月とライカと吸血姫：第3話『夜間飛行』感想ツイートまとめ

月とライカと吸血姫を見る。
イリナの高所恐怖症を克服するべく、レフは彼女を夜間飛行に誘い出す。
実験体と監視役が交流を深める中、着実に迫るXデイ。
政権中枢が複雑怪奇なうねりに踊り、国家の威信が死者を覆い隠す。
政治的大嵐は未だ、星の街の青春とは遠くに吹き荒れていた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

そんな感じの共産主義的宇宙英雄ロマンス、恋が夜を飛ぶ第3話である。
イリナちゃんの高所恐怖症をどうにかするべく、レフくんが空の先輩として色々頑張る…裏で、前政権の遺物が国家を腐らせる中、同志第一書紀が苛立ちを募らせるエピソードとなった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ここまで当たりの強いイリナちゃんに押され気味だったレフくんが、厳しい鍛錬をくぐり抜けた空軍エリートらしい頼もしさを押し出してきて、『おっ』と思わされるエピソードだった。
こういう気持ちいい『おっ』が適度にあると、見てる側もダレずにすんでありがたい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

落ちこぼれ宇宙飛行士と被差別吸血姫が真夜中の二人三脚、着実に実力を蓄える裏で、国家の腐敗がデロデロ染み出してきて、『ソヴィエトモデルのお話はこうじゃなくっちゃ！』みたいな、良くない興奮がモリモリ燃え上がる。
ボストーク号の飛行と、二度目のスターリン批判が行われたが同じく61年、と…

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

同志第一書記は躁病気質のアーパーかと思ってたら、思いの外慎重に状況を転がし、旧政権の残り滓をどう払拭しようか、藪睨みに思案してる曲者だった。
旧弊と秘密主義、困ったら粛清で全部燃やす病根が、しつこく染み渡った共和国政府。
そのトップがああいう姿勢なのは、青年たちにはいい傾向…なのか

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

モロKGBであることが示された”運送屋”を妙にコスってる事からも、人間が追い求めるべき真善美が素直に実現される舞台では、もちろんないのだろう。
第一書記が実験体の処刑提案を”保留”にしたのも、別に人権重点ってワケではなかろうし…。
500人死んだ大事件も、”不幸な事故”に塗り替えられる国家体制

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ただただもっと高い場所飛びたくて、宇宙英雄に志願した青年の志は、リヴァイアサンに食われるのか、はたまた一発入れるのか。
『スターリニズムの残骸 VS 今の価値観で応援したくなる”人間”』という、社会的Ifとして楽しみだしてるのは、この作品喰う上で正しい姿勢なのか…悩むぜ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

そこら辺はさておき。
過剰な想像力が恐怖に直結してるイリナちゃんへ、レフくんはその乗りこなし方を考え、差し出す。
知れば、怖くなくなる。
そのために、瞳を輝かせるような喜びを。
夜間飛行に至るまでの、内省的な画面作りとカタルシス。
（画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用） pic.twitter.com/gYtdTAJXlw

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

※訂正
×（画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用）
○（画像は"月とライカと吸血姫"第3話より引用）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

やっぱプロダクトデザインの良さが、作品の足場をしっかり固めている。
ジャズバー”ズヴィズダー”に掲げられたポスターの素朴さと、現実の宇宙開発との落差。
地べたを這いずり回っている時は鳴り響かないスウィングは、雲海を越えて虹かかる月を眼にした時、世界を満たしていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

人命も理想も、国家の威信の前には…それ以上に党派の点数稼ぎのためには、紙よりも軽い。
赤く重くのしかかる現実を越えて、視線を夜空に上げた時、レフくんは自分自身の経験から答えを導き出していく。
どれだけ地上が政治的汚濁に塗れていようとも、翼を手に入れて飛んだ空は、とても美しかった。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

その実感を伝えることで、イリナちゃんは豊かな想像力を墜落の運命ではなく、飛翔の可能性へと向ける事ができる。
思い込みで思念を腐らせるのではなく、新しい出会いによって解放させること。
知ることで、恐怖を超えていくこと。
これはレフくんが、”吸血鬼”と向き合うことにも繋がってると思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

