ドリフェス！R：第3話『霧の中のふたり!!』感想ツイートまとめ

ドリフェス！ Rを見る。
すれ違う心、追いすがる思い。ぶつかりあう拳と涙が雨を呼ぶ。言葉足らずの硝子の少年達が、今ギザギザの心をぶつけ合い、見えた新しい世界ッ！
前回の下げ調子をジャンプボードに、KUROFUNEが新たなる開国を果たすエピソード。男の子のアツさ満開で最高でした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

つーわけで、先週のすれ違いを受けての衝突と理解、さらなる飛躍の回。露骨にタメてたんでどこまで飛ぶかなと思ってたが、やり過ぎ感あふれる河原で殴り合いとか、ベッドサイドでお互いの心を見せ合うシーンとか、繋がった心が最高のステージを連れてくるとか、ハードルを成層圏まで突き抜ける仕上がり

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

良いところの沢山ある回だが、KUROFUNE鎖国から圭吾がガン凹みして、二人がすれ違っている序盤からして非常にグッドだった。
普段は圭吾が破天荒な勇人をケアしてんだけども、そのケア役がぶっ壊れたどーなんの、って状況。乱暴俺様を引っ込めて、仕事もプライベートもちゃんとやる勇人が新鮮

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

後半自白するように、勇人はKUROFUNE初ステージでアイドルに…風間圭吾に惚れ込んじまっている。
ぶっきらぼうでガサツな性格は変わらないけども、アイドルが大事なものだからちゃんと挨拶するし、相方のミスはカバーしようとするし、探し回ったりもする。アイカツでちゃんと変わっているのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

女房役がいなくなって初めて、そういうソフトな部分を出すのはちょっと遅いかもしれない。でも、不得手な役割でも背負い込んで頑張る勇人の姿は、河原での大告白に繋がる大事な描写だ。
激しいサビがしっかり刺さるのは、こういう前奏を静かに確かに奏でているからなのだ。メリハリ効いてるの大事ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

後地味ーな仕事なんだが、ハゲボーズの不良くんが妙にいい味出してた。
アイドルを離れても圭吾をちゃんと見てる人がいるってのは安心するし、作り物である圭吾のアイドル活動が、プライベートの高校生を良い方向に変えてることも彼の言動から感じ取れる。
世界観の広がる、巧いクッションだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

今回は河原での殴り合いが最高潮になるよう、先週からよく調整されたエピソードだ。
殴り合い、むき出しの心をぶつけ合う中で確認されるのは、すれ違いの中で視聴者もなんとなく感じていた、KUROFUNEの歪さ。圭吾にしわ寄せが行き過ぎてるアンバランスとか、お互い本音を隠してるとことか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

それはモヤッとした感覚として、演出とレイアウト、キャラの芝居で醸し出されている。圭吾の空回りしている感じとか、勇人のムッツリ加減とかは、あえて言語化されずに溜まっていく。
そのフラストレーションは実際に言語化され、二人の間で共有される瞬間のための燃料だから、形にしてはダメなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

学校でのスレ違いも、俺様な勇人が実は圭吾を思っていて、でも言葉にしないから伝わらなくて、あーもどかしいッ！　って気持ちを加速させる。
雨の殴り合いが破壊力を持っているのは、そういう皮膚感覚を巧く操り、爆発までの道筋を密かに、確かに作っているからでもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

無論テクニカルなだけでは、心に突き刺さる名場面は生まれない。
70年台の番長漫画みたいなベッタベタのシチュエーション（心が溢れた瞬間降り出した雨に、思わず爆笑してしまった）を、照れずにやりきる気概。
キャラが本音を絞り出す瞬間の、アツい感情の迸り。エモさ爆裂である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

ドリフェスは『深夜帯』で『男の子』であることを的確に活かしてるアニメだと思うのだが、それを最適に使っているのはKUROFUNEであろう。
優しいだけではなく、時には相手から血を搾り取るほど激しくぶつかり合う、オスの論理。暴力すらもコミュニケーションとして使える特権を活かしている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

風景カットでクッションしつつも、結構直接殴打シーンを描くのも、もう殴り合わないと心を伝えられないところまで高まってしまった二人のエモーションから逃げないためだろう。
そしてああいう繋がり方が許されるのが、ボーイの特権でもある。やっぱむき出しの感情×2なんだよなぁ…性別関係なく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

圭吾は自分だけがファンの方を見て、勇人の俺様エゴイズムを調整するアンバランスさに不満を感じていた。
自分だけが勇人に惚れ込んで、KUROFUNEでビッグになりたいと思っていると思い込んでいた。ユニットの相棒に人生変えられちまった無様は、自分だけが背負っていると思っていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

ワガママな破天荒王子を制御し、アイドルとして機能させるプレイング・マネージャー。そういう役割が固定化して、いつしか不満を口に出来なくなっていた。
出口が見つからない苦しさは、少年時代の勇人を苛んでいたはずなのに、気づけば相棒にそれを押し付けていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

そういう一切合財を、圭吾は拳に乗せて訴える。溜め込んだ分だけ爆発は大きく、自分の心の鎧も、勇人のムッツリ顔も、バンバン引き剥がしていく。
溜め込む過程にじっくり時間を使った分、それが剥がれ落ち本音が対流するシーンはカタルシスがある。霧が晴れ、思いを歌に乗せられる瞬間の快楽。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

