イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 23/12/30 ストリテラ『It's time to Burn out,Punks!』

 昨日はセッション納!
 ストリテラのオリジナルシナリオを遊んできました。

 

 シナリオタイトル:It's time to Burn out,Punks! システム:ストリテラ

talto.cc

 

 

 シェンツさん:宵闇堂みつは:18歳女性 高校デビューに失敗して以来、学園のクズどもが吹き溜まるアンダーエリアの主として、ネットの闇にこもって生きている真の”陰”。女性声優におじさん構文でDM送るなどして過ごしていたが、暗い情念を叩き込んだ楽曲を見初められ、ステージに引っ張り出されていく。

 新米くん:虹上ナナ:15才女性 ピンク髪の気さくな少女であり、経験者としてド素人ユニットを導く。かつての仲間に追いつけない自分を、不協和音としてバンドから取り除く時、『飽きたから辞める』と嘯いた最悪の外面女。ザコを見下し居場所を得るために参加。

 浅間忍さん:桶浦ゆき:14才女性 便所飯が定位置の陰キャ女子。押し付けられるがままに何事も上手くこなすタチだったが、本番となると緊張で逃げ出し居場所がなくなる。ド素人のクズ相手なら、ヌルく居場所が手に入るだろうとユニットに参加。

 コバヤシ:”路地裏の不発弾”埋火芥:15才女性 最悪家庭環境に荒れ果て、フラストレーションを持て余していた健康優良不良少女。とある日アイドルと出会い、魂に火をつけて周りを巻き込みながら突っ走る。凡人共が躓く恐怖に立ち止まらない、無垢なる恐れ知らず。

 

 こんな感じのクズどもが、アイドルユニットを組んでてっぺんを目指すシナリオを遊びました。
 とっても楽しかったです。
 今回のシナリオはストリテラの標準仕様を崩し、シナリオ側でキーワードも場面もを設定せず、完全フルアドリブでやる感じにしてみました。
 勝手知ったる身内メンツだからこそ出来る大暴投なんですが、色々難しい点はありつつみんなにアイデア出してもらって、作中現実に生まれ落ちた四人がどういう物語を迎えるといい感じなのか、相談しアイデア出し合いながら駆け抜けることが出来て、とても楽しかったです。
 クズと音楽を真ん中に置いたこのシナリオ、負けロールの引力がとても強く、そっから自分のキャラを引っ張り上げて前向きになるまで、結構手数を使います。
 ここら辺も忌憚なく相談しつつ、メタネタを交えつついい塩梅にタイミングを測って、クズはクズなりに熱くなれたと思います。

 たどり着くべきmの語りのレールと、作中現実を生きるキャラクターが求めるものは常に対立し、制御不能に暴れるものなんですが、そこを上手く折り合いつけて、『ここではこうなるしかないな』という納得とともに、描くべき物語へ進み出せた瞬間の気持ちよさというのは格別です。
 リアルタイムで濃いコミュニケーションをしながら、物語を生成・共有していくTRPGにおいては特にそうで、今回は規定のフレームを取っ払った分、そういう納得と快楽をみんなでどう作り共有していくか、濃い体験ができたと思います。
 元々ストリテラはデータ要素を取っ払うことで、そういう同意形成・物語生成に特化したシステムではあるのですが、キーワードコレクトという要素を外に置くことで、そこらへんの苦労と面白さは更に加速したかな、って感じ。
 その分参加者全員が物語づくりの筋力をフル動員して、面白く納得できる展開をパワーで引っ張り込む必要があるわけですが、そこは信頼できるメンバーが思いもよらぬアイデアやロールをボンボコ投げ込んでくれて、大変楽しく苦労することが出来ました。

 

 今回の物語は目指してきたコンテストでは準優勝、自分を守るためにバリア貼りまくってきたメンバーがようやく演奏後、ファミレス行って自己紹介し直す形でエンディングだったのですが、『まぁ負けるよねこの流れ』と、展開をスルリと皆で納得してたどり着けたのが良かったです。
 自分であることの悪目立ちに傷ついて、諦めたフリすることで自分を守ってきた少女たちが、ブレーキぶっ壊れたバカに引っ張られたどり着いた場所で、ようやく間違えバカにされるあるがままの自分に、少し耐えれるようになる。
 地に足の付いた生っぽいクズ力をぶん回す、いい子なんかじゃないゴミカス共の決着として、そんな奴らなりに音楽に本気だったお話の結果として、凄くちょうどいいところにスポッとハマってくれました。

 『俺たちには、そこがちょうどいいんだ』という感覚はセッションを共にして、時間と気合を注ぎ込んで見えてくる蜃気楼みたいなもんで、実態はないけどとても楽しい、得難い幻です。
 僕はそういうモンを味わうためにTRPGやっているので、今年の最後にそういう体験を味わえて、とても嬉しかったです。
 自分が思いついた物語を肯定してもらうだけでなく、『いや、それはやんないほうが良いよ』と却下してクズカゴにぶちこむ事も含めて、遠慮なくいろんな提案や共有ができるメンバーとのセッションが、どんだけありがたく楽しいかを確かめることが出来ました。
 思いついちゃったけどダイナシな事を、いきなり鍋に投げ込むんじゃなくて『コレどうかな?』で確認入れて、ダメなら全部引っ込める勇気って、こういうセッションでは大事よね……(自分がしでかした危険行為スレスレを思い返しつつ)

 

 というわけで、大変楽しいセッションでした。
 ここまでのTRPG人生、負けロールの引力に引っ張られて生まれた様々な悲劇と痛みを、踏まえた上でのノウハウとかコツがフル動員されていて、フリーハンドに見えてテクニカルなセッションだったな……。
 同卓していただいた方、ありがとうございました!