イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

うる星やつら:第13話『買い食い大戦争/テンからの贈り物!!』感想

 超絶ハチャメチャラブコメディ、第13話はジャリテンが持ち込んだ銀河通販でドッタンバッタン大騒ぎになる話と、特に宇宙産のヤバ物品がなくてもメチャクチャになるお話の二本立て。
 エイリアンも霊的存在も一切関係ないのに、素の友引高校と商店街が大暴れしてるだけであの大惨事……こりゃーもともとぶっ飛んでた場所に、イカれた連中が集まっただけだなッ!
 こういう形で『プレーンな人間様だって、乱痴気騒ぎじゃ負けちゃいねぇぜ!!』と見せつけられるのは、不思議な爽快感があって嫌いではない。
 もっとメチャクチャにな~れッ!!(なります)

 

 

 

画像は”うる星やつら”第13話から引用

 というわけでAパートは圧制あり裏切りありの大乱闘、買い食いを巡る終わりなきバトル回である。
 いやこんだけ大騒ぎして”買い食い”て……て感じではあるが、そういうことが大問題になる時代だったんじゃいッ!!
 コンビニもファミレスもUberEatsもない牧歌的な昭和の風景が、個人商店との絆が戦場を彩る話運びにしっかり映えて、ノスタルジーを飛び越えた異様なバイブスを生んでいく。
 いやだって、リアル昭和は買い食い程度でこんな楽しい大騒ぎ、ぜってーしないからなッ!
 頭のネジを三本外し、猪突猛進地獄に道連れ、常時異様なテンションで突っ走り続けるうる星イズムが15分暴れっぱなしで、まー大変元気な回だった。
 こういう、あたるやラムも”学生”の一人としてみんなに混じって、底抜けの大暴れに参加してる回は好きだなー……風通しが良い。(良すぎる)

 今回はラムちゃんが全体的にアホで、ずーっとダーリンのそばでワイワイ騒ぎながらニコニコ笑い続けて、大変可愛かった。
 バンザイしている時の満点笑顔、天下一品のチャーミングだもんなぁ……。
 もともと友引町はイカれた街で、トラブル満載の鬼娘が空から降ってきてもある意味にノンキに”日常”続けられるのは、制服を着て人間に馴染み始めてる異星人にとって、結構大事なことかもしれない。
 そういう”街”全体が舞台になる回として、底の抜けた大騒動のやかましさに反して、妙にしみじみ染みる感慨が……あったのかなぁ?

 いやどー考えても温泉マークがハジケすぎで、『なんだそのコスプレッ!!!?』としか言いようがねぇ。
 普段はぶっ飛び高校生に振り回されつつ、なんとか”先生”してるストレスが彼をこの奇行に追い込んだと思うと、高校生諸君も一度己の行状を鑑みて膝を正す必要があるのではないかッ!!
 ……ねぇな、参加者全員死ぬほど楽しんでるしな……。
 先生に魂を売った裏切り優等生共のうっぜー感じとか、板挟みな商店街の人々の妙なシリアスとか、人数詰め込んだ大騒ぎだからこその味わいもあって、こういう回もやっぱり楽しい。
 なおリチャード・ドナーの”スーパーマン”が洋画収益年間一位取ったのが79年なので、急にクラーク・ケントっぽい人が飛び出すのは時事ネタやね。

 

 

 

画像は”うる星やつら”第13話から引用

 そしてBパートは、テンちゃんが持ち込んだおもしろグッズが恋の一騒動を巻き起こす、喫茶店の密室劇。
 こういう”ドラえもん”めいた立ち回りもしてたんだなぁテンちゃん……あたるの嫉妬を焦げ付かせたり、ラムちゃんバブみを強調したり、投下されたことで一気に話の幅が広がった、とても良いキャラだと思う。
 やっぱテンちゃんが女衆に甘やかされてるのを見ると心がホッコリして肌が潤うので、今後も存分にバブバブさせて欲しい。

 肌が潤うといえばうる星ボーイズのキャッキャもそうで、もう隣りにいるのが当たり前な恋のライバルくんと、主人公が二人でバカやってる姿は大変楽しかった。
 しのぶやランちゃんを挟んで結構ややこしい間柄なんだが、当事者たちはあんまキリキリしたところなく……正確にはランちゃんは相当キリキリしているわけだが、それはさておき仲良くスイーツ食べたりおしゃべりしたり、仲良くやってる雰囲気はやっぱ好きだ。
 ダーリンとくっつく未来がバレたら『殺される』と確信するあたり、ランちゃんはさすが幼なじみ、ラムの根っこにあるヤバ力を正しく理解しとるな……。
 あとどう考えても濃すぎる司会者を、杉田さんが好き勝手絶頂暴れ倒してクドく魅せてたのも最高に良かった。
 らんまの校長、これがベースなんだろうなぁ……クドいわぁ……。

 Bパートはこの時分の高橋絵をしっかり意識した感じで、独特の味わいと面白さがあった。
 令和うる星、結構”揺れ”がある作品なんだけども、僕は規格にピッタリ収まってない手触りのあるアニメのほうが好きなので、こういう形でエピソードごとの個性が出てくれるのは嬉しい。
 つうか昭和うる星、この比じゃないくらい話ごとにブレッブレだからな……そういう環境でアニオタとして産湯をつかっていると、むしろブレてたほうが尻の座りが良いまである。
 何しろバラエティ豊かな作風なので、色んな要素やムードをぴょんぴょん飛び回り、色んな表現方法を勢いよく叩きつけながら、ワイワイ賑やかな面白さを盛り上げてくれたほうが、お話にはあってるなぁ……とも感じるしね。

 

 というわけで、終始賑やかな……賑やかすぎるエピソードでした。
 『宇宙からの厄介事が落ちてこようがこまいが、このお話の舞台は陽気にぶっ飛んでおるのだ!』と解るのは、不思議な納得と頼もしさがあってかなり好きですね……。
 終わらぬ祝祭を踊り続ける友引町を舞台に、まだまだうる星物語は続く。
 次回も楽しみです!