イマワノキワ

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NieR:Automata Ver1.1a:第11話『head[Y] battle』感想ツイートまとめ

 NieR:Automata Ver1.1a 第11話を見る。

 アンドロイドに逃げ場なし!
 地上を埋め尽くす暴走機械生命体を相手に、ヨルハの二人とレジスタンス、カスパルが力を合わせて立ち向かう、熱血濃度の大変高いエピソードである。
 『こいつぶっ倒せば一応状況は落ち着くぞぉぉ!』と言わんばかりに、敵さん全部をまとめて扱える逆襲のギガアダムには変な笑い出たが、パワフルなアクションの助けもあってエピソードの体温は火傷するように熱い。
 だからこそこれまで描かれたものとの差異を感じて、一期最終話にキッツいの食らわされそうで怖くもある。
 OP流しながらのアツいバトルとか、やるアニメじゃねー!

 

 色々すれ違いもあったヨルハとレジスタンスが、迫りくる強敵との決戦を前に一致団結し、秘蔵の兵器全部蔵出しして立ち向かう、愛と勇気と絆のラストバトル。
 作品全体に漂うシニカルなペシミズムを忘却すれば、機械に宿った人間性が悪を打ち倒して勝利を呼んだのだと、体温上げて盛り上がれる所だとは思う。
 9Sも意思を込めた瞳を眼帯の奥から開放し、ただの美少年戦士として『まだまだぁ! ハッキングぅぁ!!』と、熱血主人公ボイスを絞り出しての大奮戦である。

 だがこのお話が描いてきたのはそんな風に、シンプルに善悪を切り分け分かり易いカタルシスで色を塗れる物語だったかと、冷水ぶっかける自分もいる。
 過去の記憶や他者の心に分け入って、その影と"戦う"事ができるハッキングバトルは、作品の陰影を面白く掘り下げる良い発明だと思うが、今回9Sはアダムの心の闇に潜る。
 地上の機械生命体軒並み巻き込んで、愛するものを失った狂気に暴走するその心は、理解不能な不倶戴天の敵と彼らを見るヨルハの眼帯を外してみると、今回展開した熱血バトルに負けず劣らず"人間的"だ。
 月の司令部が、量産型が何人死のうが守ろうとしている人類の残滓は、エイリアンが生み出した機械生命体の中にも確かにあって、正義の戦士たちだけの専売特許ではない。
 多分、極めて”人間的”な狂気も人類の守護者を任じる、冷たい月には眠っているのだろう。

 無許可の腕ドリルから超重斬機刀、列車砲に爆裂ロケットまで、使える兵器全部持ち出してギガアダムと戦う、絆で結ばれた戦士たち。
 最悪の出会いからここまで、心を通わせれるようになった物語に思いを馳せつつも、やはりどこか座りの悪い手応えを、体温高いバトルの中に感じてしまう。

 

 まーここらへんは、このバトルが最後ではなく二期があるのだと、メタ情報を得ちゃってるからでもあるんだろうけど。
 あんだけ出し渋っていた衛星砲を、ギガアダム相手にぶっ放したのはヨルハ救援なんてヌルい理由じゃないだろうし、一期最終回にどういうどんでん返しが待つか、腹決めて見届けたいと思う。
 次回も楽しみ!