イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

絶対可憐チルドレン 10

椎名高志小学館。椎名先生のヒジョーに昔のサンデーっぽいエスパー漫画の十巻目。エスパーモノなので、ノーマルの味方をすることも、エスパーの立場に立つこともどちらも正解ではない漫画。ので一見敵っぽく見える"パンドラ"もわかり易い悪役ではなく、それなりの理と理不尽があるわけです。ので、メインストーリーもゆるゆると迷走気味に進む漫画なのですよ。
しかしま、そういうエピの間にドタヴァタとしたゆるーい日常コメディーを挟むのも椎名先生の得意手。そしてそれが面白いと着ているのだから困ったものです流石ベテラン。南の国の話で「エスパー能力で使うレアメタル武器」が出てきた瞬間、GSとか幽白とかがバトルマンガになって漫画の軸と終わりどころを見失っていった歴史が映像の世紀のテーマソングと共に流れたしましたが。結局それは杞憂で、このマンガの軸は折れることなく、だらだらした日常コメディーと、80’sなエスパー/ノーマルSFなワケです。
んで。エスパーサイドである"パンドラ"もノーマルサイドである"バベル"も等しく理と理不尽を抱えているわけで。色々と味付けされているものの、いい塩梅に子供である三人娘に突きつけるにはキッツいネタももりもり出てきます。ここら辺、マン・オーバーマンの境目を書く上で重要ですからねシリアスさは。週サンだとしてもけして抜いてはいけないところで、まぁそこらへん流石にわかっている。
兵部の過去とか、日本軍エスパー部隊とか、色々とろくでもない部分がそろそろ描写されてきて、そっちの方向にもじわじわと煮込まれてきた漫画です。とにかくバランス感覚が図抜けていて、安定感が凄い。いい漫画だ。