イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

梅霖未だ音聞かず -2024年4月期アニメ 総評&ベストエピソード-

 

 

 

・はじめに

 この記事は、2024年4~7月期に僕が見たアニメ、見終えたアニメを総論し、ベストエピソードを選出していく記事です。
 各話で感想を書いていくと、どうしてもトータルどうだったかを書き記す場所がないし、あえて『最高の一話』を選ぶことで、作品に僕が感じた共鳴とかを浮き彫りにできるかな、と思い、やってみることにしました。
 作品が最終話を迎えるたびに、ここに感想が増えていきますので、よろしくご確認を。

 

 

ダンジョン飯

 ベストエピソード:第17話『ハーピー/キメラ』

lastbreath.hatenablog.com

 TRIGGER初の原作付きアニメは、自分たちらしさと原作の良さを見事に組み合わせた、素晴らしい一皿となった。
 フタを開ける前は制作集団としてのエゴが過剰にはみ出す仕上がりを警戒もしていたが、放送されてみればポップで奥深い作品の美味しさをしっかりアニメに落とし込み、心地よいテンポで多彩な面白さを毎回届けてくれる、素晴らしい食卓となった。
 圧倒的なクオリティで見るものを飲み込む……というよりも、見せるべきものを毎回しっかり見定めて、作るべきものをしっかり作り込む丁寧な職人気質が、気負わず作品を下支えする作りだったと思う。
 こういう角度から原作を”アニメ化”しきる作風もなかなか久々に味わうもので、腹に落としてみると適切かつ鮮明な味わいが染み出していた。

 ダンジョンと飯、命がけの冒険とシニカルなコメディ、絶え間ないドタバタとシリアスな人間ドラマ。
 様々な味わいを贅沢に使いこなし、見ている側を飽きさせないバラエティでもってライオスたちの冒険を描く筆は、”食”という極めて身近なテーマを足がかりにすることで、迷宮の中へと力強く僕らを誘い込む。
 最初は魔物食をゲテモノとして遠くに置く、マルシルの視点に共感していた視聴者がグルメと冒険の日々に付き合う中、気づけばライオスたちと視線を重ねている。
 上質なコース料理を味わうが如く、作品世界にしっかり浸れるよう計算された傾斜に乗っかって、次第に深くダンジョンへと引っ張られていく視聴体験は、手広さとクオリティを両立させたアニメとしての表現力に、しっかり支えられていた。

 

 旅の目的だった火竜打倒とファリン復活を成し遂げ、主役の冒険に見る側の体重が乗り切ったタイミングで描かれるこのエピソードは、踏破したと思った迷宮にはまだまだ見えざる闇が広がっていること、ライオス達の生き方にはかなり多くの危うさが秘められていることを、鮮明に描く。
 ここでシュローやカブルーが、地上の価値観や人間中心主義を背負って舞台に上がり、それらに親しみがないライオスと衝突/観察/対話を果たすことで、”魔物と食、生と死”というテーマ、それを背負うキャラクターと世界観が一気に立体視され、奥行きを増した。
 主人公たちの生き方を絶対視しないクレバーな視線を、真逆の在り方をしている第二の主役の登場でもって作品に突き刺すことで、生まれる複雑な美味しさ。
 これが本格的に煮込まれていく二期がどんな味わいになるのか、一期放送を終えたこの段階ですでに楽しみであるが、その期待感はこの回(あるいはこの回に至るまでのチラ見せ)でカブルーを鏡に、ライオスという青年の危うさが可視化される手つきの見事さに支えられている。
 真逆に思える誰かを通して自分を見つめ、真実の己を成し遂げるためにどんな冒険に挑めば良いのか。
 そういう極めて普遍的な成長のドラマを描くために、必要な武器をこの作品はしっかり研ぎ澄ませているのだと、こちらに教えてくれる回だった。

 そしてそういうレトリックの見事さは、常にアニメーションとしての切れ味に支えられている。
 キメラと化したファリンが振りまく災厄が、どれだけ濃厚な死に満ちて容赦がないのか。
 喉笛を切り裂かれても死なず、怪物めいた足取りで駆け抜けていく”妹”がどれだけ人間離れしてしまったか。
 語らず、描けばこそしっかり伝わるアニメの強さがそこにはあって、要所要所(例えば第9話のウンディーネ戦、第22話のグリフィン戦)でしっかり力を入れたアクションを作り上げることで、ただテーマをこねくり回しているだけじゃ生まれない面白さと手応えを、作品に宿してくれる。
 口に含んでしっかり美味しいからこそ、作品が伝えたい栄養が見ている側の心に染み渡る……というのもあるが、ただただ楽しいアニメを作り上げるという手段と目的の一体化もそこにはあり、しかしそれに溺れず適切に制御もされている。
 そういう、このアニメ全体を貫く”料理”の仕方が、一番色濃く出ているエピソードだと思う。
 たいへん面白かった。
 おかわりッ!

