イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

BIRDIE WING -Golf Girls' Story-:第14話『少女の記憶の中に眠っている確かな真実』感想

 女女巨大感情超時空ゴルフアニメが遂に帰ってきた!
 一年ぶりの放送ながら、前回までのあらすじだの放送前特番だのヌルいことは一切しねぇ、あくまでストロングスタイルのバディゴル第14話である。
 ぶっちゃけ開始30秒まで脳みそのバディゴル野が錆びついてて、色々思い出せないこともあったのだが、熱いバトルとぶっとい絆、暴れ狂うトンチキの合わせ技が一気に襲いかかってきて、一瞬で血液がバディゴル味になった。
 久方の再会に必要な『あ、俺このアニメのこういう所が好きだったな……』てのが欲張り全部盛りになってて、感動したり気圧されたりツッコんだり爆笑したり、贅沢な再会を体験させてもらった。
 葵はいつも以上にあざといし、待ちに待った異能ゴルフの正面衝突は最高だし、香蘭コンビが異能以上に分厚い絆を見せるし、それを上回るイヴの一撃は秘められた記憶を撃ち抜くしで、たっぷりとこのアニメの良いところを食べさせてもらう、セカンドシーズンの開幕でした。

 

 つーわけでめちゃくちゃ面白い第14話だったんだけども、シンプルにペアゴルフのアニメとしてお互いの意地と絆、譲れぬ過去が燃え盛って、試合自体がめちゃくちゃ面白かった。
 ”七色の弾丸” と”ゾーン”がぶつかり合う異能ゴルフ合戦はたしかにトンチキで面白いのだが、そのケレンが上滑りしない熱量がしっかりキャラに宿っていて、ライバルがカッコよく愛しく思えるこのアニメの良い所が、今回も元気だった。
 亜室コーチとの因縁だけに執着して、意固地になってゾーン連発してるのかと思いきや、異能の隙をバディと見込んだ九葉に補ってもらうことで、凡人ながら超人ゴルファーに食らいついていく。
 汗臭さ泥臭さをしっかり混ぜることで、薫子さんへの好感度がバリバリ上がっていった。
 あんだけ強キャラぶっていた異能者が、その実コンプレックスまみれの魂を異能に縋ることで奮い立たせて、トップ層に気合で噛みつくガムシャラ女だと解るのは、非常にいい。
 こういう泥臭い部分を間近に見つめてきたからこそ、九葉はどうにか薫子さんを勝たせたいと強く願い、その祈りが彼女を覚醒させても行く。
 そんな凡人達の全身全霊が、最後の最後で届かず折れ曲がるところ含め、香蘭ペアとの試合は凄く良かった。

 んでそれを受けて立つ主役ペアだが……なによりかにより葵があざとい!
 回が進むごとにバカになってる天才お嬢様だが、イヴが好き過ぎて頭がおかしい部分がゴリゴリ前に出てきて、とってもチャーミングでした。
 そんな思いをつれなく袖にするかと思いきや、イヴも強敵との激闘にだんだん腰が入ってきて、一緒に戦うバディと時に張り合い時に励ます、良い感じの距離感を生み出していた。
 まー相変わらず裏街道由来のダーティなプレイもするのだが、それもイヴの”らしさ”であり、どんなピンチも軽口一つ、新たな引き出しを引っ張り出して乗り越えていくタフな魅力に繋がっている。

 

 薫子さんがあくまでゾーンに拘り、自分を捨てた亜室コーチを超えるのだという意地と、ゾーン抜きでは凡庸な自分を知るからこそ限界まで異能を酷使し、その限界にたどり着いた後。(そしてその限界を、薫子には及ばないと散々描写されてきた九葉が祈りを込めて押し上げた後)
 まさかまさかのゾーン返し&絶技・旗つつみで勝ちを決める展開は、同系列で上回って主役の格を見せる異能バトルとして、凄く良かった。
 封じてきた記憶の扉を開くほどの負荷を覚悟で、倒れた葵に手番を回さぬため、自分の意地を貫くために6つ目の魔弾が顔を出すのも、第2期開幕に相応しい派手さだ。
 香蘭ペアが実力でも心意気でも良いライバルだからこそ、最後の最後で秘密兵器を取り出して激戦を制する展開に、気持ちの良い納得があった。

 亜室コーチがいい具合に過去の因縁を突っついてくれるので、今回扉が空いたイヴ出生の秘密への興味もグングン高まる。
 ここにきて強キャラオーラムンムン出してる旧世代が表に出てきて、色々伏せてた札が表になっていく展開は、新たなうねりが二期を加速させてくれる期待に満ちている。
 異能ゴルフのインパクトに見てる側が慣れてきて、キャラへの愛着も深まり、物語のスケールも普通のスポ根に(一応)落ち着いたところで、満を持して記憶喪失主人公の過去が顕になっていくの、非常にタイミングがいい。
 葵も意味深にぶっ倒れてW主人公が同時に過去を掘り下げられそうなのは、1クール彼女たちの物語に付き合いもっとその内側を知りたい視聴者にとっては、願ったり叶ったりでもある。
 トンチキ異能ゴルフのインパクトで時折忘れるが、結構意味深な伏線色んなところに織り込んでるアニメではあるからな……。

 灘南との決勝を前に色々話が動きそうで、大変パワフルなセカンドシーズン開幕となりました。
 蓋を開けてみるとメチャクチャ泥臭くスポ根してた香蘭が、全力全開で追いすがってくれたからこその勢いだと思うので、これを活かして新たに明かされる真実、その先にある決勝戦も、熱く激しく駆け抜けて欲しい。
 次回も大変楽しみです。