Q:急に神様が来た? A:急や
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
そんな感じの回だけども、色々作品のコアに触れている感じがある。
[第35話]ぷにるはかわいいスライム - まえだくん | 週刊コロコロコミック https://t.co/QItYkZ5bC3 #ぷにるはかわいいスライム
神様いわく、ぷにるに魂が宿ったのは『可哀想な小僧を助けるため』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
コタローの苦悩は常に可愛いものが好きだと言えない、言わせてくれない世間とのズレにあると思うし、きらら先輩との恋とか、それに伴う背伸びとかも、世間一般が求める”男”への歩みと重なるように見える。
ホビーであるぷにるが魂を宿した特別な存在であることで、コタローの”可哀想さ”はどう癒やされるのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
神様が指摘したいぷにるの”見えていなさ”というのは、ぷにるにとって少女という外形を選択したことが、性(成熟)を伴わない一つのファッションであることと関係あるのか。
友達でありホビーであるぷにるの本分は、自分にとって都合のいい夢に浸ることではなく、コタローの悩みを解決させることにあると、神様は言う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
ぷにるが今のぷにるであること、それで保護され助長されている現状は、”可哀想”なものなのだろうか?
焼かれたぷにるとともに燃えるコタローは、あくまでぷにるの中に在るコタローであって、ある意味都合のいい夢なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
しかし魂を持つホビーであり、コタローの”可哀想”を解決する宿命に背を向けて女の子の形になったぷにるのなかに、自分を守り死んでくれるコタローは確かにある。
この絆は神様にも慮外のもので、共に燃えていく解決は意外ながら、ぷにるの魂を明け渡してもらう既定路線を捻じ曲げて、もう少しホビーと友達の、男と女の、大人と子供の境界線があやふやで、世界が開けていく前(と神様が判断する)時間を許すことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
ホビー以外の楽しさ(例えば恋とか)を知って、コロコロ的なるものから離れて、世界が開けていく年頃にコタローはいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
彼が好きなきらら先輩は、ホビーに夢中な子どもたちを異常な愛情で飲み込む地母神であり、卓越した大人の視線で後輩を見守り導く”大人”でもある。
きらら先輩がサヨナラしたがゆえに、少し離れた所からコタローやアリス、遊助が遊んでいる場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
今回神様が焼き尽くそうとして、ユーザー側からではなく、ホビーの内側にある特別なユーザーが一緒に死んでくれた場所。
その曖昧な境界線に、ゆっくり進んでいくお話なのだろうな、と思う。
夢から覚めて、四年に一度の特別で当たり前の、いつまでも続く誕生日をぷにるとコタローは祝う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
この幸福な曖昧さを、コタローは幼稚園時代すでに切り裂かれていて、そのトラウマが時に彼をダサくする。
そしてその傷に向き合って、懸命にしがみつく姿をこの漫画は常時肯定している。
きらら先輩を好きになる自分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
女の子の形をしたぷにるにドキドキする自分。
コタローはホビーが好きでいい自分から、時の流れに乗っかって離岸していく。
無生物でありホビーであるぷにるは、七年間そうしたようにあるがまま変わらず、目の前にある楽しいを神からの責務より優先して、動かない。
一見衝突するようにみえる二人の歩みは、ぷにるの魂が燃えながら示した揺るがぬ愛と、『大人になって恋をしなきゃ』と焦りつつ、可愛いとホビーにずっと夢中なコタローの夢が、絶妙なバランスで踊る日常の中、まだ続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
それがいつか終わる可能性を、このジュブナイルは常に見据えている。
三巻でもぷにるは幾度か、変わってしまっていってるコタローに、自分が知らない友だちの顔に衝撃を受けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
ぷにる自身は不変のホビーだとしても、ユーザーであるコタローは時の中で変わり、その姿を見ることで不定形のスライムの心も変わっていく…かもしれない。
同時に揺らぐコタローに何も変わらず、傷つかず大事にして良いものを教えるのもぷにるで、ホビーの命が人の心にあるなら、人の魂もホビーとともに在るのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
こういう作品が”コロコロ”に載っているのは至極当然で、必然でもあろう。
やはり、とびきりに面白い漫画である。
コタローを愛すべきOne of themな子ども扱いしているきらら先輩は、ホビーに夢中な子どもではないからこそおしゃれな水着のことも知っているし、児童館で保護者代理も努められる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
コタローは否定しつつ愛着する可愛いホビーから離れなければ、先輩と同じ場所に立って対等な恋に踏み出す権利がない。
…のか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
というのが多分この漫画の真ん中にある問いかけで、ホビー≒ぷにると一緒に死ねるほどの特別な絆を維持したまま、恋ができる青年にコタローが踏み出した時に、このお話は終わっていくのだと思う。
それまではコタローの恋は大人の岸に届かない遠吠えで、ここのラブコメとしての切なさは凄い。
ぷにるがかわいいスライムである限り、コタローが傷ついたまま癒着した幼年期と決着つかない限り、きらら先輩が見据えているおしゃれと大人の責任のある世界は、コタローには見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
視界を共有しない二人の間にあるのは憧れと憐れみであって、恋ではないだろうから、コタローの初恋は現状望み薄だ
これにぷにる≒ホビー≒幼さを切除して”大人になる”決着を用意していないのは、ここまでの語り口から推測できる所で、ではコタローとぷにるは今回神様から許された特別な距離感を保ったまま、どう別の形へ変化していけば良いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
作中幾度も、ぷにるが可能性の塊だと示されているのは重要だ。
不変と無邪気の具現であるぷにるは、構成素材によっていろんな可愛さを、性別や種族を自在に書き換えながら体現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
そういう存在でいて良いのだという答えが、常に目の前にあるのに、コタローは自分の中のぷにる性を肯定しきれない。
その身悶えが、思春期の色で常に燃えている。いい漫画だ。
ぷにるの中のコタロー性は本当に苦しい時、一緒に燃えてくれる”事実”が今回示されたわけで、ブーブー文句たれつつも心地よいこの猶予期間の果て、自分にとってのぷにる、ぷにるに映る自分をどう選び取るかが、予期できる決着だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月9日
それまで、甘やかな夢が続く。
物語の中でも、それを見る僕らにも。