異世界おじさん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
久しぶり! おじさんだよ!! つうわけで、二週間ぶりの異世界おじさん第5話である。
主要登場人物も出揃い、記憶魔法でおじさんの笑えて悲惨な過去を現代人と鑑賞するフォーマットも、だいたい安定してきた。
いや、上映される記憶の方は全く安定していないのだが…。
ツンデレエルフに引き続き、氷の一族の少女にも無自覚コマしをぶっこみ、自分の足で踏みつけにしてフラグをへし折る様を、おじさんは淡々と回想する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
異世界転生のボーナスとして得たのが、相手の言葉を理解し、自分の意志を伝えるコミュニケーションの能力だった事を思い返すと、なんとも皮肉…
と、切り捨てて高い位置から笑って良いものか、大いに悩む悲しい起源である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
17歳の多感な時代、情熱を失った上によって異界に打ち捨てられたおじさん少年は、初手でぶん殴られ血みどろに汚され、見世物として売られた。
記憶を消さなければ耐えれないほどの、痛みと衝撃だったと思う。
たかふみと藤宮がドン引きするキッツい体験を、おじさんは他人事にようにスラスラ話す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
記憶が消えている以上、実際他人事なんだと思うが、心の傷を癒やすのではなくえぐって捨ててしまったことで、おじさんの感受性や共感能力は、結構致命的に壊れてしまったのだと思う。
本気の殺意を判別できるほどに、憎悪を浴びせかけられる異郷の生活で、元々意を伝えるのが上手くはなかったゲーム好きの青年は、徹底的に壊れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
エルフやメイベルと出逢ったのはそういう形で異世界サバイバルに適応した”後”で、”フラグクラッシャーwww”とシンプルに片付けられない悲しさがある。
永遠のセガマニアであり、18年分の成長を止めてしまった殺伐のピーターパンでもあるおじさんは、誰かに恋したり、誰かに求められる自分というのを、上手く想像できないのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
自分のような存在が、恋愛…ましてやセックスなど。
そんな未発達が、女たちとの致命的ギャップを生む。
しかし悪意にさらされ心を壊しても、根っこにある善良なのんきは消えることなく、おじさんは助けたいから助け、守りたいから守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
それを果たしうる精霊の加護は、失われたコミュニケーション手段をおじさんだけが持ち、思いを伝えれるからこその力だ。
多重に捻くれた、おじさんのコミュニケーション能力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
オークとして追われ埋められ、数少ない人にはその優しい性根を認められ、しかし異界の流儀を知らないから、決定的にすれ違ってもしまう。
それでも生き延びられたのも、精霊との”対話”が可能だからだ。
17歳のおじさんは無邪気に、言葉さえ通じれば争いは起きないと、すれ違いと痛みは避けうると考えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
あるいは、祈っていた。
ポップな外装の割に相当業が深いグランバハマルは、甘っちょろいガキの夢を、ボッコボコに壊したわけだが。
…そら、人間不信にもなるわな。
たかふみも他人の生々しい血が流れてる人生を、痛みがないコンテンツとして消費しちゃうリアルなヤバさをもった男であるけど、おじさんのぶっ壊れた脳髄にチューニングを合わせ、共通の話題で盛り上がり、一緒にゲームをして動画を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
そこで、コミュニケーションは成立している。
笑うに笑いきれず、泣くに泣ききれない、異世界転生者リハビリコメディ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
おじさんの根源が明らかになったことで、その印影がより強くなる回だと思った。
Youtubeというコミュニケーション・プラットフォームを通じて、異世界帰りの異能者が、オモシ配信者として受け入れられていること。
『しょーもないことに能力使うな~!!』とツッコみたくなる現状だけど、それは結構優しい奇跡なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
まぁリアルだと偏屈だし話時々通じないし、相当付き合うの大変そうだけどね!
…藤宮は良く波長合わせてるよな。そういう人間と、帰還早々関係作れたのもラッキーよね。
『お前へのプロポーズは金で売れる』と告げられ、必殺の意志を顕にしたメイベルに、押し倒されても抜かなかった刃を構えるところとか、笑っちゃいけないけど笑っちゃうギャグも冴える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
現代人二人のノリツッコミで答えわかりやすく示す部分と、こうやってオチ考えさせる笑いが、いいバランスよね。
神様がやるきねーアナウンスで転生者誘導業をサボらなければ、現地知識をチートして常識を学び、いい塩梅にコマしてハーレムだぜ! ってルートもあったのかもしれないが、そうはならなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
おじさんはぶっ壊れ、咲きそうだった花を土足で踏みにじり、心の傷を抉って現実に戻った。
その歪過ぎる歩みの先に、ダメダメ人間どうしのトンチキコミュニケーションが成立してて、キツ過ぎる過去がギリギリ笑い話になる…そうして”語る”ことで、おじさんの心がちょっとずつ治っていく話でもあるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
まぁおじさん感受性を殺したサイボーグだから、マトモにゃならんわけだが。
吊るされ埋められ、傷だらけ失敗まみれの異世界コミュニケーションだったが、今は笑い話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
そういう角度で、おじさんのシャレにならない青春をシャレにしているの、ブラックでシニカルながら優しい視線だと感じた。
こういう目線があるから、一緒に笑えるのがありがたいね。
次回も楽しみ!
追記 面白うて、やがて哀しき異世界転生
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
実際金稼ぐだけならチート野球どころか、魔法駆使して戦場で暴れればいいと思うけど、あくまでおじさんにとって闘いって忌避する対象なのよね。
魔法も日常の便利な道具であって、殺しのツールであって欲しくはない。
それを創造的に使う能力は、そんなに高くないわけだが…
でもおじさんが、殺さず楽しい配信稼業を選び、たかふみとワイワイ生きることを選んだってのは、その過酷な過去を考えると偉い決断だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月17日
異世界流しにあった17歳から、成長できてないってことでもあろうけど、修羅として完成するより夢見るピーターパンでいたほうが、救いはあろうよ…。