ルパン三世 PART6：第1話『シャーロック・ホームズ登場』感想ツイートまとめ

ルパン三世 PART6を見る。
謎の秘密結社”レイヴン”を巡る因縁に引き寄せられ、大泥棒と名探偵が邂逅する。
その傍らに寄り添う、一人の少女。
語られぬ過去は、一体どんな謎を秘めているのか。
かくして新たな幕開けは、爆炎の赤と秘密の黒を混ぜ合わせて始まる！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな感じのPART6第1話、ハードに謎めいて堂々の開幕である。
PART4がイタリア、PART5がフランス。
国際色豊かに続いてきたシリーズ、次の舞台はイギリスロンドン。
メインキャストに躍り出るのは、すっかり煤けた名探偵とその娘…あるいは助手見習い、である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

お話はかなりどっしり、腰を落として滑り出す。
ルパン一味はあくまで、複雑怪奇で暴力的な状況の1アクターとして描かれ、華麗にキャスティングボードを握る主役らしさは、やや薄い。
スコットランド・ヤード、MI6、謎の組織”レイヴン”…複数の組織が、銃弾で奏でるロンドン・カデンツァ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

その全容は見えきらないが、1枚の絵画を巡ってロンドンが炎に包まれる、巨大な陰謀と秘密が眠っているのは、どうやら間違いない。
そこにおなじみルパン一味と、その敵対者たる名探偵がどう絡んでくるのか。
健気な新ヒロインは、怪盗紳士とどんな因縁があるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

色々気になるポイントが多い、豪快な滑り出しであった。
正直初回からこんなにバンバン鉄砲撃って、ガンガンカーチェイスして、ボーボー街燃やすと思ってなかった。
なのでハードアクション＆サスペンス路線で来たのは、嬉しい不意打ちである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

新たな物語の箱庭となるロンドンの書き方は、写実と絵画調のちょうど中間といった感じ。
怪盗紳士がド派手なアクションをキメても、スルッと入ってくる不思議な異国感と、人々の生活が宿る実在感が同居して、なかなか面白いバランスだ。
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/AelZD5STnc

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

国際色豊かな活躍をするルパンの物語が、旅情をどう背景に宿すかは毎シリーズとても楽しみで、PART6が選び取ったロンドンの描線、生み出す独自のリアリティは、第1話にしてなかなかいい塩梅だ。
もうちょいフォトリアルに寄せてくるかとも思っていたが、謎の多いテイストにこの絵画調、しっくり来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

現代版ホームズの拡張された脳髄である、資料だらけの私室。
リリィとの生活ですっかり鈍ったらしい名探偵の頭脳が、未だ健在であることをパッと見で解らせる、とても良い演出だと思う。
ジェットコースターのように状況が転がり、謎が謎を呼ぶ、スピーディな第一話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

強い絵をグッと差し込んで、キャラと物語の印象を手際よく演出してくる手腕は、なかなかに冴えていた。
ロンドン市街を駆け回るカーチェイスを通じて、町のキャラクターが何となく、見てる側に伝わってくるのも良かったな。
ホームズとタクシーの描き方とか、すごく好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

さて物語は強敵アルベールが工作を見破られ、肩を撃ち抜かれる所から始まる。
今回のライバルたるホームズと、彼に協力するMI6の一筋縄でいかない実力を、視聴者に教えるために必要な血…と言ったところか。
彼がわざわざ現場に出るほど、”レイヴン”を巡る謀略はスケールがデカい…のか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そこに興味を引っ張る意味でも、なかなか熱いホットスタートかと思う。
チラッと顔見世した八咫くんと合わせて、PART5以来のメンバーが顔を出してくれると、作品の連続性、新たな息吹が元気に呼吸してる楽しさを感じれて、なかなかに嬉しい。
アルベールのリベンジも、今後期待したい所ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

かくして物語はカーチェイスあり銃撃戦あり、爆殺ありのド派手な展開を見せていく。
MI6が繰り出してきた、あからさまに人口密集地で使っちゃいけないバカヴィークル、ハッタリ効いてて大変良い。
超強そうなやり過ぎ車両が、ゴエちゃんに寸断されるの最高
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/NBjYTzizYd

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

バラバラに切り裂かれた鋼鉄の中を、上半分がぶっ飛んだフィアットがくぐり抜けていくスペクタクル。
”ミステリ”を前面に押し出した事前のイメージが、濃厚なアクション＆サスペンスで上書きされていく心地よさ。
もうちょい静的なスタートかと思ってたのを、ここで気持ちよくぶん殴られた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

事件の鍵を握る絵画が両断され、一旦水入り…した後、さらなるハードアクション。
この二段ロケットのスピード感が、PART6のご挨拶としてなかなか鮮烈だった。
正直一息入れて、『こっからBPM落としてヒキかなー…』と油断してたから、ガンガンに煮やしてきてビックリ…その後嬉しくなっちゃったね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

同時に活劇に休符を入れたことで、物語を牽引する謎を落ち着いてみせる場面も作れていた。
ホームズの現状と、そこに寄り添う健気なリリィ。
再び、状況が発火する。
危険な現場から彼女を遠ざけんと名探偵が仕組んだ、優しい嘘
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/7oboDsKvls

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

一連のシーケンスで、リリィとホームズの関係性、現状の問題、ヒロインの聡明と健気はよく描かれていたと思う。
白紙の手紙を突きつけられて、青ざめた後真っ赤になって走り出す演出は、セリフがないからこそ雄弁な、とても良いシーンだった。リリィちゃん可愛いねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

名探偵は三年前に”なにか”があって、リリィを庇護する立場になった。
彼女との生活を続けるために興味のない仕事もこなし、それを少女は気に病んでいる。
そこに何らかの形で怪盗紳士も絡んでいることが、爆炎の邂逅によってジワリ、あぶり出しにされていく
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/L4Z7EMCQq0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ルパンとホームズに、そしてリリィにどんな因縁があるのか。
炎が封印を解いた少女の記憶には、何が刻まれているのか。
ド派手な爆炎すら軽やかに乗りこなす、空飛ぶ大泥棒と、誰かを守るために地面に足を付けた名探偵の対比。
過去が描かれる時が、今から楽しみである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