圭吾の思いに当てられて、勇人はようやく本音を言葉にする。
俺もまた、お前に惚れていたと。KUROFUNEが好きで、二人ででっかいことをやりたいんだと。
圭吾が言う/調整する役、勇人が黙る/好きにやる役という固定された役割は破壊され、二人はフラットな地平に立つ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

イマイチ感情が見えない、クールな俺様キャラの勇人がKUROFUNE愛、圭吾LOVEをど真ん中の強い言葉でまとめ上げるのは、やっぱ最高に良かった。
キャラがキャラじゃないことする瞬間は、巧くやるとやっぱ爆発力がある。『型』を持ってるのは強いことだけど、必ず歪みも貯まるしね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

かくして男と男の肉体がぶつかりあい、感情がクライマックスを迎え、火照って傷ついた肉体をクールダウンする瞬間がやってくる。
激しく降りしきる雨といい、シャワーとベッドといい、露骨な暗喩がエモさを加速させていく。ココらへんも深夜帯を活かした描写か。良い挑発だと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

KUROFUNEの不公平は勇人の才能も原因になっていて、『曲作らないやつ』『キャラ作らないといけない凡人』たる圭吾は、後ろめたい思いをしていた。
勇人も不用意にそういうナイーブさに踏み込んでしまうから、不満は更に貯まる。そこを平らにする意味でも、二人で曲作るのは大事だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

KUROFUNEというユニットが持ってる役割分担を一旦爆破し、溜め込んだ不満と本音をぶちまけ、自分を縛る不要な『らしさ』を取り外してようやく、勇人は過去を話せる。
最初から素直に言っておけば問題も置きなかったわけだが、そういう器用さがないからこその勇人だし、必要な道だったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

ロンドン時代の思い出を言語化していく中で、それが自分の中でどれだけ大きいもので、今のKUROFUNEに繋がっていることを、聞いている圭吾だけでなく、言っている勇人も再確認したのだと思う。
語り部の一番最初の聞き手は、語り部自身なのだ。一種のセルフ・カウンセリングというか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

勇人にとって音楽とは『抑圧からの開放』『より素晴らしい世界への窓』である。
音楽と並走して『写真』と出会っているのは、なかなかポエジーあって良い。四角いフォトグラフに切り取られた世界は、全く新しい色彩で輝いている。音楽もまた、同じ仕事をしている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

初期衝動を言語化していく中で、感謝や愛を言葉にしない自分のスタイルが、どれだけ圭吾を抑圧していたかを、勇人は再確認してく。
ただ自分だけで音楽をやっていたら、自分が好きになった音楽は出来ないのだ。ファンや相棒の窓を開けて、世界に向かって開けていくようなアイドルを、勇人は捕まえ直す

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

河原での二人きりの殴り合い、ベッドサイドでのピロートーク。
KUROFUNEの対話は凄くプライベートなものなんだが、そこで手に入れた真実がステージを通し、ファンや世界に広がっていく構造になっているのは、ドリフェスの健全で公正なところだなぁと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

自分が手に入れた、あるいは幼いころに手に入れていたものを、たったひとりの相棒と、遠い場所にいる思い出の人と、客席を埋め尽くしたフアンと共有し、より広い場所を目指したい。
圭吾と勇人の迷い路は、二人の青春の物語なんだけども、より大きなアイドルと音楽の存在意義も浮き彫りにしていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

なので、"Future Voyager"がいい曲だったこと、KUROFUNEフアンの仕上がりが尋常じゃなかったのは、とても良いと思う。
彼らが再発見したたものの良さが、ステージの仕上がりで担保されていた。あんなスゲェサイリウム芸やってくれる姐さん方のためにも、ビッグにならんとな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

かくしてKUROFUNEは一方通行だった思いを伝え合い、歪だった役割分担を再整理し、言いたいこと、伝えたい思いをぶつけ合って、見事に再出港した。
大きくなっていくステージに、しっかり食らいついていく理由付けとしては十分だし、それ以上に二人のアツい青春が躍動するエピソードだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

こういうベタな上げ下げがしっかり刺さるのは、細かいムードの調整とキメどころをやりきる腕力、要所要所のセリフ力のおかげだと思う。
『過去にサヨナラするのが巧いやつなんて、信用出来ないぜ』とか、マジすげぇよ。ネタや笑いだけでなく、感動の要点もコンパクトに推せるのは強みよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

缶に入れて守ってきた、過去の大事な思い出を引っ張り出し、『続きのない歌』を今の『たった一人』と完成させる。
昔の男を振り切った勇人の歌が、実は風に乗ってその当人に届いてるラスト・シーンも、今後の広がり、音楽と表現の持つ強さを感じさせて凄く良い。リョウ再登場はアツいでコレ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

KUROFUNEというユニットの強さと弱さをしっかり掘り下げ、新しい場所へと進むために必要なモヤモヤと爆発、そこから生まれた可能性をしっかり描ききる、素晴らしい前後編でした。
ドリフェスR、ど真ん中をやりきる強さに磨きをかけて、更に熱いアイドル活動を魅せてきてます。来週も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月21日

Dies irae：第2話『獣の爪牙』感想ツイートまとめ

Dies iraeを見る。
10年前のエロゲっぽい日常サービスシーンの後に、10年前のエロゲからはみ出した超人ヤンキー因縁地獄が襲いかかる第2（3）話ッ！
油っぽい展開とややヘニャった作画、怒涛の巻き込まれ展開が同じ枠に押し込まれ、色んな意味で過積載ッ！　期待を裏切らんなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