 

 

・花野井くんと恋の病

 ベストエピソード:第3話『初めてのクリスマス』

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 『400万部を売り上げる、スマッシュヒット少女漫画原作』という、むくつけきオッサンから全く縁遠い作品であったが、とても楽しく見終わることが出来た。
 これは自分が興味を持っている、児童の発育段階と領域が被っていたのがかなり大きく、謎めいてヤバい花野井くんの過去が顕になる度に、歪むのも当たり前な劣悪環境でどんどん自意識を傷つけられたのだと解ってきて、彼を愛する気持ちが強くなっていった。
 イケててヤバい特級男子にときめく、ロマンス受容に一般的だろう態度とはまた違った角度ではあるのだが、主要人物としっかり腰を入れて向き合える足場が自分の中にあったのは、アニメを楽しむうえでとてもありがたかった。
 そんな花野井くんに恋を教えられえ、人間を教えていくほたるちゃんの清廉な正しさもまた心地よく、そんな彼女が花野井くんの情熱に当てられて、自分の知らなかった熱量に突き動かされていく様子も、見ていて面白かった。
 あらゆる物語がそうであるけど、特にヘテロブコメは主演となる男女を好きになれるか、そうなるだけの可愛げと誠実があるかが自分的に大事で、『これください!』って要素がみっしり分厚かったのは、作品を噛み砕いて腹に収める大きな助けになってくれた。

 そういう主役の良さを、要所要所の冴えた演出でしっかり支えていたのもこのアニメのいいところだと思って、物語の大きなターニングポイントとなるこの第3話で、『足元』という自分なりのグリップポイントを掴めたのも、楽しく見続ける足場になった。
 自分は作品がどういう暗号を練り込んで映像を作り、それによってどんなメッセージを届けたいのかを探り当てる行為……アニメを”読む”のが好きで、こういうブログを続けている。
 ただロマンティックな定番シチュエーションを積み重ねるのではなく、作品なり、アニメだけに出来る表現でもって花野井くんとほたるちゃんの特別な恋を描こうと、色々工夫してくれていたのは大変良かった。
 話数としても序章が終わるに相応しい力強さでロマンティックが暴れていたし、後に色々背景がわかる花野井くんの危うさと優しさがしっかり描かれていて、事情は見えないなりに彼を好きになれる話数だったと思う。
 読み返すと過去が分かる前から、色々危ういながら必死に頑張ってる彼のことを僕は好いていて、やっぱそう思える男の子とであること、そういう風に男の子を書いてくれるお話が好きだな、と感じた。

 

 

 

・ブルーアーカイブ The Animation

 ベストエピソード:第8話『秘密』

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 原作付きのアニメが誰に向けて作られているのかは、受け取る僕の百億倍くらい作りて側は考えて作品を世界に投げかけるのだろう。
 そこには色んな幸せがあって、それが自分にハマるかどうかは運次第というか巡り合わせというか……こういう枕でもって僕は、波長が合わない作品を自分なり楽しんで見て、楽しみきれなかった気持ちを今こうして、色んな人の目に触れる場所に晒してもいる。
 ファンにとってはサービスであるものが、アニメを入り口に作品を受容する僕には時に消化不能なノイズとなり、咀嚼を妨げる難しさは、特に描くべきキャラがわんさといるソシャゲアニメでは、良く感じる違和感だ。
 色んなキャラ出してもらっても、ゲームで彼女たちに出会っていない僕にとっては『知らない人』であり、それが全体の流れを妨げないよう的確なサイズに切り分けられていたとしても、『見知らぬモノがそこにある』という認識のノイズは、作品への没入を時に妨げる。
 アニメからブルーアーカイブを知った自分にとって、正直な話結構な頻度でそういう難しさが顔を出すアニメだった。

 だから話も全然進まず、極めて贅沢な尺の使い方でアビドスの五人の幸せな夢(げんじつ)を描いたこの回が、自分的には一番良かったなと思えるのかも知れない。
 アビドスの五人はここまでの物語で『知ってる人』になってて、そんな彼女たちが美しい水族館に笑ってはしゃいで、幸せそうにしている情景は、見ていてとても素敵なものだった。
 それが厳しく試されるのだろうという薄暗い予感も的確に出して、だからこそ尊い一瞬の現実(ゆめ)が、作品の持つ透明度の高い美しさを最大限活用しながら、元気に暴れる多幸感。
 それは確かに、このアニメを楽しいと思える大事な足場であり、このエピソードに代表される輝く日常の優れた描線をこのお話が掴んでいたから、ノリきれない気まずさを感じつつも最後まで見たいと、確かに思わされた。
 そういう気持ちでこのアニメを見れたのは事実だし、それがあるならやっぱり僕とブルアカアニメは、まぁまぁ幸福な出会い方と終わり方が出来ていたのかなと、勝手に思ったりする。

 

 

・終末トレインどこへいく?

