マナリアフレンズ：第4話『試験期間』感想ツイートまとめ

マナリアフレンズを見る。
高嶺の花は孤独に咲く。あまりの才気、あまりの地位故に敬して遠ざけられ、人の輪に入るやり方を知らないアン王女。
期末試験でざわつく凡人達を尻目に、焦燥と寂しさの置所を探し、少女は彷徨う。かつて、光と音楽に出会った場所を目指して。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

そんな感じの言葉少なめ描写多め、作画と音響と撮影のリッチさを最大限活かしたエピソード。
アンの社会的立場や内面、過去を静かに丁寧に積み重ねて、彼女がどういうキャラクターなのか、オリジナルな味わいはどんなものか、じっくり感じ取ることが出来ました。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

過剰な作画パワーの割にこのアニメ、結構運びがオーソドックスな五分アニメと言うか、フックが強くてみんな使う部品だけで構成されてる印象があって。
ぶっちゃけ作品独自の”顔”が見えにくい印象だったんですが、今回はそこが強く感じ取れました。こういう話があると、作品にしっかりしがみつけるね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

美術力を信じた大胆なヒキの構図、沈黙を持たせる贅沢な音響。
ダイアログも脂っぽい肌色アピールも少なめに抑え、アンのナイーブな内面を風景に反射させながら、丁寧に追う。
この静かで淡口の運びは素材の強さがなきゃ成立しないわけで、作品の強みを生かしたと感じました。感情の籠もった美術最高！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

アンはロイヤルな出自と、なにより自分の天才で学園に居場所がなく、”生徒”の枠を超えてしまっている。
手に入れたものを咀嚼し、誰かに分け与えるロジックを鍛えてもいないので、”教師”の役も演じられない。学園に必要なロールから、アンははみ出してしまっている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

その孤独を埋めたのが龍とのハーフであり、同じく学園に居場所をがないブルーブラッドたるグレアだ。
コンプレックスの強い彼女と、社交的ながら孤独を抱えるアンは、お互いの隙間を埋めるべくして出会った運命の二人。しかし、アンほどの才気はグレアにはない。
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/3SnD2r01H8

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

なので、移ろう季節の中で彼女は一人、孤独をかこつ。（ベンチから見つめるカップルが、軒並み女女なのがスゲー世界だな…）
時と共に変化する美しい光を楽しむ余裕は、今のアンにはない。それが高貴なる者の必然なのかもしれないが、寂しいものは寂しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

静寂に寂しさを覚えるのは、胸に高鳴る鼓動を爪弾くパートナーを手に入れたから。それに耐えられなくなったのは、孤独ではない状態を知ったからであり、アンの世界はグレアと出会ったことで音に満ちたのだ。
ピアノのモチーフが詩的に世界を埋めていくのは、感情の高鳴りを上手く映像に宿して良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

黙りこくって、美しいけども（美しいからこそ）空疎な世界を彷徨う。試験が終わってグレアと再開するまでの世界は、重たく沈み込んで音がない。
そんなアンの孤独が、アンの圧倒的な才能によって生み出されている描写が、なかなかに皮肉でいい。家柄も才覚も、時にギフトは孤独を生むわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

アンは心の置所を探して、現在と過去を彷徨う。彼女の孤独は今に始まったことではなく、学園に迷い込んだ当初から世界は灰色だった。
そんな世界で出会った運命。
目を見開き、風が舞い、花びらが散る。女と女が出会った宿命を、世界が光と色彩に満ちて祝福する。
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/HdNWcGrrVf

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

『アイカツフレンズで勉強したところだ！』って感じのエモ直結演出であるが、グレアと会えない現在は寂しさの嵐を吹かせ、ピアノは沈黙に沈む。
この心理状況が風景と完全リンクしてる演出、それを支える作画のリッチさはマジ最高。サイゲマネーが正義や！！！
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/f00YCegIZv

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

運命の時間（試験期間）をくぐり抜け、哀しみの嵐は感情の潤みへと変わる。
この過剰なリッチさ、『ここまでやる必要ある…？』って感じだけども、あるんです女と女の感情が触れ合う瞬間にはっ！！
ほんと凄いよ…水滴のプリズムで分光して生まれる虹とか描くフツー？
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/M7bXFowm4x

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

グレアにとってもアンは特別な運命であり、出会った時に音楽が生まれた。アンだけが寂しさと情愛を抱え込んでいるわけではなく、それは双方向なものなのだというのを見せるべく、孤独なアンを見つけるナイト役はグレアがやることになる。
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/BvkKHR3ke3