というわけで、蓮たんが『なんでもないことが幸せだったと思う』と"ロード"あるいは"カレンダー・ガール"みたいなことを言い出すエピソードである。
まぁ日常の象徴って言われてる新婦とシスター、第0話のベルリンで超絶好き勝手に超常人間やってたけどね…この構成でほんと良かったのか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ヒロイン人のやっすいパンチラ→ヒロイン暴力といい、神父のやっすいポンコツムーブといい、10年前にタイムスリップしたかのようなベタ足エロゲアニメムーブが続くAパート。
作画も相まってなかなかにジャンクなシーンなのだが、妙にしっくり来る。ああ懐かしい、みんなこんな感じだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

何しろこちとら、そういうジャンクを青春期に大量摂取した結果どこに出しても恥ずかしいクソオタクに育ったわけで、ああいうベタベターで妙なテンポの脂っこいシーン、恥ずかしがりつつも好物なのだ。
なのでバクバク食った。氷室先輩のわざとらしいヒロインアピールとかSUKI。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

たっぷり日常…？　日常を摂取した後は、超常にノーモーションで巻き込まれるシーン。説明がないのは、主人公たる蓮たんと視聴者の情報量をシンクロさせ、話に入り込ませるオーソドックス・テクニークなので大丈夫。
多分初見マジ唖然だし、あんま大丈夫じゃないと思うけど大丈夫。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

10年の時間を泳いでアニメ化にこぎつけるってことは、『フツーのエロゲ』からはみ出す何かがあるってことで、中毒したファンが支えればこそ、このアニメはここにある。クラウドファウンディングで積み上げたゼニは、何より分かりやすい屋台骨だ。
そういうそうに報いるためか、かっ飛ばし気味だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

『分けわかんないなりに楽しい』と思うにはちと作画力が足りない感じもあるが、きーやんの超人チンピラっぷりはいい具合にエンジンかかっていて、それに作画が追いついていない感じが哀しくもあり。
『名乗れよガキ』、好きなセリフだっただけに、もうちいと圧力ある使い方して欲しかった…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

どう見ても肉体年齢100才近くの戦中派には見えない、ベイ中尉のヤンキーっぷり。喋る度に背後に『！？』ってマガジンヤンキー漫符を幻視するほどの『特攻み』であるが、クソチンピラと白皙の魔人というミスマッチが、Dies iraeのテイストそのものなのも間違いなかろう。
短く纏めると好き

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ルサルカちゃんは相変わらず露骨な可愛いアピールが邪悪で、臆面もなく女子高生しにやって来るツラの皮の厚さも凄い。
わりかしベタ足のまったりエロゲで進んできたお話は、やっぱ特濃背脂チャッチャ系魔人の二人で急旋回。あまりにコーナーキツく曲がりすぎて、『ワケわかんねぇ』って意見も出るが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

まぁ話の方は、今回いい気全開で主役をカバーリングし、敵か味方かッ面で出てきた黒髪ロングがおいおい説明してくれる…だろう。
何しろプレイしたの相当前なので、細かい所蒸発してんだよなぁ…その御蔭で、それなりにフレッシュな視聴体験になってもいるのだが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ベイ中尉とルサルカちゃんは、主役を蹴っ飛ばしたり言葉責めしたりヤンキー交流したりすれば仕事が済むわけだが、黒髪ロングはヒロイン候補として好感度稼ぎつつ、『何だよこれ…ワケわかんねぇ…』となった蓮たんに色々情報共有する仕事もある。
超人力とヒロイン力、両立させなきゃいけんのが辛いな

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

あ、ベイ中尉のメガバイオレンスは、0話で獣殿にやられた人間ボール球を一般人相手にリベンジしている感じがあって、小物全開で良かったです。
黒円卓の人たちは、シュポーンって感じの過剰な勢いで人間を飛ばさないと息ができない病気にでもかかってるんだろうか。かかってるんだろうな、多分。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

というわけで、ベタ足エロゲなノスタルジーと、そこを半歩踏み越えてしまう過剰な意味深っぷり、イキリ加減、超暴力を詰め込んだ第3話でした。
んー、親切なんだか不親切なんだか、よく分からんなッ！　クオリティで不親切な部分を美味しく食わす余裕はないし、愛嬌で乗り切るしかねぇ！　って感じだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

初見の方がどう思うかは分からんが、コンテンツとジャンルとキャラに愛着ある身としては美味しく食べれる愛嬌は感じている。それでも消化しきれない油っこさとカロリーはあるが、まぁそういう食材だしな。
非日常が日常に侵食してきた次回、少しは食いやすくなるか、更に油っこくなるか。楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

神撃のバハムート VIRGIN SOUL：第24話『Run, Nina, Run』感想ツイートまとめ

神撃のバハムート　Virgin Soulを見る。
一人の男の死によって骨肉の争いは止まり、少女は結末へと手を伸ばす。生きるもの、死んだもの。残るもの、去るもの。諸相を語り、あるいは語りきれないまま、物語は終わる。
それが是であったか否であったか、未だ結論が出ないまま書き始めよう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