知らないことが、差別と対立を生む。
そんな構造は、レフくんを当てこすってくる候補生たちからも透けて見えている。
ひたむきに空に向かって翼を伸ばす二人の歩みは、偏見の壁を超えてよりよい未来へと、想像力を上向きに出来るのか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ここらへんも、今後気になるところである。
非常にピュアに真っ直ぐに、（21世紀のスタンダードから見て）”正しい”生き方をしてる二人は、しかしこの時代、この状況においては少数派だ。
そんな二人だからこそ、人類初の宇宙飛行という難題、腐った社会構造、分厚い偏見に打ち勝つカタルシスも生まれる

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

その大事な一歩として、二人の夜間飛行は、赤い目に焼き付いた白い月は、きっと何かを成し得る。
そういう期待感があるシーンになっていたのは、とても良いと思う。
レフくんが空の先輩っぷりを発揮し、頼もしいのがやっぱええわな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

かくして万事順調…とはいかず、人間と鬼の視線は交わりきらない。
果てなく空を征く理想を語り、眩い光に顔を向けるレフの影で、そちらの方角を見ないイリナ。
実験機材に縛り付けられ、それでも不屈を叫ぶ時、闇の中赤く燃え上がる吸血鬼の瞳。
（画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用） pic.twitter.com/lOANZaN9C9

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

※訂正
×（画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用）
○（画像は"月とライカと吸血姫"第3話より引用）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

イリナは何故この計画に志願し、過酷な訓練に耐え続けるのか。
一体どんな過去と願いが、彼女を前に進めるのか。
夜間飛行の夢が終わり、故郷に背中を向ける理由はなにか。
レフくんがそこに疑念を抱いた辺りで、物語は次回へ続いていく。
まーロクでもないっぽいよね、吸血種の社会的扱いを思うとッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

近くて遠い二人の距離は、縮まっては離れ、判ったと思えば謎が覆い隠していく。
この個人的で人間的な追いかけっこの裏で、国家体制というデカいうねりが見え隠れし、時に飛沫を投げかけてくる。
作品全体のパースペクティブが、大体掴めてくる第三話だったかな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

第一書記が苦虫噛み潰しながら睨む粛清主義の残滓は、レフくんの個人的体験にも色濃く焼き付いてるわけで。
国家的大事業である有人宇宙飛行に関わる二人の想いも、人知を超えた巨大なものと無縁ではない。
それが分厚い雲を超えた夜間飛行になるか、政治的重力に引き寄せられて墜落するか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

若人二人が魂の交流を深めるクローズアップから、ちょっと離れた画角もまた、面白いなーと思える作品です。
ソ連ベースのいいトコ（個人的見解）、滲んできたなぁ…。
イリナちゃん可愛いんで、素直にモチベ知りたくなるしね。
いい感じの話が転がってきて、次回も楽しみ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日

ワッチャプリマジ!：第3話『 おしゃれ番長・ひな見参じゃん！』感想ツイートまとめ

ワッチャプリマジ! を見る。
プリマジのオシャレ番長・弥生ひなの正体を受けたまつりは、スポーツ強豪校・荒鷲学園に赴く。
共に過ごす内に見えてくる強さと輝きに、まつりの胸に湧き上がる思い。
最高のステージをやりきったひなに、みゃむが言い放ったまさかの一言とはッ！？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

そんな感じの顔面硬球全速力は当たり前、治安最悪女児アニメ・ワッチャプリマジ第三話である。
”可愛いやる夫”みるきで底を打ったかと思われていたゴミカス成分が、モブにも主役サイドにも溢れ出してきて、大変ワクワクしている。
コンプライアンスが大事な令和、こんな新人潰しが見れるなんて…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

まぁゲスい部分は今回の主役であるひな先輩には全く関係なく、というか当人が徹底的に”陽”であるからこそ、凡俗の”陰”を引きつけてしまう宿命まで感じる、なかなか因果なキャラであった。
なんもかんも、ひなちゃんの腹筋が6つに割れているのが悪い…（言いがかりぶっ放しマン）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

みるきがプリマジの底辺にのたくる泥を象徴するキャラならば、ひなは眩しく輝く光そのものであり。
二人合わせて、明暗入り交じるプリマジの奥行き、色んな感情を吸い込んでワッチャに変えていく機構のデカさを見せる構造なんだろうなー、という感じ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

後半緑川声のCEOと狼ボーイが語らっていたように、プリマジが二つの世界を跨いだ魔力発電機、巨大企業のダイナモになっているのは間違いないっぽくて。
となれば、生臭い感情もそれを越えていく輝きも、両方当然あるんだろうなー、と思う。
主役コンビも、綺麗なまつりとゲスいみゃむの取り合わせだし