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

灰色の世界に七色の彩光が差し込み、感情が音楽を奏でだす。
宗教画めいた”兆し（オーメン）”の美術で世界が埋め尽くされ、女と女の運命を祝福していく。
ぶっちゃけやりすぎ、ぶっちゃけ過剰。でもその力みっぷりがあまりにも正しい。心が動く瞬間ってのは絵画であり交響曲であり神話なのッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

そんなパワー籠もった過剰な詩情だけでなく、少女の小さな感情の揺れも、非常に細密に描かれている。
待ち人を待ちすぎてちょっと拗ねちゃったアンの視線が、非常に細やかに彷徨う様子は、アニメ敵心理表現の極地であろう。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

あの時のように、寂しさに沈む自分を見つけてほしかった。特別な貴方を見つけたかった。当たり前の日常に混ざれない哀しみを、静かに奏でてほしかった。
外面の良い”愛されるべき王女”の仮面の奥に、ナイーブな感情を殺しすぎた少女は、素直に気持ちを吐き出せない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

心の壁を乗り越え、『寂しかった！』と叫ぶまでの一瞬の”タメ”が、ふわりと髪を揺らし、柔らかな曲線を作る。
ここの振り返りの作画、首とディレイで動く髪の毛の表現がマージで凄くて、ほんと凄いなと思った。（語彙力蒸発）
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

会いたくて、会いたくて、会いたすぎて捻れた気持ちを、少し捻って素直に戻す。そういう人間らしい逡巡が、なんでも出来る天才少女にも確かに宿っていると、圧倒的な”絵”の圧力で見せる。
こういう細やかな表現があるおかげで、画面の中のキャラクターが個性を持った独自の存在…”人間”だと思える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

そういう方向に作画力を使って、丁寧に積みに行く展開が非常に良かったです。
こうして生み出したアンの可愛らしさが、グレアの心にもズギュンと刺さっていて、『もう二人は離れられない運命なのだ！』と”秒”で判るよう広げていくのは極めてグッド。
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/YyX6rlDVuD

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

暗がりでしか無い世界の中で、貴方だけが光。貴方だけが風。貴方だけが花。
そういう特別さはお互い様で、瞳が通うたびに恋をし直す。そういう関係の瑞々しさと熱量が、細かい表現にしっかり宿っていてとても良かったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

世界に二人きりの、特別な関係。あまりにも美しい花園の中のピアノを、まず円形で見せて『二人だけの幸福な孤独』の美麗さ、静けさ、距離感を教える。
そこから連弾の距離感にカメラを寄せて、幸福なエンディングにつなげていく。
©「マナリアフレンズ」製作委員会 pic.twitter.com/5jrv31PYy6

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

ここで手前を横切る柱が”二つ”なのが、マジでいいんすよ…”二”なんだよなぁ運命の数字は…。
そういう特別な関係性に入れない（入らない）オーウェンくんが、ちまちま見切れてるところも奇っ怪な面白さだった。お前はよく出来た百合厨だな…壁になりたい系か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

つーわけで、アンの萌キャラ的記号の奥にある感情、関係に詩的表現のメスでギリギリと踏み込み、バリッバリにリッチな画面でキャラを理解らせていく、パワフルなエピソードでした。
やっぱ肌色サービスに時間使われるより、こんくらい静かな音量で魅せてくれたほうが、個人的な好みには合うね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

アンの感情を深く彫り込むことで、そこに反射するグレアの存在感、同じだけの運命を背負っているグレアの情熱もしっかり伝わり、”二人”のエピソードとして非常に良かったです。
リッチさを1キャラで完結させず、つがいの描写にしっかり伝播させるのは、パートナーシップを軸に据えた話では大事よね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

舞い散る花、二人きりの庭園、野ざらしのピアノ。
爆エモフェティッシュを画面中にみっしり埋めて、セリフの代わりにいろいろ語らせる贅沢な語り口、それを可能にするクオリティも堪能できました。今後もこのトーンでやってくれると、色々好みだなぁ…そこら辺の舵取りも含め、来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月11日

アイカツフレンズ！：第43話『ありがとうの景色』感想ツイートまとめ

アイカツフレンズを見る。
夢の頂きに、遂に上り詰めたピュアパレット。『アイドルのてっぺん』としての日々が日常になる…前に！　ファンの皆さんにご報告があります！！
みおちゃんのご両親にもしっかり報告して、最高のドレスで最高のステージング。私達はまだ登り始めたばかり、このフレンズ坂を…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そんな感じのDFCエピローグ、最終回ムードがバリバリ漂う一区切りのお話であります。
『走っている間出来なかったこと、全部やろう！』とばかりに、みおパパが出てきたりご両親にご報告したり、露骨『母が娘に送るウェディングドレス』着たり、余韻を静かに冷ましていく良いアウトロでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