最終回が始まる前から、この物語が捕えてきた全てを書ききることが出来ないのは明白だった。既に退場した漆黒兵とシャリオスの間にあった過去、シャリオスの王国が悪魔を踏みにじらなければ成立できない過程などは、大きく省略され語るチャンスはもうない。
果たして、最終回もそのようになった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

カイザルが死んだことは、自分の中でそこまで問題ではない。
彼の死は彼の生き様が要求した帰結であったし、それが骨肉の争いを止める波紋の大きさを見れば、何かは成し得たのだろう。（生死を成否で語ることの不遜さと無意味さは、今回は見ない）
その死がひっくり返ったのも、まぁありかなと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

むしろ僕の眼目は、神バハアニメらしいリッチさとスケールの大きさで動員された無名の人々にある。
アザゼルもジャンヌも、直接に名前を呼ばれたカイザル陛下も、その死によって殺しの無意味さを悟り、矛を収める流れはわかる。だが、それが始動してしまった暴力装置を止める理由に、なるのだろうか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

このアニメは非常に大きなものを描き続けてきた。それは物理的スケールでもあるし、倫理と業の視野の広さでもある。
コロッセウムで快楽のために殺される悪魔、緑の地で快楽を紡ぐ都市。同じ子供を殺すことでしか、己を証明できない子供。無辜の血に猛り狂う人々の眼。復讐と憎悪。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

そういう大きなものにアプローチすることは、僕はとても良いと思う。冒頭からそういうものをずっと捉えてきたこのアニメが、最後までそこを離さないことには一貫性がある。
だが、そこに名前のある英雄がアプローチできるロジックを、このアニメが十分積んできたかというと、素直に首を縦には振れない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

物語はシャリオスが自己犠牲の英雄としてバハムートに対峙し、その対価をニーナが愛によって肩代わりすることで決着する。
なるほど『愛と破壊の物語』であるが、それにはその愛が全く届かない層、シャリオスの国家に足蹴にされ尽くして立上がった無名の人たちが、争いの物語を止める強度があるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

玉座という巨大な装置（それが必要とする犠牲も、このアニメはじっくり描いたと思う）に座ったシャリオスが、無名の人々にアプローチする資格はよく分かる。
抑圧にしろ、支配にしろ、恩寵にしろ、王は一個人を超えて運命と大衆に接触しうる。巨大化した身体として、アドモスは適切だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

しかし常に子供であり、あくまで個人として社会にアプローチし続け、全てが終わった後もなお一個人である特権を貫くニーナが、運命の片方を背負う理由を、僕はいまいち飲み込めずにいる。
シャリオス一個人にアプローチできるのがニーナだけで、それが特権の支えになっている、という理は判る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ファバロとの対話（存在感が強い彼が問題を解決してしまわない理由付けは必要だったし、それをちゃんと描写したのは良いと思う）でも、国や運命という『大きな物語』に背中を向け、一個人の感情と立場だけを走り抜けるニーナの立場は再確認され、肯定される。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

その上で。
例えば『魔族開放』という大義のために泥を這い回り、無様な負けでプライドを微塵にされ、己とムガロの求めた魔の平穏を英雄に叶えられてしまったアザゼルの退場を肯定できるほど、ニーナの愛、『大きな物語』から離れた個人主義は強靭だったのだろうか。
そこを未だ、飲み込めずにいる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ファバロは（最終回適切に回想されるように）バハムートと対峙し、アーミラを捧げ世界を救った。自分の足も支払った。大人になった。
GENESISの続編として、対比物としてニーナを真ん中に据えた物語は、ファバロが背負った『大きな物語』とは別の答えを要求し、それがニーナの特権性なのだろう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

しかし（皮肉なことに）非常なハイ・クオリティで描かれた、たくさんの悪魔の死体、一個人では止めようのない戦争と災害の描写は、ニーナが請け負う対比の構図を折り曲げるくらいに重たく、僕には感じられる。
そこには、なんの意味もなく殺し、死んでいったエルとアレサンドの死体も含まれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

結果として、ニーナの愛は世界を救った。愛するものを贄に捧げず、痛みを分かち合う形で決着は付いた。それはアーミラとファバロの恋とは違う結末だし、それを狙ってカイザルとニーナは最初から配置されていたのだろう。
見えない王と語れない龍が、ラストダンスで繋がる収め方は、綺麗で好きだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

が、しかし。
それほどの強度がニーナにあるのか、自分が背中を向けた『大きな物語』にどれだけの命が、業が、無念と怨嗟が込められているかを踏まえた上で、ニーナがあそこに手を伸ばしたのかと、やはり疑念に思う。
そんなことを考えないキャラクターとして設定され、描きぬかれたことは承知で、だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

シャリオスが背負う王の身体の巨大さ、非人間性と、それを背負わざるをえないカルマに関しては、個人的にはとても巧く描けていたと思う。
それに踏みつけにされ、意識しない身動ぎで子供を殺されたジャンヌとアザゼルの憤激も、彼らの怒りが呼び水となって反逆した人々の憎悪も。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

そういう大きなものを包み込めるほどの巨大さ、あるいは貫通力が、ニーナというごくごく普通の恋する少女にあり得たのか。
ニーナ個人の『小さな恋の物語』が、世界人類全てが否応なく背負う『大きな物語』を覆しうるという説得力を、このアニメは巧く積めなかったのではないか。そういう気もしている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