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

属性を明暗に分けつつ、それぞれが影響し合いながら自分のマジを探して、突き進んでいく構図で話は進むんだと思う。
圧倒的なイケてる感をビカビカ放出するひな先輩は、そんな道で揺らぐことない一番星として、眩しく輝く立ち位置。
その強さは、今回しっかり示せたと思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

そのためにみゃむの魔力が突如暴走し、廊下がトレーニングマシーンになる強引さは、まぁそういう話と飲み込めッ！
マジで話の展開に必要な要素が、急に投げつけられて爆笑しちゃった。
圧倒的なフィジカルをまつりと視聴者にあそこで見せるの、絶対大事だからね。そのための地獄のベルトコンベアッ…！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

そんなひなちゃんも、自分の上を飛び越していったジェニファーに強いライバル心を持ち、完璧に思えるステージをやり遂げた後は汗だくで洗い息を継ぐ。
スケール、場慣れ、溢れる輝き。
何もかもまつりとは別格なステージングで、プリマジスタとしての”格”をちゃんと見せたのも。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

それがアクビしながら出てくるものではなく、自分の全てを燃やし尽くして生み出される輝きだと教えたのも、とても良かった。
楽屋での燃え尽きた姿を見せたことで、まつりが追うべき星としてのひなちゃんが完璧になった感がある。
何故努力するのか。何故誠実に生きるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

素手での硬球キャッチ含め、言葉ではなく生き様で示せるキャラがいるのは、作品を信頼するのに良い足場だ。
いや実際、モブの民度がド底辺過ぎてビックリだよ。
どんな優れた人を間近に置いてもクズはクズの選択をするし、輝きが必ずしも輝きを生まないつー世界のルールを、ダイレクトに教えられたね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

隣に立たないからこそ大きなあこがれを生むジェニファーと、直接言葉をかわしながら生き方を学んでいくひな。
スターと先輩、似てるけど違う二人が天に輝くことで、まつりのプリマジ道も強く導かれていく予感がある。
ワチャワチャするけど、モヤモヤじゃない。形にならない不思議なパワー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

それが主役の胸にしっかり宿ったのは、とっても良い”第3話”だと思います。
光属性メンバーはそういう道を行くとして、期待通り強きに媚び弱きを踏むスタンスだったプリマジダンゴムシ・みるきの逆転は、果たしてあるのか。
主役回を、楽しみに待ちたい。魅せてみろ…泥の中の花を…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

そして積み上げてきた光の炸裂を、全て台無しにするみゃむの尻軽。
ここまでさんざん、年上女が『みゃむちゃんだから頑張れる！』と主張してきたの、ガン無視での乗り換え宣言である。
いっそ清々しいが、あの猫特に何も考えずに突っ走るからな。ノリだけで生きる禽獣すぎる…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

やっぱみゃむにとって『魔法が使えるみゃむ』てのはアイデンティティの大事な所を支えているようで、バキバキに輝いてたひなに乗り換えるのは、それを早く取り戻したい焦りがあるんだと思う。
しかし人間と触れ合うのも、ステージで輝くのも、魔法を取り戻すための方便に過ぎないのだろうか？

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

まつりの人格に触れ合う中でしか得られない、確かな”マジ”があったのではないか？
ここらへんを問い直させるために、あえての分断…て話ではあると思うが、まぁゲスいよ。スゲーな禽獣…。
何が良くないって、チムムをひなから引っ剥がして、その立場を奪う形に何だよなぁコレ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

チムムが結構お調子乗りで幼い性格していることも、ひなの肩に落ち着くことでそれを制御できていることも、この第三話は描写してて。
溢れる人間力をチムムに分け与えることで、お互いの関係が安定してる所に、みゃむが土足で乗り込むワケじゃない。
それはねー…やっぱ良くない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

そういうヤバさを次回、離れて確認できると良いなー、という感じです。
まつりからみゃむへの感情が既にデカいので、半身と思い入れた年下少女がいなくなり、滅茶苦茶落ち込むズブズブ女が見れるわけでしょ？
潤うわぁ…（心の重心を他人に預け、アンバランスになってる様子の観察が好き）