あいね側の家庭事情は色々描写されてきたけども、湊家は謎の多い家で。一年目を閉じる前に、主人公の家庭環境を描写しておくのは大事…とばかりに、湊みおのオリジンが開陳されていく今回。
あのタワマンに住んでんのも納得の、文化的・経済的にリッチな血筋でした。デザイナーのサラブレッドやな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

フレンズはロマンスの文脈を借りているので、湊家に遊びに行くのもただ『ぼっちの娘に出来たフレンズに感謝』で終わらず、『ご両親にご報告』の色合いを浴びる。
あいねちゃんは相変わらずスルスルと懐に入れる子で、パパンの好感度もうなぎのぼりだ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

このパパンがまた変な人で、『みおちゃんのオタク気質は父譲りか…』といろいろ納得した。杉田さんも父親役が似合う年なんだなぁ…。
お互い仕事に勤しみつつ、敬意と愛情はちゃんと持っている家庭のようで色々安心した。友希家のアットホームな感じとは違うけど、いい家よね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

どピンク趣味最悪のラブミーティアワゴンが実はダイヤモンドフレンズワゴンで、しかもみお父デザイン。意外なところから衝撃を受けつつ、話はドレスとステージに移っていく。
みお母が仕事とプライベートをきっちり切り分け、為すべきことを為せる大人で素晴らしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

宝石ドレスもやっぱりロマンスの文脈に彩られて、門出のための晴れの衣装に加えて、ブライダルな雰囲気を漂わせていた。非常にフレンズらしい。
しかし同時に恋愛文法の窃盗で終わらず、アイドルであることの意味、フレンズだけの唯一性もしっかり持っていたように思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

既にキャリアを積み上げたみお母が、一年を走り終えたピュアパレットに仕事人としてアドバイスするシーンが、二年目を見据えていて結構好きだ。
ピュアパレットは一つの物語を終え、母のくれた特別なドレスで特別な舞台に立つ。しかし、そこはスタートラインでもある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

高みから見える景色、下から追い上げられる重責を喜びに変えて、新しい物語を紡いでいく。今後みおとあいねは、そういう物語を背負っていくはずだ。
その時、みお母の仕事ぶりとアドバイスは良い道標になるんじゃないかな、と思う。そういうモノを交流させるシーンが見れたのは、とても良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ココちゃんが第35話で歌った”いっしょにA・I・K・A・T・S・U!”をステージソングに選んだのも、ちょっと特別なピリオドに相応しい選曲であった。
競い合ったライバル、支え合った友もまた、別の物語に旅立つ一つの区切り。その時、ピュアパレットの歌ではなく誰の歌にもなり得る透明な歌を歌う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

一年間の物語が収まるにふさわしい大団円感がしっかりあって、とてもいいステージだった。フワッとボリュームがあるのに、やや短めでヴィヴィッドなスカートのデザインが非常に良かったなぁ…。
ファンへの挨拶もあいねらしく乗り越えて、ピュアパレットはダイヤモンドの高みに登る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そこに至るまでの長い物語と、そこから始まる新しい物語。その両方に静かに想いを馳せられる、良いエピローグでした。
『完全に一区切りついた感じだけども、まだ六話ぐらい残ってんだよな。何すんだろう…』と思ってたら、フレンズ男子部が凄い勢いで投げ込まれてヴァレンタインらしい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

舞華兄さん再登場はまじ嬉しいし、予告の段階で一生シャドーボクシングしてるトンチキさに期待も膨らむ。
『残った時間何やんの？』に対し『やりたいことはなんでもやる』という返答が待っているのか。ネジをぶっ壊したトンチキ具合で楽しませてくれそうで、来週も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

スター☆トゥインクルプリキュア：第2話『宇宙からのオトモダチ☆ キュアミルキー誕生!』感想ツイートまとめ

スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
動き出した夢は、星の鼓動を帯びて輝く。
宇宙からのお友達、伝説の戦士プリキュア。星奈ひかるの日常は新たなワンダーに満ちていく。そんなキラキラ地球人に対し、13歳の成人宇宙人はシビアでリアル。
奇妙な二人の出会いは、どこに転がっていくのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そんな感じのスタプリ第二話、設定説明とララのキャラ見せを軸に進む出会いのエピソードである。
地球とは違うルールで生きる宇宙人のクールさ、データ重視の”大人”っぷりを強調するほどに、直感と好奇心でグイグイ押し込むひかるの熱量が強調され、主人公への興味と好感が強まる作りであった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

