色づく世界の明日から：第11話『欠けていく月』感想ツイートまとめ

色づく世界の明日から　を見る。
写真イケメンも面倒くさいあさぎちゃんも殴り倒して、唯翔くんとラブラブ文化祭にレディーGO!…な空気はキャンセルです！
時を捻じ曲げる対価は、時間からの排斥。それを避けるべく、あるべきものをあるべき場所に。
あまりに急過ぎる別れを前に、少年少女の心が軋む

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そんな感じの終盤戦、トレンディドラマ力がグングン増すラス前である。
将くんとかあさぎちゃんとか、周囲の枝葉を丁寧に切り落として、さてどう取り回すかなと思っていたら、離別をメインで持ってきた。
時の摂理を弄って成立してる話なので、そこ殴りに行くのは正しいよなぁ、確かに…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

琥珀の魔法に無理があることは、既に第8話で描かれていた。バラを再び咲かせる魔法に見えたほころびは、予感どおり瞳美に襲いかかる。
あの時琥珀だけが見ていた景色が、瞳美をキャンバスに全員に可視化された形、と言えるか。避けがたい離別が、子供たちを琥珀の領域まで（強制的に）引き上げる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

琥珀は非常に大人びた、完成度の高い人格の持ち主だ。第8話の彫り込みが良かったので、そこら辺の足腰の強さは良く見える。
青春ど真ん中の部員とはちょっと違う景色を、一人先走ってみている頼もしさ。それが幼い頃に時間を止めた瞳美を、メインで見てくれるありがたみにも繋がっていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

今回もそういう成長のギャップはしっかり根を張っていて、瞳美は時間魔法の歪みを、自分の問題として受け止められない。
”時間の淡い”に閉じ込められる、ある種の死。それは他でもない瞳美自身
に襲いかかるのに、気になっているのは眼の前の友人、恋しい男。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ある意味等身大の視野の狭さであり、ここら辺の生っぽい感じを上手く泥を落として綺麗に食わせる手腕が、このアニメの特色とも言える。
魔法という設定、圧倒的に美麗な美術でもって、巧く現実感を剥奪して、凄くありふれた身の丈の子供たちを、泥っぽさを拔いて見せてくる手腕。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

それがこのアニメ独特のフワッと掴みどころのない、しかし見ていると楽しい視聴感覚を産んでいる。
夢っぽいのにどこか生臭く、確かな手応えがある。このミスマッチを成立させている、思春期心理への解像度、一塊にまとまった部活の中の小さな波風は、今回も元気に動き回る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

例えば千草とあさぎの、理性VS感情な衝突。いかにも男と女の間にありそうな溝がドカンと衝突して、あさぎちゃんが泣きダッシュで飛び出す。
そのまま放置したら『女は得だよな～ケッ』と悪態も出そうなところだが、あさぎちゃんは自分で反省して、千草の冷たい理性を自分のものにする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

こういう感じで、リアリティを生み出す生っぽい理不尽と、それを一話の中で秩序立てて整理するストレスコントロールの両立は、今っぽいとも言えるし、この作品独自の味わいだとも言える。
後引いて楽しいもんでもないんで、スパッと解決するのは正しい印象。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

無論引くべきところは引いていて、琥珀は今回、今まで見せなかった身の丈の小ささを露わにする。
無敵のスーパーヒーローだったはずの彼女は今回、出来ない苦しさ、時間のなさに追い立てられていく。それは瞳美の属性だったはずだが、大人びた琥珀もまだ少女、当然届かない場所もある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そこに（瞳美にとっての琥珀のように）助け舟を出すのが、魔法屋のニーちゃんである。こんないい役なら、もうちょい存在感出しておいてよ！
彼が色々アドバイスをすることで、琥珀の空回りはなんとかグリップを手に入れ、なんか状況がうまく行きそうな感じも出てくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

彼は瞳美にとっての唯翔くんでもあんのかなぁ…と、少し考える。
琥珀のパートナー…瞳美の祖父は気になる問題として暗示されつつ、今まで光を当てられなかった。どっかにヒントがないか、鵜の目鷹の目探していたわけだけども、『闇の中、光をくれる存在』が恋の相手として大事にされてるこの話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

瞳美のメンターである琥珀のメンターとなった兄ちゃんが、特権的なポジションをもっていくのは結構納得がいく。出番で言うと、ぽっと出のポッと野郎なんだけどさ。
ここら辺は後に答え合わせがあるかもしれないし、ないかもしれない。全ては未来に帰った後、かな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

瞳美の幼い他人事感、消失に琥珀だけが必死になってる（その処方箋として、未来帰還を焦る）描写は、作品に『難病モノ』の気配を連れてくる。
患者自身は平穏に日常を送れていて、少しずつ問題も解決してきて、唐突にリミットが来る。
理不尽な別れを既に予感していた大人と、運命に翻弄される子供。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

冒頭、瞳美と向き合ったことで変化した部員を描く筆が、喪失の寂しさを強調する。
時空魔法はタイムトラベル・ジュブナイルを成立させる劇的装置であると同時に、回避不能なリミットを用意し、決断と感情の熱量を上げる障害ともなるわけだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ここで状況対応の処方箋を探すのが琥珀で、瞳美自身は徹底的に自分の内面、形にならない恋に悩み続けるのが、『難病モノ』感を更に強めている。
患者は、自分の病気を前に無力だ。そういう難しいことは医者に任せて、個人が立ち向かえる個人的な感情相手に、必死に頑張る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そういうすみ分けはメンターとメンティ、姉と妹、祖母と孫、大人と子供に分割されていた二人の少女、これまでの描写の延長線上にある。
まぁ実際しんどいのは瞳美当人ちゃんだし、最後の大魔法を完成させることでトラウマ克服、自己肯定感アップ、色彩獲得！　っていう流れではあるのだろうけども。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

主治医・琥珀が『他人に頼る』という成長を見せ、必死に走り回る中。
瞳美ちゃんはヒロインっぽく意識を失ったり、紙飛行機に思いを載せたり、電灯のモールス信号で思いを伝えたり、抱けー！抱けー！抱いたー！！　したりしてた。
シチュエーションと絵面のエモさで全てを押し流す勝負、嫌いじゃないぜ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

将くんを完膚なきまでにぶっ倒し、その余波で拗れたあさぎちゃんの面倒くささもちゃんと描写した結果、唯翔くんの”唯”一性は非常に強くなってる。
いなくなった瞳美ちゃんという”問題”に答えを出すのも彼だし、瞳美ちゃんが未来に帰りたがらないのも、唯翔くんと離れるからだし。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ここら辺は”色彩”をテーマに、画家とか魔法使いとかアーティスティックな人種をメインに据えた運びが、非常に生きているところだ。
本来アート的感性に満ちていた瞳美ちゃんには、”色”が絶対に必要だ。それをくれたのは、同じくアート的感性を持ち、美麗な色合いをキャンバスに焼き付ける唯翔くん。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

未来に帰還するということは、瞳美ちゃんが手に入れた唯一の色彩を奪われる、ということだ。彼女の成功体験が、軒並み色彩を必要とする美術的体験でもあるのは、巧い作りである。
アナタは私の色／イロ。アーティスティックな意味合いと、セクシャルな意味合いがここで重なってくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そんな心を表現する演出もまた、ロマンス極振りのエモ勝負であり、少し懐かしい風情もあった。
『携帯電話使え！』とツッコみたくもなるが、技術的ノスタルジーを巧みに使いこなすのもこのアニメの特色。
電灯のモールス信号、思いを載せて翔ぶ紙飛行機。すこしアナログなメディアが、思いを際立たせる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

一回目の飛行機（琥珀と一緒に取り戻した、魔法能力の証明）は真っ直ぐに飛び、二度目の飛行機は空に迷う。でもそれは、唯翔くんからの歩み寄りを反映し、彼の居場所を迷わず教えてくれる。
回り道こそが近道で、真実にたどり着くための歩み。色々まどろっこしいこのアニメに、相応しい表現だった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

思いを伝えるメディアのまどろっこしさは、瞳美ちゃんの当事者意識のなさ、幼さを巧く肯定しているように、僕には見えた。
眼の前に迫る次元追放、それを回避するための未来帰還という、シリアスな問題。瞳美ちゃんはそれを前に、フラフラ恋に迷う。
恋愛蝶々かオメー、主治医の気持ちを考えろ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