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

あと橙真くんが爽やか幼馴染ボーイとして、まつりちゃんの小さなピンチに気を配り、色々手助けしてくれてる描写が細かく積み重ねられてて、大変好感です。
謎めいたウルフボーイと合わせて、甘酸っぱいロマンスも今後、物語を加速させて感じか。
唐突な裏切りは、いかな嵐を呼び込むか。次回も楽しみ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

トロピカル〜ジュ! プリキュア：第33話『Viva！ 10本立てDEトロピカれ！』感想ツイートまとめ

トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
まさかまさかのスーパーショート”11”連発、やりたい放題し放題のプリキュア史上初挑戦であった。
ネタの編み方としてはとにかくボケる、しょーもなかろうがボケてボケて重ねて畳み掛ける方向で、一回でも笑っちゃうと自然引き込まれていく、罪のない面白さ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

SDキャラはリミテッドな動かし方も可愛く、通常頭身のキャラを崩すというより、独自の表現としてちゃんと成り立っていた。
一番笑ったのは…やっぱプリキュア寿限無かな。
確かになげーんだよな技名…そこを膨らませるネタとして、落語投げてきたのはエスプリだなぁ、と思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

ショートギャグを数束ねて魅せるという、プリキュア初の試み。
いい感じの訳の解らなさ、ぶっ飛び感はありつつ、何をやりたいか迷走してる感じはなくて、楽しく当惑させられる三十分であった。
こういう試みは、今後も色々やってほしい。
映画に向けての、細かいハトキャ推しもグッド。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

こんだけトンチキなこと出来るのも、（おそらく意図して）大仰に構えないトロプリだから、つう部分はあると思う。
あとまわし一家がアイキャッチに飛び出しても、全く違和感ない…どころか待ってました感すら出てる、ホッコリゆるゆる超戦士物語。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

悲愴感と宿命を削った分、学園生活の小さな変化の積み重ね、溢れる笑顔と楽しい日々がたっぷり詰まったこのお話だから、こういうチャレンジが脱線にならず、ウキウキする寄り道になったかな。
どういう経緯でこの企画が板に乗ったのか、内側を知りたくもあるが…そのうちインタビューとか出んかな。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

やっぱこういうワチャワチャハチャメチャな事やらせると大地丙太郎という人は強く、伊達や酔狂で”すごいよマサルさん””ギャグマンガ日和”監督やってないな、と思った。
キュアくるるんの変身シーン見ても、別にコストは軽減されてない…つうかむしろ盛ってそうなのが、アホくて良い。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

というわけで、プリキュア史上まれに見るトンチキな大挑戦回でした。楽しくて良かったです。
次回は進路にまつわる大事なエピソード…と思ってたら、ムキムキくるるんとか変なロボとか、なんかヤバそうなのが次回予告にチラホラ…。
一体どうなるか、来週も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月17日

ルパン三世 PART6：第1話『シャーロック・ホームズ登場』感想ツイートまとめ

ルパン三世 PART6を見る。
謎の秘密結社”レイヴン”を巡る因縁に引き寄せられ、大泥棒と名探偵が邂逅する。
その傍らに寄り添う、一人の少女。
語られぬ過去は、一体どんな謎を秘めているのか。
かくして新たな幕開けは、爆炎の赤と秘密の黒を混ぜ合わせて始まる！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな感じのPART6第1話、ハードに謎めいて堂々の開幕である。
PART4がイタリア、PART5がフランス。
国際色豊かに続いてきたシリーズ、次の舞台はイギリスロンドン。
メインキャストに躍り出るのは、すっかり煤けた名探偵とその娘…あるいは助手見習い、である。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

お話はかなりどっしり、腰を落として滑り出す。
ルパン一味はあくまで、複雑怪奇で暴力的な状況の1アクターとして描かれ、華麗にキャスティングボードを握る主役らしさは、やや薄い。
スコットランド・ヤード、MI6、謎の組織”レイヴン”…複数の組織が、銃弾で奏でるロンドン・カデンツァ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

その全容は見えきらないが、1枚の絵画を巡ってロンドンが炎に包まれる、巨大な陰謀と秘密が眠っているのは、どうやら間違いない。
そこにおなじみルパン一味と、その敵対者たる名探偵がどう絡んでくるのか。
健気な新ヒロインは、怪盗紳士とどんな因縁があるのか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