性格も環境も能力も異なる二人が、運命に引き寄せられて出会い、交流を深めていく。
初代様より綿綿と繋がるプリキュア女女引力圏だが、今回何しろネタが”宇宙”なので、ギャップは非常に分かりやすい。種族レベルで違う生き物なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そういう断絶を見せるために、衣食住のギャップを活かし、レイアウトもクッキリと切り分ける。バラバラに分断されていたものの間にブリッジがかかり、好奇心が奇跡を連れてくる。
何かが動き出しそうな予感、実際に動く時のトキメキがエピソードにみっしり満ちていて、非常にいい始動である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

色々といい所があるのだが、やはり”絵”のルックが良い。
カメラを大きく引いて”Space”を強調するレイアウトと、かなりバロックなカメラワークで不思議なクローズアップを見せる絵面が、気持ちよく同居している。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/33dFQeTcrp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

大きな✗のついた宇宙船の、ファンシーなビジュアル。夜更かしを許されない少女たちの、秘密の時間。
なかなか心躍る絵面だが、ララは孤独に高い場所に位置して、ひかるのいる場所にはなかなか降りてこない。
しかしひかるはそんなバリアなんぞ気にもせず、エイリアンよりエイリアンっぽく侵略開始だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

スルスルと懐に入り込んで、宇宙の食べ物を警戒一切無しで口に入れる。宇宙糧食を入れたポーチの内側にカメラを仕込み、ギュパッと歪んだダイナミズムで回す演出が非常に面白い。
それは地球人視点でもトンチキな行動だ。ひかるはあまりに明け透けで物怖じしない、かなり特別な子供だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

しかしその壁のなさ、恐れのなさが異質なお友達との距離感を縮め、異性の食事を共有させる。
ノータイムで宇宙グミ食いに行ったひかるに対し、ララは低級惑星のメシを前にビビり、壁を作る。大人に相応しく逡巡し、縮こまってデータで判断する。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/mLf67OVyqp

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

しかし思い切り口を開けてかじってみれば、原始的な喜びに満ちた”食”は美味しく楽しい。それはひかるが手ずから仕上げた友情が、隠し味になっているからだろう。
同じ釜の飯を食った少女たちは、天と地に切り離されるのを止めて、同じ地べたにぺたんと座る。女の子座り可愛い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

後に『羽衣ララの奇跡』を掴み取るときも、ララはプリキュアという異物に怯え、データと常識に縛られて踏み出せない。
宇宙人的には『大人というのはそういうもの』なのだろうけども、同時に力を持たない子供だからこそ、挫折と責任を既に見据える大人っぽさがあるからこそ、足取りも止まる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

二人の座組が上手いのは、ひかるがララ的な『大人の世界』から完全に浮遊した、特権的な『子供』ではないところだ。
祖父という家庭内社会規範に監視され、夜更かしを見つかったら怒られる立場。自分の部屋を乱雑だと怒られる、他者の規範によってジャッジされる立場に、ひかるは取り囲まれている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ひかるは直感と好奇心を疑わず前に出て、お話と人間関係を進めていく良い主人公だ。しかし何も見えないほど人間関係の視力が悪いわけでも、知恵が足りないわけでもない。
彼女とララが降り立つのが”書斎”なのは、とても面白い。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/8n6yYJDDrB

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

真夜中、本来物分かりよく眠る場所のはずのベットの上に、素足で降り立つ。この”屋根裏の秘密の冒険”な感じが、凄く児童文学的なワクワクと物分りの悪さに満ちていて、凄く良いなと思った。
大人が押し付ける規範だけ飲み込んでいたら、ワクワクする心臓は止まってしまう。時にはお行儀悪く、大胆に。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そういう冒険を共に走り抜けていく仲間に、ひかるとララはなりうるのだという予感が、この不思議な書斎への訪問には満ちている。
そこはひかるの脳内をそのまま出力したような、素敵な空間だ。幼稚園時代に既に、『宇宙人と友だちになった自分』を描いているのが最高に良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ビビッドな色彩ながら、彼女なりのセンスと知性で宇宙の情報はまとめられ、想像力を引き出す書物は幾度も読まれている。
ひかるは十分以上に知的なのだが、それは祖父が代表する一般的な社会規範からは見落とされがちなインテリジェンスでもある。
今後、ひかるの個性と知性はどう認められていくのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

なかなか楽しみだ。
未来の謎と言えば、書斎を残しつつも家庭に影のない”父”が一体どんな人物なのかも、かなり気になる。サバーク博士よろしく、終盤敵幹部として『I'm your father』と登場とかすんのかな…？
今後フックになりそうな”父”という伏せ札を、さり気なく強調する演出も巧かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ヴィヴィッドな想像力と好奇心、物怖じせずに前に進む行動力を併せ持つひかるは、ララとの距離をどんどん縮めていく。
地球式のおはようの挨拶を、迷いなく宇宙人に叩きつけ、宇宙式の触覚コンタクトも迷わず受ける。コミュニケーションのチャネルが、常にオープンな子だ。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/IptOkgr2wA