 ベストエピソード:第12話『いつもって何だっけ』

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 終わり良ければ全て良し。
 物語と世界の真理を言い表している言葉だとも思うし、途中経過をぶっ飛ばしすぎた極論だと思うこともあるが、しかしこのアニメに関しては、ここまでの全てがあってこその最終回だったと思う。
 『思ったほどカオスじゃない!』とは作中に飛び出した叫びであるけども、多彩な狂気とアップテンポな展開が小気味よく突っ走る奥に、極めて堅牢かつスタンダードな構造を保ち続けたからこそ、このアニメは大変いい感じにレールを走りきって、目指すべき未来へと新たに進み出せたのだと思う。
 物語を牽引するエンジンは、若く未熟な少女たちのありふれたぶつかり合いをどう取り戻し、あるいはぶっ壊れたまんまでどう新たに進み出すかという、非常に地味かつ普遍的なもの。
 そういうありふれて大事なテーマを、最大限加速させるためにノリと勢いと狂気を山盛り積んで、それで足を取られないよう的確に描写を編んで、描くべきものを描き繋ぐべきものを繋ぎ、走るべき場所を走ったアニメだったと僕は思う。

 どんだけ狂った旅であっても、危険に満ちたいかれた世界であっても、畢竟人間一人のすれ違いと愛が、話の根っこを支えている。
 そういう物語の根本が、一番力強く溢れていたのが話をまとめ上げる最終話だという語りのバランス感覚こそが、何かと狂った側面に注目されがちなこのお話が、普通じゃない語り方を全力でやりきればこそ、”いつも”の中にあるとても大事で危ういモノを巡る旅を、見事に走りきれた理由なのだろう。
 その旅を明るく照らす、星と電車と愛のポエジーが最終回もとても元気で、凄く素敵な詩を語って作品が終わっていったのも、メチャクチャこのアニメらしくて良かった。

 やっぱ話の最後に、自分たちが紡いできた物語が一体どんなものであって、それにどれだけ語るべき価値があったのか、ちゃんと堂々吠えてくれるアニメが好きだ。
 それが空転しないだけの笑いと狂気と感動が、いろんな形で各話数にメチャクチャ元気な作品だったからこそ、『狂った旅は楽しかった! 駆け抜けたからこそ、今見えているものがある!』と、旅を通じて太くなった絆に支えられて主人公が叫ぶのは、最高に気持がいい。
 そういうベタ足のスタンダードなラストへと、迷わず駆け抜けていってくれる姿勢自体が、メチャクチャこのアニメらしかったのもまた、とても嬉しい最終回だった。

 

 

 

・ヴァンパイア男子寮

 ベストエピソード:第6話『美少年、失恋する!?』

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 乙女向けラブコメの古い葡萄酒を、新しい革袋に入れ大胆にシェイクしてお出しする手際を、楽しく堪能していたこのアニメ。
 ラブコメを駆動させるために必要な熱量は、ぶっちゃけこの話数でほぼピークに達しており、バレバレな結論をどう迂回しトキメキをグツグツ煮込むか、残り六話の話運びを楽しく観察させてくれたありがたみも合わせて、ここがベストである。
 古臭く力強いシチュエーションや演出を、一切の衒いなく堂々振り抜き切る思い切りこそが、このアニメの強みだと感じているが。
 そういうベタ足の演出が一番冴えていたのは間違いなくここで、夏祭りに燃え上がる恋心を鮮烈に切り取る、懐かしくパワフルな画作りが怒涛の連打をキメてくる。
 そういう場面をちゃんと設計通り……あるいはそれ以上に仕上げれていたから、『いかにして読者の欲望を満たすか』という、ある意味ヴァンパイア的な奉仕を極めて冷静にやり遂げることも出来たのだと思う。

 ポルノの定義をセックスという事象ではなく、欲望のために物語が持つイマジネーションを最大限活用し、都合の悪い諸要素を力強く踏み潰す作劇に求めるのであれば、このお話は超一線級のポルノだったと思う。
 あらゆるエンタメはポルノ的側面を必ず持つが、多くの人々に求められればこそ定番となり類型となった様々な状況、キャラ造形を新たな衝撃力を持って叩きつけるべく、たくさんの工夫を盛り込んで闘ったこのお話は、かなり気合の入った良いポルノだった。
 小森という保護者/採点者/神が定めた試練を乗り越え、彼が定めたあるべき”真実の愛”を追いかける主役たちには、逸脱の自由がない。
 空中に浮遊する数多の欲望をその身に写し取り、望ましいトキメキを体現するためのキャンバスとしては、白紙の”いい子”が必要であり適切だったのかなと、性差のネジれも異形の怪物との恋も、極めてスタンダードな形で終わった決着を見ると思う。
 しかしそういうシニカルな視点の先、なんだかんだ楽しかった恋のドタバタが、美人ちゃんとルカくんがとても幸せそうな決着にたどり着けたのは、凄く素直に嬉しいことだなと思えている。
 色々ヒネて捻れた部分を抱えつつ、そういう距離感で作品と付き合えたのは、自分的には良い経験だったなと、最終話を迎えて思うのだった。