しかしここで色の意味を再び抱きしめ、60年前の世界に迷い込んだからこそ見つけた温もりを確認するのは、とても大事なことだ。
色彩を失い、母を奪われた世界で死んだように生きていくことは、瞳美ちゃんにとって楽しいことではなかった。ただ息をしていることが、”生きて”いることと＝ではない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

となれば、物理的に離れたとしても”色”を持ち続けていられるかが、瞳美ちゃんの問題となる。
あまりに巨大な時間の摂理、恋人たちを引き離す潮の流れに、打ち勝てるほどの巨大な答え。永遠の色彩をどう心に刻み、物語を決着させるのか。
描くべきは、やっぱりそこである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そういう作品のセントラルクエスチョンと、そこに挑むアプローチを暗がりの中でじっくり描くエピソードだったと思います。
メインカップルである瞳美と唯翔くんのやり方だけでなく、小さな身の丈に震えつつ、なんとか家族を幸福にしようとする琥珀の背伸びもしっかり描いてくれたのは、とても良かった

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

アーティスト達の胡乱な歩みと、賢すぎる子供の実証主義的アプローチ。少し食い違って、でも確かな思いで結びついた祈りが、どういう奇跡を呼ぶのか。
青い紙飛行機の導きで、しっかり確かめた想いの熱さを胸に、少年少女は避けがたい離別に、どう向き合うのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

最終回に向けて、お話の構造がクリアに見えてきました。根本的には、非常にシンプルな恋愛ジュブナイルであり、個性と友情の話なんだな。
琥珀の理性的なキャラが感性主義に流れそうなところを抑えて、いいバランスに仕上げてるアニメだ。
さて風雲急、時を超えたロマンスはどうなるか。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

うちのメイドがウザすぎる！：第11話『うちのメイドと開かずの部屋』感想ツイートまとめ

うちのメイドがウザすぎる！　を見る。
愛、悲しみ、そして変態。色々あったうざメイドも、残すところ二話。終わってない原作を終わらせるべく、最終エピソード前編行くぞッ！
という塩梅の、現状確認と強めなヒキのお話。いやー、ぶっちゃけ取って付けたシリアスだけども、終わるためには大事よね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そんなわけで、最後にママンとの絆を掘ることになったうざメイド。
いかに賢く優しい子だとしても、あの年で離婚・再婚・死別のコンボを経験するのは当然しんどく、ママンが優しい人であればなおのこと。
今まで見て見ぬふりをすることで、コメディの体勢が整ってた部分を掘り下げる形…なのかな？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

冒頭、第一話アバンを再演する思い出シーンから入ったところで、『ああ、終わるんだなぁ』という実感は強くなった。
ペド女郎が腹筋の”圧”で幼女を追い込むシチュエーションのために、常識とか人情とか置き去りにしてきたこのアニメであるが、基本目はいい。話を収めるために何をするか、良く見ている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

喪失から始まった物語であるなら、その喪失に向き合うことで終わるべきだ。物語の開始が、喪失の大きさを印象づけているならなおのこと。
というわけで、ママンが抜けた穴を変態腹筋メイドがどんだけ埋めてきたかを、じっくり追うエピソードとなる。幼女三人キャッキャウフフでな！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

実際のところ、微笑ましいお泊まり会はつばめが（どす汚れて身勝手な欲望は一旦横において）いろいろ働きかけた結果である。
あのうざメイドがいなければ、ミーシャちゃんは学校にも行ってないし、友だちもできていない。母親の死から動けず、悲哀にまみれて凍死していただろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そこから強引に動かすつばめのパワーと賢さ、（自分の欲望を客観的に見れない致命的血管を無視すれば）常識的な視座は、これまでも描かれてきた。
今回客人二人の狼藉を、足跡二つ見ただけで見抜き、即座に泥をかぶりに行くような賢さは、いきなり生まれたわけではない。知能指数の高いサイコ女め…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そういうものに癒やされ、楽しいことに向き合ってお母さんを忘れていく。それは喜ばしい雪解けであり、同時に少し悲しいことでもある。
これを『掃除されていない部屋、掃除してはいけない部屋』で上手くまとめたのは、綺麗な詩学、物語的フェティシズムの扱いが上手い展開だった。詩情と説得力がある

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

こういう綺麗なエモの作り方が上手いからこそ、ド変態のクソエゴイストが好き勝手絶頂ぶっこくエグい展開も、妙に爽やかに飲み込める。
作品の奇っ怪な強さを、最後を飾るエピソードでちゃんとぶん回してくる辺り、やっぱりオーソドックスな強さに目が開いているアニメだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ミーシャがつばめから受け取ったもの、つばめが開けたミーシャの心を確認するように、今回の拒絶漫才はテンポが良く、あんまガチな感じがしない。
ある種遊戯的に、つばめの人格を認めながらツンツンしている感じが、上手く出ていた。そういうところに絆されるから、良いように漬け込まれるんだよ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

しかしつばめが自分の都合しか考えない超絶エゴエゴ妄想人間なのは、都合良すぎるキャフフ妄想でもよく判る。
他人の心というものを斟酌せず、自分に都合の良い解釈で世界を渡っていける実力がなまじっかあるところが、あの女が人間の心を理解できない最大の壁である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ずっとそういう塩梅で暮らしてるんだから、ミーシャちゃんだって心の一番ナイーブな場所、ママンの死を当然預けはしないし、その資格もない。
今回ラストの離別は、当然っちゃあ当然ではある。あるんだがまぁ、（その欲望はさておき）つばめの行動が、ミーシャの為になっていたのもまた事実なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ミーシャちゃんは賢いので、つばめが自分に与えたのがキモい欲望だけでなく、世界への扉、楽しい友達、新しい体験なのには気づいている。
でもそこで新しい女を受け入れてしまったら、優しいママンのことを忘れて図太く生きているようで、なかなか認められないのだろう。優しすぎるのも考えものだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ここら辺のややこしい心理的綱引きを、上手くオンバランスに導いて大団円、となるのか。
一切変化しない怪物であることで、物語のエンジンであり続けたつばめが”人間”となるのか、はたまた怪物のまま落とし所を見つけるのか。
最後の運びをどう進めていくかは、とても気になるところだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

怪物であるつばめにミーシャとは別角度からぶち当たり、作品にいい塩梅のバランスを与えてきたみどりんが、起爆剤になるのかなぁ。
個人的にはあの人、この作品のMVPなんで、良い見せ場がほしいところだ。拗れた状況を加速させちゃった、友達二人もね。
ヤスヒロはまぁ、また蚊帳の外だろうな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

個人的にはここまで”怪物”として突き進んできたんだから、つばめには最後まで身勝手さを捨てず、人の心が分からんモンスターのままでいてほしい。
その怪物性を、怜悧な知性でもって強引に社会に接合して、無理くり生き延びている姿は、実はそんなに嫌いじゃない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ほんっと責任も自己決定権もない、母を失い傷ついてばかりの幼女に性欲たぎらせさえしなければ、生暖かく楽しく見守れるヤツではあるのだ。
まぁ人間性ハイエナのクソペド野郎なんで、そらぁ無理な相談なんだけどな。OPでミーシャちゃんが歌ってる内容が、あまりにも正鵠を射ている…畑亜貴先生は天才

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

わおす挨拶でだんだん馴染んでいった二人は、思い出を土足で踏みにじることで別れた。その涙はあまりに重たすぎて、最終回以外では扱えなかった母への愛、そのものだ。
それが表に出たってことは、ミーシャちゃんの時間が少し前に進んで、ママンとの距離、つばめとの距離も変わる…のかなぁ？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

怪物をどう収めてオチつけるかも含めて、なかなか次回が気になるエピソードでした。ミーシャちゃんが手に入れた幸福、つばめが（期せず）生み出した変化を、ハッピーにちゃんと描いたのも良かった。
クレバーな運びのド変態コメディが、どう落着するか。次回最終回、とても楽しみですね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