VSはリッチさへの自家中毒というか、作画カロリーとゆったりした時間、壮大な美術とBGMを使って何を描くのか、いまいち捕えられなかった感覚がある。
2クールある物語のボリュームバランス含めて、有り余る精力に手綱を付けることに、失敗した…とは言わないが、クリティカルではなかったと思う

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

しかしそこでバランスを取っても、扱いの難しいテーマであることは間違いない。
巨大な運命を前に、一個人は何が出来るか。
太鼓の英雄物語から、あらゆるフィクションが幾度も挑み、勝ったり負けたり、書き切れたり書き損なったりしてきた、普遍的なテーマ。
VSもそこに挑んだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ファバロが世界の巨大さの前に無力さを学び、贄を差し出し、分をわきまえて『大人』になったのとは別の、『子供』が『子供』でいられる物語。
『子供』でいることの残忍さをエルとアレサンドで贖い、一個人が世界に屈しない物語を追う構図は、非常に良いと思う。生き残る子供もいれば、死ぬ子供もいる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

が、しかし。
人間のエゴを極限まで煮込んだ戦争が止まり、巨大なシステムが是正され、世界のすべてが良い方向に転がっていく起因として、ニーナの小さな恋と喉は、僕としては少し足らなく思えた。王の片目を足しても、まだ足らない。そもそも、身体欠損を贖いにして、死ねばいいって話でもないだろう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

凄くちっぽけで、当たり前に恋する乙女で、世界の大きさや残酷さが分からない普通の少女が、世界にアプローチできる用になるまでの24話。
世界を救ってなお、『自分』を犠牲にしない物語は、アーミラを贄にしてしまったGENESISへの強い反省（反感？）があると思うし、そこには強く同意する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

しかしそれを成り立たせるためには、ニーナは長く無邪気な子供であり過ぎたのではないか。
もう少し小刻みに、己の所有する暴力の意味とか、一個人の無力とか、匿名の人々の死の重さとか、理解していっても良かったんじゃないかと、終わってみると思う。主人公が成長しない、とも少し違うのだが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

無論無理くり大人になる危うさはムガロとアレサンドが体現してくれたし、大人になった所で『大きな物語』にアプローチする難しさ、苦しさはアザゼルやシャリオスが見せてくれた。
それでもなお、彼らが巧く体現してくれたテーマへ、当事者性を持って一歩ずつアプローチする階段を、組んで欲しかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ニーナが自分（の半身）を諦めないまま、世界を救済する終わりは、何度もいうが好きだ。
ファバロが諦めたことを可能にしているし、恋する乙女最後の一歩として適切でもある。だが、そこに至るまでの階段が、どうにも僕には昇りづらい、見えにくい道だったのだと、終わってみて感じるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ニーナが嫌いという話ではない。彼女の無責任さ、あくまで一個人であることにしがみつくエゴは、凄く人間臭くて好きだ。
ムガロの死骸を前に泣けない、変われない自分の性に当惑するシーンとかは、とても良い。そういう乾いた呆れ果てを、もうちょっと積んで変化してけたらな、という希望…未練がある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

主人公という立場からも、あの物語の終わりからも、ニーナが特別な一個人であることは避けられない。
そういう『英雄』が、恋をし飯を食い泣いて笑う一個人であり続けることが、凄く大きな意味があることも理解は出来る。ただ、そこに説得力を持たせる運びが、少し足らなかったのではないか、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ニーナが声を失い、命と半身を守って手に入れた世界で、名前のない人たちは暴力を捨てた。苛まれた恨み、虐げられた記憶を乗り越えた。業を乗り越え、救済を果たした。
エルが望まれていた救世主の任務を、神の子ならざる彼女が為す。声を奪われたムガロの立場に、最終的にニーナが収まる暗喩。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

ニーナの『恋』は、世界を救済できる『恋』だったのか。
多分、ずっと答えが出ないままアタマの隅っこで、今後考えることだろう。NOという答えが出てこないのは、多分このアニメが好きだからだし、YESと即答できないのは、『世界』と『恋』のアンバランスさを無視できないからだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

総じて壮大で、アンバランスで、巧く描けているものは非常に明瞭で、取りこぼしているものも多いアニメだった。
前作が果たしたものに敬意を払い、それとは別のものを描こうと意欲的で、時に暴力的ですらあったと思う。続編は、そのくらいのほうが好みだ。前と同じ快楽を繰り返してもしょうがない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

シャリオスが代表する巨大なシステムとカルマは、情け容赦なく高品質な残虐の中で、巧く描けていたと思う。
その解像度が仇となり、それを覆すだけの大局を置ききれなかった（と僕は感じた）のは、残念なことである。なんてことない日常の強さを、後半も思い出すと良かった気がする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

映像の質を信じ、言葉で語らず絵で魅せ想像してもらう語り口は、個人的な好みにもあった。カントローヴィッチとか、意外な脳領域を刺激されたりして楽しかったが、あまりに観客を信じ過ぎ、不親切になっていた部分もあったと思う。
しかしその信頼感が、作品に体重を預ける足場にもなっていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

物語はニーナからファバロへ再び手渡され、彼が風に向かって走った所で終わって/続いている。
そこから始まる物語にも興味はあるが、いまは終わった物語が語り得たもの、語り得なかったものを、もう少し自分の中で反芻しつつ、ありがとう、お疲れ様、と言いたい。良いアニメでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月20日