 

 

 ベストエピソード:第9話『3つの物語』感想ツイートまとめ

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 作品全体に満ちるスタイリッシュなセンス、シビアでパワーのある話運び、要所要所で暴れる演出と作画の冒険、独自のテンポとリズムから生まれるt魅力的な呼吸。
 相当にハードルを上げて視聴に挑んだが、完全に応えられ、乗り越えられてしまった素晴らしい二期だった。
 異能とサスペンスと人情を複雑に織り交ぜた過去とのオムニバスから、ハードな暴力が荒れ狂う現在進行系のサスペンスへと足場を変えつつも、世界に満ちる理不尽とそれに呑まれて抗う人間の業を、独自の軽やかさで描き切る特長は消えることはなかった。
 むしろ過酷な運命に翻弄されたもう一人の”時光代理人”ともいうべき李兄妹をシリーズゲストとして迎え、丁々発止の頭脳戦、敵味方の垣根を超えた交流を積み上げていく中で、作品が描くべき人間の肖像画はより鮮明に、複雑になっていたと思う。
 悪の限りを尽くす”敵”にも愛と勇気と正義があり、しかしその所業が愛するものを深く傷つけているのなら、人を人と、ヒーローをヒーローたらしめるのは一体何か。
 三期へのクリフハンガーを最後にしっかり張り巡らせつつも、真摯に実直に腰を落として問い、自分たちらしくその答えを軽やかに描く筆から、大きな満足を受け取ることが出来た。

 僕はこのアニメに、日本の深夜アニメを覆う不定形の”空気”から影響を受けつつ、力強く飛び出していくセンスと気概を、勝手に受け取っている。
 どこが……とは明瞭に言葉に出来ないのだけど、演出のタイミングや一個一個のデザイン、セリフやキャラクターのセンスにどっか、馴染みがなくとてもワクワクするものを感じ取って、毎回楽しかった。
 この第9話はずっと謎に包まれていた”敵”の事情を明かし、複雑に錯綜する情報を整理する、いわゆる『カウントを整える球』だ。
 そういう話数を退屈から遠ざける……どころじゃない、冴えに冴えた表現技法を複数使いこなして、莫大な情報量と情緒への強烈な揺さぶりを成立させていたのは、とても印象的だった。
 モノトーンで描かれるチエン弁護士の過去は、終わってから思えば彼の妄念が世界をどう歪めているかを表現していたし、ティエンシーちゃんのファンシーで残酷な世界は、彼女がどういう場所で生きている子なのかを、とても良く語っていた。

 『ああ、こんな血みどろの呪われた場所じゃなくて、安心できる”お家”で過ごすべき子なのだ』とここで解ったからこそ、死の間際泣きながら幸せでいられた時代への帰還を願う彼女の最後が、辛くて辛くて仕方なかった。
 かつて写真の中の現実で、耐え難いほどに辛かった理不尽は、ティエンシーちゃんを新たな生贄に選んでまだまだ続く。
 その苦く血なまぐさいやるせなさは、この作品がともすれば冴えわたる軽薄に成ってしまいかねないスタイリッシュとセンスでもって、作品の真ん中に据えて挑み続けている主題だ。
 そういう普遍的で、古臭いものに成ってしまいそうな大事なテーマに、最新鋭の表現を携えて挑み続けてくれている。
 そういうアニメを見れる喜びは、大変に大きく何物にも代えがたい。

 

 

 