しかしミーシャ≒子グマで、ママンが母グマになんのは分かんだけども、井上喜久子声でクマネタやられると、どうしても 箱仲ユリーカを思い出す。
ペドフィリアは幼女を食べる！　そういう生き物！！（ショーック、ペドショック！！→即射殺）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風：第11話『ナランチャのエアロスミス』感想ツイートまとめ

ジョジョの奇妙な冒険　黄金の風を見る。
決戦は、炎の中で決着する。お互い譲れないものを抱え、喉笛を狙い合う決死のバトル。強敵・ホルマジオを相手に、甘いマスクのナランチャ・ギルガ、その”覚悟”が試される。
買い物するのも命がけ、ギャング稼業も楽じゃない。だからこそ、男の中の男を目指して

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

というわけで！　気合を入れて三週連続、ナランチャ大好きな僕ちゃんの夢を叶えてくれてアニメスタッフありがと～！　な、VSホルマジオ決着ゥゥゥゥ！　なエピソードである。
過去回想の切れ味、覚悟VS覚悟の終盤戦、炎の中の決着と、全てがイカして最高であった。ありがとう、本当にありがとう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

やっぱり五部アニメ、オリジンは前倒しで見せる方向らしく、ナランチャの起源もしっかりと描かれた。
母を失い、父にも兄貴と呼んだ人にも裏切られ、寄る辺なく絶望の淵に沈んだ少年。ドス暗い闇から引っ張り上げるのがブチャラティなのは、アバッキオとよく似てる。ホントなんでペロペロ人間に…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

”マトモな生まれ”のナランチャは、帰るべきホームも暖かい家族も、望めば手に入る…わけではない。
おそらく母の愛情を強く受けて、だからこそ家族のぬくもりを強く望んだ彼は、父から離れてなお”兄貴”に心酔し、また裏切られる。
未だ幼さの残る彼は、どこかで体重を預けられる保護者を求めている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

真実”兄”と”、”父”と信頼できる男は、怒りを正しく使える男だった。
金髪の兄貴のように、自分に都合よく嘘を並べ立て暗い闇に引きずり落とすのではなく。
傷ついたものに癒やしを、飢えたものに食事を与え、”悪”に憧れるのであれば怒りを込めて拒絶できる、黒髪の男。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

髪を金髪に染めることでドブにハマったナランチャが、元の黒髪を取り戻し”黒髪の兄貴”に出会う流れは、なかなか示唆的である。
彼を待ち受ける人生の闇と光は、表舞台から程遠い路地裏で展開する。
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/62MlIl5c5c

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

母を守ってくれなかった父に反発し、”兄貴”と楽しく暮らしている間は、裏路地はまだ明るい。
そこでの絆が欺瞞と悪意に満ちていたと気づき、もう自分を支えるもの、癒やすもの、命をつなぐ希望が一切なくなってしまったナランチャは、無明の闇に落ちていく。出口のない、色の濃い闇。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そこにフーゴが通りかかり、自分の領域に引っ張り上げる。
表通り、陽のあたる風景、人生は捨てたもんじゃないと思える場所。
眼病を病んだナランチャが、”見る”スタンドであるエアロ・スミスを発現させたのは、とても示唆的だ
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/XhueVDql6x

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ナランチャにとって眼の病は、けして逃げることが出来ない血の定め、母を地獄に引っ張っていった薄暗い闇が未だ自分を狙っている証明だった。ただの体の傷ではない。
それは適切な治療を受けて、あっけなく治る。宿命などではない。マトモに手を差し伸べれば、ドブのような場所からでも這い出せる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そういう『マトモ』な希望と誇りを持っていた…だけではなく、分け与えることが出来たはずのブチャラティも、クソみたいな現実に飲み込まれ、夢を諦めかけていた。
そこに命を取り戻させたジョルノの”黄金の風”と同じものを、ナランチャはフーゴに、ブチャラティに感じたのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

眼病への癒やしと同じように、飢えへの回避、食事をマトモに取る権利の保証が色濃く描かれているのは、個人的な興味とも重なり、とても面白い。
それは飢えを満たすだけでなく、心を満たす。
誰かに守ってもらいたい、誇り高く生きて良いのだと保証したい。そういう乾きも、メシは癒やすのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ナランチャはグレた時、パンを盗む。口に入れるものを適切に扱えず、不当な手段で略取する。
それは”兄貴”に認めてもらいたかったからだが、差し出されたパンの対価は裏切りだった。結果、ナランチャはゴミを食べることになる
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

フーゴは泥にまみれたナランチャの尊厳を、マトモなレストランで、マトモなスパゲッティを食わせることで回復させたのだ。
ブチャラティも、その男気に惚れ込んだ仲間たちも、けしてその営みを笑わない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

飢えているものが満たされ、傷ついたものが癒やされる。
絶望から引っ張り上げて背筋を伸ばし、誇り高く生きる。
ただの女を自分の欲望のために殺したり、麻薬をバラまいたりはしない。
人が人として、当たり前に生きるための善を、少なくともこのときのブチャラティは、しっかり見据えていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

その輝きに憧れつつ、果たせないものがいる。どうにもならない現実の重たさに押し潰され、闇に沈んでいくものがいる。
しかしそこには、手が届く。美味そうなメシを、自分一人で貪るのではなく、飢えた兄弟のために当たり前に分け与える生き方を選ぶことが出来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

あのスパゲッティには、そういう希望が満ちていたのだと思う。宿命と諦めていた眼病が治ったのも、ナランチャの中に誇りと希望が蘇ったから、心の力が回復したからだろう。
そういうことを、当たり前にこなせる。ブチャラティくんほんと、なんでペロペロ人間に…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

食事が持つ心の治療効果、人間関係を繋ぐメディアとしての強さを見据えているという意味では、このエピソードは”甘々と稲妻”である。親子の話だしね！！
よーく見ると、つむぎちゃんとナランチャって似とらん？　似てないか…両方可愛いけどね！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ナランチャの人生が狂った母の死の床と、その人生が回復したブチャラティとの対話、両方に”水”が写っているのも、なかなか面白い。
あの時は母を助けてくれなかった潤いが、今の自分には届く。望めば眼を洗い、喉を潤せる
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

強敵として立ちふさがり、狂気に満ちた野望をブチまけるホルマジオが、水の誤った使用法を押し通すのも、納得の行く演出だ。
”悪”は食事を、潤いを、癒やしをないがしろにする。与えるべきものを奪い、他人を踏みつけにして恥じることはない。だから、たとえ絆の強さが似通っていても、不倶戴天なのだ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

死が眼前に迫る中、福島潤の怪演はまさに圧倒的な領域まで高まり、怪物的な”凄み”が宿っていた。ぶどぉーばたけだッ！
その口から垂れ流される、麻薬ルートの独占。ナランチャを苛んだ眼病と同じように、希望を腐らして闇に引きずり込むものを、暗殺者チームは強く求める。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

クモ博士みたいな博識を見るに、リトル・フィートとクモのコラボは、”手慣れた仕事”なのだろう。
先週突然の交通事故を演出したように、ホルマジオは自分のスタンドを使いこなし、悪人稼業をスマートにこなす。
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/YLIUbdXaDX

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

酒瓶の中の地獄を歪に描くアングルがキレッキレであるが、ナランチャは同じスタンド能力、同じ”悪”の生き方に見を投じつつ、その手綱を握ろうとする。
街を火の海にするのも躊躇わない、ギャングスタのスタイル。そこは似通っているとしても、クモは蹴り殺さないし、周辺被害も出さない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

さんざん小さくされたナランチャが、火を”デッカく”することで状況を制圧し、勝利を呼び込む対比と合わせて、主人公たちが対峙するべきもの、これまでジョジョが戦ってきたもののどす黒い顔は、よーく見える。
それは我々の隣人、ちょっとしたボタンの掛け違いで簡単に陥る、当たり前の闇なのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ジョジョの人間讃歌は、薄暗い場所に差し込む光を見据えている。
善も正義も勇気も、当たり前のはずなのにとても希少で、奇跡のようにしか手に入らない。世界はどす黒い闇で、欲望のために他人を踏みつけにするのが当たり前だ。
それでも、だからこそ、踏みにじらない生き方には意味がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ホルマジオは小さなナランチャを踏みつけにする。それはかつて”兄貴”に見捨てられ、社会のどす黒い怒りに追い立てられた過去、そのものだ。
同じことが出来る立場になったナランチャは、自分を追い詰めたクモを踏み潰さない。
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/ 集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会 pic.twitter.com/rbhtksZRvB