いやだって、ワトソンの名前を持つホームズの娘を挟んで、煤けた名探偵とご存知怪盗紳士が対峙してる構図、問答無用で面白いでしょ。
キャラ配置の骨格段階から匂い立つ面白さを、しっかり引き出してシリーズの口火を切ったのは、凄く良いな、と思う。何が始まるんだろうなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

複数組織が各々の思惑を抱き、周辺被害を気にせず暴れまくる、BPMの早いスタート。
あえてルパン一味を、高速回転する状況を見据える視点の一つに遠ざけたことで、話の真ん中にある謎のスケール感、そこから生まれる期待感が、上手く浮き彫りになったとも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

現状見えてる伏せ札は、ホームズの過去と謎の組織”レイヴン”。
こことルパンをどう繋いで、どんな物語を編んでいくか。
ここから紡がれていくPART6が、硝煙と炎、追憶と謀略に彩られた活劇となる予感が、しっかり届く第1話でした。
いやー、ロンドンよく燃えるなぁ…景気が良くて良いわい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

シリーズヒロインとなるだろうリリィちゃんが、大変好感の持てるキャラだとちゃんと解ったのも、非常にグッド。
聡明で健気なんだけども、感情表現豊か。
チラ見せされる謎でキャラの奥行きもあって、凄くいい感じだ。
ホームズの助手つう立場は、ルパン一味の愛弟子だったアミちゃんと面白い対比ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

比較的引いたカメラでロンドンのルパンを描くことで、ニヒルにお宝を追い銃弾を掻い潜る犯罪ビジネスマンとしての顔も際立って、そこも良かったですね。
やや苦味が強調された描画が最後、リリィを視界に捉えて追憶に甘く滲んで、さてその理由は…？
うーむ、続きがとても気になる。次回も楽しみッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ブルーピリオド：第3話『予備校・デビュー・オブ・ザ・デッド』感想ツイートまとめ

ブルーピリオドを見る。
三年生になった八虎と龍二は、美術予備校へと通い出す。
奇人、変人、そして天才。
新たな出会いは焦りと衝撃をもたらし、過ぎゆく時は鏨のように八虎を鍛えていく。
凡人で、何が好きかも解らず、レベルの低い自分。
思い知らされながら、藻掻く日々に入り交じる、陰りと光明

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな感じの群青色の青春絵巻、新章開幕の第3話である。
予備校という新しい環境で、アクの強い連中と付き合っていく中で八虎がどんな衝撃を受け、凹んで迷って何かを掴み、まーた迷って足掻く過程が、独特のテンポで描かれていた。
先の見えぬ影に投げ込まれたような絶望と、突如開ける視界。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

閉塞する自意識と、出会いによって爆破されていく道のり。
青く青く、絞れば青汁が取れるほどに真っ青な時代を共に進んでいく、悪友であり戦友でもある、堀の深い顔をした青年たち。
八虎のモノローグを色濃く拾いながら、そんな群像が何処か爽やかに、スケッチされていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

チェック柄着た一見冴えないボーイ、世田助くんが初めてやったスケッチは圧倒的で、八虎は真っ黒な闇の中に投げ込まれる。
ぐうの音もひり出せないほどに、圧倒的な実力。
相手を神様の粋に押し込めて、自分のプライドを守りたくなる才能。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/WUMpqt5FEI

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そうして凹めている事自体が、貪欲でポジティブな心の現れだと、龍二は蹴りと一緒に八虎に教える。
通過していく車のヘッドライトを上手く使って、どん詰まりだった八虎の心が何で解放され、人との出会いが何を生み出すかが、上手くライトアップされていく演出だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

絵を描く前、優等生ノルマをこなせてしまっていた時代は遠巻きに見つめる珍獣だった龍二とは、絵に向き合う真摯さ、美術部という場を共有する仲間として、既に何かが通じている。
合わないな、嫌だな、という第一印象をひょいと越えて、手を差し伸べてしまう奇妙な引力。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それは八虎の周囲にある恒星系を、不可思議に動かす見えない縁だ。
自分にだけ青く見えた渋谷を肯定してもらって、そのとおりに描いて理解ってもらったときから、八虎は出会いやメッセージに対して、感受性を開いた。
他人に対して閉じて守るのではなく、窓を開けて飛び出す生き方に踏み出した。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

龍二もそれを感じ取ったから、凸凹奇妙に噛み合わない仲間が凹んでいる時に、風と光を蹴り渡したのだろう。
前回母の肖像を描くことで、その手の傷に気付いたように。
この藻の語りの登場人物は、描くことで窓を開けて、外に繋がり内側に何かを取り込んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

賢いからこそ八虎は様々なことを考え、それはたった一人でいれば引力に惹かれて落下し、容易に腐敗していく。
絵画と出会い、導かれて出逢った誰かに横っ面を張り飛ばされることで、八虎の世界は換気をして、思念が腐敗していくのを避けていける。
暗闇に光が差し込み、風が吹く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

豪快で声がデカい大葉先生、おさげの美術変態・橋田。
予備校での日々が流れる中で、八虎は色んな人と出会い、新しい可能性を探っていく。
自分のレベルの低さを思い知らされ、そこからどう抜け出せばいいか迷いつつ、一つ、また一つ、新しい窓を開けていく。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/onekPB5yD4

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

美術鑑賞を食事に例える見巧者・橋田の言葉…それを届けてくれる出会いに助けられて、八虎はもう一回、影から抜けていく。
『絵はこう見なければいけない』という思い込み。
美術と縁遠かった、経験値の少なさ。
求められるまま不良も優等生もこなせてしまう、空白の自我。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