・夜のクラゲは泳げない

 ベストエピソード:第10話『推される側』

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 素敵なエピソードがとても多いので、ベスト選出はとても悩んだが、やっぱりJELEEのみ長道に迷う中、高梨・キム・アヌーク・めいが全てに先駆けて己を吠えるこの話数が、一番好きだ。
 めいちゃんは揺るがぬ純粋さと芯の強さ、人間として為すべきことをけして間違えない賢さを併せ持っていて、限界キモオタ描写をかなりの濃度ねじ込まないと、作品内部に存在を許されない人だと思う。
 めいちゃんがその真っ直ぐな純粋さ故に見落とさなかったもの、強い情熱と愛故に譲らなかったものがどれだけこの作品を支え、大事な友だちを救ってきたかを思うと、作品の誘導役としての仕事っぷりは凄まじい。
 そういう便利すぎ正しすぎる立ち位置になりそうなキャラを、絶妙なキモさで限界化させた上で、推し文化の良き側面を体現させお話に同時代性をしっかり宿す窓に活かしたのは、非常に良かった。
 テクノロジーの進歩に支えられた新しい表現を称揚しつつ、その値段を上げるために旧い文化を貶したりはしない、作中描かれてる通りに自分たちの”好き”を描いた上品な姿勢も、めいちゃんがクラシック音楽に身を捧げるキャラだったことで、かなりの分厚さを担保されていたように思う。
 ことほど左様に良く出来たキャラで、そんなことより尊敬できる人格の持ち主で、面白くキモく可愛いめいちゃんのことが、僕はとても好きだ。

 そんな彼女が魂の絶唱によって、JELEE解散の危機を力強く乗り越えていくこのお話の凄さは、もちろん第8話までに培われた作品への愛着と、それを引きちぎるようにハードな衝突を描いた第9話によって成立している。
 令和に相応しい的確なストレスコントロールと、冴えた画面作りが生み出す表現力によって、視聴者に生まれつつあった作品への信頼と期待……ともすれば『まぁヨルクラはこんなもん』というナメを、第9話は極めて的確に、計画的に裏切った。
 ここでのシリアスなトーンチェンジは終章開幕を告げるに相応しい衝撃力を宿し、一体どうなってしまうのか全く読めない重たい面白さで、見ているものを揺らした。
 この重たい一撃があってこそ、ここまでの二章で描いたキャラらしさのさらに奥……痛みと苦しみに満ちたどす黒い場所まで踏み込まなきゃ描けないものへと、作品は的確に歩を進めた。
 そうして暴かれたものを見届けて、描かれるべきものがすべて描かれたという満足感を受け取って、全12話を見届けられたのは、とても幸せなことだ。

 大きな衝撃で話全体が沈み込む時、それをはね返して新たに飛び上がるには大きなパワーがいる。
 それは精妙な計算だけでは生まれ得ない、不定形で力強い”何か”に支えられて生まれてくるものだと思うが、そういう”何か”がめいちゃんにあるのだと、歌がNGで自分をあまり叫ばないあの子に、JELEE復活の狼煙を任せてくれたことが、僕には嬉しかった。
 第6話で”好き”を嗤われたアリエルちゃんに膝を曲げ、熱のこもった言葉で思いを伝えた時から……あるいは第2話、思い出を消して心を殺して生きようとした自分を花音ちゃんとの再会に蘇らした時から、そういう炎はずっと純粋さとキモオタ力と並ぶ、めいちゃんの特徴だった。
 僕が彼女のことを一番好きになる理由の、その燃え盛る愛と思いをこれ以上無いほどに不格好で無様で強く美しく、嘘なく描いてくれたこのエピソードと、このお話が。
 僕はやっぱり、とても好きだ。

 

 

 

・ガールズバンドクライ

 ベストエピソード:第13話『ロックンロールは鳴り止まないっ』

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 いわゆる”いい最終回”とは、やはり言えない終わり方だったと思う。
 自分を殺しかけた暗い影から、怒りに満ちて川崎に逃げ出したロックの申し子が、憧れと出会い直して泣きながら大暴れ、必死に音楽やる中で自分を見つけ仲間と繋がり、何事かを成し遂げる。
 そういう青春ど真ん中のロックンロール成り上がり伝説としては、やっぱ第11話が圧倒的なピークであり、邂逅し衝突し成長するわかりやすいドラマを是とするのであれば、圧倒的な達成感でプロ契約を勝ち取っていくあの話数をベストにするべきなのだろう。
 実際見終わった後溢れかえる高揚感に呆然としつつ、『残り二話、何やるんだ……』と思いながら最後を待ったわけだが、お出しされたのはこの、主役が負けるエピソードである。

 正確に言えばダイダスが桃香さんを置き去りにかつて選び取り、だからこそ戦う前から勝ちを決めたレイヤーに、13話駆け抜けてなおずっと青臭く名残りつづける仁菜の負けない気持ちが、小指おっ立てて背中を向ける話……か。
 まともな脳みそしてたら、対決を前に数字で出てしまった結果に膝を曲げて、ヒナが挑発的に差し出してくる苦い”正解”を飲み干して、何かいい感じにまったりダイダスと分かりあって終わっていきそうなところで、仁菜と彼女のバンドはせっかく掴み取ったプロ契約を投げ捨て、凶暴なまでに自分たちであることを貫く。
 その苛烈さは『アイツラらしいな!』で笑える領域を半歩越えていて、だからこそ凄みが宿って嘘がなく、極めてロックンロール的である。
 つまりここまで12話、この物語が書き続けてきた物語の帰結として、見ているこちら側の期待と想像を力強く飛び越えて、飛ぶか堕ちるか分かりゃしないロックンロールの高空へと、自分自身を投げ出す決着だ。

