王様ランキング 第14話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
王門の激戦は苛烈さを増し、遂にドルーシが斃れる。
窮地を救ったミツマタも傷つき、絶体絶命の危機に降り立つは、我らが王子。
勝利して奪わぬその細剣に、獣も悪鬼も牙を収め、友誼の輪が広がっていく。
そんな凱旋の裏で、冥府の因縁が雷鳴とともに決着していた。
そんな感じの主役の帰還、ヒリング様がヒーラーでマジ良かった良かったな、王様ランキング第14話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
修行完了から数話、焦らされてきたボッジの”今”を見れて感無量であるが、王門前の戦いが終わっても物語は続く。
強大な力を持ちえず、敵の命を奪わないボッジが一体、どんな王様になるか。
その片鱗を感じさせる激闘であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
遂に似合わねぇ鎧を脱いだヒリング様の助けもあって、優しく甘っちょろいボッジは自分の望む勝利を掴み取る。
魔獣くんは洗脳から解かれ、ギガンはその力と魂を認めて膝を曲げる。
味方にも死人はなし、殺さず制するデスパー流の真髄を見事形にした。
剛力健在を牢破りで示しつつ、ミランジョと非リング、ふたりの女の間で動かぬことを選ぶダイダ=ボッス王。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
部下が死にかけ妻が命を振り絞る戦場に、あえて出ないのは何故か。
”男らしく”黙して語らない王の、事情と心情は未だ不鮮明である。
(画像は”王様ランキング”第14話から引用) pic.twitter.com/LHOv88EMq1
戦いが過酷さを増すにつれ、使える兵力総動員という感じで救援が現れては傷つき、ヒリング様のHPがメリメリ減っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ここでミツマタくんがヒロイックに登場して、主役が間に合う一瞬を繋ぐのは、彼が好きな視聴者としては嬉しい限りだ。ちゃんと強いの良いよね…。
王門の戦いは何かとキレがち差別しがちなヒリング様を試し、変えていくエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
限界を超えた治癒能力の行使が覚醒を促し、遂に大地が命を芽吹かせていくの、聖人伝めいた味わいがあって良いファンタジーだった。
結局さぁ…アンタの強みは”そこ”なワケ!
後にボッジに王たるべきものの勤めを問いかける彼女自身が、貴種たる立場に縛られ、人の人たる道に迷ってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
結局窮地になって叫ぶのは、愛する夫彼女の英雄の名前である。
が、その不義を正すのに鎧を着込んで武力を嘱んだことは”癒やし”を名を持つ彼女に不似合いな選択だった。
無礼者の首を切り落とし、代理を立てて謝罪する悪しき傲慢から、ボッジの到来は母を遠ざける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ボッジが来たことで、ようやく彼女は鎧を…戦の道具を脱ぎ、豊かな乳房を自由にすることが出来る。
それは母たる慈愛…鎧を着込んだ理由を、開放する行為でもある
(画像は”王様ランキング”第14話から引用) pic.twitter.com/nfa8dp4pPL
燃料切れの危機に際し、二次元の体になんでも盗み取っていたカゲくんの特質が、ミツマタを救う切り札として機能する描写も、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ボッジと出会ったことで彼は生き方を変え、彼に付き添われることでボッジもまた、自分だけの強さを身に着けた。
それは武器を砕き、力をせき止める。
優しき子供たちに手を引かれる形で、ヒリング様は側近ドルーシだけでなく、異形の蛇…あるいは敵だった獣にも、その能力を行使することになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ボッジやカゲくんと触れ合うことで、彼女だけの力はより公平に、敵味方の垣根を壊すような可能性として発露していく。
ボッジの非力は火急の危機にあまりに弱く、父の巨大な背中は全てを救済して、なお余り得る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
その勇姿に憧れてきた少年は、遂に自分だけの勲しを母の眼前に打ち立てた。
この火事の描写は、ボッス王がただの蛮王ではない事を上手く示す。
(画像は”王様ランキング”第14話から引用) pic.twitter.com/ePHuLmLR4L
その巨体が刃ではなく大桶を背負い、炎を沈め命を守る力足りうるからこそ、王子たちは憧れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
しかし片や呪いの生贄となり、片や体を奪われ、ここで王が示した優しき力は、卑しくねじ曲がってしまっている。
ならば、それをどう正すのか。
この物語を、どう落着させるべきなのか。
そこら辺のヒントが、やはり母の抱擁にはありそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ママンの愛から遠ざかっていたので、一回その胸に突進するのに身を引くボッジの寂しい賢さと、それを己の両手で引き寄せ抱きしめるヒリング様の素直が、なんとも眩しい。
二人共、色々あったけど良かったね…。
加えてドルーシの眼には今は亡き実母の優しさが、重なって見えるらしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
かつて確かにあったものと、今育まれつつあるもの。
それらを混ぜ合わせることで、強さと正しさと優しさが共存できる生き方へと、ボッジ…と彼の大事な人達は進んでいく。
…もしかすると、偉大なるボッス王の覇道も。
カゲくんはヒリング様の思い上がりを『バカタレ!』と一喝し、全てを見守ってきた賢き蛇の助言を借りることで、王妃は己の高慢を正すことが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ミツマタの訳知り顔、つまりベビンさんの思慮だからな。
