦なく踏みにじるしね。
この牙城を切り崩すべく、わざわざ地獄に飛び込む三人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
レニーさんを失い、”巨人”が笑顔を失った戦士そのものになってる描写と、同じく覚悟を決めたタクトと”運命”がいつもの調子を取り戻させるやりとりが、結構好き。
なんつーかこのアニメ、異常な潔さを時折見せるのよな…。
愛した人を奪われ、否応なく運命に組み込まれ、戦って戦ってタクトくんが辿り着いた境涯は、今まで歩んできた旅と繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
そこには当たり前の生活があり、絶えることのない人間の営みがあり、鳴り響く音楽がある。
目の前の死地はそれを損なうから、命くらいは投げ出して止める。
そんな自然体の覚悟に主人公は飛び込み、戦う機械だった彼のムジカートもまた、そこに宿る温もりを理解している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
その収まりの良さを喜べば良いのか、嘆けば良いのか、イマイチ解らないまま最終決戦である。
泣いてくれりゃこっちも楽だが、もう朝雛タクトは泣かないのだなぁ…。
一方地獄の奥で姉妹は大ピンチ…ってのを、待ってましたのワルキューレたんが救出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
したと思ったら、後頭部をイワされて昏倒した。
バッドエンド回避の立役者相手に、扱いヒドすぎない!?
ムジカート委員長納得させてる尺が無い、てのは理解るけど…。
(画像は"takt op.Destiny"第11話より引用) pic.twitter.com/1TR1lo23KV
この場所にたどり着いたときからタクトの答えは決まっていて、その決意が少女たちを生の岸へと旅立たせていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
ただ一人、冥府へ下るオルフェウスに付き従うのが、彼だけの竪琴たる”運命”である。
(画像は"takt op.Destiny"第11話より引用) pic.twitter.com/T3UZQPQEEZ
”お姉ちゃん”が万感を込めた口づけを見守る時、”運命の”微笑みはとても穏やかだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
それは戦闘機械としてプログラムされた無感情でも、素体となった少女の残滓でもなく、三人が旅して築き上げた、一つの静謐な音楽なのだろう。
綺麗だ…けど、やっぱり俺は悲しいぜ。
死地に赴く暗い通路で、”運命”ちゃんがタクトの顔色をうかがい空気を読み、ここまでそうであったように軽妙なやり取りを差し出すのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
今までずっと続いてきて、これからもずっと続いて欲しかった、日常の中の音楽。
それを思い出した時、暗闇に光が差し込んでくる。
それが善い兆しなのか、絶望の中差し込む一筋の慰みなのかは、最後まで見届けないと分からないけれども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
このお話の結構な部分を使って描いてきて、僕が一番の魅力だと感じていた『バトルと関係ない部分』が、この最終決戦まで長く残響している様子には、不思議な喜びを感じる。
バリバリに動き回るアクション作画は本作のウリなんだと思うが、その激しさ、戦えばこそ守れるものの意味を知りつつ、『主題ではないのだな…』とも同時に感じていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
白熱のバトルシーンが作品から浮いている…というわけではなく、相手を倒し意志を挫くことは、あくまで手段の一つでしか無い気配。
時に理不尽に襲われ、瓦解してなお逞しく生きようとする人の営みを、豊かに語り得る”音楽”なるものを、守るために必要な一つのパート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
このお話において闘争は、そういう扱われ方をしていたと思う。
だから最終決戦を前に、懐かしくて切ない”いつものやり取り”があるのは、僕には嬉しい。
災厄の中心に繋がる坂で、天国と地獄は入り混じり”地獄のオルフェ”を為す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
水瀬いのりと上田麗奈を生贄に捧げて、三石琴乃を召喚! といった風情であるが、ここで立ちふさがるのが”地獄のオルフェ”なことに、異様に納得してしまった。
(画像は"takt op.Destiny"第11話より引用) pic.twitter.com/83pivjvYj3
”地獄のオルフェ”はギリシャ神話のオルフェウス物語を下敷きにした、オペレッタ喜劇である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
真の愛を求めて冥府を下ったオルフェウスは、”地獄のオルフェ”においては世間に常に監視され、嫌々冥府を下っていく。
悲愴な運命劇は卑俗なファルスへと、生死の境を貫く音楽は世間の欺瞞を暴くパロディへと
それぞれ反転する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
愛する人のために己を捧げ、音楽を携えて過酷な運命に立ち向かう。
”地獄のオルフェ”に対峙するタクトこそが、最も原・オルフェウス的存在であることは、ここまでの物語が証明している。
過去を振り向かず、ただ未来へと進む。
”見るなのタブー”を破ってしまったことで、愛する人を取り戻す奇跡の直前で現実に食われた英雄と、タクトは違う道へ進み出せそうな気配もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
失われたものに囚われず、それが再生しうる音楽を未来に投げかける彼は、超・オルフェウス的存在とも言えるだろう。
そんな風に、彼…を主役とするこのお話に投げかけられたモチーフがここで、”地獄のオルフェ”を最後の試し役と置くことでグッと際立ってくるのは、かなり好きな一曲なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
タクトの側にいるエウリュディケは、大人しく手を引かれたままではない。
奏者の隣で剣を振るい、己の存在を強く誇示する。
蘇らせるもの/死に囚われるもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
戦い傷つくもの/守られるべきもの。
そんな文節を越えて、お互いを奏でながら傷つき戦う二人が、己の歪な鏡である”地獄のオルフェ”にどんな生き様を照らし、その先にどんな未来を掴むのか。
その構図が、このラスボス配置でかなり見えやすくなった気がする。
まぁモチーフの変奏だけで作品は成り立たないし、『アプリへの接合』つうデカいオーダーをこなす必要性も、どっしりそびえ立ってんだけどね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
キャラクターの心情的にも、メタ的な情勢としても、主人公とヒロインが死んで収まり続きそうな気配ムンムンですが、さて最終回どうなるか。
俺としてはやっぱ、タクトと”この”運命にはフツーに生き残って、遺志を誰かに継ぐではなく自分の手と魂で、音楽に満ちた幸福な世界に生きて欲しいと思うけど、なぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月1日
ザーガンの真意がアプリ持ち越しなのか、アニメの範囲で暴かれるかも含め、さて次回最終回、楽しみであります。