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

（まぁその後炎でボーボー燃やして、紫色のスタンド時空にぶっこむところがナランチャボーイなんだけども）怒りや暴力に手綱を付けて、自分の欲望を満たすためではなく、誰かの道を正し、飢えと心を満たすために使う。
そういう生き方を、自分と同じ黒髪の”兄貴”から、ナランチャは見て取ったのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

そういう魂の視力こそが、フーゴが見たし、ブチャラティが治したものなのかな、と思う。
先週のアニオリを見てわかるとおり、暗殺者チームとブチャラティチームは、とても良く似ている。人間を食いつぶす邪悪な蜘蛛は、世界のあらゆる場所にいるのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

しかしその毒に飲み込まれ、人間をやめて蜘蛛になってしまうものと、蜘蛛に取り囲まれつつも人間であり続けようと戦うものが、確かに分けられる。
それは個人個人の魂の資質と同時に、自分の持っている光を分け与え、満たし癒やす力、強さと優しさの同居が生み出す境界線なのだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

その一線を、超えるか超えないか。
運命と奇縁とも取れる出会いがあったからこそ、ナランチャは闇から這い出し、光の中で希望を見据えた。
炎の中の決着、マージでカッコいい。ほんと荒木先生『抜けよ…』な状況好きね。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

エアロ・スミスの眼をくらます炎の中でも、ナランチャは戦うべき敵を見間違えない。
自分を裏路地に追い込んだ幼さも愚かさも、頼れる”兄貴”を求める気持ちも消えてはいないけども、背中で人のあるべき生き様を語る仲間と出会ったことで、ナランチャは真実の”眼”を手に入れつつある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

その眼差しが敵を貫き、勝利を呼び込む。周りのにーちゃん達（年下含む）は冷たいけど、新入りは自分の戦いを褒め称え、認めてくれた。
父親との関係が破綻した結果、自己肯定感に飢えまくってるんだろうな、ナランチャボーイ…チョロいと嘲るには、ちと悲しすぎる心の持ち主…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

まぁ褒めてくれたジョルノは、危険な年上のアゴクイで激ヤバ領域なんですけどね。
これ公共の電波に乗せて大丈夫なのかな…アバッキオが過剰セクシー罪で逮捕とかされない？
ほんと五部は、セクシーの使い方が上手いなぁ。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

というわけで、強敵ホルマジオとの戦いに終止符が打たれ、甘いマスクのナランチャが抱え込んだ傷、未熟な魂、それでも”ギャングスタに憧れる”視線の熱さを、しっかり描くエピソードでした。
可愛く、かっこよく、少し悲しくとても熱くナランチャを描いてくれて、とても嬉しかったです。ホンマ好き…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

激戦が終わったと思ったら、即座に激ヤバシチュが”乱撃（ラッシュ）”しかけてくるのが、五部のいいところ。
次の戦場はポンペイッ！　暗殺チームを迎え撃つのはジョルノとアバッキオ、そして未だ正体不明なフーゴッ！！
んっん～、盛り上がるねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

今回の仕上がりを見ると、あのシーンとかあの見せ場とかもバッギャ～～ンッ！！！ とかっこよく決めてくれそうな期待がモリモリ高まり、非常に楽しみです。
やっぱ前倒しで暗殺チーム掘ったおかげで、ダンドリ感減ってるのすげぇ良いな。次なる強敵にむっちゃワクワクするわ。来週も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

追記　フード理論は粗もあるけど、やっぱ良い創作咀嚼サプリメントだと思う。

ジョジョ追記
エアロ・スミスを”見る”スタンドという側面で追ってたけども、今回瓶に閉じ込めあられて脱出する運びを見ると、”翔ぶ”スタンドでもあるんだな。
家という檻、監獄という地獄、路地裏の暗がり。そこから飛び立たせてくれた”黄金の風”を背に受けて、ナランチャは翔ぶ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

同時に”撃つ”スタンドでもあって、ぶっちぎりの攻撃性、周辺被害を躊躇わない（けど、最後の一線は守る）覚悟は、バルカン砲と爆弾として搭載されている。
『スタンドは心の力、キャラクターの魂を写す鏡』というルールを、とても上手く表現しているところが好きです、ナランチャ。他も全部好きッ！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

ヤッパほんとねぇ、『腹減ったガキにメシ食わせる』ってシチュエーションに弱すぎ。今期でいうとアンチくん。
なんでかねぇ…空腹感とその惨めさって、凄く身につまされる感覚だからかねぇ。『ナランチャの腹減りは俺の腹減りだッ！』って気分になって、思わず前のめりになっちゃう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

だからガキにご飯食べさせてくれる大人も自動的に好きになっちゃって、ブチャもキャリバーさんもだーいすき。
魂と尊厳の飢餓状態、それを救う食事を大事に描いてくれてるフィクションは、自分のセンサーと波長が重なるんで、ヤッパ好きですね。”七人の侍”とかね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月15日

からくりサーカス：第10話『フランシーヌ』感想ツイートまとめ

訂正

あ、からくり感想で『金』と『銀』が全部入れ替わっている。
すんません、ミスです。脳内で入れ替えて読んでください。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

本編

からくりサーカスを見る。
狂った道化は、人生を嘲笑う。運命は残酷に、愛と未来を奪う。背中の張り付いた双子のように、愛と憎しみはくるくる、くるくる、巡り巡って。
長い回想が終わり、旅が再び始まる。
銀の女と黒髪の男達、繰り返す愛憎の運命の源泉、狂気と渇望の原点を知り、その先へ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

つうわけでプラハ地獄絵図後編！　古川登志夫の怪演が唸りに唸る過去回想である。ワリを食って師匠の出番は減っちゃったけども、金銀フランシーヌ＆人形のもつれにもつれたカルマは、色濃く描写されていた。
犯人探しをすると『運命』になる辺り、ホントろくでもない回想だったな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

物語に置ける過去は、現在に繋がるからこそ描写される。
『黒髪で大柄なアジア人』という外見的にも、直情傾向で人形への憎悪の濃い内面的にも、金は鳴海の前世といえる。
彼の妻であるフランシーヌもまた、銀の髪と聖女めいた清潔さ、優しさはしろがねに通じている。最後髪を切るのは、変化の儀礼か。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

炎の中で願った『人形のようになって、あなたともう一度出会う。今度は、運命に負けない戦士の顔で』という祈りは、果たして叶うのか。
過去の悲劇とはまた違う形で、しろがねと鳴海は激しく運命に揉まれているけども、同じ地獄は繰り返されるのか。それとも、戦士の仮面が何かを変えるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ここら辺の重ね合わせと、人の思いを押し流す運命の強さを再確認するのが、今回の長い回想の大きな仕事だと言える。
悲劇の登場人物誰もが、悪意から始まったわけではない。簡単なすれ違い、人間が人間である以上避け得ない小さな間違いが、世界規模の悲劇を加速させていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

狂いきった銀の道化芝居を、古川登志夫の実力が見事に演じきっていた。
ベロを出し、嘲り、自分も他人も世界も嘲笑うことでしか、悲惨な運命を受け入れられなかった弱さ。それは人を愛する強さと同じく、人間にとっての宿痾なのだろう。
© 藤田和日郎・小学館 ／ ツインエンジン pic.twitter.com/K7Tn0bLAiJ

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

彼に対置される金も、道化の仮面を顔にまとい、愛を押し殺し憎悪に塗りつぶすことでしか、長い復讐の生を走ることが出来なかった。
愛から始まったものは、すべて狂っていく。その運命に悲しい終止符しか打てなかった男達の物語は、まだ終わってはいない。
© 藤田和日郎・小学館 ／ ツインエンジン pic.twitter.com/d7UJcGnnlf

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

人を笑顔にするのが、とんでもなくヘタ。仮面で涙を押し殺し、戦いの宿命に身命を賭す。
金銀兄弟の過去は鳴海と強く響き合っているが、しかし彼らは彼らの人生を生き抜いた、ひとりのキャラクターでもある。ここら辺のコクの強さ、描写の分厚さが、アニメの限られた尺では枷にもなるのが皮肉だなぁ…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