本気で描くことは小手先の技術ではなく、否応なく人格をキャンバスに引っ張り出される。
広い美術館でどう過ごしたものか迷い、自分の空っぽさを思い知るのは、八虎が本気で描こうと藻掻き、世界と自意識が擦れ生まれた火花が、その周囲を焼いているからだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それは熱いし痛い経験だが、むき出しの生が自分に迫ってくる体験を忘れられないから…青い渋谷と天使のウィンクに呪われたから、八虎はお母さんの信頼を勝ち取って、予備校にも通っている。
そういう真っ直ぐさは、躊躇いつつも世田助に接近し、その面倒くさい人格を超えて触れ合う試みにも現れている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

八虎が余計なおせっかいをして、世田助くんと美術館に行こうと思ったから、そこに橋田も同行した。
そうして生まれた縁が、凝り固まった美術の味方を爆破し、絵が瞳の中に入ってくる経験…”好き”という光が目の前に広がる瞬間を、八虎に届ける。
何かを求めて無様に手を伸ばす行為は、思わず報われる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

しかしそれは、誰かが求めるレールの上を走れば必ず与えられる報酬ではなく、どんな形で実を結ぶかは判らない。
だからこそ、様々なものに窓を開き、全てをかっ喰らって自分の舌で判断する。
体験で”好き”を肥やして、それを絵筆にフィードバックしていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

『”好き”を探せ』という大葉先生の指導は非常に的確で、学び導かれる子供たちだけでなく、教え広げる大人の書き方も、優れた作品である。
佐伯先生が夏休みの課題として、スクラップブックを含めていたのも、興味領域を広げ自分を深堀りする、インプットの入れ物を育てる一環と言えるだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ぶち壊されて、繋がって広がる。
そんな体験は必ずしも美術には直結しておらず、泣きじゃくる友人の隣に煙草を差し出す、気まずく重たい空気が生み出したりもする。
八虎が探していた”好き”を、龍二は世界から唯一自分を守ってくれる鎧に定めようとする。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/hJ9ZXARFE7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

都合のいい檻の中に存在を閉じ込め、反りが合わなければ、優しさを装って跳ね除ける。
男でも女でもないフェアリーとして、己のシビアな人生には関係しない、浮遊した便利な王子様。
”好き”を追えば普通から遊離するしかない青年が、魂の奥底から絞り出すうめき声。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

八虎はそこに、気の利いた答えを差し出すことは出来ない。
芸術の輩としてだけでなく、人間としてレベルの低い自分を思い知らされて、深く沈んでいくだけだ。
でもそこで、解ったフリができない…龍二を相手にそういう事をしないように変わった彼の誠実が、やっぱり僕は好きである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

誰かが好き、何かが好き。
十人十色の願望が、龍二を守り泣かせる。
好きを貫こうとすることで、女子に扉越しワーキャーだけ言われて、人間味のある赤い血を誰にも受け止めてもらえない、妖精扱いに遠ざけられる。
否。
龍二が絞り出した血潮を、ただ隣り合って聞いてくれる青年は、確かに一人いた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それが、自分の非才を思い知らされる出会いに凹んでいた青年に、蹴りと一緒に元気をくれた恩返しなのか。
そういうシンプルな貸し借りで、計算しきれない奇妙な人間模様の、一つのスケッチか。
泣きじゃくっていた龍二は、ケロリと舌を出して新しい恋に踊る。
軽妙に、王子様のように、妖精のように。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そうやって、シリアスに傷ついていない自分を、グチャグチャの感情の奥底から引っ張り出して強気に演じる彼が、僕は好きだ。
そうせざるを得ないほどに、包囲され追い込まれ、それでも”好き”を捨てないために、殺されないために戦い続けている彼が。
その深奥に迫るのは、まだ先のお話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

明瞭に順位がつく、夏休みのコンクール。
八虎の天使が、下から五番目だった厳しい場所。
不安に突き動かされ、あるいは恍惚に震えながら、青年たちはキャンバスに向かう。
眉間を苦しくしかめながら、パクリ上等と足掻き、描き、歯を食いしばる。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/bM0fKzBuyV

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

パレットナイフに押し付けられた赤…そこに籠もる過剰な力が、答えが見えないまま藻掻く八虎の”今”を上手く象徴していて、好きなクローズアップだ。
それは何かをもたらすかも知れないし、無駄に終わるかも知れない。
努力と運命がどこに至るかなんて誰にも判らないまま、それでも足掻く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

その先にしか道がないと、頭で理解れるくらいには八虎は賢く、だからこそその檻をぶっ壊さないと、先には進みきれない。
ここら辺の資質と課題も、大葉先生は絵と人間観察、対話を通じてよく見抜いている。
越えられるよう、適切に方向づけする技量も高い。いい先生だよなーホント。好きだわ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

自分ではピンとこない、努力の結晶。
藻掻いているはずなのに何も掴めないなら、誰かに引っ張り上げて貰うしかない。
例えば、畏れつつ憧れている、隣の席の天才とか。
そんな甘えたSOSを、世田助は全力で蹴り飛ばす。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/zdXzDeFQEU

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

芸の表面を掬っただけの、真実を欠片も見抜いていないミメーシス。
真向向き合っての言葉は、ナイフよりも鋭く八虎に突き刺さる。
それがどん詰まりを切開する青春手術となるか、全てを終わらせる致命打となるか。
出会いも変化も、望んだ通りになんざ転がっちゃくれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それでも八虎は七転八倒藻掻きまくって、誰かに出会い、何かに己を開き、誰かの手を取っていくのだ。
出来る、やるべきと信じたことに、必死に突き進んで大間違いして、思わぬヒントに突き刺されて、たどり着いたと思ったら足を踏み外し、そこを踏みしめて這い上がる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな本気の足掻きが、実は八虎以外の誰かにぶつかって、何かを壊し何かを変えてもいると、静かにスケッチする回でした。
とにかく花守ゆみりが圧倒的で、フェアリックな女装男子…というラベルを引っ剥がして滲む魂の血の色が、重たくも爽やかでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

