イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

豚のレバーは加熱しろ:第7話『一つとして同じ花はない』感想

 豚と少女と剣士の旅は、道連れを増やして磔の谷へ……。
 おっぱい談義程度では毒抜きされない、血みどろのイェスマ差別の真髄が見えてくる、豚レバアニメ第7話である。

 ブレースの声を受けての救出劇とその後の一行を描く回だったが、教会がイェスマ加工工場になってるおぞましさがとにかく凄くて、見たいもんようやく見れた感じがあった。
 出会いの頃から不穏な空気は漂わせていたし、ノットさんの過去とかで片鱗は見えていたのだが、ダイレクトに超絶ロクでもねぇド差別低劣世界っぷりを見せられると、吐き気と同時にある種の納得も湧き上がる。
 今まで仄めかされてきた情報に、こっちが感じたり考えたり予測していたことが、あんま外れてなかったな、という得心。
 これが順序だって出されるあたり、やっぱりこのお話は異世界ミステリとしての色が濃いんだと思った。

 ツンツン尖りまくっているノットさんであるが、疑り深い豚よりも遥かに真っ直ぐ純情に傷ついたイェスマを助けようと特攻してて、『この調子で、クズまみれのこの世界でどう生きてくんだ……』と、少し心配になってしまった。
 イェスマ狩りは被差別民を駆り立てるっていうより、超レア素材剥ぎ取って一攫千金! みたいな屠殺感覚で事をなしており、人非人っていうより倫理の軸が、現代日本とは違う感じがあった。
 そんな世界で”お姉ちゃん”に優しくされ、助けられずぶっ殺された記憶に呪われて、正義のアウトサイダーであろうとするノットさんの立ち位置は、豚から見えてるより全然ヤベーんだと思う。
 豚さんが純情なジェスを知恵でサポートする立ち位置なのは解っていたんだが、まさかノットさんがピュアすぎ姫騎士属性だったとは……意外だが、嫌いじゃないねそういうの。

 

 一行の奮戦によって命を助けられ、旅に加わったブレースであるけども、心を開いた感じは一切なくぼんやり能登麻美子声、攻略はこっから……って感じだ。
 朗らかに生きてるジェスが特別なのであって、バキバキの差別と暴力に日々苛まれているイェスマとしては、ブレースの陰気こそがスタンダードなのかもしれない。
 基本このお話、豚の一人称に視点が限定されて進むミステリで、主役が教えてられていないことは教えられるまでこちらの目にも見えないし、世界を動かしている常識は何らかのイベントを通じて、豚が学ばないと顕在化しない。
 ジェスとキャッキャウフフしとると表に立たない、イェスマをめぐる薄暗さを暴くためのキャラなんかなー、って感じがある。
 となると末路も……と、暗い想像が思わず広がるけども、どうなるかなぁ。
 あのタイプの麻美子声の生存確率は、あんま高くないって俺のオタクデータベース(私家版)が告げとるので、ハラは決めていたほうが良いかもしれねぇ。

 不意打ちし放題の超ロクでもねぇ因縁谷に差し掛かって、どう見ても度は平穏無事には進んでいかない感じだが、さてはてこっからどうなるか。
 豚がピンときてない惨状を前に、炎の短剣をメラメラ燃やしてたノットさんが、主役に死の覚悟を問うところで次回に続いた。
 ぶっちゃけ相当作画へニャってる回だったけど、あそこでノットさんの心情が見えたり、一見幸せな旅の風景に傷んだ果実が写ったり、要所要所の演出は頑張っていたと思う。
 それが見せたいものはやっぱり、暗く血なまぐさい未来なんだが……さてどうなるか。
 来週も楽しみです!