金は妻を奪った弟に殺意をぶつける時でも、刃を翻している。
銀は迫りくる脅威を前に、白刃をむき出しにしている。
狭い鉄格子越しにフランシーヌを抱きしめる、悲しい夫婦の営み。
狂気の果てに生み出した人形の首を絞める、狂った愛。
© 藤田和日郎・小学館 ／ ツインエンジン pic.twitter.com/teNHuJ68Mn

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

事程左様に、双子の兄弟の魂のあり方は相反し、しかし惹かれ合う。同じ女を愛し、それ故に憎み、己の感情を世界規模に肥大させていく。
幼い子供を苛むゾナハ病は、”誰かに笑って欲しい”という感情から生まれた。仲町サーカスの楽しい日常を支える、美しい想いが地獄を生む。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

綺麗なものは常に汚い結果と結びついていて、それは簡単には乗り越えられない。
金だって自分を井戸に溶かし、同じ被害者である村の生き残りを、人形殺しの人形、自分の憎悪によって駆動する傀儡に変えてしまった。
エゴはエゴを巻き込み、愛を憎しみに変えて、永遠に拡大を続けていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

銀の凶行を放置すれば、世界は笑わない人形のための、狂った劇場になってしまう。誰かの笑顔を守るため、愛する妻最後の祈りを叶えるために、同じ人形に、憎悪の塊に自分を変えていく。
そうすることでしか、身勝手な暴力に対抗する手段がない、人の身の悲しさ。そうすれば、暴力に対抗できる強さ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

様々な相反が掘り下げられる回想となった。
矛を止める武を極め、アクア・ウィータエを拒否して死んでいった師匠は、愛憎の輪廻から抜け出した聖者なのか。炎の中で幸福を祈ったフランシーヌのように、人は死ぬことでしかカルマから抜け出すことが出来ないのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

鳴海としろがね、二人の愛と戦いに重ねる形で描写される過去は、そういう作品の問いかけを、血と涙のインクで色濃く描く。
難しい、とても難しい問題だ。そらー解くまで43巻かかる。まーた出題者の藤田先生が、『世間で答えて言われてるの、ほんとに正解か？　裏がねぇか？』と悩むもんだからね…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

その裏腹で妥協のない掘り下げが、また楽しくお腹痛いわけだが。
他人を踏みにじることでしか”笑い”を感じられない銀が、殺戮人形のサーカスを生み出しちゃったところとか、本当に皮肉。
フランシーヌと兄さんと、思い出楽しい謝肉祭。火祭り、玉転がし、綱渡り。心の底から笑おうよ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

人肉の綱、肉塊の玉で演目を造った時、銀は大真面目にそういう気持ちだったんだと思う。
どれだけ歪んでも、どれだけ憎んでも、黄金のような思い出が人を縛り、愛ゆえに人を殺す。序章三人で過ごした日々を追い求め届かない、しろがねと鳴海にも通じる、愛おしさという名前の呪い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

フランシーヌを不貞による火刑に処した村人と、その復讐にやってきた銀がまーったくおんなじことやってるのが、皮肉に過ぎる。（というか、村人は金銀には手を出してはいない。共同体を、平和な日常と家族を守るための予防処置として焼いている）
© 藤田和日郎・小学館 ／ ツインエンジン pic.twitter.com/BCqodzS8XX

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

やられた理不尽をそのまま叩きつけてこその復讐であろうし、『仕方がない』は焚刑の言い訳にはならないわけだが、銀はやられてやり返すループに、積極的に踏み込んだ。
暴力の再演は狂気をはらみ、より強く、無差別に、残酷に加速していく。
いや銀くん、それ笑えないよマジ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ひっそりとフランシーヌへの性暴力、それを経験なキリスト教徒であり、夫への愛を神に誓ってしまった彼女が”死ぬほど”気に病んでいた様子も挿入されていた。
読んだ当時は分かんなかったけども、結構ダイレクトに語ってたな。大事なことだからな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

愛する女が自分を愛してくれない時、愛を叩きつけて犯すことでしか、自分を表せない。
想いが生まれる根源だけでなく、その表現の仕方こそが大事だというのは、『サーカス』という芸事を真ん中に据えたこのアニメでは、とても大事だ。
いや銀くん、それ笑えないよマジ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

銀に罵倒され犯されるたびに、フランシーヌはここにたどり着いてしまった運命の皮肉、たどり着かせてしまった自分の無力を嘆いたと思う。
一緒に笑って欲しい、愛して欲しいという銀の思いは、むき出しの刃になってフランシーヌの胎に突き刺さる。その冷たい痛みは、直接書かれないから酷い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

性の尊厳、神聖なる誓い。
カトリック教徒であり女性であるフランシーヌ独自の個性を尊重できず、自分のエゴで塗り重ねようとする銀の醜さ、酷さを強調する意味でも、性暴力への一瞬の言及は、かなり大事なことだと思う。
イヤほんと童貞拗らせるとひでーな…世界も好きな人も泥まみれじゃねーか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

長い髪は男を誘惑するものとされ、古今東西を問わず女の花であり、家庭（＝男の支配下）に入れば秘されるものであった。
それを切り捨て、来世を希うことでしか救済が訪れないフランシーヌの最期は、髪を切った戦士たるしろがねに重なるだけでなく、彼女自身の悲哀、女の哀しさを色濃く宿していた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

無論九年の時を飛び越え、出会った頃の髪型に戻す、という意味もあるのだろうが。
愛ゆえに出会い、愛ゆえにすれ違い傷つけあった時間が、まるで嘘のようにかき消えてくれたら良いと。己の身を削りながら、フランシーヌは幽き祈りを積み重ねる。
それは夢、儚いもの。それでも、人は祈る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

その清浄な祈りを受け止めきれず、全世界を巻き込んだぶっ殺し合いに発展させちゃうところが金銀ブラザーズのバカ！　弱虫！　もう知らないッ！　って感じである（からくりハイジ）
でもしょーがないじゃん、本気で好きだったんだから。
世界すべてを捧げても、君の笑顔には届かない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ハーレクイン・ロマンスなら良いセリフだけども、銀くんその根性でゾナハ病撒き散らし、人肉サーカス大回転だからな。
そのくせ自分の狂気にも染まりきれず、愛も忘れられず、生み出した人形を首絞めセックスした後に投げ捨てて、後始末もせず去っていく、と。
イヤほんと、笑えねーわ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

金ニーサンも妄執を世界に広げ、”人形を狩る人形”しろがねを生み出した。かくして愛は無残に散り、祈りは戦塵に汚されていく。
その果てに運命を受け取った男と男と女が、一体何をなし得るか。主役たちが受け取ったバトンの重たさが、より強さを増す回想でしたね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

アニメで再構築したことで取り落としたものは、当然たくさんある。俺もチャイナ・ホーと師匠の爆裂バトル、マジ見たかった！
しかし過去と現在、金と銀、兄弟と鳴海、フランシーヌとしろがねの対比構造が鮮明になり、乗り越えるべき課題がクリアに見えてくるのは、アニメ独特の面白さだとも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

これを活かし、鳴海が血みどろで走る”今”を、穏やかな日常に生きるしろがねの”今”を、どう駆動させていくか。
どうあがいても配られたカードで勝負するしかないなら、良い手役を狙ってほしい。そしてそれは、結構叶えられてんじゃないかなと思える仕上がりでした。面白いなぁ、このアニメ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

余談　女性崇拝。けがれなき白としてのフランシーヌと、それを汚したがる幼児としての男達。母の乳を求め続ける赤子と、それを受け止める聖母の構図。

余談（ちょいネタバレ）
『鳴海＝金、フランシーヌ＝しろがねだとすると、銀＝勝』という方程式の解は、今回の回想を掘ると見えてくる。
それを裏打ちするようにいろいろ衝撃の真実も顕になってくるわけども、僕の可愛い可愛い勝があの世界規模に迷惑なクソ童貞と＝なんてヤダヤダ！　という想いが強い

