奪われた愛を取り戻すために、今立ち上がる恋太郎ファミリー！
セキュリティ厳重な大豪邸に絆で挑み、羽香里奪還大作戦開始ッ！ ……というテンションで乗り込んでいって、ボケ倒しのトンチキ怪盗活劇に『んっ？』となり、可愛いワンちゃんネコちゃんとの触れ合いに『んんっ！？』となり、明らか様子のおかしい母上で『んんんんっ！！？』となり、最後の最後のビビーンあびゃ～～で『うーんやっぱりッ！！！』となる、大変100カノらしい第10話である。
最初っから持つはずなかったんだ……この珍妙アニメで重ための支配圧力なんて……。
しかしまぁギリギリ最後まで、思い込みの激しいイヤ母親が横暴ぶん回している構図を維持していたのは、頑張ったほうじゃないかなと思う。
おかげで最後の最後、ビビーンで全部ひっくり返すオチが良く刺さった。
……10話でビビーンが使われ方コスられヒネられるほど”定番”になってるの、よくよく考えると異常だけども、正気の輩はもうこのアニメ見てねーのよ！
ハイつー訳で、花園邸にガッツリ不法侵入カマして、羽香里奪還作戦に勤しむ回である。
ゴムボールでの到来お知らせ、繰り返されるネコちゃんネタ、世界一弱い動物好本静と優しいワンちゃん、ついに本領発揮の楠莉の都合がいい薬物、ドスケベゴリラの本性を剥き出しにした唐音……。
全ての展開がどっかズレてボケて、後々強引にパワーではめ込むこと前提ですっとぼけているのは、大変にこのお話らしい展開であった。
携帯使えないからゴムボールて、君ィ……。
まぁ目ん玉三角にしてガチ奪還作戦されても、それはそれで作風違うわけで、おとぼけ彼女たちとトンチキ彼氏がドンドンヘンテコな方向に転がっていく状況の中、脳髄ぶっ飛んだボケにボケを重ねて走っていく様子は、とても面白かった。
唐音がファミリー唯一の常識担当として、過労死しそうなツッコミ大車輪してたかと思ったら、一番濃口の嬉し恥ずかしエロティック・コメディ担当でデカい見せ場貰うの、いいバランスだったな。
前回のVSゴリラ一味が、異様な筋力でのハチャメチャ大作戦の前フリになってんの、巧いんだか強引なんだかもう分かんねぇな……。
トンチキとスットボケが徒党を組んで襲いかかる状況だが、スキあらば羽香里を思う彼女たちの気持ちが描写され、イカれてるけどみんな仲良し、帰るべき場所としての恋太郎ファミリーがどういう雰囲気で回っているのか、強めに押し付けてくる。
人間存在につきものの独占欲とか我執とか、生臭いものを蹴っ飛ばすことで成立している歪な楽園ではあるが、お互いがお互いを大事に思いながら幸せに暮らしているファミリーの空気は、やっぱ浴びていると気持ちがいいもので。
冒頭、一人地面に降りれない静がなんかプルプルしてる様子、それを無言で回収しに来る恋太郎は、そういう『俺たちが浴びたいイカレファミリー』の空気、よく醸し出していたと思う。
そんな幸せに水ぶっかける、娘大好き過ぎ波乱万丈の人生送りすぎな、羽々里ママンの強火なプレッシャー。
結局ビビーンぶっかまして、恋太郎が五股のクズから親子丼のゴミへとランクアップしていくわけだが、一応一目惚れの雷で脳内のダム決壊するまでは、娘を思うあまり暴走する愛の修羅を、結構頑張っていたと思う。
まぁぶっ壊れちゃったけどさ……。
まさかまさかとは思いつつ、ヤラれてみればそらそーだ、女と見ればビビーンぶっこむ作風の、ある意味犠牲となった美しき鬼子母神。
どこに落としていくのか、次回以降の展開とキャラ崩壊が楽しみである。
羽々里がツッコんでいた恋太郎ファミリーのヤバポイントは、ビビーンしたからって消えるわけではないので、そこら辺どう地ならししてファミリー落ちするのか、始末が大事な局面だ。
全部パワー勝負でゴリ推して、無理くりハッピーエンドの形に押し込んでいっても、まーこのお話らしいとは思うが、さて……。
かくしてラスボス候補が音速の陥落を見せた、愛のミッションインポッシブル。
決着の次回も、楽しくなりそうですね！！