URAHARA：第1話から第3話までの感想ツイートまとめ

URAHARAを三話まで見る。
クランチロール連載のイラストノベルが原作、監督はアートアニメの新鋭・久保亜美香というアノマリーな座組でお送りする、お菓子と女の子と可愛いでミッシリ埋め尽くされた、ポップカラーのマザーグースだ。
お話としては原宿受胎であり、"真・女神転生3"の仲間

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

実写コラージュとザックリしたカットインを多用し、色彩もとにかくヴィヴィッド＆ピュアで目に痛いこのアニメ、絵の時点で『普通ではない』
お話の方も悪夢的というか、『』付きで『女性的』というか、瞬間瞬間思いついたものがパパッと浮かび上がり、ササッと転換して次に繋が…ってんだがないんだか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

徹底的に画面をトンチキなデザインで埋め尽くし、『このアニメはKAWAIIが支配してるから。ルール・ザ・ワールドだから』と殴りかかってくる圧力はなかなか心地よい。
女の子三人が脊髄反射で会話するシーンの夢遊病っぽさとか、普通のビートではくすぐられない脳神経が加速して楽しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

のだが、その割に自分たちの『圧』を信じきれていないというか、状況を言葉が必ず追いかけて、全部セリフで説明してくれるのだ。
ロゴスで理解する部分とパトスで理解する部分が綺麗に喧嘩していて、雰囲気に酩酊しきることも、ロジックで物語を咀嚼することも難しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

センスで押し切るなら自分を信じてやりきって欲しいし、食べやすくアニメっぽく普通の話っぽく仕上げるなら、オーソドックスをしっかり踏まえて欲しい。
個人的にはもっと悪い夢っぽく、ロジック蹴っ飛ばしてドラッギーに進めて欲しいところだ。黙っててもキチった絵見てるだけで楽しいだろ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

唐突に世界を切り離したバブルも、異星人の襲来も、基本的には女の子三人がクソくだらない日常からカットオフされ、ワンダーランドに迷い込むための道具立て、ピンク色の白ウサギである。
マスコットは松本保典声の喋るエビフライだけども。そういうオフビート感覚はマジで好きなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

思春期の曖昧さとか、主役三人があくまで『お客さん』として外から入っている感じとか、お菓子と宇宙人に満ちた永遠の祝祭に閉じ込められてるヤバイ感じとか、要所要所にいい感じのビートもある。
んだが、それが乗っかる話の土台は弱いし、説明の補強材はトンチンカンな角度で入っている。変なアニメ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

それだけなら『なんか勘違いしてんなぁ…』で終わるんだが、主役三人+なんですな！ちゃんの関係が妙に心地よくて、このなんとも飲み込みにくいアニメを食べれてしまっている。
ずーっとお菓子ばっか食べていられる不思議の国に迷い込んで、仲良しの友達とずっと一緒で、楽しい楽しい感覚は判るのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

寡黙で真面目な才能の塊、りとちゃん。
強気で洋画の登場人物っぽい言い回しが面白いけど、一番弱い生き物なまりちゃん。
ちっちゃくてアタマ弱そうなのに、口を開けるとクレバーな説明役のことこちゃん。
PARKの三人組が作るアンサンブルは、巧く凸凹が噛み合っていて、見ていて面白い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

春奈るなの訥々とした演技も相まって、りとちゃんはなかなか面白い主役である。
狂った原宿の色彩を楽しみつつ、どっか醒めている感じとか。クールなんだけども三人でいる時間を凄く楽しんで、大事にしている感じとか。パット見の奥にある柔らかい部分が、描写の端々に匂う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

でかい口叩くけどくっそヘタレで、登場する度モデルっぽい決めポーズ取ってくれるまりちゃんにしても、可愛い子ネコちゃんな外見なのにクソナードなことこちゃんにしても、パッと見と中身のギャップはいい感じに刺さる。
ので、そこ信頼してもうちょい『非日常の中の日常』描いても良くね？　っていう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

いや現状でも十分以上にダラダラしてるんだが、そこからはみ出した宇宙人との戦闘とか、閉鎖原宿の謎解明とかの『非日常の中の非日常』描写があんま刺さらんのよ。
個人的な好みもあるんだろうけども、異界としての引力にかけているというか。三人組が存外タフに順応してるからなのかなぁ…？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

なのですなーなのですなーと喧しいみさちゃんも、三人組の妹分として、PARKの異物としていい仕事をしている。座ってるだけで可愛いし、天野心愛の（これまた）朴訥な声質も良い。
可愛いんだけども、裏になんか一枚隠してそうな感じもよく出ていて、そういう意味でもスパイスとしていい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

クレイジーな映像表現と独特のテンポで、四人を取り囲んだ祝祭を寿ぎつつ、このアニメは妙に薄暗いところがある。
フッと水を指すような暴力の気配、原宿とこのアニメの外側にあるシリアスで当たり前の論理を睨む一瞬が、夢の国に影を伸ばす。そういう明暗のバランスも好きだったりする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

尖ったセンスと、それを塊で出してくる描写。女子高生三人に漂うキュートでセンシティブな気配。悪夢の中にいるのに妙に冷静な視座。
好きな所はたくさんあるんだが、今半歩踏み込めて切れないもどかしさと、語り口のゴツゴツした不格好さが気になりもする。そういうアニメとして、三話まで見た。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