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

アニ勝マジ可愛いから、クソ横恋慕顔芸職人と同じ立ち位置ってのは悲しい…んだけども、銀とはまた別種のどす黒い感情が彼にもあるのは、先週描写されたとおりである。
天使なんて、どこにもいないのだ。どす黒い感情を兼ね備えてなお、善に向かえるからこそ人の尊さがある。https://t.co/QhfjISdfsS

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ここで銀色の清潔さ、人間のカルマを超越する聖性を”女”に担当してもらうのは、藤田先生らしいロマンティシズムだなぁ、と思う。
体を犯されてなお、貞淑の誓いを忘れなかったフランシーヌ。汚泥にまみれてなお輝く、美しい真珠。
その女性崇拝を古臭いと笑う人もいるだろうけども、僕は好きだな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

綺麗な聖女だけでなく、ブンブン暴れまわるババァとか、愛に狂ってエゴ叩きつけてくる狂女とか、”女”のいろんな側面を一つの話にいろいろ乗っけているからこそ、許されている崇拝でもあろう。
それは”男”もおんなじで、愛ゆえの妄執に囚われた罪人が、同時にそのカルマを乗り越える瞬間もしっかり描く

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ここら辺の複雑なバランスを作品内部、キャラクター内部、ドラマ、キャラクターの相関と、複数の次元でしっかり取っているところが、この作品の大河感、人間讃歌としての熱量を支えている気もするのだ。
人には色んな顔がある。過去と現在は照応し、因縁の糸は絡み、しかし同じ結論が出るとは限らない

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

銀も金もフランシーヌの祈りを蹴っ飛ばして、戦争へと”男らしく”向かってしまったように。
あるいは彼らの宿命を背負う三人が、また別の道へと歩み始めているように。
その歩みが、長い長い運命の糸/意図に操られ、縛り付けられているように。
色んなものが裏腹で、強く惹かれ合い、結びついている。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

そういうお話に『からくり』と付けたのは、まぁやっぱ天才だな、と思ったりもする。
銀くんのクレイジー童貞力を悲しいかな引き継ぐ立場にある勝が、今回見せたドス黒さをどう背負い、自分の答えを出していくか。注目のしどころだろう。
ほんっと勝ちゃんは、ああいう大人になっちゃダメだかんね！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

追記　錬金術書としての”からくりサーカス”試論

からくり追記
錬金術において”結婚”とは、本来結びつかない無機物が融合し、新たな化合物が生まれる現象も意味する。
なので金銀フランシーヌの愛と性、婚礼の誓いが無茶苦茶に失敗する過去編は、不完全なアマルガムから発生したガスが周辺被害をもたらした”不幸な結婚”とも読める。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

とすれば、正反対に思えた男と女、その間をつなぐ子供が過酷な運命に巻き込まれ、己を見失い二度と結合できないままに彷徨う物語は、”幸福な結婚”を求める旅路となる。
その果てにあるのが赤きティンクトラ、賢者の石、”柔らかい石”であることは、言うまでもない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

女性原理と男性原理の融和により、より善き人格、神に向かって恥じることのない赤子としての魂を生み出すことが、非物質的錬金術の深奥であるのなら。
その”幸福な結婚”に媒介が必ず必要であり、時に原形質よりも間をつなぐメディウムの探求に、錬金術師が血道を上げるのであれば。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

『男と女と男の子』という三人で物語が始まり、火で炙ったりばらばらになったり、様々に操作されていくこの物語は、巨大な錬金術実験、オカルト的”結婚”に至る魔術書として読むことも出来るのだな。
ほんと藤田先生、死ぬほど本読んでるな…俺なんかが指摘することじゃあないけども。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

追記　愛ゆえの憎悪も、信仰ゆえの冒涜も、綺麗なものが反転した時のハチャメチャぶりは本当に凄いな……ちょっとサド的な視座よね、ジュビロ先生の敬虔への視線。

からくり追記
フランシーヌの敬虔さは、誓いと貞淑を踏みにじられたことを”死ぬほど”気に病んでいる様子で描かれたけども、金銀兄弟はどうだったのか。
偉大な錬金術師が皆そうであったように、キリスト教に深く帰依し、人生の支えにしていたのだろうか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

彼らが錬金術の技術だけでなく哲学を求め、中国から西欧まで流れ着いたのだとしたら、神の御業を現世に映すアーツへの理解は、その根本原理への帰依なしでは成立し得ない。
とすれば、金をぶっ壊した告白が”教会”で行われたのは、彼の家族的・恋愛的自我だけでなく、宗教的自我も壊したのではないか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

そこで神への信仰、『きっと上手くいくから、笑顔で頑張ろう！』という希望がぶっ壊れちゃった結果として、後の『神も仏も恐れぬ所業』があるとすると、色々納得は行く。
あの夜金は、兄も憧れの人も信仰も、自分を支える全てを失ったのだ。それでも、最後に残った錬金術で復讐するしかない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

つくづくカルマの話だなぁ、と思う。
カルマから逃れたいからこそ人類文化の根底に宿った宗教。それへ強い意志すらも、カルマを増幅する触媒として機能してしまうところとか。
金もフランシーヌも、冷たい現実主義者ならここまで拗れなかったんだろうなぁ…ロマンスは残酷と、常に結びつくのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月14日

ゾンビランドサガ：第11話『世界にひとつだけの SAGA』感想ツイートまとめ

ゾンビランドサガを見る。
いつも前向き、目配り効いたみんなの真ん中。
さくらは生前の記憶を取り戻し、フランシュシュとしてのアイデンティティを失った。刻み込まれた不幸と非才が、ゾンビの魂を腐敗させていく。
死んでも夢は叶えられる、それは祝福か呪いか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そんな感じの最終話一個前、ずっしり重たい主人公掘り下げ回である。
とにかく生々しいお話で、時折このアニメらしいポップなコメディ調子は挟まるものの、学習性無力感というかなりどうにもならないものに、真っ向勝負を挑んできた。
ゾンビのように日々を生き延びる、僕らの身近な問題だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

先週の短いカットで予感させた悲劇を、今回のエピソードは丁寧に拡大する。
ゾンビとして蘇り、アイドル友情根性物語の主役として駆け抜けた11話が夢だったかのように、さくらは過去に縛られる。
記憶が無いこと、過去が白紙であることは、実は救済でもあったわけだ。https://t.co/75WVEOZtg9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

第1話を印象的にカットバックする今回は、さくらの内部で起こったリセットと、それ以外のメンバーの中で継続されている物語がぶつかり合うお話だ。
ここまで物語を見てしまった僕らは、白紙のさくらではなく、友情と自尊を掴み取ってきたメンバーの方に、基本足場がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

冒頭、怪しげな洋館で目覚めたえちゃんに襲われる。ゾンビである自分に気づかないまま、”外側”に居場所を求め、警官の銃弾で否定される。
第1話を再演する構図はしかし、同じ形をしても中身が間逆だ。
たえちゃんが”襲う”のではなく”心配”していることを、言葉の意味はわからずとも、僕らは知っている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかし思い出すことで忘れてしまったさくら、11話自分が主役として走った物語を手放してしまったさくらは、ゾンビの言葉を解読するコードを持っていない。
生前持っていな、人間であることのコード。頑張っても不幸が押しつぶしてくるコード。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

諦めを学び取って、それでも憧れが幾度も蘇ることに疲れ果ててしまったコード。
巽幸太郎が身勝手に、伝説のゾンビたちを復活させ、同じ立場の仲間で守ってやらなければ。あるいは記憶が白紙でなければこうなっていただろう、さくら『らしい』コード。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

ゾンビを疑似生者だと思えば、生前当たり前に頑張って、当たり前に報われなかった当たり前の負け犬の記憶には、正当性と唯一性がある。
体が腐っていないことを人間の条件とするならば、11話積み上げたゾンビの思い出、仲間との絆、アイドルとしての自己実現は、全て偽物である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかし新時代のゾンビ物語たるこのアニメは、生者/死者のシンプルな二元性を肯定はしない。死んでも夢は叶えられるのだ。それは絶望にも、希望にも満ちている、当たり前の人生と同じ色合いなのだ。
その上で、死人が蘇ることはない。絶対的な終わりの後に、続く物語。閉ざされた夢が、儚く消えない話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

