イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

宇崎ちゃんは遊びたい!ω:第7話『宇崎ちゃんは告白させたい!』感想

 大人になりきれない僕らの臆病なサーカス、宇崎ちゃん二期第7話である。
 榊その他の働きかけにより”リミット”を意識した宇崎であるが、その恋愛偏差値は中坊レベル。
 つーかリアル中学生である妹のほうがコミュニケーションのハードル踏み倒しガツガツ仲良くなっていって、一体全体どうなっちまうのか!? というお話である。
 いうて宇崎がバブバブ人間になるのは先輩限定であり、そこに特別な”甘え”があるからこそ成り立っているラブコメでもあるのだが……。
 あと柳ちゃんはたいへん大人びた性格しているので、平均的中学生として横に置くのは宇崎が可愛そう、てのもある。

 お話の方はぐいっと手応えがあったここ最近の流れに反して、やや停滞気味というか、この愛しい足踏み見るためにこのアニメ見てる……っていうか。
 この期に及んで言い訳まみれで自分を守り、安全圏で様子を見るのをやめた榊に詰められ、それでもなお『告白はするんじゃなくてさせたいッ!』とかほざき出し、よりにもよって手作り弁当でLOVEを伝える純情っぷり……ああ、もどかしい。
 同時にこのモジモジしたピュアっぷりは見守りたくもなり、コンテンツ化して一生口の中でしゃぶり倒してる輩が出るのもまあ納得……ではある。
 まどろっこしさに傍観者の立場を投げ捨て、ガンガンダイレクトな助言を投げるようになった榊のなりふり構わなさのほうが、亜実の無責任な砂かぶりスタイルより好感持てるもんな、やっぱ。

 

 とは言うものの、アタック受ける先輩のほうも恋愛筋が中学生レベルで止まっているので、モジモジしながら一歩ずつ進んでいくのがお似合いなのかな……とも、幸せそうに弁当つまむ姿を見てると思わされる。
 同時に身体と社会的立場はバッチリ成人なわけで、求められる恋愛像は”そこ”どまりではないし、本当はもっとアグレッシブな肉弾ファイトを敢行したいのに、ビビって進めないだけなら、恋に駆け足を命じたほうが確かによかろう。
 いや、勢い付きすぎて宇崎月レベルにまで駆け込まれても、また困るけどさ……。

 ここら辺の適正距離の探り合いに、宇崎柳という触媒はどう作用して、状況が転がるか。
 ゲーマー気質の末っ子と先輩の相性は良い感じで、まーた身近な脅威が増えた宇崎ちゃんの焦りメーターが貯まることになるだろう。
 ……二期の話の転がし方は、放っておけば永遠とモラトリアムの中でじゃれ合ってしまう二人をどうにか”恋人”って形にまとめるべく、色んな横車を押してる感じで進むな。
 宇崎家やジムっていう新しい舞台を作って、新キャラを投入して化学変化を促してるのも、結末を見据えたうえで宇崎花や先輩のキャラクターをねじまげることなく”そこ”にたどり着くための、物語的な努力って感じはする。
 肝心の宇崎がビビりで強がりで小物なので、なかなか素直になる強さを獲得できないが……その人間臭さが、また良いのか。

 一歩進んで二歩下がる。
 色んな人に助けられ、二人の恋はまだまだ続く。
 次回も楽しみです。