トンチキ世界に閉じ込められた女子高生が、世界のルールとかはあんま気にせず、とりあえず狂った祝祭を思いっきり楽しむ方向で進んでいるこのアニメ。
ツッコミがいないボケっぱなしの空気が心地よくもあるし、フツーに話し進めるならそれでもいいかな、という気もする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

良くも悪くも『アニメっぽくない』テイストはすごく好みなので、その強さをフルスイングできる足場が組めると、もっといいかなと思う。
まぁこのままふわ～っと、瞬間瞬間を繋ぐ怪作アニメになってくれても良いんだが。センスで撲殺しきるには、ちっと喋りすぎな気が済んだよな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

こっから閉鎖原宿のKAWAII災害がどう進むのかとか、謎の宇宙人の謎に踏み込む気あるのかとか、普通のアニメなら気にするところなんだろうが、そこら辺作中でも、あんま大事として扱われてねぇしな。
どう進むにしても、URAHARAらしくやりきって欲しい。やりきれる気配は十分以上にある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

あ、女子たちがみんなクリエーター見習いで、『何かを作る』ことに体重預けているのは面白いし、良いと思います。
これもふわっとしてるのに語り過ぎな筆致が災いして、イマイチ刺さってこない要素ではあるが。モブや社会描く気ないんだから、世間のリアクションを支えにしてもしょうがなくね？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

PARK再開に向けて、持ち前のクリエイティビティと内省力をりとちゃんが発揮し、青春っぽくそぞろ歩くシーンは好きだった。
ああ言う湿っぽくて、ナイーブで、あんまポップではないシーンが増えると、俺に良しな感じなのかなぁ。
どういう加減になるかは分からんが、今後が楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

追記　What a girl is made in？

URAHARA追記。
顔と体の話すると、ビーズが乗っかりそうなくらいなバッチバチ睫毛がふわふわしてるのと、夢いっぱいのアノマリーな話なのにボディラインはきっちり強調してくる、ムチムチな身体の描き方は最高。
とにかく柔らかくて美味しそう。パンケーキやマカロンと同列に女体を描く狂気。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

作品全体にスウィーツの直喩/暗喩が満ち満ちていて、グルメアニメでもないのに食欲そそられるのは、異質で好きだ。
女の子は綿菓子みたいにフワフワしていて、甘くてピンクで優しい。その奥に生肉と毒が詰まってますよ、というメッセージ込みで、すんげぇビビッと来る。そこは両手を上げて褒めていい

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

アイカツスターズ！：第78話『ようこそ パーフェクトマザー!』感想ツイートまとめ

アイカツスターズを見る。
完璧を標榜し、強烈なエゴイズムで二期を引っ張ってきたエルザ・フォルテ。その起源が判明する回。
母恋しを拗らせた結果の完璧願望、太陽のドレスへの渇望が見えて、株が下がって人間味が上がった形…なのかなぁ。華やかさの中に痛ましさが漂うエピソードだった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

というわけで、ラスボスとして半年話を引っ張ってきた（形になった）エルザが、木の股から生まれたわけでも、寂しさを知らないわけでもないことを見せる回。
冒頭五分で彼女が、愛に飢えた子獅子であることはバッチリわかった。鎧を脱ぐ回だが、ならもうちょい予兆があっても良かったかな、とは思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

『完璧』をうそぶきつつ、これまでのエルザはまったくもって完璧ではなかった。
他人の可能性は見落とすし、優しさには報いないし、VAでは自分のクローンばっか育てているし、『なぜ』が描かれずともその鎧は穴だらけだった。今回無敵のアイドル神がようやく、人間味を見せた、という形ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

強く輝きすぎて、あるいは自分を強く輝かせ、母の愛を取り戻すことに執着しすぎて、周囲の光を忘れる。
エルザ母は娘の状況を正確に見抜くが、それが娘に届くことはないし、娘からのラブコールを真っ直ぐ受け取る事もできてはいない。穴だらけの親子関係は、鏡写しにそっくりである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

今回の話、第75話と面白い対比をなしていると思う。
モナコ公女（モデルは間違いなくグレース・ケリーだろう。ポスターにバッグ映ってたし）と世界規模のファッションデザイナーを比べていいかは分からんが、香澄家も非常に忙しく、すれ違いの多い家だった。真昼も寂しさに傷ついていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

がしかし、香澄家の両親はギリッギリの所で幼い娘が道を間違えないよう、忙しさを踏み倒し、家族だけが共有できる温もりに時間を使った。
フォルテ公女はそれが出来ない。一つのクエストを1話で終わらせていい真昼と、まだラスボスやんなきゃいけないエルザを比べていいものかも、なかなか難しいが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

とまれ、フォルテの家は人形の家であり、『完璧』には程遠い。
『完璧』なアイドルになれば母の愛が取り戻せるという思い込みは間違っているし、そのフェティッシュとして太陽のドレスを求めるのもズレている。
このズレを修正し、自分と母の距離感を適正距離に戻すのが、エルザのクエストなのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

その起源からしてズレているエルザのアイカツは、自分が成し遂げているもの、背負っているものも認識できてはいない。
翼はファンとのコール＆レスポンスで発生するものだが、エルザが太陽のドレスを求める運動に、ファンは存在しない。そこには不在の母を求める、決定的に間違えた願いがあるだけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