やっぱ蛇のトーテムが象徴するのは、知恵と再生…。
(画像は”王様ランキング”第14話から引用) pic.twitter.com/tsenmsAdQn
ボッジはただ剣で危機を超えるだけでなく、母の激情と高慢を正す機会も与えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
俺はヒリング様が息子に手を引かれて、戦争の道具にされた魔獣くんの傷を癒やし、正気に戻したのはマジ偉大だと思うよ。
もー戦闘はいいから森に帰れよー、獣共はよー…。
同時にヒリング様の気位は、王たるべきものが背負う責務をボッジに自覚させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
初めて打ち勝った強敵は、武器を砕かれ心を正し、王子の前に膝を曲げる。
君臣の別が王国を成り立たせている事情もよく分かるが、あくまでボッジは平らかな関係を望む。
触れ合いも対等口も許さない身分の差は、刃と炎と同じく王国の基礎、現実の基本的構成要素。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ヒリング様はそれをよく知るから、ギガンと友達であろうとする王子の夢に忠言する。
しかし本当に、不平等は王権の必須なのか。
殺戮なしに闘争を収める困難な道へ、ボッジは見事に進みだしたではないか。
かくして収まった王門の激戦であるが、その先に続く新たな戦いの中で、ボッジの決意はより厳しく試されていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
その時彼の周囲にいる人々…ボッジの生き様に触れて自身を変えている者たちが、必ず彼を助けるだろう。
高邁な理想は、必ず莫逆の友を呼ぶのだ。
…とすると、孤独な暴君のように見えるボッス王とミランジョが、不透明な思惑の底に鋼鉄の絆を宿しているのは、どうにも意味深である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
このお話、『真なきところに信なし』というルールで動いているわけだが、とすればミランジョの哀しみを知り不動の操を立てるボッス王の振る舞いには、真が宿る。
あるいは敵やら犠牲やらを作り出し、真実平らな生き方が出来ない苦しみを、弱いからこそ既存のルールを飛び越えていけるボッジが、解き放つ物語なのかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
ここら辺、まだ伏せ札が多くて読みきれない…んだが、『アイツら悪!』ってシンプルな割り切りは、もー出来ねぇわなぁ…。
さて王門前の戦いが、鉾を止め傷を癒やすそれぞれの強さを最大限活かした結果、敵味方ともに傷少なく終わった裏で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
不死の怪物オウケンの刃は、数多の犠牲を生んでいた。
過去の因縁も越えられず、消えゆく命もせき止められない。
(画像は”王様ランキング”第14話から引用) pic.twitter.com/F8AtB6FPWT
新世代の希望たるボッジが参戦したことで、闘争がより希望ある形で収まった王門の戦いに比べ、オウケン戦はなんとも暗い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
…のだが、師匠であるデスパーさんが武器を砕き、縄をかける形で戦を終わらせていて、師弟同じ決着となっているのは救いである。
この人の教えがあって、あの決着なのだ。
かつては黄金に輝いていた、冥府騎士団の鎧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
それは不死の宿命の中で漆黒に染まり、人間時代の笑顔はもはや思い出の中にしか無い。
お髭の感じから考えると、デスハー・デスパー・オウケンで三兄弟かねぇ…。
となると、ボッス王国の混乱に乗じて簒奪を狙うように見えるデスハー王の顔も、違って映る
兄弟を雷帝の餌食とすることでしか、その凶行を止め得ない苦さを噛み締めながら、デスハー王は冥府の扉の目に立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
反目しているようでいて、マジカルホットラインが弟と繋がってるの、仲良し兄弟で良かった。
その瞳は呪いからの解放を、より良き未来を見据えている…のか?
あえて牢に己を繋ぎなおしたボッス王とも、また違った冥王の決意が見えてきそうで、なかなか続きが楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
独自の王道を戦いの中証明した、ボッジの帰還が呼び水となって、様々な王たちの理想がギラリ、地金を晒しだすのは興奮する。
なるほど…”王様ランキング”…。
ヒリングママンとボッジの絆、血を越えて育まれる人の縁を描いた裏で、それを捨て去って不死の怪物になったオウケンの始末を書くの、なかなか面白い対比だな、と感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
あのようにに喜ばしく人の可能性が花咲く時もあるし、このようにどうしようもなく、呪いに食いつぶされる時もある。
さてそのような場所に立って、ボッジはどんな道を進み、その歩みが人をどう変えていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
平面の暗殺一族とか、喋る蛇とか、自分を襲った魔獣とか。
みんなまとめて癒やしたヒリング様の変化を興味深く感じつつ、物語は冥府の扉を巡る攻防へと焦点を移す。
次回も、大変楽しみです。
あ、知恵者ミツマタの実力だけでなく、デスハー王も超つええって分かったの、ワクワクしてよかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月2日
人道を巡る穏やかな部分と、血湧き肉躍る強さ比べの興奮が同居してるの、良いエンタメだなーと思う。
シンプルに楽しくあるべき部分が、シンプルに面白ぇのは強いよなー。