その虚偽性をぶっ飛ばすために、さくらを『正常』な状態に一旦戻し、白紙の記憶にもう一度、フランシュシュとしての、アイドルとしての、ゾンビとしてのアイデンティティを書き直す。
様々な形、様々なやり方でそれを獲得していく物語だったゾンビランドサガを、もう一度問う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そのための記憶漂白である…とは分かるものの、やっぱり辛い。
僕は仲がいい…良くなっていくフランシュシュが好きだった。
生前のさくらが見ていたアイドルドキュメンタリーのように、接点のなかった人間同士がぶつかり、繋がっていく物語は、いつでも美しく楽しい。ベーシックで強い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

『美少女をゾンビが取り囲む』という、ジャンル的フェティッシュに満ちた客観的構図。
しかし恐怖と興奮を煽るには、パジャマは可愛すぎるし、布団は所帯じみてるし、ゾンビたちは困惑しすぎている。暖かな布団のホーム性から、綺麗にさくらが隔離されているのが巧い。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

ゾンビ仲間だったはずのさくらは記憶を取り戻し/喪失し、”人間”だったころの過去に縛られている。
第2話でサキちゃんが置かれていた状況…『全部終わってんだよ』に戻ってしまっている、というか。
世界でたった七人のゾンビ仲間を否定することは、ゾンビでありゾンビでしかない自分も否定することだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかし急に言われたところで、アイデンティティが取り戻せるわけではない。
愛ちゃんや純子ちゃんが栄光の頂点から叩き落とされ、佐賀の地方アイドルからやり直すことを受け入れるのに、何話かかったのか。
リリィが失われたパピィとの思い出を歌に昇華するまで、どんな歩みがあったのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

一話一話積み上げた物語の質量、そこに心を揺さぶられた記憶があればこそ、手に入れることで失った、前に進むことで後退したさくらの辛さは、しっかり身にしみる。
さくら自身は努力もし、その過程で実力も身につき、しかし結果だけが追いつかない。今回描かれる過去は、ありふれた哀しさに満ちている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

人生そんなモンと諦めるしかない、失敗の不幸。”フランシュシュ一号”としての成功体験をダンボールに詰め、仲間の説得を拒絶する壁に使うさくらを、身勝手と責める気にはならない。
何しろ記憶がない。ゾンビとして、アイドルとしてのアイデンティティがない。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

デスメタルのライブハウスで、ジジババ相手のフリースタイルで、ドラ鳥のCM撮影で、楽しいガタリンピックで、あるいは伝説のロックフェスで。
実際眼にし記憶に焼き付けられた成功が、今のさくらにはないのだ。ゾンビだからこそ、白紙だからこそ挑めたがむしゃらな挑戦は、嘘のように消えてしまった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

その辛さ、哀しさに共鳴しつつも、メンバーと同じ体験をまだ残している僕としては、まさおの真心が地面に落ちるシーンが、とても辛かった。
星は希望。ピーターパンであり続けようという決意。リリィの命。
それを第8話で見ていればこそ、星はザクリと突き刺さる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

あの時リリィを優しく抱擁してくれたさくらが、リリィの歩み寄りを拒絶する。しんどい。正直しんどい。
リリィはさくらに抱擁され、永遠の12才、性未分化なままのピーターパンな自分、ゾンビだからこその永遠を肯定してもらえたからこそ、落ちた星を掴み直せた。https://t.co/iRHs4vMeSz

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

パピィと”ゾンビ六号”という嘘で繋がり、夢で出会って、言えないはずのサヨナラとオカエリを言い直せた。
そこに心揺さぶられた視聴者ほど、星が叩き落とされるシーンはキツかったと思う。思うっつーか、俺はキツかったのホント！
なんでこんな事になってんだよ…マジ許さねぇからな運命！！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

フルアーマー姉さんの出陣（最終決戦のユニコーンガンダムみたいだったな…）も不発に終わり、ブランコで一人いじけるさくら。黄色い柵と錆びた玩具が、もう戻れない過去、現在への拒絶を上手く象徴する。
”外部”との接触点である公園は、毎回うまく使われるなぁ…。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

挑み、間違え、憧れ、失敗する。繰り返す挫折の中で、すっかり折れた心が蘇生したのは、アイドルのステージ…ではなく、ドキュメンタリーを見たからだった。
少数派レジスタンスとして活動してたさく愛派が、大将首を獲ったようにイキる証拠映像は、アイドルの”生”を描く
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

虚飾のない、当たり前の人生（と視聴者が受け取るよう、堅牢な意志と繊細な編集で組み上げられた”ノンフィクションという名前のフィクション”）を。
挫折と敗北から立ち上がる物語を、光の中で煌く星も自分と同じように、持っていることを。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

さくらは見て取って、憧れに向かって再度歩き直す。
どれだけ過酷な運命にもてあそばれても、憧れを杖に立ち上がってしまうことが、さくらの強さであり呪いでもあるのだろう。
その視線の先の映像が、愛個人ではなく、今はいなくなってしまったアイアンフリルの仲間を切り取っているのが、僕は好きだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そしてさくらの願いは、死によって切断される。
最も決定的なピリオド。夢など叶わない、全ては腐敗していくという、絶対的な証明。
それですら終わりではないと、ゾンビの生は告げている。全ての記憶も、身体も、社会的立場も、過去との繋がりを失ったとしても。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

蘇った夢は”アイドル”を求め、ステージで自分を肯定し、他者に笑顔を与える未来を求めてしまった。
溢れかえる魂のエネルギーが、一体どれだけ強く優しかったか。源さくらが何を果たしてきたか。
ここまでこのアニメを見た僕らは、さくらの代わりにちゃんと識っているはずだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかし同時に、ゾンビの身体は人間社会では異物であり、銃弾によって排斥される。
記憶が漂白され、物語が開始地点に戻る今回、ゾンビと社会、ゾンビ化した身体と自意識のギャップもまた、序盤のようにもう一度描かれる。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

巽のエンバーミング、少女たちの生き生きした再生、過去と現在をフラつきながら抱擁する光。
フランシュシュという仮面をかぶることで、芸事に身を置くことでなんとか人間の形を保っていた麻酔が、今回剥がれ落ちる。
ゾンビはやっぱり、ゾンビなのだ。https://t.co/mieVwgvWm8

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

この異物性に目を背けず、『ゾンビのさくらは銃で打たれる。他人を恐慌させる』というルールを守り続けているのは、誠実だと思う。
ゾンビでも他人が受け入れてくれるような、優しい世界ではないのだ。ゾンビむき出しの凶暴をメイクで覆い、歌と踊りで鈍らせて初めて、ゾンビは”アイドル”になれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

ただありのままの自分をぶつけても、世界は君を許容しない。
さくらを激しく苛んだ不幸と同じ、冷厳なルールがそこにはデデンと横たわっている。
揺らぐアイデンティティを世界と繋げ、腐り果てるのではなく生き通すのであれば、なんらかアダプターを通し、自分らしさの牙を丸くする必要がある。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

たとえそれが、自分が望んだものではなくとも、だ。
さくらが失敗し続けたのも、死んだのも、ゾンビになったのも。別にさくらが頼んだわけじゃない。
そんなふうにはなりたくなくても、必ず襲い来る理不尽。そのど真ん中にいればこそ、ゾンビだろうと生者だろうと、人は苦しむ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

一人で抱え込むには重たすぎる荷物を、誰が一緒に背負うのか。
メンバーの歩み寄りは拒絶されてしまった。憧れの愛ちゃんは”持ってる”側で、不動のセンターに相応しい闘争心を剥き出しにする。それは、今のさくらには強すぎる。
（そういう人ですら傷つき、不幸に踊らされるのは第7話で判る通り）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

憧れに身を乗り出せば、墜落して死んでしまうような。それでも身を乗り出して、星に手を伸ばさずにはいられないような。
そんな不安定な心を受け止めるのは、やっぱりこの男、巽幸太郎さんしかいないんじゃいッ！！
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

物語開始時はクソウザ爆笑エンジンとして、ゾンビが意志を取り戻してからは調整役と道化師、マジレス受け止め要因として。
獅子奮迅の活躍をしてきたスーパープロデューサーは、さくらを幼い遊具から、遠い過去から引っ張り上げて、黄色い結界を乗り越えてくる。今までどおり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