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そんなひかるの直感的善性を、『大人』を自認するララはなかなか受け入れられない。
全てはロジックと経験、データと分析で認められるもので、可能性は数字で表せる。勝てる見込みが無いなら引いて、奇跡は信じない。
ララは異星の常識に、少し頑なに縛られているように見える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

地球でならバカも無鉄砲も許される13歳という年齢は、エイリアンの常識では責任を背負う大人だ。
『地球人／宇宙人』というギャップは成人制度の差異をアダプターにして、『大人／子供』というギャップに繋がっていく。この差異を、同い年の主役二人でやるのはとても面白いなぁと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

宇宙テーマを活かした異質性にララが思い悩む中で、先週説明しなかった基本設定がいろいろ開示されていく。
話が悪役の攻撃に差し掛かり、宇宙を悪に染め上げる”敵”の話になった途端、こういう大胆な絵が出てくる所がかなり好き。
悪党の話なので画面が暗くなる。正しい
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/teVRdoujaU

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ひかるの直観主義とポジティブさ、構えない明け透けさにララが反発するのは、彼女が『大人』だからだ。
そういうひかるらしさをバカにして切り捨てず、むしろ心の何処かで惹かれているのは彼女が『子供』だからだ。
ララは故郷の常識から切り離された異国で、複雑に揺れ動いている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ぶっちぎりにバカガキに思わせておいて、存外クレバーな距離感も見せるひかるとは真逆の、でも何処かで似通ったアンバランス。
二人は反発しつつ惹かれ合い、異星人と地球人のセカンドコンタクトは、ひかるが間に入って取り持つこととなる。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/TTnSpDYVG9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

天文台と羅針盤、星と航海のモチーフに満ちた建物を境界線に、ララは地球にまだなじまない。
異邦への触媒として間を取り持つのが、ひかるの仕事であり、同時にひかるの中の（つまりララの中の）『子供』に反発されるのも大事な役目だ。
それが、物語を押し出す推進力になる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ひかるとララはまるで二つの遊星のように、お互いの距離を探し続ける。完全に心を許したわけじゃないけど、拒絶するには引き寄せられる。
二人が座るベンチは片側によりすぎていて、それを切り取る画角もちょっと傾いでいる。ララの複雑な内面を、上手くアングルに乗せていると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ここからカッパハゲが一生かっこいいセリフとかっこいいマニューバをぶん回して、イカすアクション開始である。
相変わらずカッパードさんはクレバーで小粋な台詞回しと、ピカピカ光る頭頂部がミスマッチで面白い。悪の幹部として正義のヒロインを突っつく仕事も、ほぼ完璧だしな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

カッパードは二人を一つに括り、奇跡を否定する。その働きかけがあって初めて、ララは『自分だけの奇跡』に踏み出せるようになる。
ひかるの真っ直ぐな、時に子供っぽくて無責任とも言いたくなるエールが『正の後押し』だとすると、カッパードは『負の後押し』を担当しているわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

前回の無重力戦闘に比べ、ホームタウンでの地に足の着いた戦闘は不思議な生々しさがあり、魅力的だった。
力強く腕を掴んで、必死に敵を止めようとするキュアスターの奮戦が、凄くパワフルでトルクを感じた。泥っぽい殺陣が、いい具合に重量を宿していたのがグッド。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

無力な一般人として逃げ惑うララを、大胆な鳥瞰で見せる。ヒーローに共通する強さと優しさを、変身していない状況でしっかり見せる。
弱者たるフワをキーアイテムに、暴力に屈しない勇気、作品が見せたい正義の形を明瞭にしたのは、凄く良かった。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/wXvKGQ2vTE

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

弱かろうと変身できなかろうと、人をモノ扱いするような理不尽には体を張って対抗する。
C調なツッコミ進行役なプルンスが、ちゃんと戦ってララを守ろうとしたところとか最高に良かった。こいつはかなり信頼の置ける青ダコだと思えた。そういうの大事、マジ大事。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ララはひかるのエールを素直に受け止め、自分の中の『子供』を全面に押し出すことで、キュアミルキーに変身する。板岡錦渾身のバンクはキュートでセクシーでファンタジックでまさに最高であった。
反発ばかりしていた異星の友人、彼女を鏡に反射するもうひとりの自分を、数字を無視して信頼する。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

