であいもん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
皐月、京都での暮らしにも馴れてきた和は、”緑松”で働く美弦と親しくなる。
”いい子”として大家族を支えつつ、音楽への夢を密かに温める日々は、ふとしたきっかけで不協和音に包まれる。
仮面の下に殺した気持ちが、ほろほろ蕩けて広がる助け舟。
テキトー青年の奮戦やいかに!?
そんな感じの、であいもん第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
桜の季節に始まった物語も、少し時が過ぎ、店頭には端午のちまきやら、あじさいを象った和三盆やらが並ぶ頃合い。
和のテキトー度合いもいい塩梅に店に落ち着いて、一果もジト目で睨みつつ、それなりに心を落ち着けた感じである。
サブタイトルの”四葩”はあじさいの美名であり、”あぢさゐの 花のよひらに もる月を 影もさながら をる身ともがな”と、散木奇歌集にもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
雨季の訪れとともに花開く美しさを、今回のメインヒロインである美弦の変化に重ねた、良い題だと思う。
第1話での自己紹介を終えて、どっしりじっくり、季節ごと個別のお話を追いかけていく基本形…その最初。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
プラプラテキトーにやってきたからこそ、和が美弦の頑なな思い込みを解いて、より良い形で家族や音楽…”いい子”である自分と向き合える強さを巧く描くエピソードとなった。
話の主菓子である和三盆の食感にも似た、嫌味なく解けていく柔らかな感触が、おそらくこのエピソード…作品全体の味わいであり、ストラップ一個から身バレ凸され心が揺らぐちょっとの苦味も、ヒューマン・コメディとしての良いスパイスだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
甘くし過ぎないのは、話を嘘っぽくしない大事な細工だ
お話は焦る所なくゆっくり進んでいって、皐月の日常が穏やかに転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
一果がランドセル背負って、小学生やっとる姿と、そこに美弦が寄り添って助けてるのが見れたのは、個人的にとても良かった。
そんな当たり前の日常に、和がまだまだ入り込めていない感じもね。
話全体がアダージョで流れていくので、美弦がどんな風に毎日を生きて、何が張り合いで何が重荷かも、どっしり柔らかく描かれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
弟たちとの触れ合いの中、祖父母に献じた和菓子を”おすそ分け”として差し出し、一瞬の甘い安らぎと腹に落としていく描写が、大変良かった。
あの場面はこの作品が和菓子をどう書きたいか、どう書くべきと考えているかを、よく示す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
何かと特別で遠い存在、ハレの菓と祭り上げられがちな”和菓子”であるけども、流れていくケの中の小さなハレとして、生活に寄り添い気楽に消費される存在で、あって良いはずだ。
そういう構えなさを自然に、ちょっとボロくてとても暖かい家庭に柔らかく溶かしていたのは、とても良い視線だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
ああいう場面にどっしり時間を使えるのは、小さな幸せと小さな難儀を丁寧に追いかける、このお話の強みだろう。
同時に特別な時にゴージャスに寄り添って強く照らしたり、季節の移ろいを一口サイズにまとめる詩情なども和菓子の強みだと思うので、そこら辺は今後、別のドラマ、別の季節に描いて欲しいところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
和菓子に絡めて人間を書く以上、その多彩さはそのまま、ドラマの横幅になってくだろうしね。
そして今回は美弦のキャラに合わせて、優しい口溶けの和三盆が、話の軸となっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
苦しい懐事情を鑑み、祖父母から受け継いだ情を大事に、親に孝行職に謹厳、ひたすらに”いい子”…であることと、音楽という己の楽しみが対立すると、頑なに考え込んでしまうのが、また”いい子”である。
この若く硬い蕾を、ガチのテキトー人間である和がつついて解して、優しいおせっかいでいい方向にかき回すのが、今回のお話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
散々プラプラ歩いてきた体験、折れ曲がっても消えない音楽への愛情を、こういう形で使うのはとてもいいな、と思う。
前回ゴネとった、彼の良さと強みが良く見えた。
”いい子”と自己を定義する美弦からは見えないものが、けして”いい子”じゃない和には見えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
それは年経たオッサンの視線であるし、一度夢破れた挫折者の視線でもある。
そういう、今の美弦からは遠いものが解けて交わるのも、同じ場所に行きあった奇縁の面白さ…か。
家族が悪者にならず、美弦が”いい子”だからこその思い込みが頑なに彼女を縛って、それを解していい方向に転がる運びは、小さな起伏の中に滋味があって良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
『人生、そういう感じだよね…』というホッコリ感が巧くエピソードに漂っていて、お話全体の調性を取っていたと思う。
今回微かに咲いた恋の紫陽花が、果たして和と美弦の未来にどんな光を投げかけるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
そんな進展も楽しみになってくる、とても良い第二話でした。
美弦ちゃんに助け舟出したことで、一果のジト目がちいと緩んで、和への評価が上がる展開も、降って湧いた同居の話としてはなかなか良い。
今後も静かに季節が移ろう中、その華やぎを菓子に折り込みながら日々は進み、色んな困難とお互い様の助け合いが、静かに作品に積み重なるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月13日
その穏やかな味わいを和三盆に乗せて、しっかり教える仕上がりでした。
とても良かったです。次回も楽しみですね。