今後もこんな風にゴツゴツ、他人と表現と自分と世界にぶつかり、擦り傷だらけに転がっていく青春模様。
まずは世田助に爆弾投げつけられた八虎が、どう壊れてどう治るか…なかなかの正念場です。
ホントよたクン、戯れが出来ない抜身のナイフ人間のまま突っ走るからな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

小器用に自分を抑え込んで、人間関係の海を泳げてしまう八虎が否応なく惹かれる天才がこういう造形なのも、良い対比だよなー。
反りが合わないからこそ擦れあい、燃え盛る青春の火花。
それが照らす群像は、まだまだ泥濘を必死に走る。
先に待つのは何なのか、次回も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ヴィジュアルプリズン：第2話『シャルムの輪廻』感想ツイートまとめ

ヴィジュアルプリズンを見る。
吸血鬼たちの赤き饗宴、ヴィジュアルプリズンに出逢ってしまったダンピールの少年、アンジュ。
道を定められぬまま、旧きもの達に導かれて、闇のルールを知っていく。
檻に囚われるか、魂を歌うか。
悩める青年の爪弾く音が、今運命の欠片と出会う…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そんな感じの第1話はいきなり殴ってすまなかった！ 普通の言葉で説明するから！！ な詫び第二話である。
世界観とか話の目的とか主人公の状況とか、第1話で取りこぼした所を、プライベート紹介兼ねつつ展開していくエピソードである。
このままぶっ飛ばすかと思ってたが、早めにフォローが入って安心！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

化粧と話のペースを落としてみると、様々な掟と宿命が折り重なるゴシックな世界観が、グイと立ち上がってきた。
結晶化した心臓が時を止め、永遠を活きるからこそ情熱を求める。
永生者の物語に必要な哀しみと熱量が、トンチキをしっかり裏打ちしてきて大変良かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ベスの詠唱に代表されるオカルト要素も、結構適切に盛り込んできてグッドナイス。
月の祝福の証たる宝石を、グラスに沈めて魔法をかけることで、吸血衝動を抑える魔薬を生み出すシーケンスとか、いい具合に妖しくて良かった。
ステージの外側でも、ちゃんと独特の面白さ、魅力があるのは良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ステージ衣装をまとわないからこそ説明できるもの、ペースダウンして語るべきものがしっかり届いて、いい感じの第2話でした。
吸血ニュービーたるアンジュくんを、優しく導くイヴおにーさんの態度が柔らかくて、全体的にフワッとした雰囲気だったの良かったな。
私服はドエロだがな！ 何アレ！（興奮）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

つーわけで褐色の誘惑・イヴおにーさん達と同居することになったアンジュくん。
吸血鬼の長い歴史とか、自分自身の立場とかをじっくり理解しつつ、原宿を彷徨うことになる。
一つ、人間の血を吸うべからず。
二つ、ヴァンパイアの秘密を明かすべからず。
背けば心臓を砕く、二つの掟。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

超越者なのに不自由で、醜いからこそ美しい。
吸血鬼の物語でぜひ触って欲しい要素が、今回ガリガリ全面に出ていてよかった。
やっぱ魅力的なパラドクスこそが、美しい怪物の物語を輝かせるよなー…。
半端者のダンピールなのに、最も旧き血を受け継いでる主人公の造形とか、完全に”理解って”る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

なーんも知らないアンジュに説明する体で、色んな情報が補強されていたけど。
生身の心臓を残すがゆえに、時の刻みをまだ己に宿すダンピールを前に、永遠に幼きベス様が複雑な感情を一瞬見せてたの、大変良かった。
無様に食事など取らない貴種、美しさだけを求める耽美の権化。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そう嘯いて強がっても、未だ凍りきらぬ心臓が温もりを求める。
やっぱねぇ…都会の闇に潜む紅き貴族たちのお話をやるってんなら、そういう部分はガツガツ踏み込んでほしいわけ。
『ヴァンパイアは、偽りを歌わない』
ギルがそう言い続けるのも、このアニメが想いの物語だからだと思うし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

アンジュくんはそういう複雑な感情をまだ知らない、ぽややーっとした思春期ボーイ。
その純情が、複雑怪奇な檻に囚われためんどくせー年寄り共を、ズブズブ溶かしていったり、純白だからこそのピュアな出会いを輝かせたりもしそうで、大変いい感じです。
音が導き惹かれ合うラストのヒキ、最高ですよ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

アンジュくんが繊細ながらも結構図太くて、物怖じせず他人と接するタイプなのは大変好みである。お礼もちゃんと言えるし。
ここで躊躇われると、ただでさえ入ってくのが難しいヴィジュアルトンチキ伝奇のハードルが上がって、余計な足踏みが増えるからな…。
結構ズケズケ進むのは、大変良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

でもこと歌に関しては、瞳を伏せてナイーブに思い悩む。
果たして自分は歌って良いのか、何を歌うべきなのか。
少年の揺れる思いに、既に音を捨てたはずの男は思わず身を乗り出し、助言を与えてしまう。
『俺にはカンケーねぇ…』って面してるくせに、めっちゃ面倒見るギル様好きよ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

露骨なサービスでシャワーしてたギルの、体に刻まれた烙印。
イヴが語る二つの掟に重ねて描かれたってことは、ギルはその名前のとおり、許されざる大罪を犯し歌を喪った…のだろう。
吸血鬼内恋愛市か許されてないのって、相当寂しい種族だよなーヴァンパイア…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

アンジュくんが暴走させた吸血衝動って、獣めいた暴力であると同時に、迸る感情、啜らざるを得ない想いの発露でもあろうし。
そこに枷をはめて、人と鬼を離すことが果して、人を守ることなのか。
ECLIPSEが体現する法と秩序、LOS†EDENが燃やす混沌の炎。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