 視聴者が気持ちよく見終わる、物わかりの良い物語的奉仕を求めるのならもっといい終わり方もあったのだろうが、この作品は主役に”負け”させることで、勝敗のフレームそれ自体を吹き飛ばし、それに呪われて川崎に流れ着いた女の子がライブの土壇場、自分が取り憑かれていたものが既にあの屋上、無化されていた事実に気づかせる。
 燃え盛る初期衝動を失ったようでもあり、原風景を取り戻したようでもある仁菜がこの後、どんな音楽を作っていくのが絶対に見たい気持ちになっているのは、このアニメが自分たちが造ってきた物語に嘘をつかず、予想される違和感や反発を飲み干した上で、一番自分たちらしく、自分たちが主役に選んだ女の子らしく終われる決着に、全力で突っ込んでいったからこそだ。
 小さくまとまるより大きく弾けて、その先は全く分かりゃしない大勝負になったこの最終回、やっぱり徹頭徹尾ロックで、僕はすごく好きだ。
 作中トゲナシトゲアリが『コレでいい』と納得し、プロとして出てきた数字に負けを思い知らされ、ゼロからの撤退戦すら笑って飲み干すその姿勢と、現実の作り手達が同じ顔をしているのが、勝手に確信できる気持ちよさがある。
 そういう前のめりのシンクロ率でもって、己と己の作品を最後まで全力、ぶっ倒れるまでやりきれるってのは、早々あることじゃない。
 そういう事をやりきって、できっこないに本気で挑んだこのお話は、本当に凄かったし特別だった。
 面白かったです。
 鳴り止まない音楽の続きを、僕はずっと待っています。

 

 

・となりの妖怪さん

 ベストエピソード:第3話

lastbreath.hatenablog.com  ナメてたアニメに横っ面張り飛ばされるほど、深夜アニメのオタクをやってて気持ちがいい瞬間はない。
 『どうせこんなもんでしょ?』と、ヒネた感性で勝手に決めつていた限界を作品がその語り口でぶち壊し、乗り越えていく瞬間には特別な気持ちよさがあり、改めてお話に向き合い直す誠実を、僕に取り戻してくれる。
 この第3話は、まぁそういう話であった。

 ここで露悪的に思い返すほど、”となりの妖怪さん”をナメていたわけではなかった……と思う。
 素朴なデザインと舞台設定は放送前から自分の感性に響いていたし、妖怪が当たり前に小学生の日常に隣り合っている世界観の手触りには、とても心地よい安心と美しさを感じ取ることが出来た。
 しかしそういうノスタルジーと安らぎだけが、人間の当たり前を描き続けるこのお話の成分ではもちろんなく、戦いもあれば災害も起き、死別の悲しみもすれ違いの痛みも、それを乗り越えていける可能性も、全部ひっくるめてやり切る、志と力のあるお話だった。

 それを示す上で、この第3話で描かれた異能の戦いと、定めに歪んでしまった魂との向き合い方のドラマは、なにか決定的なものを自分の中に作ってくれた。
 ジローが自分の命を投げ捨てて断ち切ろうとした悪霊は、過去の苛烈すぎた過去の反射であり、愛ゆえに呪う人間の似姿でもあり、そういう複雑な反射の中で、人間なるものをちゃんと描こうとしている作品の姿勢を、今更ながら思い知った。
 やっぱそういう風に、ドラマでもって己自身を示し理解らせてくるお話ってのは、付き合っていて楽しい。
 この後のお話でもどんどん、最初思っていたのとは違っていて、でも描かれてみると確かにこのお話なのだと、思える物語が展開していって凄く良かった。
 登場人物の数と種族、身を置いているライフステージが凄く多彩で、本当に色んな人が生きている世界の楽しさと難しさを、構えすぎることなく描けていたのが、素晴らしかったと思います。
 手の中にすっぽり収まってくれる心地よいサイズ感で、自分たちが描くべきものを余す所なく描ききってくれた、素晴らしいアニメでした。
 面白かったです、ありがとう。

 

 

鬼滅の刃 柱稽古編

 ベストエピソード:0第7話『岩柱・悲鳴嶼行冥』

 