エルザのカリスマに引きつけられ、VAに集まったアイドルも、同じようにないがしろにされている。彼女たちを引きつける自分自身のカリスマにも、彼女は信頼をおいてない。
何しろ、一番見て欲しい母が振り向いてくれないのだから、自分に魅力などないのだ。自己肯定感が剥奪されているのだな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

完璧で、無敵で、自信満々のアイドル女王、エルザ・フォルテ。
その中心点にある黒い太陽、母の不在が明らかになったことで、彼女の間違いは一気に陰影を増した。影が濃いだけに、もうちょっと前半に分散して要素を出して欲しかった感じはあるが、図式自体は鮮明だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

大きく見て取って、エルザがファンを見落としているのはゆめが、エルザがファンに愛されるアイドルであることはアリアが、それぞれ指摘して主人公の存在感を出す構図かなぁと思う。
不在の母を求めて、エルザが歩いてきた道は強引だったけども、無意味ではなかったことを二人は知っているわけで。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

前々から感じてきて、アリアの登場で一気に鮮明になったけども、エルザはかわいそうな子供だ。
他のアイドルたちが溌溂と成し遂げる成長/変化から置いてけぼりにされ、ハリボテのラスボスとしての立場に縛り付けられ、人間的躍動から切り離されてしまっている。スターズ世界が、エルザに優しくない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

今回彼女の原動力が徹底的に『母の不在』であることが見えたことで、そのすれ違いさえ埋めればエルザを倒せる鎧の隙間が明らかになって、母を乗り越えてより大きくなるヴィジョンが、なかなか見えなくなってしまった。
倒し方が分かりやすいというか。壁としてより小粒になった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

お話の収まりの良さとしては、まぁ分かりやすいほうが良いんだろうが、エルザという一人の学童を相手取ったとき、それで良いんだろうか。
娘の空回りを気にかけつつも、公務優先で旅立ってしまう母など蹴り飛ばすほど、デカい人間に育て上げて欲しいと思うのは、僕の過剰な思い入れか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

無論エルザとの戦いはおそらく、まだ半年続く長い戦いだ。その中でマザー・コンプレックスを超えて、より器のデカい女王に育つ/育ててもらう可能性はあろう。
ぶっちゃけあんな母親は余裕で超越し、より大きな存在としてゆめに立ち塞がってくれたほうが、キャラの物語としても大筋としても好みだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

今後エルザが戦う物語に、今回煽り倒されたローラはどう絡むのだろうか。
レイちゃんが必死にフォローしてたが、あれ火付けるっていうより、やっぱ罵倒してエゴ充足してたようにしか見えんよ…それもこれも、おふくろの愛情下手が悪いが。"ブレンパワード"のジョナサンみたいになっちゃうぞ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

レイちゃんはエルザの脆さと才覚に感じ入ってるからこそ、守護騎士ぶって控えている。そんなレイちゃんだけは信頼しているから、エルザも自分の起源を話したのだろうか。
母に見捨てられても、自分が孤独ではない事実にエルザが早く思い至ってくれると良いのだが。ほんとネグレクト過ぎてしんどい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

あとアコちゃん周囲の描き方は相変わらずで、ねっとりとした情緒虐待とマザー・コンプレックスが描かれる中、コメツキバッタのように権威とカリスマにおもねるコメディ空気穴として、便利に汚れていた。
エルザ母を悪者にしたくないのは判るが、なんか腫れ物に触るかのような接待ブリだったなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

エルザの欠落はなかなかに巨大で、しかしエルザ母はカリスマ持ちのキラキラしたセレブで、黒い太陽諸悪の根源とは描かれない。
エルザと母の間にあるズレよりも、エルザに母が及ぼしている傷の深さと、それを生み出した罪の描き方とのズレのほうが、実は深刻ではないのかな、とも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

スターズは人間のドロっとした部分を『普通』に取り込むポーズは見せつつ、反発覚悟でそこに徹底的に切り込むことはしない。
才能が生み出す格差も、別離の辛さも、ふわっと触っては踏み込むことなく、なんとなく話の流れで収まっていく。そのハンパさは作品全部に及ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

別にエルザ母を絵に描いたような悪役にしろ、という話ではないが、彼女の不在をエルザのエンジンにするのならば、エルザだけでなく母の問題もどす黒く、穴だらけのものとして明言し、作中で描写してよかったのではないか。
物語的な機能と、キャラクターの描かれ方にズレがあると感じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

星のドレスにまつわる壮大なアレソレも今回公開されていたが、その壮大さはエルザだけの問題で、翼を手に入れた他のアイドルには一切波及しない。視聴者（少なくとも僕）にとっても、そんなに大きいものには思えない。
ここら辺のスケールのズレ、ぼんやりした壮大さは、『あの力』に通じるものがある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

そんなわけで、エルザの起源と作品内部に漂うズレが見える回だった。
それが客観的なものなのか、僕の嗜好と実際の映像の間に生まれる個人的なものなのか、相変わらず判別しきれないが。
今後展開する物語の中で、違和感が埋まり歯車が噛み合い、熱量と速度のあるストーリーが展開することを期待する

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日

しかしあまりに『完璧』の持つ危うさが描かれるので、エルザがねっとりと母親との確執を説明し、星のドレスの力でグランドクロスを引き起こし、他のアイドルの技をコピーし始めるか気が気ではなかった。
同時代性の妙味で、すげー変なシンクロ起こることあるよな…諸星学園長とダミー、声同じだし

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年10月19日