イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

スワガー・サーガ

スティーブン・ハンター。「極大射程」「ブラックライト」「狩りのとき」の三シリーズだから、息子のほうのスワガー−ボブ・ザ・ネイラー−の物語だ。何度目の再読になるかは判らないが、やはり面白い。
それは僕が拳銃が好きという事もあるが、やはりボブ・リーの卓越したキャラクター性にあるのだろう。典型的なアメリカン・マッチョのようでありながら、凄まじく頭が切れ、忍耐力があり、失った場所へのいえぬ傷を抱え続ける、世界最高のスナイパー。ヴェトナム最高の戦士であり、良いどれになり、サーガにて巨大な存在と単身レミントンM700で切りあう。
だが、それは単純なガンアクションではもちろん無い。ミステリとしての深い構造、サブ・キャラクターの造形の上手さ、そして、父親ボブ・リーと家族との物語。小説としての根っこがしっかりしているからこそ、何よりも強力で強烈な面白さを、このスナイパー・ミステリは持っているのだ。僕にとってアメリカンヒーローは小説版「ランボー」のジョン・ランボーと「ワイルド・バンチ」のあの男達。そして、何よりもボブ・ザ・ネイラーなのだ。ライフルそのものである男。それ故に、強大な危機を切り抜け、かわいいニッキを胸に抱いて退場することが出来た男。
何度目の再読になるかは判らない。それほどまでに、僕はこの本が好きで、とても楽しく読んでいるのだということを、改めて思い知らされた。