イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 23/09/10 マモノスクランブル『アンラッキーランチ』

 今日はからすば晴先生の最新作、賑やかな魔界都市と化した東京で愉快生物を遊ぶ”マモノスクランブル”を遊んできました。

 シナリオタイトル:アンラッキーランチ システム:マモノスクランブル GM:シェンツさん

 新米くん:”Sky”クルル:外見10代女性:セイレーン 人を魅了する歌声と、空を自在に舞う能力をもった半人半鳥の美少女。音楽一本で行きていく未来を夢見つつ、ロクでもない暴力沙汰への適正を開花させていく。ボーカル担当。
 コバヤシ:”Forest”アイヴァン:外見20代男性:エルフ 森の知恵とタフな生き様を入れ墨とともに心身に焼き付けた、暗い森から来たエルフ。蛮人なりに結構思慮深いのだが、地球語に慣れていないのでそれがなかなか伝わりにくい。ヴァイオリン担当。

 

 この尊野蛮をメンバーとするシンフォニックパンクバンド”Things from Deep Dark”が、昼飯食うだけでドッタンバッタン大騒ぎな東京を全力疾走していきました。
 大変楽しかったです。
 まず何より世界観が魅力的で、人外大行進なしっちゃかめっちゃか感、スラップスティックな治安の悪さと騒がしさが随所で元気で、”令和のサタスペ”って感じでした。
 ダイス振ってるだけでろくでもないことが起き、軽い判定と[特性]ルールを生かした賑やかな展開は、この世界観としっかりマッチ。
 わざわざ2D6ではなくD12をランダマイザとして選んだことによる、何が飛び出すかさっぱり解んねぇ感じがいい具合に新鮮で、面白く遊ぶことが出来ました。
 場所やキャラクターに刻まれた[特性]が演出のフックになり、軽めの判定に一味足してロールもデータもサクサク進んでいく(けど、しっかり考え甲斐のあるデータ構造になってる)プレイ感覚は、テーブルゲーム的な楽しさがあって良かった。

 『からすばゲーといえば、重たくエモい関係性』みたいな感じになってたところで、現状のTRPGシーンでニッチになってるライトなピカレスクモノを持ってきて、深刻になりすぎず悪趣味にアクが強すぎないいいバランスで、サクサク遊べるシステム出してきたのは良いなー、と思いました。
 世界観的にもシステムの方向性的にも、この味わいは今食べたかったけどどこも出してくれなかった感じのやつで、凄くいいタイミングにスルッとお出しされた印象。
 データ処理にしてもシナリオ進行にしても世界の雰囲気にしても、極限まで肩の力を抜いているんだけども全く手は抜いていなくて、スピーディだけど食べごたえが在る最新の手応えになっているのは、流石だと思います。
 早くて軽くて、でも楽しくてやりがいがあるっていう超凄い仕上がりが、デザイナーごとのオリジナリティを交えつつビシバシ出てきちまっているので、とんでもない時代だぜ……。

 

 実プレイの方は大都会東京に迷い込んだ超絶蛮人共が、好き勝手絶頂にトラブルを駆け回って、大変面白かったです。
 初めてシステムに触れる時入口になる付属シナリオが、凄く心地良い軽やかさで『このゲームの、作品世界のどこが楽しいか教えるよ!』と力強く挨拶をしてくれる仕上がりなのは、凄く良かったです。
 昼飯食うだけでとんでもないことが起きまくる、ハチャメチャでありながら楽しくもある東京の面白さをたっぷり味わうことが出来て、大変良いシナリオでした。
 このライトな食感でファーストコンタクトを済ませた後、結構ガッツリしたシナリオを作ったり遊んだりしたくなるゲームなの、めっちゃいいなと思う。
 システムにいじり甲斐があるポイントが複数あって、作品世界には掘り下げたくなる面白さが満ちていて、『こういう遊び方出来るな!』ってのが脳髄からビッシャビッシャ湧き上がってくるのは、ポテンシャルがあるシステムと出会った時特有の快楽だ。

 クランをバンドにしたのは思いつきだったんですが、『クソロクでもないドタバタに振り回されつつ、なんだかんだ音楽でこの新世界に道を作るぜ!』みたいな芯がトンチキマモノに入ってくれた感じで、結果としてよかったと思います。
 現状どこに出しても恥ずかしい蛮族共が、暴力適性をフルに発揮してハシャイでる遊び方しかしていないので、逆にしっとり情感のあるネタとかやってみたい気持ち。
 世界観的にも重たい要素モリモリあるし、[特性]ルールはエモーショナルな演出を引っ張り出す意味合いでも、良い起爆性能してそうなんだよなー。
 色んな角度から楽しんでみたくなる、良いシステムだと思いました!

 

 というわけで、大変楽しいセッションになりました。
 同卓していただいた方、ありがとうございました。