美しくも遠い、佐賀の夜景。今は見えない天橋立を、巽は夢と語る。
それはゾンビとしてのさくらが、辛いトラウマを喪失して蘇り、既に成功を積み重ねたフランシュシュ一号が、たしかに掴んだ光なのだと。
お前のステージ、俺がプロデュースした芸事は、ちゃんと人の心に届いたのだと。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

その事実は、まだゾンビ・アイデンティティを己のものにしていないさくらにとっては遠い。闇の中、曖昧と予感だけが漂っている状態だ。
だが確かに、さくらの心は幾度も砕け、蘇ってきた。結果には繋がらなくても、体力や学力、周囲を思いやる広い視野と、夢に向かって突き進む瞬発力を育んできた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

失敗や挫折は、恥ずかしいことじゃない。
愛ちゃんが堂々と言い放った強者の理論は、僕らには眩しすぎる。転んで、間違えて、恥ずかしくて、辛い。その痛みにしがみついて、前に進めない人たちのほうが、世界には遥かに多いだろう。
僕らはみんな、源さくらなのだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

それでも。それでもゾンビのように、夢は何度も生まれ変わる。
絶望の中ですべてを諦めて、希望の物語を白紙にしたまま生きていけるほど、人は強く（あるいは弱く）はない。
どんな状況でも、どんな形であっても、夢を見て生き続けることを諦めないことは、希望なのか、絶望なのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

巽の希望主義的ネクロマンシーは、さくらの中で死んでいた夢と本音を蘇らせ、いじけていた視線は前を向き始める。
身体が蘇ることがゾンビではなく、魂が蘇ることが徒花のネクロマンシーなのだとしたら。たしかに巽幸太郎は、大死霊魔術師であろう。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

さくらが本音を吐露し、絶望を振り回し中心を侵犯してくるレイアウト。
それはつまり、上手に、希望の方角にさくらが歩み寄り始めていることを意味する。
こんな事、他人に言ってもどうにもならない。
そうやって諦め閉じ込めていた思いを、巽にならぶつけても良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

むしろ叩きつけ、受け止めて欲しい。
そういう希望が蘇生したからこそ、さくらは感情をほとばしらせ、”ゾンビ一号”『らしい』熱量を、今回初めて見せる。
死んだとしても、人は生きたい。その矛盾した想いが何を生み出し、何に支えられてきたか。
僕らが見てきたものが、だんだん蘇ってくる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

どうにもならない持ってなさ、夢を抱いても砕かれてしまう現実の重さを呪詛に変え、巽に叩きつけるさくら。
これに対し、巽はシャイな道化師の仮面でも、言葉を選びぬいたイケメンPの顔でもなく、語彙力が蒸発した”巽幸太郎”で切り返す。
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

上手下手、感情をむき出しにする側と受け止める側が入れ替わる。
ここら辺の『中央』の意識、しっかりそれを乗り越えて感情や状況、関係性を”絵”で裏打ちするベーシックな技術の高さは、さすがの宇田鋼之介コンテ・演出か。
画面にモノを配置する時の意味論がブレないと、情動が素直に入るなヤッパ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

巽が興奮しきると語彙が蒸発するのは、純子の仕事放棄にキレた第6話を見ても判る。
好感度を上げすぎないよう、ウザいが有能なPであり続けるよう道化を演じたり。
メンバーの本気と迷妄に筋道を付け、地力で過去と現在と未来を抱擁できるよう、いい言葉をイケヴォでつぶやいたり。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そういう余裕がなくなった巽幸太郎が、僕はいっちょん好きである。
最後まで演じきれない泥臭い情熱を、彼もゾンビに、アイドルに、佐賀に持っているのだ。さくらのことが心の底から大事なのだ。
だからネクロマンサー兼プロデューサーとして、ゾンビアイドルに寄り添う決意を吠える言葉は、不器用だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

俺が持ってるから。持ってないお前の代わりに、夢を叩き潰され続けたお前の代わりに、俺が持ってるから。それを分けてやるから。
だから、大丈夫。
間違えて、恥ずかしくて、諦めてしまいたくて、それでも夢を見て走り直しても、大丈夫。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

それは源さくらに向けられると同時に、源さくらによく似た僕に、もしかしたらあなたに向けられた言葉だと思う。
巽は過去を描写されない。少女を蘇らせ、夢をケアし、ゾンビにメイクを施し、アイドルに試練とステージを与える機構として、非常に有効に機能している。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

人が死と絶望から、襲いかかる理不尽から蘇り、ゾンビだろーと充実した人生を送り直せる。
そういう甘っちょろい御伽噺を成立させるためには、強烈な調整装置がいる。それを担当するために、巽はなによりも人格を象徴する器官…”眼”を覆い隠して、過去を剥奪された装置に徹しようとする。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかしグラサンの奥から、ウザい道化芝居の裏から、宮野真守の熱演で溢れてくるものがある。
それは巽と同じようにシャイで優秀な製作者達が、このアニメに込めた願いそのものなのだと思う。
世の中理不尽で溢れてるけども、大丈夫。一度死んでも、ゾンビになれる。ゾンビになっても、幸せになれる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

人間が生来持つカルマ、様々な情勢の変化で厳しさを増す世界の中で、誰もが腐り果てている。
それでも。
世の中笑えて泣けて感動できて、たとえ嘘っぱちのアニメーションを通してでも、まだ生きれる望みを、俺も一緒に背負ってやるから。
生きたいという願いは、潰されても消えることは出来ないから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

巽の言葉は、劇中で必死に生きているさくらに本気で向き合った情熱であると同時に、そういうメッセージでもあるように、僕には感じられた。
優しいし、強いし、ありがたいな、と思った。
僕は愛ちゃんじゃない。愛ちゃんの強さと正しさに憧れつつ、不運や非才ですり潰され、諦めるさくらの側だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そんなさくらにも、仲間がいる。ゾンビとしてやってきたことを忘れてしまったとしても、必死にあがいた軌跡/奇跡は確かに刻まれている。
もし理不尽がさくらを苛むとしても、巽が、さくら自身が支えてきた仲間が、たどり着いたステージが、それを必ず打破する。
俺が持っているものを、君に渡すから。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

そういう巽の真心が、彼らしいウィットとシャイネスに包まれつつドカンとぶつけられた今回は、本当に良かった。
さくらの生々しい哀しさと諦め、その中で燃える憧れの熱量をしっかり追ったことで、そのどん詰まりを打破する巽の無茶苦茶が、綺麗な救済に見えた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

下げ調子で終わるところを、豪腕一発上向きに。ダウナーではなく、アッパーなヒキで次回に繋ぐところが、見事なストレスコントロールである。
ハードでシリアスな死の傷、アイデンティティの喪失を扱いつつも、笑いと感動で場を暖め、暗い調子を引きずりすぎない調整力は、やっぱり強いなぁ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

ゆうぎり姐さんとたえちゃんのオリジンを掘る余裕がなさそうなのはちょっと残念だけども、今まで明るく元気に話を引っ張ってきたさくらの影を彫り込むこと、これまでの物語を漂白することで意味を問い直す運びは、非常に見事だった。
今回出された問いに答えることで、作品全部を総括できるからな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

巽の起源、ネクロマンシーのロジックも語られないかなー、って感じだけども、意味深に描写された『New Jofuku』のやり取りを見ると、佐賀に残る徐福伝説と絡めてんのかな？
先週巽が飲んでた居酒屋も『徐福』だったし
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— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

しかしまぁ、そこはあくまで枝葉かな、という感じである。
僕的に大事なのはテーマとメッセージ、ドラマとキャラクター、熱量と質量。
それを盛り上げるためのゾンビであり、アイドルであり、佐賀である。そしてこのアニメは、選び取った題材に常に真摯で、熱かった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日

その熱量が最後まで維持され、源さくら個人の不幸、思い、過去にしっかり向かい合ってお話を終えること、それこそがこのアニメ全てを見事に語り切ることは、今回しっかり示唆できた。
飛ぶためには、まず屈むべし。しっかりタメて、次回最終回。マジで楽しみです！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年12月13日