イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

メグとセロン 1

時雨沢圭一、メディアワークス。続くのかー終わるのかー、というスッゲェ宙ぶらりんな状況で終わった前作を結局すっぱり切り始まったよシグサワ先生の新作。でも世界観は同じ、ヤングなボーイとガールがミーツなのも同じ。それはとてもとても良いことよ。うむうむ。上下巻確定であり、上巻であるこの巻では全然話進みません。
思わず尻を蹴っ飛ばしたくなるへたれトレイズの代わりに、クールなナイスガイセロンくんが主役に。シグサワのキャラ造形はやっぱ見事ですね。ラノベはキャラから話が生える構造なワケで、主役の骨が話しの骨になる。そういう意味で、セロン君は非常にいいキャラだと思います。共感も出来るし、行動に爽やかさがある。
そんでもって。そのセロン君とミーツしたメグちゃんはスー・ベー・イルっ娘であり。爽やかな残酷つうもう一本の骨があるシグサワ作品の、そっち側がいやおう無しに匂う造形ですね。この世界観は国家・民族対立をかなり容赦なくやる小説で、今回の展開もそこらへんをうまーく匂わせて、興味をガシガシ引き立てるグッドナイス。
学園の日常描写オンリーに思わせて、絶対なんかあるだろう、と魅せるつくりはとにかく巧い。シグサワ先生は火薬と血の乾いた匂いと、クールで爽やかな人物の描写が混じったところが味で。今回は後者が前面に出るかな、と思いつつやっぱり匂う。キャラもいいし、新シリーズはいい滑り出しをしましたね。とっても楽しみナリ。