色々気になるポイントが多い、豪快な滑り出しであった。
正直初回からこんなにバンバン鉄砲撃って、ガンガンカーチェイスして、ボーボー街燃やすと思ってなかった。
なのでハードアクション＆サスペンス路線で来たのは、嬉しい不意打ちである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

新たな物語の箱庭となるロンドンの書き方は、写実と絵画調のちょうど中間といった感じ。
怪盗紳士がド派手なアクションをキメても、スルッと入ってくる不思議な異国感と、人々の生活が宿る実在感が同居して、なかなか面白いバランスだ。
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/AelZD5STnc

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

国際色豊かな活躍をするルパンの物語が、旅情をどう背景に宿すかは毎シリーズとても楽しみで、PART6が選び取ったロンドンの描線、生み出す独自のリアリティは、第1話にしてなかなかいい塩梅だ。
もうちょいフォトリアルに寄せてくるかとも思っていたが、謎の多いテイストにこの絵画調、しっくり来る。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

現代版ホームズの拡張された脳髄である、資料だらけの私室。
リリィとの生活ですっかり鈍ったらしい名探偵の頭脳が、未だ健在であることをパッと見で解らせる、とても良い演出だと思う。
ジェットコースターのように状況が転がり、謎が謎を呼ぶ、スピーディな第一話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

強い絵をグッと差し込んで、キャラと物語の印象を手際よく演出してくる手腕は、なかなかに冴えていた。
ロンドン市街を駆け回るカーチェイスを通じて、町のキャラクターが何となく、見てる側に伝わってくるのも良かったな。
ホームズとタクシーの描き方とか、すごく好き。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

さて物語は強敵アルベールが工作を見破られ、肩を撃ち抜かれる所から始まる。
今回のライバルたるホームズと、彼に協力するMI6の一筋縄でいかない実力を、視聴者に教えるために必要な血…と言ったところか。
彼がわざわざ現場に出るほど、”レイヴン”を巡る謀略はスケールがデカい…のか。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そこに興味を引っ張る意味でも、なかなか熱いホットスタートかと思う。
チラッと顔見世した八咫くんと合わせて、PART5以来のメンバーが顔を出してくれると、作品の連続性、新たな息吹が元気に呼吸してる楽しさを感じれて、なかなかに嬉しい。
アルベールのリベンジも、今後期待したい所ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

かくして物語はカーチェイスあり銃撃戦あり、爆殺ありのド派手な展開を見せていく。
MI6が繰り出してきた、あからさまに人口密集地で使っちゃいけないバカヴィークル、ハッタリ効いてて大変良い。
超強そうなやり過ぎ車両が、ゴエちゃんに寸断されるの最高
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/NBjYTzizYd

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

バラバラに切り裂かれた鋼鉄の中を、上半分がぶっ飛んだフィアットがくぐり抜けていくスペクタクル。
”ミステリ”を前面に押し出した事前のイメージが、濃厚なアクション＆サスペンスで上書きされていく心地よさ。
もうちょい静的なスタートかと思ってたのを、ここで気持ちよくぶん殴られた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

事件の鍵を握る絵画が両断され、一旦水入り…した後、さらなるハードアクション。
この二段ロケットのスピード感が、PART6のご挨拶としてなかなか鮮烈だった。
正直一息入れて、『こっからBPM落としてヒキかなー…』と油断してたから、ガンガンに煮やしてきてビックリ…その後嬉しくなっちゃったね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

同時に活劇に休符を入れたことで、物語を牽引する謎を落ち着いてみせる場面も作れていた。
ホームズの現状と、そこに寄り添う健気なリリィ。
再び、状況が発火する。
危険な現場から彼女を遠ざけんと名探偵が仕組んだ、優しい嘘
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/7oboDsKvls

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

一連のシーケンスで、リリィとホームズの関係性、現状の問題、ヒロインの聡明と健気はよく描かれていたと思う。
白紙の手紙を突きつけられて、青ざめた後真っ赤になって走り出す演出は、セリフがないからこそ雄弁な、とても良いシーンだった。リリィちゃん可愛いねぇ…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

名探偵は三年前に”なにか”があって、リリィを庇護する立場になった。
彼女との生活を続けるために興味のない仕事もこなし、それを少女は気に病んでいる。
そこに何らかの形で怪盗紳士も絡んでいることが、爆炎の邂逅によってジワリ、あぶり出しにされていく
（画像は"ルパン三世 PART6"第1話より引用） pic.twitter.com/L4Z7EMCQq0

