イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

中世哲学を学ぶ人へ

中村純男、加藤雅人、世界思想社。複数筆者によるプラトンからスコラ哲学までの中世哲学入門書。まず構成がいい。時代ごとに区切るのではなく、各テーマごとに章を切り、その専門家が執筆を担当するスタイルは、可読性が高く同時に議論のレベルも引き上げる。入門書ながら、手抜きも甘えのない鋭い論考が展開されているなかなかよい本。
それとはまったく別に、「神の子供として全能な人間」を信じられた中世を資料として眺める価値はあっても、噛み締め血と肉に変える作業は僕にはどうにも合わないようだ。結局人間嫌い、自分嫌いということだろうか。