イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 23/10/08 幻想ナラトグラフ『魔法の国が消えていく ~Last Resort of Paradise』

 今日はシェンツ先生とタイマンで、冒険企画局の新システム、東方二次創作TRPG”幻想ナラトグラフ”を遊んできました。
 初システムに思想強めのオリジナルシナリオぶっこみ……それが俺の生き様(スタイル)だッ!

 

 シナリオタイトル:魔法の国が消えていく ~Last Resort of Paradise システム:幻想ナラトグラフ GM:コバヤシ

 シェンツさん:博麗霊夢:真面目 ご存知、楽園の素敵な巫女。”弾幕ごっこ”という概念が消え去った幻想郷の危機に、普段は抑えめにしているシリアスな顔を表に出して挑んでいく。自堕落で暴力的で、思慮深くセンチメンタリスト。

 コバヤシ:風見幽香瀟洒 太陽の畑を根城とする、剣呑な一匹狼の花使い。むき出しの闘争が闊歩するようになった幻想郷をどうにかするべく、霊夢と協力しながら異変解決に勤しむ。シニカルで知的で、獣性に満ちてロマンチシスト。

 こんな感じの二人で、初の幻想ナラトグラフに挑んできました。
 大変刺激的で、楽しいセッションになりました。
 触ってみるとボードゲームTRPGを組み合わせたようなプレイフィールで、ランダムイベントの面白さを随所に盛り込みつつ、幻想郷という”場”が持っている根本的な面白さ、そこに住まう住人の魅力を強く信じて、そこを旅する面白さをしっかり体験させてくれるTRPGでした。
 ミドルフェイズを処理していく手続きがやや多く、ルールブックを行ったり来たりするタイミングが多いのはやや煩雑でしたが、ダイスに導かれて生まれる展開がどれも東方らしくて、幻想郷で遊んでいる感じが強くあったのは大変良かったです。
 ZUN監修の元ヴィジュアル化された幻想郷の地図の上、具体的な距離関係を楽しみながら異変解決の手がかりを求め、ワイワイ右往左往すること自体が、自分が思っていたよりもはるかに東方マニアだった自分たちには、とても楽しい体験となりました。
 やっぱ俺等東方と幻想郷好きだから、原作の匂いが濃厚にある場所に身を浸しているだけで、大好きなもんをたっぷり摂取している嬉しさに満足しちまうんだよな……。
 この濃厚な味わいは原作付きだからこその面白さなので、そういうセッティングを最大限活かしていたと思います。

 戦闘システムは弾幕ごっこ再現へのこだわりと、ハンディな処理を両立させたとても優れたもので、『東方のTRPG』としてこれ以上ない仕上がりでした。
 いくつかルールの穴を突いたハメ手と必勝法が発見されたりもしましたが、キャラデータを自由自在には組めない不自由さが逆にストッパーになって、ゲーム壊れるほど弄り回せない感じを受けました。
 ほぼ完成している原作キャラを、少ないデータで拡張性高く遊べるキャラメイク周りも大変優れていて、同卓するメンバーの東方への本気度、あるいは熱意に応じて『今回はこういう感じの霊夢』を切り替えれるのは、なかなかいいと思います。
 どういう個性を選ぶかで『今日はこういう霊夢を遊びたい』ってメッセージにもなるわけで、何かと東方性の違いが発生しがちなシステムが少しでも安定して遊べるよう、手間を少なく最大の結果を出せるルールだと思いました。

 

 今回はやりたいことがあってシナリオを自作し、PCも霊夢指定で遊びました。
 ジャンル自体を『東方二次創作TRPG』と銘打っているこのシステム、原作に対する知識や熱量が同じメンツで遊ぶのか、やっぱり一番しっくり来ると思います。
 今回は最初っから遊ぶ相手の顔が見えてて、どんだけ東方マニアかもよく知っている相手だったので、原作の根本的なところ、キャラクター同士の関係性に深く踏み込んだ、初手で投げるには明らかに強すぎるボールを全力で叩きつけさせてもらいました。
 相手によっては暴投になる一発なんですが、そこは勝手知ったる身内環境、お互いどこを突っついてほしいのか言わずとも解った上で、濃度と深度のあるセッションを楽しめました。
 『俺等、おもってたより東方好きだな……』と思い出せるセッションになったのは、とても良かったと思います。
 獣王園発売後のタイミングで、原作への温度上がっていたのも追い風だったな。

 シナリオ自作してみると、クエスト作るだけで大体の話が仕上がるのは大変にありがたく、執筆自体は楽でした。
 同時に自分なりの東方像を濃いめに投げつけるシナリオになったので、キーボード叩かず東方に思いを馳せる時間は結構長かったのですが、それもまた幸せな時間だったと思います。
 自分にとって東方って何で、どういう所を好きになったのか考えさせられる素材としても、色んな情報がギュギュッと詰まったこのシステムはありがたくて、気持ちよくシナリオを作って、波長の噛み合う相手と最高のセッションが出来て、とても良かったです。
 原作付きTRPGはやっぱりそういう、『俺等、思ってたより東方好きだな……』って気持ちを跳ね返す鏡としての仕事をしっかり果たしてくれるのが、メチャクチャ大事だと思うので、そういう時間を作り上げてくれた幻想ナラトグラフは、最高のシステムでした。

 ゲームの手応えとしてはぶっちゃけ、最新鋭のシステムに比べやや鈍重で煩雑なんですけども、だからこそ生まれる独自のグルーヴがあったり、システムと取っ組み合いしている歯ごたえが気持ちよかったり、いい刺激を貰えました。
 簡略化して原作のテイストが薄れるよりも、やや煩雑でも濃い目に幻想郷の空気を、弾幕ごっこらしさを味わえるルーリングにしたのも、二次創作TRPGとしてはとても大事だと思います。
 重いっつったってゲームが自壊するほど面倒くさくなく、心地よい負荷で楽しんで処理できるレベルなので、システム特有の味として美味しく味わえるレベルでした。
 ここらへんはプレイグループごと、プレイヤーごとの好みもあると思うし、僕は極端に軽量高速に寄った評価をしがちなので、あくまで一感想って感じではある。
 間違いなく、超楽しいセッション、超楽しいシナリオ、超楽しいシステムだったしね。

 

 というわけで、細胞の奥深くに眠っていた東方マニアの血を、熱くたぎらせ楽しく遊ぶことが出来ました。
 全力で『俺の考えた〇〇』ぶん投げても解釈違いにならない、全力で殴り返してくれる相手に思い切り一発叩き込めて、凄く気持ちよかったです。
 やっぱ好きって気持ちを、TRPGのシナリオとセッションに凝縮して特別な時間を過ごす体験ってのは、何にも代えがたいありがたさ、楽しさがあるなー。
 そんな奇跡を形にしてくれるシステムとして、”幻想ナラトグラフ”大変素晴らしかったです。
 同卓していただいた方、このシステムを夜に出してくれた方々、幻想郷を作ってくれた人たち、どうもありがとう。
 良いセッションでした!