二大バンドがわかりやすく、LAWとCHAOSのアライメント・バトルを背負ってくれることで、『吸血種はどう活きるべきか』つうグランドテーマも、ビビッと際立ってくる。
もっと知能指数低い感じでぶっ飛ばすかと思ってた所に、『色々思い悩むことがある。吸血鬼だし』と示したのは、正直嬉しいね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

あ、相手が無力な新人の間は超イキってたのに、実力を向けられると途端にヘロヘロしだすジャックくんは、最高に三下可愛かったです。
夜の街をオープンカーでぶっ飛ばす、仲良しLOS†EDENでもハブられがちだったしな…。
今後も元気に空回りして、場を明るくしていただきたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

あとヴィジュアルプリズンが発生する時期を”実りの秋が深まる頃”と表現して、安易に”ハロウィン”て言わなかったの、オカルト的詩情と奥ゆかしさがあって、大変良かったですね。
色んな習俗が混ざり合って、経済産業化までしちゃった結果、儀礼としての源流がサッパリ判らんなってる秋の終わり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ポップなカボチャオバケとは少し違った、旧く長い血脈の祭りとして、ヴィジュアルプリズンはある。
やってることは聴衆熱狂のV系ギグであるが、古い伝統がその源流にあると台詞回しで示すの、大変グッドです。
変な所がちゃんとしてる。
心に刺さる怪作には、そういう部分頑張って欲しいワケ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ディミトリ様が特に理由も説明もなく裸だったり、ベス魂のお歌が唐突に挿入されたり。
トンチキ要素は相変わらず元気ですが、悩めるアンジュを中心に『なぜ歌うのか』という核を掘り下げ、その周囲を彩る吸血鬼文化を柔らかく説明する、良いエピソードでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

夜の貴族としてバチバチ殺し合いしても可笑しくなさそうな舞台で、化粧外すとかなり物分り良く、人当たり優しく吸血鬼が触れ合ってる姿が、なんかホッコリして良いんだよな…。
タレ目が可愛いイヴはご飯作ってくれるし、ベスはぶちぶち言いつつちゃんと色々教えて、薬も作ってくれるし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

憂愁なる『俺は歌わない…』スタイルを崩さないギル様も、アンジュの憧れを跳ね除けず、凍りついた心臓を動かす可能性に、結構真っ直ぐ向き合ってくれてるしな。
耽美な世界観とヴィジュアルなのに、そういう当たり前の人情がホッコリ温かいギャップは、この作品のチャームポイントだと思います。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

アンジュがダンピールという己のルーツ、音楽という己の魂にずっと向き合ってて、なんだかんだ話の背骨はスックと伸びてるところも、大変いいです。
10の輝石を集め、己の望みを月に捧げるヴィジュアルプリズンのルールも、わかりやすく説明されたしね。
アンジュを救ったイヴの石は、誰由来かしらね…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ギルが差し出した鍵を受け取り、廃墟に爪弾く魂の音。
それを受け取った新たなる可能性が、物語に一体何をもたらすのか。
主人公バンド”O★Z”結成までの物語としても、なかなかいい感じに転がってきました。
一度きりの青春、何に委ねるべきか迷う定命の若人と、永遠を活きるヴァンパイア。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

アンジュが背負うものと、彼を取り巻く世界やキャラの対比がやっぱ、いい具合に鮮明なんだなこの話…。
主役は物語のエンジンであり、アンジュくんがかなりいい仕上がりでバンド青春物語やってくれてるの、今後に期待が持てて大変いいです。
廃墟の出会いは、紅い夜に何をもたらすか。
次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

しかしバンドバトルをやらなくても、一話に一回は楽曲で殴るスタイルは良いな、やっぱ。
サブタイにもなってる”シャルムの輪廻”はイスラエルのシャルム王…ではなくおそらくフランス語のcharme（魅力、魔力）。
聴衆を惹き付ける歌の魔力は、ギルからアンジェへと輪廻していく…ってところか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

追記
アンジュくん良い主人公なんだが、一つ注文つけると、ギルとV系に惹かれる理由になったよるべなさをもうちょい具体的に、エピソードに絡めて見せてほしいかな。
いや、思春期の憂鬱というのは理由ないもので、だからこそ普遍的で詩的ってのも判るんだが。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

彼の居心地の悪さって、『異質に飾り立てられた世界観を演じ必要とする”V”がなぜ、主に思春期の少年少女を惹き付けるのか』っていう、結構コアな部分にも触れてくるネタだと思うんよね。
ギルに惹かれる思いの強さも裏打ちされるし、展開に余裕ができたら一つ二つ、具体的な過去描写欲しいわね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

白い砂のアクアトープ：第15話『ウミウシ大論戦』感想ツイートまとめ

白い砂のアクアトープを見る。
企画展のアイデア出しを求められたくくるは、ウミウシ展示に向けて奔走する。
飼育難易度の高いウミウシを、どう展示可能な状況に持っていくか。
顧客・従業員・生物の狭間で迷走するくくるの背に、のしかかる重圧。
果たして展示は成功するのか！？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そんな感じの企画担当海咲野くくる、地獄の修行時代第二弾、アクアトープ第15話である。
”ウミウシ展示”という具体性のあるお仕事を巡って、色んな部署と正しさの間でヒーヒー言わされるくくる。
その苦労と手応えが、グッと前に張り出してくるようなエピソードとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ウミウシ展示は、資金も施設も整ったティンガーラだからこそ出来ること。
つまり第2クールだからこそ展開できる物語で、そういう意味でも手応えがあった。
生き物大好きなくくるが採取と飼育の現場に踏み込んでいくことで、取り戻される輝き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

諏訪副館長とギャーギャー言い合いつつ、企画に足を置くからこそ見えてくるもの。
色んな人の助けで企画を成功に近づいていく過程で、くくるからちょっと遠い場所の人間模様も見えてきて、見てる側の視界が広がるエピソードだったと思う。
あとウミウシくんが可愛くて、大変良かったです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