固着して枷になるばかりの『大人』という規範をぶち破ったことで、『羽衣ララの奇跡』は形をなした。
自分だけの奇跡を過剰に持ち上げるのではなく、ひかるが成し遂げた奇跡を『もう一つの奇跡』とちゃんと認めている所が、ララちゃんの魂が気高い部分である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

今後も凸凹ちぐはぐと、ロジックの青とエモーションの紅はぶつかりあうのだろう。
今の所ひかるの直観主義が強く見えるけども、それが取りこぼすものをララちゃんの理論主義がカバーするような話があると、不公平感が薄くなってとてもいいと思う。バディ感もバリバリと強まるしね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

まだまだ出会ったばかり、自分の内側にある個性も、周囲を取り巻く規範もバラバラな異星人二人。
でもその色彩が、個別の色を保ったままお互いを引き立てあって、素敵な何かが生まれるかもしれない。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/0zAJFGVru9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

そういう期待感をしっかり高めてくれる、とても良い第二エピソードでした。
敵を倒しプリキュアにも成って、貴方も私もなかなか大したもの。安定した心象を反映して、バランスが取れて親しい距離感で最後落ち着くところとか、心理とレイアウトを上手くリンクさせた演出を完遂し、とても良かったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

まぁ来週速攻で解散芸だけどな！
はえーよお前ら、初代でもぶつかり合うまでは結構かかったで？
しかしまぁ、お互い対照的な個性の持ち主だってことも、今回ちゃんと描写されたわけで。
宇宙嵐が吹き荒れた後、どんな絆と友情が生まれるか。来週も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

追記　ララの変身バンクについて。

スタプリ追記
キュアミルキーの変身バンク、全体的に凄まじく最高なわけですが。
表情も仕草も様々な魅力を惜しげなく叩きつけてきて、ララが色んな顔を持ってる女の子だとしっかり魅せてくる。
本編中はクールな顔が目立ったので、『子供』っぽい元気や悪戯がバンクで確信できるのは良いです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

どうしてもララのキュート＆セクシーが目立つけども、『天の川』なんで溢れてくる流体表現の巧みさとか、ハートと宝石が乱舞する少女空間のギラギラした華やかさとか、変身完了の時の流れる星の美しさとか、クオリティをキャラ演出に使い倒す演出プランが、やっぱり凄い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

バンクは歌舞伎で言えば”大見得”みたいなもんで、観客の注目が集まる無言のキメどころ。
スタプリがどんな作品か、ララがどんな少女かしっかり伝えて、期待と興奮を高める大事な仕事を、予想も期待もブッ千切って決めきったのは素晴らしいと思います。やっぱ板岡錦は凄い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

小原さんの歌声がまた朴訥と涼しげで、80'sアイドルのプレーンな気配をうまーく覆い焼きに、作品全体のムードとしっかり噛み合っていると思います。
同時変身バンクになると、お歌が合唱になりそうなのも良いのよね…オールドスクールフレイバーを活かしつつ、新しい試みもねじ込む。良い野心だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月10日

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風：第18話『ヴェネツィアに向かえ！』感想ツイートまとめ

ジョジョの奇妙な冒険　黄金の風を見る。
遠隔には遠隔を、毒蛇には毒蛇を。強敵”ベイビィ・フェイス”との激戦によって覚醒したジョルノが、メローネの息の根を止める。
しかし暗殺者チームの執拗な追跡は、世界の果てまで追いすがる。迫り来る極低温の絶望。その名は”ホワイト・アルバム”ッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そんな感じの激戦激戦また激戦、休む暇無しノンストップな第18話である。
大体の勝勢が決まったVSメローネをキッチリ勝ちきり、ペリーコロさんの犠牲のもとに新たな道を手に入れ、長い橋の上で氷のターミネーターに追いすがられる。ブチャチームの長い一日は終わらない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

一日が長すぎるのは暗殺者チームも同じで、地獄に落ちるも天国を掴むも一緒と誓った仲間は、たった一日でバタバタと死んでいった。
組織を裏切れば、命はない。その事実を体現してきたからこそ、もはや彼らに退路はない。誰が死のうと、最後まで突き進むしか道はないのだ。敵も味方もノーブレーキだね

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

冒頭のアニオリシーンで、そこら辺の事情がよく見えたのはナイス補完である。リゾットの能力もチラ見せできたしね。
情けも容赦も後悔もなく、ただ突っ走るだけ。”グレイトフル・デッド”の暴走列車、あるいは今回のカーチェイス。”速度”は案外、五部の大事なモチーフなのかなぁ、と思ったりもする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