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 オリジナルエピソードの仕上がりが良く、刀鍛冶の里編のエピローグとして素晴らしい出来だった第4話と悩んだが、僕はこの作品で一番悲鳴嶼さんが好きなので、この話数をベストとする。
 原作完結から既に四年、過剰に力みまくった全力のスイングが日本記録レベルの場外ホームランをかっ飛ばし、鬼滅のアニメはまだまだ元気である。
 後の原作付きアニメの作り方の”正解”になってしまった、一コマも余さずアニメに落とし込みバンバンに力こぶ膨らませていくufoのやり方とは、放送開始時から正直全然馴染まない部分も自分の中にあり、鳴り物入りで新たなシリーズが始まるごとに『俺、このアニメ見届けられるかなぁ……』と不安になる。
 今回もそんな感じの入り方だったが、結局最後まで見てしまったので、常時めちゃくちゃに力んで大暴れし続けるこの作品は、好きな原作の見落としていた部分を思い出させてくれる、なんだかんだ自分にとって良い”アニメ化”なのだと思う。

 初報を聞いた時、大体の人と同じく『え? 柱稽古編で1クール?』とビビった後、一ヶ月遅れの八話構成で『流石にねー』となり、結局一時間スペシャル三回もやって11話やり切るのと同じ尺と、まーまー色々無理のある造りではあった。
 異様に力んで間延びする筆は、ここまでの国民的アニメにはなっていなかった一期からしてそういうモンであり、走り切るまで止まれない経済的超特急になった今、結構なきしみを上げつつ元気に、この章でも暴れていた。
 蛇柱・風柱のキャラ描写を最終決戦前に膨らませたり、宇髄さんや無一郎くんのキャラをより鮮明に照らす要素を盛り込んだりしながら、なんとかかんとか単行本約一巻を11話分に膨らませた柱稽古編。
 鬼との激戦がない分、鬼殺隊の当たり前に人間な部分が、名前のない一般隊員含めてよく見えるシリーズになったと思う。
 そういうモノを描いたほうが、有象無象の命を吸って燃え盛る最終決戦もより鮮明に作れるわけで、この後の三部作がどんだけの酸鼻を極めるのか、今から楽しみではある。

 僕は”鬼滅の刃”を仏教説話の現代版変奏として読んでいる部分があり、鬼を殺すことでしか間違った行いを正せない鬼殺隊に、明王の悲しさをずっと感じている。
 真実徳が高ければ、殺して止めさせる以外の道も開けていくのだろうけど、そういうのはごくごく少ない例外(これが決定的な変化となって、鬼の頭目たる無惨を倒す糸口もつかめるわけだが)でしかなく、基本首切った一瞬だけ人としての原点を思い出し、塵に帰るのが鬼の業、そうさせてしまうのが剣士の罪であろう。
 そんな強くて淋しい集団最強の存在たる悲鳴嶼さんは、ダイレクトに元僧侶であり、人の弱さや悲しさを全部肯定できない自分を抱えつつ、涙ながらに誰かを守ろうと戦う人である。
 その起源が勇ましいものではけしてなく、鬼を素手で殺せる強さなど悲鳴嶼さんにとって嬉しいものではないのだと、しっかり描いたこのエピソードは良かった。
 誰かを倒し自分の意志を押し通す強さより、尊く眩しいものが世界にはあるはずで、家族を殺され理不尽に飲まれ、そういうモノを既に知っていたはずの剣士たちは、鬼の形相で涙をこらえながら刃を握っている。
 そういう、いかにもバトル漫画の強い人達が背負わざるを得なかった、悲しい強さは悲鳴嶼さんに一番色濃く焼きつけられえていて、アニメは大変素晴らしい表現でその痛みと悲しみを描いてくれた。
 これ以上の気合がパンパンに張り詰めるだろう劇場三部作が、涙ながらに鬼を倒す男の強さと悲しさを、一体どういう風に描いてくれるのか。
 今から、とても楽しみである。

 

 

忘却バッテリー

 ベストエピソード:第1話『思い出させてやるよ』

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 ベストエピソード……というよりは、ベストワンカット、なんだけども。
 やっぱ第1話冒頭、爆弾みたいな雲を背負ってひとり立つ葉流火の『なんかとんでもないことが置きてるぞ』感は凄まじくて、MAPPAが手掛ける”忘却バッテリー”を信頼し期待する決定的な一発に、しっかりなってくれた。
 ここでぶち込まれた感覚を頼りに、三ヶ月アニメを見れた自覚はあるし、その衝撃は見る前色々抱え込んでいた余計な思い込みをぶっ飛ばして、ただただ作品に素裸で向き合う幸せを、僕に届けてくれた。
 そうしうスタンスでアニメと向き合えるってのは、無駄に長い間アニメを見続け、他人が作るものにアイデンティティの結構な割合を預けてしまっているクソオタクとしては、存外稀有で幸運なことなのだ。