というわけで、相変わらず部下の顔を見ねー冷血上司の無茶振りから、物語は始まる。
諏訪さんは大きなヴィジョンを持って、営業と企画…顧客に直接接する部門こそがティンガーラのバイタルパートだと、信じているのだろうけど。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/4Y1aq6m58o

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

何しろそれを説明も共有しないので、仕事を振られるくくるとしては、訳のわかんないまま反発が貯まる。
ここで毒抜きと橋渡しをやってくれるのが風花で、頭に血が上ったくくるが思い至らない良さを思い出し、笑顔を取り戻させてくれる。
ホント、一人だったら潰れてたな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

今回くくるは部署をまたいで走り回り、生物、従業員、顧客…”水族館”に関わる多様な価値観全部とぶつかり合う。
そこには、後に島袋さんが述べるように答えはない。
何を優先し、何を大事に”仕事”を進めていくのか。
自分の大事なものと向き合いながら、選び責任を背負っていくしか無い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

諏訪さんも信念があって営業最優先の生き様を選び取っているんだろうが、その途中経過、仕事の先にあるヴィジョンを他者と共有する努力を置き去りに、キーボードを叩き続ける。
ビジネスの中にある人間、人間がいてこそのビジネス。
おじいが多分一番に見ていたものを、置き去りにしてるように見える。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ここを切り崩して、諏訪さんの内側に入っていくのが第2クールのくくる、最大のミッションになるだろうけども。
第1クールで描かれたように、くくるもまだまだ未熟であり、だからこそ周囲の助けが大事になる。
…でもそのサポーターも人間、当然未熟な部分もあるのよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

今回くくるの奮戦に絡める形で、櫂くんが飼育部でちょっとずつ地歩を固めていく様子、自分の得意技を見つけていく様子も描かれる。
冒頭段階では特に言うこともなかったバックヤードツアーの喋りは、Cパートで回収されることになる。
彼の強みは、くくるや比嘉くん、島袋さんのような生物愛ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

幼馴染が好きで好きで、進路をそっちに寄せてまで傍にいようとする想いが、彼の武器となる。
過剰な仕事量、上司のフォロー欠如と、厳しい状況に置かれたくくるがそれでも潰れず邁進できるのは、彼や風花のサポートあってのことだ。
自分もペンギンの面倒見つつ、遠くのオフィスを見上げて気にかける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

サラリと描写される風花のくくるLOVEが、重力強すぎて時折怖い。
でもこんぐらい強く感情を傾けて、くくるを守り支えてるから、困難を超えて己を作りあげるビルドゥングス・ロマンの背骨も、太く支えられてる感じか。
それにしたって好き過ぎて怖いがなッ！！（最高）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

諏訪の冷淡な態度にもめげず、くくるは即座に山盛りアイデアを出し、ウミウシ展示へと突き進んでいく。
思いのこもった手作りの企画書、トンチキな同僚のヘンテコアドバイス。
なかなか上手く行かない恋路と、麦わら帽子の満点笑顔。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/oNJpjRkION

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

仕事にエンジンかかって加速していく様子は、具体的で色んな事が起きてて、面白い手応えがある。
食性に伴う飼育の難しさとか、研究と展示が繋がってる水族館の特性とか、分解能の細やかな描写がさらっと展開すると、やっぱりいい感じだな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

何でも魚で例える比嘉くんの、トンチキながら同僚思いの歩み寄りとか、くくる以外の人間関係もちょこちょこ進展してきてて。
櫂くんの仕事と恋がサブラインになることで、エピソードに立体感でてたのは良いな、と思う。
まぁ成就までは、かなり時間かかりそうだけどね…頑張れ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

あと書類仕事で鬱屈してたくくるが、海に飛び出しツナギで武装し、一番好きなこと好きなだけやってる時の輝きが眩しく、大変良かった。
やっぱこの子のエンジンは『海と動物が好き！』なんだな。
だから無給餌展示にも理由なく反対するし、島袋さんとも心が通じる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

まず生きてる動物を見据えるアニミズムは、経済活動重点な島袋さんには一番遠いもので、確かな説得力がある真理でもある。
水族館に関わる人や動物、全部が本当で、どれも置き去りには出来ない。
しかし効率的に経済する以上、優先順位を付け、決断の責任を果たさなければいけない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

くくるが今回、疑問の入り口に立った問題は水族館で働く人、全てに共通する難問だ。
諏訪さんも凝り固まった自分の答えを崩して、他人の顔を見なきゃいけない立場…なんだが、とにかく壁が分厚くてなぁ…。
がまがまの顛末を見ると、彼の営業至上主義もまた、真理の一部は突いとるのよな。難しいね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

とまれくくるは、自分の見つけた答えを信じて猛ダッシュ。
ウミウシの食性も、飼育部との折衝も、バックヤードツアーで顧客に与える満足も、全部ド新人が頑張ります！
…周囲はもうちょい、サポートしたげなさいッ！
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/nwvLgGN0Hu

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

今くくるが間を取り持ってる、各要素との折衝って多分、もうちょい上のレイヤーで俯瞰的に見守りながら調整しなきゃいけない事で。
そのためにはより良いコミュニケーション、円滑な意思疎通が絶対不可欠なんだけども、個性の強いメンツはよれば触れば衝突ばかり、がまがま閥への風当たりも強い…と。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

トラウマ抜けきんない空也さんのヤバ対応、半歩間違えると性差別になるのがマジ厄介だよな…。
家族的ながまがまだと、事情を察して手心加えてくれるものが、効率化されたティンガーラだと『いや、個人的偏見でしょそれ。仕事に持ち込むなや…』ともなるのは、大変難しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ここら辺、物理的に間に立ってる風花が潤滑油になって、雪解けしてくところかなー、という印象だけども。
かつて手をついばまれた経験値と、笑顔で五寸釘ぶっ刺してくる知夢への牽制が入り混じった『手早くやるのがコツでーす』は、なかなか好きなタイプの笑い。
風花、結構イイ性格よね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