ジョルノも激戦の勢いを借りて、”凄味”をブーストさせてくる。
再生能力が手に入った途端、ミスタが気軽に欠損させられるのは可哀想だが、無機物だろうと死体だろうと必殺のハメ手に変える頭脳と合わせて、主人公の成長は加速している。
メローネはそれに置いていかれて、無様に死ぬ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

安全圏で保身を図るメローネと、自分の腕をあえて戻さず勝利を掴むジョルノ。完全独立型であるがゆえに意図を外れた”ベイビィ・フェイス”と、その死体から作り出した毒蛇。
ギリギリの戦場にその身を晒し、卑劣な生き様に背中を向けたものだけが、栄光に向かって加速していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

女を弄んだその舌を噛まれて死ぬ末路とか、”我が子”のために貸したバイクが仇になったりとか、メローネは特に因果応報な死に様だった。
ジョジョはもともと、そういう皮肉な（あるいは高潔さが報われる）死に様多いけどね。振り回してきた暴力が、巡り巡って自分の首を絞める、というか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

メローネは”ベイビィ・フェイス”に反逆されて死に、ペリーコロさんは親分たるボスのために満足して死ぬ。
血の繋がらない暴力の血縁は、ギャングスターを複雑に縛り付ける。
暗殺者チームは”親”たるボスを裏切り、明日の見えない勝負に打って出た。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

ボスの血縁たるトリッシュを守り、ペリーコロの意志を継いで使命を果たす。そんなギャングスタの宿命に、ブチャラティチームも縛り付けられている。
その血の定めに反逆を示す瞬間は、刻一刻と近づいている。ブチャラティも『親の言うことを聞かない悪い子』になる宿命を背負っている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そこにたどり着くためには、まず氷結ターミネーターの追跡を振り切らなければいけない。
ザラッとしたチンピラ演技をさせたら天下一品、岡本信彦さんのキレ芸がいい感じに走り、ギアッチョは底のしれない怪物として良い登場を果たした。今見るとモロにT1000だな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

今までは暗殺者チームから見たブチャチームの怪物性が強く演出されてたけども、今回はシンプルに強力な”ホワイト・アルバム”の無敵性、奇襲性が大暴れ。
ホラーテイストの演出が最高に冴えて、早く強く無敵のモンスターとして、どこまでも追いかける恐怖が印象深い。シンプルなだけに、マジつえーな…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そんな怪物を相手に、ミスタもまた不死身のガンマンっぷりを全開にする。
指をもぎ取られようが、顔を引っ剥がさろうが、相手をぶっ殺すまでは手を緩めない。プロシュート兄貴は、ペッシじゃなくてミスタを弟分にすればよかったんじゃないかなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

ジョルノが言葉ではなく魂で信頼を勝ち取った結果、運転と迎撃という役割分担、二人のスタンドを重ね合わせての撃退と、心が通ってきているのも面白い。
逆にいうと、ソロでは勝てないほどにギアッチョがヤバいって話でもあるんだが。やっぱ強敵は、物語を照らす最強のスポットライトだなぁ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

指をもぐまで気づかれない奇襲性、氷の鎧の不死身、幾度跳ね飛ばされても追いつく執念。
猫耳モンスターを相手に、ジョルノ＆ミスタはどんな戦いを展開するのか。来週が気になる良いヒキでした。テンポよく進めつつ、時にアニオリを混ぜてコクを出す構成はいいなぁやっぱ。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

エガオノダイカ：第5話『分隊の一夜』感想ツイートまとめ

エガオノダイカを見る。
地獄のすり鉢の底から見上げるのは、顔の見えない敵との距離。希望的観測と日常的諦観の入り混じった泥の中で、這いずり回って明日を探す。
思い出も約束も、全て塹壕の泥の中に沈みゆくなら、底から這い出すための代価に何を捧げれば良いのか。帝国戦線異常なし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そんな感じのどっしりジリジリ帝国サイド、温度低めの当たり前の戦争回である。
なんか熱血展開があるわけでもなく、都合のいい無双が展開するわけでも、重たい犠牲が支払われるわけでもない。あっけない死が当たり前になった地味な停滞戦の、フツーの日々を死体込みでスケッチしたような低温のお話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

塹壕に頭を引っ込めてのにらみ合い。業を煮やし顔を出せば、紙くずのようにぶっ殺される。泥に体を沈め”治療される”ロボットは、異常に人間臭い鋼鉄歩兵である。
矢折れ弾尽き肉弾戦になる辺含めて、WWW1（の前駆としての日露、あるいは南北戦争）の血生臭さが、爽快感を上手く殺している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