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ルパンとホームズに、そしてリリィにどんな因縁があるのか。
炎が封印を解いた少女の記憶には、何が刻まれているのか。
ド派手な爆炎すら軽やかに乗りこなす、空飛ぶ大泥棒と、誰かを守るために地面に足を付けた名探偵の対比。
過去が描かれる時が、今から楽しみである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

いやだって、ワトソンの名前を持つホームズの娘を挟んで、煤けた名探偵とご存知怪盗紳士が対峙してる構図、問答無用で面白いでしょ。
キャラ配置の骨格段階から匂い立つ面白さを、しっかり引き出してシリーズの口火を切ったのは、凄く良いな、と思う。何が始まるんだろうなー。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

複数組織が各々の思惑を抱き、周辺被害を気にせず暴れまくる、BPMの早いスタート。
あえてルパン一味を、高速回転する状況を見据える視点の一つに遠ざけたことで、話の真ん中にある謎のスケール感、そこから生まれる期待感が、上手く浮き彫りになったとも思う。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

現状見えてる伏せ札は、ホームズの過去と謎の組織”レイヴン”。
こことルパンをどう繋いで、どんな物語を編んでいくか。
ここから紡がれていくPART6が、硝煙と炎、追憶と謀略に彩られた活劇となる予感が、しっかり届く第1話でした。
いやー、ロンドンよく燃えるなぁ…景気が良くて良いわい。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

シリーズヒロインとなるだろうリリィちゃんが、大変好感の持てるキャラだとちゃんと解ったのも、非常にグッド。
聡明で健気なんだけども、感情表現豊か。
チラ見せされる謎でキャラの奥行きもあって、凄くいい感じだ。
ホームズの助手つう立場は、ルパン一味の愛弟子だったアミちゃんと面白い対比ね。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

比較的引いたカメラでロンドンのルパンを描くことで、ニヒルにお宝を追い銃弾を掻い潜る犯罪ビジネスマンとしての顔も際立って、そこも良かったですね。
やや苦味が強調された描画が最後、リリィを視界に捉えて追憶に甘く滲んで、さてその理由は…？
うーむ、続きがとても気になる。次回も楽しみッ！

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ブルーピリオド：第3話『予備校・デビュー・オブ・ザ・デッド』感想ツイートまとめ

ブルーピリオドを見る。
三年生になった八虎と龍二は、美術予備校へと通い出す。
奇人、変人、そして天才。
新たな出会いは焦りと衝撃をもたらし、過ぎゆく時は鏨のように八虎を鍛えていく。
凡人で、何が好きかも解らず、レベルの低い自分。
思い知らされながら、藻掻く日々に入り交じる、陰りと光明

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな感じの群青色の青春絵巻、新章開幕の第3話である。
予備校という新しい環境で、アクの強い連中と付き合っていく中で八虎がどんな衝撃を受け、凹んで迷って何かを掴み、まーた迷って足掻く過程が、独特のテンポで描かれていた。
先の見えぬ影に投げ込まれたような絶望と、突如開ける視界。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

閉塞する自意識と、出会いによって爆破されていく道のり。
青く青く、絞れば青汁が取れるほどに真っ青な時代を共に進んでいく、悪友であり戦友でもある、堀の深い顔をした青年たち。
八虎のモノローグを色濃く拾いながら、そんな群像が何処か爽やかに、スケッチされていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

チェック柄着た一見冴えないボーイ、世田助くんが初めてやったスケッチは圧倒的で、八虎は真っ黒な闇の中に投げ込まれる。
ぐうの音もひり出せないほどに、圧倒的な実力。
相手を神様の粋に押し込めて、自分のプライドを守りたくなる才能。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/WUMpqt5FEI

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そうして凹めている事自体が、貪欲でポジティブな心の現れだと、龍二は蹴りと一緒に八虎に教える。
通過していく車のヘッドライトを上手く使って、どん詰まりだった八虎の心が何で解放され、人との出会いが何を生み出すかが、上手くライトアップされていく演出だ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