現状くくるにフォーカスして話が進んでいるので、彼女に理不尽に色んな重荷が背負わされているようにも見えるが。
彼女にビシバシ仕事を回してる諏訪さんが、一体どんなタスクとミッションを背負ってるか描かれる時が、一つの分水嶺かなー、と思ったりもする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

水族館という場、それ自体を世話し生き残らせる経済飼育員だけに、見えている景色。
それをくくるが覗き込むには、まだまだ地力が足らないから、現状こういう書き方にもなってる印象。
部署間、従業員間の連携が良くなって、仕事にもなれて面白さが見えて…諏訪さんの荷物が見えるのは、その後かなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

塩コーヒーで幼馴染を労い、ストレス発散に振るわれる拳を掴んでしまう櫂くんの純情は、やはり見てると肌が潤う。
つーか幼年期から当たり前にあったからこそ、風花に比べ支えられてる特別感がないくくる、かなり”罪”な感じするよね…。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/n6WZyt0OIl

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

既に出来上がっていて、小さく変化していく関係性もあれば。
新たにぶつかり、生まれていく距離感もある。
島袋さんと水生生物バカどうし、本音を叩きつけ合う飼育水槽前の語らいは、作品のコアテーマにも隣接していて、とても良かった。
誰かが分かり合っていく様子は、やっぱ見てて嬉しい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

生物の幸福だけを考えれば、水族館には意味など無い。
それでも生物を捉え、閉じ込め、育み、見せる意味はどこにあるのか。
彼女の問いかけは、無邪気な”好き”で突き進むくくる（と、彼女を主役にする物語）に、とても大事なものを突きつける。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

諏訪さんも第13話で告げていた、水族館の存在意義。
展示、研究、保護、レクリエーション。
そのどれもが大事で、しかし何処か重点を選ばなければ、理想は形になっていかない。
島袋さんは啓蒙の入口として、諏訪さんは理想を成し遂げるためのビジネスとして、ティンガーラを見ている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そういうデカいヴィジョンを、現状のくくるは持ち得ない。
『視野が狭すぎる！』と言われる”生き物が好き！”は、しかし生き物を扱う”仕事”の根っこに置かなければ、とても危うい事態を引き起こす大事な思いだ。
島袋さんも、それが判るからがまがまの新参にコード越し、手を差し伸べる気になるのだろう

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

島袋さんの大きすぎる視界と、くくるの狭すぎる目線。
それがぶつかり合うものではないと分かり合って、展示は各部署の意見を折衝した成功へと落ち着いていく。
どうしても、餌を食べないウミウシは展示できない。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/3Xp7ghzG2d

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そうくくるが食い下がる時、諏訪さんはキーボードを叩いてはいない。
相変わらずPCに映る数字だけを見て、飼育部が向き合う命の意味を見据えてはいないけども、プランクトンの譲れぬ意志が少し、動かぬ壁を動かした…のか。
それは未だ解らぬが、飼育部の実力者とは確かに、通じ合うものがあった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

解らぬこと、通じ合えぬことばかりと思えた新しい”仕事”に、小さな変化を感じつつ、くくるのウミウシ展示は盛況に終わっていく。
具体的に何が難しく、どこが問題なのか。
それを越えていく工夫と努力が、何を生み出すか。
具体的な描写が、確かな手応えを伝えるエピソードでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

Cパートで櫂くんなりの強みと、その周辺の人間模様などもスケッチしつつ、ティンガーラの毎日は過ぎていく。
比嘉くんがトンチキ善良なのはありがたいが、空也さんのクセの強さ…それを是正する気の無さはまー、今後の火種になりそうね。
（画像は"白い砂のアクアトープ"第15話より引用） pic.twitter.com/3oUlOW6qxK

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

命の重さと真摯に向き合い、”好き”で繋がるくくると島袋さんを書いた後に、そのくくるが”好き”って気持ちを仕事に生かした櫂くんに繋げる運び、何度もいうけど群像劇に立体感が出て好きだな。
色んな人がぶつかり、分かりあい、支え合いながら、進んでいく”仕事”。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そこでくくる達は何に悩み、何を掴むのか。
諏訪さんが見てるものって、おそらくおじいががまがまと一緒に心中したものであり、第1クールではくくるに片鱗しか見せなかったモノなんだよな…。
無理難題をこなしつつ、営業部で頑張る中でくくるも、かつて見えなかった景色を理解していくのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

諏訪さんの数字至上主義が何処から来て、なぜ目の前の命や人間を無視しているとも、取れる振る舞いをしてるのか。
今回スケッチされた人間模様が転がる中で、そこら辺も今後、彫り込まれてくるでしょう。
新天地でくくるがどういう”仕事”をしてるか、手応えのある回でした。
次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

サクガン：第2話『GOOD DAY, GOOD BYE』感想ツイートまとめ

サクガンを見る。
ウォルシュ親子の屍を越え、メメンプーとガガンバーは街を襲ったカイジュウを迎え撃つ。
不慣れな機体に翻弄されつつも、呼吸を一つに掴み取った明日。
哀しみに別れを告げ、目指すのは脳裏に焼き付いた輝き。
危険に満ちたラビリンスへ、親子の旅が遂に始まる！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

そんな感じのサクガン第2話、アクション満載の序章完結である。
大変良かった。
主役ロボ・ビッグトニーがどういうキャラクターを持ってるのか、怪獣進撃の大ピンチをキャンバスに雄弁に語ってくる話の組み立て。
危機だからこそ映えるキャラの個性と、否応なく押し寄せる”死”との向き合い方。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

序章後半に見ておきたいものがみっしりと詰まった、とても良い第2話でした。
腕をブンブン振り回し、コミカルに必死に危機に立ち向かうビッグトニーが、大変可愛らしい鋼鉄の相棒と描けていました。
旅モノなんで、物言わぬ道連れがどういうキャラなのか、ちゃんと解ってスタートするのは良いよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