総体を掴めない戦争の中で、台地の上を取られて釣瓶撃ちにされる。
今回の戦闘は王国と帝国の政治体制、経済状況、戦争に至るまで（と、今首までつかってる現状）の暗喩でもある。
高い場所にいる姫様の慟哭も、神の視点にいる僕ら視聴者は知っている。だが蟻のように地べたを這う帝国兵には、雲の上だ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

彼らは世界の理も国家が目指す未来も知らないまま、上の言うまま作戦に従事し、眼の前の戦闘をこなしていく。
かつて心を通わせた連中はあっさり死に、それに流す涙もとうに枯れている。笑うしか無い異常な戦場に、すっかり慣れきってしまった兵士たちの日常。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

その冷たさが、なんともモッタリ重たい展開の中にジワジワ脈動していて、かなり好きだった。一次大戦の戦記物っぽい空気がある。
姫様をお飾りに掲げた王国は絶対王政の華やかな戦場をなんとか残しているけども、帝国サイドはすっかり生き死に平等国民皆兵のリアリズムに染まっている感じだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

あまりにもあっけなく、あまりにも沢山人が死ぬ。
（一応）民主体制っぽい帝国が”国民の戦場”のリアリズムを見据えているのか、一兵卒に過ぎないステラの低い立場がそういうものを見るのに丁度いいのか。
どっちにしても、王国＝姫様の視座とは違うもの（だけども、同じ生き死にが乗るテーブル）を描く

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

今回唐突に出てきて唐突に死んだ兵士たちは、ビュルガー分隊の未来なのだろう。
かつて見たエガオに思い出を載せて、誰かのために生き残り未来を求める。そういう当たり前の人間だと理解ればこそ、ダイカとして死神に払うにはいい値段がつく。ヨシュアくんと同じ文法だな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

国家の上に立つものも、下で這いずるものも、劇的なるものも凡庸なるものも、すべてを飲み込みあっけなく殺す戦場の霧。
今回の戦場も、それを晴らして分かりやすい結末に連れてくるような、強烈な戦いでは当然なかった。一進一退、一人殺して一人殺される。ジリジリと蟻の歩みで進む絶望の荒野。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

姫様が未来を夢見て駒を動かしても、希望の明日はもぎ取れない。ステラが地べたを這いずったところで、なにかが変わるわけでもない。
閉塞感の中でお互いの喉笛に巻き付けた縄が締まり、補給線は伸びる。国境線を窒息させる戦争はジリジリと進み、王国の不協和音は拡大していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そういう泥まみれの戦争の中じゃ、当然爽快感はない。スゲー強い王国の新型（パイロットは誰かなぁ～～）も、数的不利を無視できるほど無双もしない。
このジリジリした空気の中、星の命運全てを窒息させるまで戦争が続くのか、どっかで風通しが良くなるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

そこら辺まださっぱりわからない、変なアニメである。
詐欺めいたヒロイックな外見を選んで、人の生き血でギシギシ軋みながら悪魔の機械が動く様子を見せる。露悪に振り切って負のカタルシスを有無でもなく、ヒューマニズムがポジティブな結果を持ってくるわけでもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

徹底したリアリズムの中に硬い真実味を生むわけでも、アニメアニメした嘘の爽快感で楽しませるでもない。
何もかも半端、何もかも閉塞。そのミスマッチの中に、妙なグルーブを感じつつもある。なんかヘンテコなんだけども、妙に嫌いじゃないんだよな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

ビュルガー分隊の、仲いいんだか悪いんだか、信念を共有できてんだか打算的なんだか判然としない空気も、結構嫌いではない。
あの諦めて体温低い感じが、戦場から栄光も夢も剥ぎ取られちゃった後の生っぽさを匂わせてる気がする。そのまま、藁のように死んでいくのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

はたまたなんかこー、それこそ姫様サイドみたいに熱い魂のぶつかり合いとエグい悲劇で煮込んでくるのか。
なかなか全体像が把握しきれないけども、それが作品が真ん中に据えた戦場の霧そのもののような気配もあって、このフラストレーション、嫌いではないのだ本当に。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

今後視点を入れ替えつつ、戦争はジリジリと進んでいくだろう。その果てにどういう物語を書ききるのかと同じくらい、どういう筆致で出口のない戦争を描いていくかも楽しみである。
とりあえず帝国サイドの感情が見えにくくて、姫様の話のほうが興味深い（のにカメラはすぐ帝国に遷る）のは狙ってんのか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日

それとも話運びがブキッチョなだけなのか。断言するには材料が足らず、奇妙なチャーミングさとザリザリした食感が同居している。
高い場所から見下ろす地獄か、地べたから見上げる天国か。来週も死にゆく惑星の戦争に付き合ってもらうって感じだ。結構楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月9日