絵を描く前、優等生ノルマをこなせてしまっていた時代は遠巻きに見つめる珍獣だった龍二とは、絵に向き合う真摯さ、美術部という場を共有する仲間として、既に何かが通じている。
合わないな、嫌だな、という第一印象をひょいと越えて、手を差し伸べてしまう奇妙な引力。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それは八虎の周囲にある恒星系を、不可思議に動かす見えない縁だ。
自分にだけ青く見えた渋谷を肯定してもらって、そのとおりに描いて理解ってもらったときから、八虎は出会いやメッセージに対して、感受性を開いた。
他人に対して閉じて守るのではなく、窓を開けて飛び出す生き方に踏み出した。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

龍二もそれを感じ取ったから、凸凹奇妙に噛み合わない仲間が凹んでいる時に、風と光を蹴り渡したのだろう。
前回母の肖像を描くことで、その手の傷に気付いたように。
この藻の語りの登場人物は、描くことで窓を開けて、外に繋がり内側に何かを取り込んでいく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

賢いからこそ八虎は様々なことを考え、それはたった一人でいれば引力に惹かれて落下し、容易に腐敗していく。
絵画と出会い、導かれて出逢った誰かに横っ面を張り飛ばされることで、八虎の世界は換気をして、思念が腐敗していくのを避けていける。
暗闇に光が差し込み、風が吹く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

豪快で声がデカい大葉先生、おさげの美術変態・橋田。
予備校での日々が流れる中で、八虎は色んな人と出会い、新しい可能性を探っていく。
自分のレベルの低さを思い知らされ、そこからどう抜け出せばいいか迷いつつ、一つ、また一つ、新しい窓を開けていく。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/onekPB5yD4

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

美術鑑賞を食事に例える見巧者・橋田の言葉…それを届けてくれる出会いに助けられて、八虎はもう一回、影から抜けていく。
『絵はこう見なければいけない』という思い込み。
美術と縁遠かった、経験値の少なさ。
求められるまま不良も優等生もこなせてしまう、空白の自我。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

本気で描くことは小手先の技術ではなく、否応なく人格をキャンバスに引っ張り出される。
広い美術館でどう過ごしたものか迷い、自分の空っぽさを思い知るのは、八虎が本気で描こうと藻掻き、世界と自意識が擦れ生まれた火花が、その周囲を焼いているからだ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それは熱いし痛い経験だが、むき出しの生が自分に迫ってくる体験を忘れられないから…青い渋谷と天使のウィンクに呪われたから、八虎はお母さんの信頼を勝ち取って、予備校にも通っている。
そういう真っ直ぐさは、躊躇いつつも世田助に接近し、その面倒くさい人格を超えて触れ合う試みにも現れている

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

八虎が余計なおせっかいをして、世田助くんと美術館に行こうと思ったから、そこに橋田も同行した。
そうして生まれた縁が、凝り固まった美術の味方を爆破し、絵が瞳の中に入ってくる経験…”好き”という光が目の前に広がる瞬間を、八虎に届ける。
何かを求めて無様に手を伸ばす行為は、思わず報われる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

しかしそれは、誰かが求めるレールの上を走れば必ず与えられる報酬ではなく、どんな形で実を結ぶかは判らない。
だからこそ、様々なものに窓を開き、全てをかっ喰らって自分の舌で判断する。
体験で”好き”を肥やして、それを絵筆にフィードバックしていく。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

『”好き”を探せ』という大葉先生の指導は非常に的確で、学び導かれる子供たちだけでなく、教え広げる大人の書き方も、優れた作品である。
佐伯先生が夏休みの課題として、スクラップブックを含めていたのも、興味領域を広げ自分を深堀りする、インプットの入れ物を育てる一環と言えるだろう。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

ぶち壊されて、繋がって広がる。
そんな体験は必ずしも美術には直結しておらず、泣きじゃくる友人の隣に煙草を差し出す、気まずく重たい空気が生み出したりもする。
八虎が探していた”好き”を、龍二は世界から唯一自分を守ってくれる鎧に定めようとする。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/hJ9ZXARFE7

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

都合のいい檻の中に存在を閉じ込め、反りが合わなければ、優しさを装って跳ね除ける。
男でも女でもないフェアリーとして、己のシビアな人生には関係しない、浮遊した便利な王子様。
”好き”を追えば普通から遊離するしかない青年が、魂の奥底から絞り出すうめき声。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

八虎はそこに、気の利いた答えを差し出すことは出来ない。
芸術の輩としてだけでなく、人間としてレベルの低い自分を思い知らされて、深く沈んでいくだけだ。
でもそこで、解ったフリができない…龍二を相手にそういう事をしないように変わった彼の誠実が、やっぱり僕は好きである。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