というわけで、前半はカイジュウとのド迫力バトルである。
ワイヤーを活かした立体機動、ヴィークルモードでの高速移動、削岩機という特性を活かしたドリルによるキメと、豊かな表情をアクションの中で見せてくれる。
（画像は"サクガン"第2話より引用） pic.twitter.com/j0LjuqqmnN

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ビッグトニーは兵器というより作業重機、岩盤世界の生活に密着したマシーンである。
色んな状況に対応できるようギミックが沢山積まれていて、思わぬ機能でピンチを乗り越えていく。
この面白さが、カイジュウとの被害甚大追いかけっこの中強調されていたのは、とても良かったと思う。人間臭いよね…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

危機の中でキャラが見えてくるのは人間も同じで、親父は思わぬ修羅場慣れを、娘は天性の頭脳を、それぞれ生かして阿吽の呼吸、強大な敵に立ち向かっていく。
”疾風のガガンバー”は、一体何を失って今のぼんくらになってしまったのか？
それでもなお、ビッグトニーを隠していたのはなぜか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

今後に繋がりそうな疑問も、いい具合に湧き上がってくる。
メメンプーちゃんの天才設定が書き割りで終わらず、ちゃんと身のある賢さとして状況を前に勧めていくのも、ドラマとキャラと描写が噛み合っている感じで、大変良い。
最初はブルって、だんだん修羅場に馴染んでいく描写も生っぽい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

年相応に弱々しい部分と、天賦の才が（オデコと一緒に）ピカッと光る部分が共存してて、そこがキャラと作品の魅力になっとるかなー、という印象だ。
色々抱えたダメ親父と合わせて、素直に『頑張れ！』って思える主役なのは、大変ありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

隊長の帰還を信じて、ウォルシュを待つ舞台の連中に、ガガンバーが”死”の現実を伝え、一か八かの仇討ちを止めるシーンは、地味に良かった。
そういうリアリティでもって、この残酷な世界を彼は生きてるし、他の人間を生かそうとするんだなー、ということが腑に落ちた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ガガンバーが喪失の先にある現実に生存者を向き合わせた結果、ゲートは開いてカイジュウは倒される。
知恵と勇気と友情、ヒーロー物語のような勝利の後にも、当たり前の現実は続いていく。
派手なアクションが収まり、クールダウンしていく世界の温度。
（画像は"サクガン"第2話より引用） pic.twitter.com/Mwcgly5x7A

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

Bパートは作り込んだ世界観、そこに漂う生活臭が心地よく香って、凄く好みの描写だった。
ヒロイックな戦いの後には地道な復興（現実を無視した、当局のプロパガンダ込み）が続くし、書類と手続きが活劇の後に待っている。
そういうものを経て、初めて死の痛みが、旅立ちの代価が現実に着地していく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

ラビリンスに赴くメーカーが市民権放棄を代償にしてる描写とか、ウォルシュ隊がリーダーの死を手続き化した上で乗り越えていく様子とか、『この世界では、こう』っていう演出が多くて、”匂い”があった。
こういう所をしっかりやってくれると、世界観が肌に馴染んでありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

作品全体の味わいとしては、西部開拓モノのテイストが軽く交じるのかなーと、市民権放棄の所見つつ思った。
停滞して安全な都市の暮らしと、危険まみれのフロンティア。
夢に挑むには代償が必要で、活きるか死ぬかは保証されない。
それでも親子は、ビッグトニーに揺られて進んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

起動が大変だったフットペダルを、天才メメンプーちゃんは改造して”次”に備える。
その浮かれた仕草に込められた哀しみを、親父（と視聴者）はしっかり感じ取っている。
死と別れが当たり前の世界なんだけども、人間の柔らかな気持ちは、いつまで経っても喪失には慣れない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

旅立ちの準備をすすめるワクワク感で、胸に突き刺さった哀しみを押し流せない愛娘に、視線をあわせて差し出す遺品。
喪われたものとしっかり向き合わなければ、未来へは進めない。
それが、何もかもハンパなダメ親父、人生の教訓である。
（画像は"サクガン"第2話より引用） pic.twitter.com/dpJVI5V4Pl

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

親父が無理を言って回収してもらったネックレスが…それを対等な立場で差し出し、大事なことをしっかり伝える仕草が、メメンプーに堪えた涙を流させるのだが。
ガガンバー自身は、そういう儀式とカタルシスを経ていないから、ハンパな所で止まってもいるのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

己の譲れぬ夢へ進むための、大事なお別れ。
メメンプー主役で作品世界が”死”をどう扱うか、その手触りを教えつつ、その描写は新たな疑問へと繋がっている。
このドラマの広がりは、とても良いなーと見ながら思った。
ガガンバーの過去、メメンプーの未来。
凄く、知りたくなるのよね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

かくして明日も知らぬ未踏地へと、ビッグトニーは進みだしていく。
予防接種のように後悔と喪失にしっかり向き合った、メメンプーを切り取るカメラには屈折がない。
あくまでモニターの反射、不確かな虚像として描かれる父とは大違いだ。
（画像は"サクガン"第2話より引用） pic.twitter.com/Z57mHUtuaw

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

それでも二人は操縦士と管制官、命を託し合う相棒として、ラビリンスに突き進んでいく。
見果てぬ夢が、置いてけぼりにした後悔が、隣り合わせの死と栄光が、待ち構えるフロンティア。
そこに挑んでいく親子がどんな絆で繋がっていて、どんな顔をしているのか。
良く見える旅立ちでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日

第2話までで序章終了…という感じだとは思うのですが、コクのある世界観、応援したくなる主役、熱のあるアクションにドラマと、掴みはバッチリオッケー！ であります。
街を背に荒野に進みだした二人を、待ち受ける物語とはどんなものか。次回も楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月15日