イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 21/05/28 BBT『黒と赤』

昨日は田中くんに、BBTを遊んでもらいました。

シナリオタイトル:黒と赤 システム:BBT GM:田中くん

新米くん:”御標の伝令”七五三 令真:18才男性:神格=チャンピオン:DF 絶対の神託”御標”を信奉する、とある教団の伝令。下知される指令を実現するべく、心を凍らせ神造機械となっている。時には震える人間性を見せもする、心優しき神の炎。
加照さん:”F”斑鳩有頂天:16才男性:増殖体=作られた怪物:AT メルキセデクによって作られた、怒りの感情の人造集積体。燃え盛る憤怒に首輪を付けれるはずもなく、自由を求めて脱走。今はより善く怒るべく、夜と昼の狭間を彷徨っている。
ヌエッピさん:”示すもの”標道流:年齢不詳無性:都市伝説:SP 本来存在しない場所に付き立ち、人を導きせき止める道路標識。道に迷ったものに導きを与え、既に道を見つけたものは見守る。
つゆくささん:”M-10:アルテミス”神楽澪:19才女性:着装者=キラーエリート:AT 猫と友達が好きなごくごく普通の女子大生…なのだが、鋼鉄の殺戮者となりうる機甲を手に入れ、数奇な運命に巻き込まれた。着装者として”機動”すると、凍てついた戦闘マシーンめいた冷酷さを示す。
コバヤシ:”サグジガミ”小栗栖もりあ:28才女性:メディア:SP ボカロ黎明期に一瞬”神”だった栄光を忘れられず、サブカル界隈の端っこにくすぶってるダメ大人。その実実際に祟り神の転生であり、尊大な自意識と卑小な人の身のギャップに苦しんだ末、すっかりカスになってしまった。

というメンバーで、恐怖と怒りの感情を支配するドミネーターに挑んでまいりました。
田中くんはBBTで高速セッションをする方法を色々模索(既にショートシナリオ200本超!)していて、このシナリオもその一環です。オープニングとミドルフェイズを大胆にかっ飛ばすそのゲーム体験がどんなもんか気にかかって、一緒に遊ばせてもらいました。大変面白かった。
シナリオとしては物語の導入を自分で選んで、途中の交流もあった体でいきなりのクライマックス直前から開始、という形。BBTの世界観やシステム、ゲーム体験がしっかりと体に染み付いているメンバーだったため、ここら辺の呼吸はすでに自分たちの中にあって、『そういうもん』として共有できています。
なのでいきなり最終局面直前から始めても、後出しで物語の中心に居座るに足りる”何か”を捻出することは可能……というか、ひねり出すのがむしろ面白い環境になっております。この煮込まれた状況を利して、参加人数を減らすことなく、戦闘を簡略化することなく高速化を可能にしている感じ。
昨今のシステムトレンドは『早く、軽く、面白く』だと思うので、一世代(二世代?)前のゲームであるBBTをそっちでチューニングすると肝心なところがとぶというか、わざわざBBTでやる意味が薄くもなります。
田中くんも周りの方々もBBT大好きで、BBTやりたいから卓立ててるわけで、どう味を残したまま身を削っていくかっていうチューニングは難しいと思いますが、手応えのある凝った戦闘含め、非常にBBTの醍醐味を味わえるセッションとなりました。

ミドルフェイズがないためPC間の絡みは難しいかと思いきや、FEARゲーの偉大な発明”PC間絆”が上手く機能して、どういう関係性で出会い、衝突し、理解りあったかのガイドを引くのは楽でした。
僕は令真と澪に絆が繋がっていたのですが、お二人共こちらの投げた玉をしっかり打ち返してくれ、また取りやすい所に自分の要望や疑問を投げかけてくれて、満ち足りたコミュニケーションが出来ました。つゆくささんとははじめましてだったのですが、自分のやりたい事、分からないことを的確にこちらに預けて返答を待ってくれるプレイングで、大変遊びやすかったです。
PC間絆を超えた対角線の掛け合いは発生しづらいですが、そこの壁のデカさが逆にロールを適度に制限する効果も生んでいて、時短セッションという目的によく合致していると思いました。やっぱ色々工夫をすると、しっかり機能するもんだぁな、TRPGという体験のデザイニングは。

というわけで、大変面白く、また勉強になるセッションでした。田中くんはBBTに対する信心と熱意が本当に凄くて、ミーハーにシステム乗り換えながら一番早くて軽くて新しくて楽しい体験を探しまくってる自分とは、また違う”芯”があるなー、と関心でした。
同卓していただいた方、ありがとうございました。