誰かが好き、何かが好き。
十人十色の願望が、龍二を守り泣かせる。
好きを貫こうとすることで、女子に扉越しワーキャーだけ言われて、人間味のある赤い血を誰にも受け止めてもらえない、妖精扱いに遠ざけられる。
否。
龍二が絞り出した血潮を、ただ隣り合って聞いてくれる青年は、確かに一人いた。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それが、自分の非才を思い知らされる出会いに凹んでいた青年に、蹴りと一緒に元気をくれた恩返しなのか。
そういうシンプルな貸し借りで、計算しきれない奇妙な人間模様の、一つのスケッチか。
泣きじゃくっていた龍二は、ケロリと舌を出して新しい恋に踊る。
軽妙に、王子様のように、妖精のように。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そうやって、シリアスに傷ついていない自分を、グチャグチャの感情の奥底から引っ張り出して強気に演じる彼が、僕は好きだ。
そうせざるを得ないほどに、包囲され追い込まれ、それでも”好き”を捨てないために、殺されないために戦い続けている彼が。
その深奥に迫るのは、まだ先のお話。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

明瞭に順位がつく、夏休みのコンクール。
八虎の天使が、下から五番目だった厳しい場所。
不安に突き動かされ、あるいは恍惚に震えながら、青年たちはキャンバスに向かう。
眉間を苦しくしかめながら、パクリ上等と足掻き、描き、歯を食いしばる。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/bM0fKzBuyV

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

パレットナイフに押し付けられた赤…そこに籠もる過剰な力が、答えが見えないまま藻掻く八虎の”今”を上手く象徴していて、好きなクローズアップだ。
それは何かをもたらすかも知れないし、無駄に終わるかも知れない。
努力と運命がどこに至るかなんて誰にも判らないまま、それでも足掻く。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

その先にしか道がないと、頭で理解れるくらいには八虎は賢く、だからこそその檻をぶっ壊さないと、先には進みきれない。
ここら辺の資質と課題も、大葉先生は絵と人間観察、対話を通じてよく見抜いている。
越えられるよう、適切に方向づけする技量も高い。いい先生だよなーホント。好きだわ。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

自分ではピンとこない、努力の結晶。
藻掻いているはずなのに何も掴めないなら、誰かに引っ張り上げて貰うしかない。
例えば、畏れつつ憧れている、隣の席の天才とか。
そんな甘えたSOSを、世田助は全力で蹴り飛ばす。
（画像は"ブルーピリオド"第3話より引用） pic.twitter.com/zdXzDeFQEU

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

芸の表面を掬っただけの、真実を欠片も見抜いていないミメーシス。
真向向き合っての言葉は、ナイフよりも鋭く八虎に突き刺さる。
それがどん詰まりを切開する青春手術となるか、全てを終わらせる致命打となるか。
出会いも変化も、望んだ通りになんざ転がっちゃくれない。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

それでも八虎は七転八倒藻掻きまくって、誰かに出会い、何かに己を開き、誰かの手を取っていくのだ。
出来る、やるべきと信じたことに、必死に突き進んで大間違いして、思わぬヒントに突き刺されて、たどり着いたと思ったら足を踏み外し、そこを踏みしめて這い上がる。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

そんな本気の足掻きが、実は八虎以外の誰かにぶつかって、何かを壊し何かを変えてもいると、静かにスケッチする回でした。
とにかく花守ゆみりが圧倒的で、フェアリックな女装男子…というラベルを引っ剥がして滲む魂の血の色が、重たくも爽やかでした。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

今後もこんな風にゴツゴツ、他人と表現と自分と世界にぶつかり、擦り傷だらけに転がっていく青春模様。
まずは世田助に爆弾投げつけられた八虎が、どう壊れてどう治るか…なかなかの正念場です。
ホントよたクン、戯れが出来ない抜身のナイフ人間のまま突っ走るからな…。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日

小器用に自分を抑え込んで、人間関係の海を泳げてしまう八虎が否応なく惹かれる天才がこういう造形なのも、良い対比だよなー。
反りが合わないからこそ擦れあい、燃え盛る青春の火花。
それが照らす群像は、まだまだ泥濘を必死に走る。
先に待つのは何なのか、次回も楽しみです。

— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月16日