異世界おじさん 第13話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
諸事情によりガッポリ間が空き、遂に迎えた最終回。
燃える最終決戦はバトルもラブコメもギッシリで、序盤の激ヤバ人間大暴れが遥か彼方に思える。
いやまぁ、こんだけフラグ立てて全部へし折って帰還だから、本質は変わらん感じか…。
最後にたかふみが述懐するように『おじさんとの生活はまだ始まったばかり』なわけだが、アニメが一つの幕を閉じる以上まとまりというのは大事で、今までであったメンバー全員で復活の魔炎龍ぶち倒すレイドバトルは、とても収まりの良いイベントだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
ラブコメ要素やら友情成分やら積むほどに、この後14年間(おじさん主観だと)特に進展もなく、ガッタガタに精神ぶっ壊されて故郷に戻ってくる”未来”と齟齬も出てくるが、まーそれはそれ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
オーク顔の被差別階級なりに、必死に頑張った結果たどり着いた恋と闘争の楽園(パライゾ)が、終極を飾る。
今まではバラバラにフラグ立ててたヒロイン三人が、一堂に会すると牽制合戦の圧が凄い…つうか、一番付き合い長いエルフの拗れた感情が、良くない瘴気をムンムン出していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
人生ぶっ壊されて立て直し中のメイベルが、人格弱いダメダメで、恋心というには幼い感情でおじさんと繋がるのに対し…
一番の清純派ッ面でゴリゴリ押し込んでくるアリシアのむっつり力は、露骨に夜の零距離戦闘をゴールに定めて突っ走っていて、そらーエルフも警戒高まるわなぁ、という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
そして三人娘に言い寄られるおじさんは、鈍感主人公という看板すら生ぬるい人格破綻者なので、ラブコメは人生の真芯を捉えない
女の子達のアプローチを真に受けてしまう…そういう感性がおじさんの中に育ってしまうと、マトモに人格育成できないまま過酷な異世界に放り出され、いびつにぶっ壊れて故郷に戻った”未来”と矛盾するので、おじさんは自分が生み出した人間に大事なものに、けして気づけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
可愛く楽しいラブコメ要素も、力を合わせてくぐり抜けた激しい戦いも、終わりを約束され既に破綻した喜劇のいち場面だと考えると、なかなか笑えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
その笑えなさが大変このアニメらしくて、すごく意外な角度からぶっ刺される、いい総まとめであったように思う。
文化ギャップに伴う迫害と、永遠のセガキッズのまま動かない精神年齢の合わせ技が壁になって、可愛いヒロインたちはおじさんの救いにはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
これだけ彩り豊かに人生を照らしてくれそうな一大イベントがあっても、おじさんはぶっ壊れた精神で現世に流れ着いて、たかふみとの共同生活にたどり着く
そんな無常感が勝手に湧き出してきたのは、なんだか面白い体験で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
これまで描かれたボンクラ三人、等身大の生き直しこそが異世界に留め置かれ、成長できないまま過酷な生活強いられたおじさんの”答え”であって、あの甘い恋の夢はリアリティを宿して、おじさんを叩かなかった。
そう考えると『鈍感主人公を真ん中においたハーレムラブコメ』という。イカニモなジャンルのど真ん中な描写を入れておいて、それ自体を無化していくシニカルな視線が作品を貫通もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
これはハードなバトルも同じで、闘いに何度勝とうがおじさんは、心の傷を抱えた負け犬として現世に流れ着く。
同時に、流れ着いた先で生活を共にしてくれる同性の友達と暮らす中、辛いことだらけの思い出は盛り上がるネタとして再話され、そこに確かにあった意味や感情をおじさんは取り戻していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
当事者としてその渦中にいた時は、気づけなかったモノをおじさんは取り戻して、この現実を生きていく…のか?
このクライマックスを越えてなお、14年間続く異世界生活。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
それがあの絶望と狂気で終わる過程を見たくもあるし、そこから始まっていく帰還兵魂の再生を、クタクタに煮込んだしょぼくれ日常テイストで、もっと見ていたい気持ちもある。
異世界と現実、過去と未来の二重構造がうむ、奇妙なミステリ。
そこにモラトリアムを剥奪されぶっ壊されたセガ好き少年兵の歩みを混ぜたものとして、僕はこのアニメ楽しんでいたんだなぁ…という発見があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
描かれたものを素直に受け取れない、醒めた視線であるし、実際の所そういう話でしょうよ…という手応えも自分の中に確かにある。
物語開始時は隠しきれていなかったシニカルな味わいを、上手いこと無双と恋の甘い糖衣でくるんで一見円満に、心地よく終わらせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
そういう当てこすりも言えるけども、でもおじさんと仲間たちのヘンテコな旅路に、嘘があったわけではない。
エルフ達との過去と、たかふみ達との今。
2つの歩みが近づいたり離れたり、相互に響き合いながら、ダメなおじさんがダメなおじさんのまま、自分なりの人生を掴む(あるいは取り戻す)お話として、独特の手応えがあるアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
やっぱシニカルなペーソスがずっとあったのが、好きなポイントだわな。
制作体制に不可避の揺れがあって、放送が飛び飛びになったりもしましたが、それでもおじさんの辛い歩みが報われたのだと思える一大イベントまで、語りきって終わらせる事ができたのは、とても素晴らしいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
お疲れ様でした、楽しかったです。
この先にあるダイナシな日々も、また見たいけど。
今は不格好で鈍感で幼く、手に入れた過剰な力をゲーム感覚でしか使えないまま、差し出される好意の意味に気づけぬまま迷うダメなおじさんを、ダメなまま愛せるアニメをしっかり届けてくれたことに、大きな感謝を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年3月13日
いいアニメでした。ありがとうッ!