 第1話冒頭の過去シーンは原作者がネームを提出し、アニメで”忘却バッテリー”をやるのに必要な描写を改めて書き起こしている。
 メディアの違いが不幸なすれ違いにならないよう、精力的に2つの作品の橋渡しを担ってくれたことが、このアニメが幸せな”アニメ化”を果たした大きな理由なんだと思う。
 その描き下ろしが必要であることを認識し、連載抱える超人気作家直々にそれを手掛けてもらえる環境を形に出来たことで、アニメ独特の呼吸と表現を活用しつつ、原作が持つ豊かな面白さを余すことなく、多彩に描ける作品が生まれた。
 ”原作そのまま”にアニメを生み出すためには、想定される観客も使える手段も、何もかもが異なる難しさを噛み砕いたうえで、新たな表現を生み出す奇跡が必要になってきて、玄人工夫が山ほど入り混じればこそ、楽しさのエッセンスを取りこぼさず、アニメ特有の豊かさで描き切る”アニメ化”は果たされる。

 そういう難行に真正面から挑むのだという、宣言であり挑戦状でもある強さがこのファーストカットには凄く強く宿っていて、その豪速球を真正面、ちゃんと受け止められて良かったなと、一期を見届けてつくづく思う。
 このシリアスで分厚い表現力を最初に示してもらえたから、イグニッションがかかるまで結構時間がある原作の、僕が好きな所をしっかりアニメにしてもらえるのだという確証を、早めに手渡してもらえた。
 キャラ個別の過去と内面に深く分け入る第6話、第11話の仕上がりは素晴らしかったし、そういう球がかならず来ると腰を落とし待っていられる余裕を、軽い歯ざわりの序盤戦に持てたのは、この強い表現を一番最初に置くのだと、決めて見事に描ききった作者達の奮戦故だ。
 そんな力投を1クール、しっかり続けてくれるアニメとキャッチボールできて、とても楽しい時間だった。
 ここから先の物語も、ぜひアニメで見届けたいものだ。

 

 

 

・響け! ユーフォニアム3

 ベストエピソード:第12話『さいごのソリスト

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 流石にユーフォ三期のベストを選ぶ上で、この話数を選ばないのはないだろうという、圧倒的な迫力と必然を宿したエピソードである。
 三期の物語は全てここに結実するように編まれていたと思うし、自作が九年かけて積み上げてきた数多の文脈全てが、この結論にたどり着くように描写を活かし、放送時間以上の分厚さと熱量が宿るように、精妙に組み上げられた話数といえる。
 あすかの導きにより己らしさを取り戻し、真由との煮えきらない距離感が少し縮まり、時間を使いドラマを動かしつつじっくりと準備した爆弾が、ここまで描かれた久美子らしさ、麗奈らしさ、ユーフォらしさを一つも裏切らない、正しく公平な残酷さを選び取らせる。
 最終話、必然の勝利への道を完璧に舗装しきり、最後の一話を長い長いエピローグとして余韻豊かに奏できる準備をやり切るという意味においても、最終章のこのタイミングを活かしきった、最高の勝負だったと思う。

 三期からの乱入者である真由は北宇治を支配する、完全実力主義の空気に染まりきらない、セーラー服を着た異物だ。
 彼女がなぜ、よくよく考えれば理にかなわない、久美子の神経を逆なでするような敗退の許可を求めてくるのか。
 そこに踏み込み暴かなければ、常に異物である自分に怯え続け……つまりは心の底からみなと友だちになりたかった高校生の女の子は、自分の才能を凶器に変えてしまった過去から、勝つことに呪われた生き方から開放されない。
 負けることに本気で涙を流せない自分を、麗奈との出会いによって変えていった青春探偵・黄前久美子最後の事件として、このエピソードにいくつかあるピークを二人に準備し、自分たちが鏡合わせの双子であったことを確かめ、それでもなお勝敗が別れてしまうその残酷な刃を、麗奈に振り下ろされる。
 振り下ろさなければ全てが嘘になり、振り下ろせば確かに何かを終わらせてしまう究極に、三人のソリスト候補を置くことでしか、たどり着けない場所がある。
 そこに踏み出さなければ、答えが出ない問いをずっとユーフォは扱ってきて、それを越えれるように三期の物語は編まれてきた。

 演奏シーンを極限まで減らし、久美子を中心に彼女に触れ合う群像を描きつつも、『頼れる黄前部長』になった彼女に焦点を絞って展開した、三期の物語。
 それがTVシリーズで終わり切る放送枠の問題や、あまりにも大きすぎる傷を受けたスタッフワークの問題と絡めた、そうなるしかなかった語り口なのかは、僕には解らない。
 しかし重たい沈み込みや痛ましい衝突も含め、三期12話の全てと、そこに至る2クールのTVシリーズ、三つの映画の全部が必要だったのだと、見るほどに思うこのエピソードがあることで、三期が選んだ語り口に嘘も間違いもなかったのだと、心から思えた。
 その手応えがあるからこそ、僕は9年見続けたユーフォのアニメに、ありがとうとさようならを、心から言えるのだ。
 ありがとう、さようなら。
 本当に面白くて、大好きなアニメでした。